有馬記念 予想
目次
戦後からちょっとして、中山競馬場では春に皐月賞が行われるのに対し、春も行われる中山大障害が暮れにも施行されるものの、他に名物競走となるものがないと、
後の有馬頼寧・JRA理事長が実現したファン投票により出走馬の選定を行う「中山グランプリ」が、当初のレース名でした。
ところが、1956年に行われた第1回のみの呼称となったのは、有馬理事長が急逝したため。
国営競馬時代から、中央競馬発足にかけての激動の時代を支えた理事長の名は、春の初代理事長・安田伊左衛門の名を冠した安田記念と、このレースとの2つのみ、
現在までもしっかりと残され、有馬記念のレースコンセプトは、似たような境遇にあった阪神競馬場の宝塚記念創設にも受け継がれていくのです。
歴代の三冠馬
・シンザン 1965年
・シンボリルドルフ 1984年&1985年連覇
・ナリタブライアン 1994年
・ディープインパクト 2006年
・オルフェーヴル 2011年&2013年制覇
・ジェンティルドンナ 2014年
主な年度代表馬受賞の勝ち馬
・スピードシンボリ 1969年&1970年連覇
・トウショウボーイ 1976年
・オグリキャップ 1988年&1990年制覇
・テイエムオペラオー 2000年
・シンボリクリスエス 2002年&2003年連覇
・キタサンブラック 2017年
有馬記念の特徴
世界のチャンピオン競走と位置付けられるレースの中でも、最強レベルのトリッキーコース。
コーナー6つというより、1200Mのスタート地点よりわずかに3コーナー寄りで、そこからゴール板まで走り、内回りコースをあと1周してゴールという構造から、
勝ちタイムやレース展開が、メンバーの脚質によりバラバラとなって、ほとんどの年で予想外の展開になるのが最大の特徴です。
数々の名馬が、そのトラップにハマり、年度代表馬選出の足かせとなってきた歴史があります。
有馬記念の歴代優勝馬
1着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 2着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 3着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | ヴィクトワールピサ | 牡3 | 55 | M.デムーロ | 2 | ジャパンC③ | ネオユニヴァース | ブエナビスタ | 牝4 | 55 | C.スミヨン | 1 | ジャパンC② | スペシャルウィーク | トゥザグローリー | 牡3 | 55 | C.ウィリアムズ | 14 | 中日新聞杯① | キングカメハメハ | ||
2011年 | オルフェーヴル | 牡3 | 55 | 池添謙一 | 1 | 菊花賞① | ステイゴールド | エイシンフラッシュ | 牝4 | 57 | C.ルメール | 7 | ジャパンC⑧ | キングズベスト | トゥザグローリー | 牡4 | 57 | 福永祐一 | 9 | ジャパンC⑪ | キングカメハメハ | ||
2012年 | ゴールドシップ | 牡3 | 55 | 内田博幸 | 1 | 菊花賞① | ステイゴールド | オーシャンブルー | 牝4 | 57 | C.ルメール | 10 | 金鯱賞① | ステイゴールド | ルーラーシップ | 牡5 | 57 | C.ウィリアムズ | 2 | ジャパンC③ | キングカメハメハ | ||
2013年 | オルフェーヴル | 牡5 | 57 | 池添謙一 | 1 | 凱旋門賞「2」 | ステイゴールド | ウインバリアシオン | 牝4 | 57 | 岩田康誠 | 4 | 金鯱賞③ | ハーツクライ | ゴールドシップ | 牡4 | 57 | R.ムーア | 2 | ジャパンC⑮ | ステイゴールド | ||
2014年 | ジェンティルドンナ | 牡5 | 55 | 戸崎圭太 | 4 | ジャパンC④ | ディープインパクト | トゥザワールド | 牡3 | 55 | W.ビュイック | 9 | 菊花賞⑯ | キングカメハメハ | ゴールドシップ | 牡4 | 57 | 岩田康誠 | 1 | 凱旋門賞⑬ | ステイゴールド | ||
2015年 | ゴールドアクター | 牡4 | 57 | 吉田隼人 | 8 | アルゼンチン共和国杯「1」 | スクリーンヒーロー | サウンズオブアース | 牡4 | 57 | M.デムーロ | 5 | ジャパンC⑤ | ネオユニヴァース | キタサンブラック | 牡3 | 55 | 横山典弘 | 4 | 菊花賞① | ブラックタイド | ||
2016年 | サトノダイヤモンド | 牡3 | 55 | C.ルメール | 1 | 菊花賞① | ディープインパクト | キタサンブラック | 牡5 | 57 | 武豊 | 2 | ジャパンC① | ブラックタイド | ゴールドアクター | 牡5 | 57 | 吉田隼人 | 3 | ジャパンC④ | スクリーンヒーロー | ||
2017年 | キタサンブラック | 牡5 | 57 | 武豊 | 1 | ジャパンC③ | ブラックタイド | クイーンズリング | 牡5 | 55 | C.ルメール | 8 | エリザベス女王杯⑦ | マンハッタンカフェ | シュヴァルグラン | 牡5 | 57 | H.ボウマン | 3 | ジャパンC① | ハーツクライ | ||
