ミスタープロスペクター系の特徴

ひとこと説明

世界的に見ると第二主流の位置づけになるのが、このミスタープロスペクター系です。
持ち味はズバリ、すげえ、速え〜。

ミスタープロスペクター

『1970年、USA産。通称ミスプロ。
現役時は14戦7勝。一般戦の勝ち星しかないが、伝説の22戦1敗馬・ネイティヴダンサーを祖父に持ち、その仔・レイズアネイティヴが4戦全勝ながら、2歳時に古馬一線級の快時計を連発して、もう走れなくなってしまったという逸話を残した特異な血脈の継承者らしく、只ならぬ爆発力を秘めたまま、種牡馬になった。』

初期の傑作・コンキスタドールシエロ<ベルモントS大差勝ち>、快速馬・ガルチ<ブリーダーズCスプリント>、関口房朗氏の持ち馬・フサイチペガサス<ケンタッキーダービー>、近年快速馬を出す系統として進化中のゴーンウェスト系など、ミスタープロスペクター(以後ミスプロ)の末裔は、祖父や父が完遂できなかった仕事をまとめて一代で、全てこなしてしまったような迫力があります。
豊かなスピードとネイティヴダンサー譲りの勝負強さ、ネイティヴダンサーがノーザンダンサーの母の父として登場する背景などと合わせて、近50年の競馬界にとって、なくてはならない存在となって行きました。

日本では、フォーティナイナーの系統、ウッドマンの系統も現存していますが、重要度や必要性の面でも、この3系統への理解が重要となってきます。

キングマンボ

前述、ノーザンダンサー直仔・ヌレイエフ産駒のミエスクの長男で、英仏でマイルGⅠを3勝。
しかし、初年度産駒からUSA産で日本調教馬のエルコンドルパサーが、日仏でGⅠを制し、凱旋門賞で逃げ粘って2着に入ると、その類まれな繁殖能力がクローズアップされていきます。
例によって、北米発信で芝向きの才能をノーザンダンサー系のように続々送り込みましたが、またしても、キングマンボの仔を宿したマンファスが日本に来たことで生まれたキングカメハメハが、競走馬としてエルコンドルパサーのスピードを上回り、継承する能力もかなりのものがあったことで、サンデーサイレンス時代の隙間を埋め合わせ、キングマンボ系からキングカメハメハ以外にも3頭、その産駒から2頭のダービー馬が登場。

意外にも、この日本に適したダートも難なくこなせる万能型としてのステータスを勝ち獲ったのです。
サンデーサイレンスに隠れていますが、キングマンボの系統も日本発信へと変容しつつあります。
キングカメハメハの傑作・ロードカナロアとその娘アーモンドアイが紡ぐ物語は、ずっと未来にも引き継がれていくことでしょう。

ファピアノ

今最も、それでいて、影なる主役となっているのがこの系統。
読み方が難しいので、敢えてアルファベット表記にしますが、ファピアノ直系・American Pharoah<アメリカンフェイロー/フェロー/ファラオ(Pharaoh)が正確>という天才が、37年振りに米三冠馬になってから、ファピアノ直仔・アンブライドルド<ケンタッキーダービー>から、アメリカンフェイローはエンパイアメーカーを経て、アンブライドルズソングを母父に持つディープインパクト産駒のコントレイルが絶賛爆走中と、タイプがまるで違う馬が、平気で登場する万能性を示しています。

直系はダート専門ですが、ファピアノの血はキングマンボ以上に、芝向きの他系統との親和性があって、コントレイルにもその影響が出ていると思われます。
アメリカンフェイローがストームキャットの血を持っていて、コントレイルもそれは同じ。
その産駒のカフェファラオがコントレイルと同期なのですから、今後の戦績に関わらず、未来は見えているのかもしれません。

ドバイミレニアム

直系があまり代を重ねられていないシーキングザゴールドが、珍しく、英国産馬として育ったドバイミレニアムの登場で、立場が「あの仔のパパ」となったのはもう20年も前の話。
欧州圏の芝マイル〜中距離路線とドバイのダート2戦で、世界最高レベルのパフォーマンスで永遠の存在となりました。
順調にドバウィを初年度から送り出すも、その時もう、彼はこの世にはなく。
しかし、ここからドバイミレニアムが勝てなかったダービー<英>以外の主要競走を、息仔の産駒がどんどん勝っていくのでした。
日本にも馴染みのある系統ですが、ジャイアンツコーズウェイ以上に、日本向きではないキャラクターが出来つつあります。
マクフィという孫が日本にいますが、もう若くはないので、奇跡の再現を期待するのは難しいかもしれません。

ヘイロー・ノーザンダンサーの近親・マキャヴェリアンを除くと、後はダート向きと区分できます。
ミスタープロスペクターは概ねダート指向に出やすいので、あくまで、芝向きは多くはないと理解した方がいいでしょう。