<2018年> | ブラストワンピース | 牡3 | 55 | 池添謙一 | 3 | 菊花賞④ | ハービンジャー | レイデオロ | 牡4 | 57 | C.ルメール | 1 | 天皇賞(秋)① | キングカメハメハ | シュヴァルグラン | 牡6 | 57 | H.ボウマン | 9 | ジャパンC④ | ハーツクライ | ||
2019年 | リスグラシュー | 牝5 | 55 | D.レーン | 2 | コックスプレート<1> | ハーツクライ | サートゥルナーリア | 牡3 | 55 | C.スミヨン | 3 | 天皇賞(秋)⑦ | ロードカナロア | ワールドプレミア | 牡3 | 55 | 武豊 | 4 | 菊花賞① | ディープインパクト |
あと1週間で斤量設定が大きく変更される状況で、GⅠに実力者が集まって、3歳馬にだけ恩恵が与えられるという仕組み。
どこで切り取って10年表を作っても、だいたいは3勝か4勝しているので、それそのものは自然な出来事と言えます。
ただ、それでもルールはあって、古馬と対戦済みの馬が半数以上いるのに、世代の好走にあまり貢献していない傾向からも、王道を進んだクラシック組の馬から狙うのがいいのでしょう。
それでも、古馬重賞好走馬への逆張りという穴狙いも、このレースならアリです。
有馬記念 過去10年のデータベース
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 5回 | 2回 | 1回 | 2回 | 50% | 70% | 80% |
3歳馬 | 5回 | 2回 | 3回 | 16回 | 19% | 27% | 38% |
C.ルメール<通算> | 2回 | 4回 | 0回 | 7回 | 15% | 46% | 46% |
ジャパンカップ1着 | 0回 | 1回 | 1回 | 3回 | 0% | 20% | 40% |
ジャパンカップ2着 | 0回 | 1回 | 0回 | 5回 | 0% | 17% | 17% |
ジャパンカップ3着 | 2回 | 0回 | 1回 | 4回 | 29% | 29% | 43% |
ジャパンカップ4~5着 | 1回 | 1回 | 2回 | 4回 | 13% | 25% | 50% |
ジャパンカップ6~9着 | 0回 | 1回 | 0回 | 17回 | 0% | 6% | 6% |
ジャパンカップ10着以下 | 0回 | 0回 | 2回 | 14回 | 0% | 0% | 13% |
秋天から直行 | 0回 | 2回 | 0回 | 12回 | 0% | 14% | 14% |
前走GⅡ | 1回 | 2回 | 0回 | 26回 | 3% | 10% | 10% |
古馬対戦済みの3歳牡馬 | 2回 | 1回 | 1回 | 13回 | 12% | 18% | 24% |
前走国外GⅠ | 2回 | 0回 | 1回 | 6回 | 22% | 22% | 33% |
このデータの注目点は、ハーツクライによるディープ斬りの恩恵に与った単勝回収率ではなく、それ以上の数字を叩き出す複勝回収率の異常さです。
1番人気に多く乗る近年の傾向も、それを飛ばしたものも入れて、オールキャリアで160%となると、昨年の一件で見切りをつけるなど愚の骨頂。
買うしかないのです。
有馬記念の攻略ポイント
圧倒的に3歳の才能に有利な以上、古馬の方に条件が付いてくることになります。
簡単に言うと、1番人気は3歳よりずっと妙味なし。
秋の激戦の疲れ癒えぬまま、昨年のアーモンドアイのような闖入では大失敗するわけで、落ち着いて、宝塚記念の内容やこのレースへの適性を考えた参戦かを見極めたいところです。
相手関係から負けようがなかった古馬ほど、春の段階でグランプリ適性のようなものを体現しているので、東京の実績に対する勇断こそが的中の第一歩となります。
人気し過ぎの馬も相手には買えるので、押さえれば十分でしょう。
有馬記念2020 予想
2020年の有馬記念予想を過去の有利枠といった傾向や最終追い切りなどのデータ分析をしながら行っていきたいと思います。
出走馬の外厩情報や血統なども調べ上げ、勝ち上がってきた有力馬から激走が期待される鉄板軸馬から消去すべき馬。
そして狙い目の穴馬をピックアップしていきます。
さまざまな荒れるレース展開をシミュレーションも視野に入れつつ、予想オッズをチェックしながら勝ち馬のサインを見逃さず、過去配当を超える払い戻しを狙っていきたいと思います。
レース名 | 第65回グランプリ 有馬記念 |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2020年12月27日(日曜) |
発走時刻 | 15時25分 |
開催場所 | 中山競馬場 |
距離 | 芝2500m |
コース | 内回り |
賞金 | 3億円 |
レコード | 2:29.5 |
有馬記念2020の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 斤量(負担重量) | 馬体重(前走) | 最終追い切りタイム | 脚色 | 全体評価 | 予想オッズ | 外厩仕上げ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | バビット | 内田 博幸 | 55.0kg | 450kg | 55.6-40.9-26.3-13.1 | 馬ナリ | 仕上がる | 25.5倍 | 名張ホースランドP |
1 | 2 | ブラストワンピース | 横山 武史 | 57.0kg | 550kg | 52.9-38.2-12.7 | 強め | 状態良好 | 27.3倍 | ノーザンF天栄 |
2 | 3 | クレッシェンドラヴ | 坂井 瑠星 | 57.0kg | 500kg | 68.7-53.6-40.1-12.8 | 仕掛 | 気配上々 | 114.9倍 | テンコーTC |
2 | 4 | ラヴズオンリーユー | M.デムーロ | 55.0kg | 486kg | 84.5-67.7-52.4-38.1-11.4 | 仕掛 | 動き鋭い | 11.1倍 | - |
3 | 5 | ワールドプレミア | 武 豊 | 57.0kg | 482kg | 83.9-69.0-54.3-39.8-12.8 | 強め | 上積十分 | 10.8倍 | - |
3 | 6 | キセキ | 浜中 俊 | 57.0kg | 508kg | 52.3-37.3-24.5-12.3 | 馬ナリ | 動き軽快 | 18.1 倍 | - |
4 | 7 | ラッキーライラック | 福永 祐一 | 55.0kg | 522kg | 85.4-68.6-53.0-38.4-12.1 | 馬ナリ | 好気配 | 6.5倍 | ノーザンFしがらき |
4 | 8 | ペルシアンナイト | 大野 拓弥 | 57.0kg | 500kg | 86.5-70.0-54.3-39.8-11.8 | 一杯 | 反応上々 | 99.8倍 | - |
5 | 9 | クロノジェネシス | 北村 友一 | 55.0kg | 464kg | 83.7-66.8-51.7-37.9-11.9 | 馬ナリ | 文句なし | 3.5倍 | ノーザンFしがらき |
5 | 10 | カレンブーケドール | 池添 謙一 | 55.0kg | 474kg | 51.6-37.4-24.6-12.5 | 馬ナリ | 状態良好 | 8.1倍 | - |
6 | 11 | モズベッロ | 田辺 裕信 | 57.0kg | 480kg | 54.5-39.9-25.9-13.1 | 一杯 | 仕上るも | 127.1倍 | ヒイラギS |
6 | 12 | オーソリティ | 川田 将雅 | 55.0kg | 512kg | 67.8-53.1-39.6-12.5 | 一杯 | 上積十分 | 15.8 倍 | ノーザンF天栄 |
7 | 13 | フィエールマン | C.ルメール | 57.0kg | 478kg | 68.0-53.039.3-12.7 | 馬ナリ | 良化著し | 3.9倍 | ノーザンF天栄 |
7 | 14 | サラキア | 松山 弘平 | 55.0kg | 450kg | 52.6-38.1-24.6-12.2 | 強め | 好調子 | 48.1倍 | ノーザンFしがらき |
8 | 15 | オセアグレイト | 横山 典弘 | 57.0kg | 496kg | 67.3-52.7-39.0-13.0 | 馬ナリ | 出来安定 | 123.0倍 | - |
8 | 16 | ユーキャンスマイル | 岩田 康誠 | 57.0kg | 498kg | 54.4-39.2-25.2-12.5 | 一杯 | 気配上昇 | 104.1倍 | - |
有馬記念の過去の枠順データと成績
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2回 | 1回 | 1回 | 15回 | 10% | 15% | 21% |
2枠 | 1回 | 2回 | 0回 | 16回 | 5% | 15% | 15% |
3枠 | 2回 | 2回 | 0回 | 14回 | 11% | 22% | 22% |
4枠 | 2回 | 2回 | 1回 | 15回 | 10% | 20% | 25% |
5枠 | 0回 | 2回 | 3回 | 15回 | 0% | 10% | 25% |
6枠 | 2回 | 1回 | 2回 | 15回 | 10% | 15% | 25% |
7枠 | 1回 | 0回 | 2回 | 17回 | 5% | 5% | 15% |
8枠 | 0回 | 0回 | 1回 | 19回 | 0% | 0% | 5% |
有馬記念2020 - 過去のデータ傾向
3歳馬は本流路線かダービー出走の古馬対戦馬から
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3歳馬 | 5回 | 2回 | 3回 | 16回 | 19% | 27% | 38% |
牡馬が圧倒的に出走数は多い上に、牝馬は秋華賞という2000M戦を経て、わざわざここに挑む理由はないから、11月にどこかに使えば、次はもう年明け以降となってくる。
菊花賞という特異な距離で行われる競馬を知った方が、同じコーナー6つのレースにも対応可能だが、トゥザグローリーもダービーには出ているものの、その他とは違って、古馬重賞も制し、前々走はマイルCS。
菊で揉まれた効果は弟のトゥザワールドが出しているものの、ダービーに出ているということの方が、案外肝なのかもしれない。
でなければ、菊花賞トライアル連対か菊花賞好走が基準になる。
ジャパンCから来る馬に多くを望むのは酷
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
JC1着 | 0回 | 1回 | 1回 | 3回 | 0% | 20% | 40% |
JC2着 | 0回 | 1回 | 0回 | 5回 | 0% | 17% | 17% |
JC3着 | 2回 | 0回 | 1回 | 4回 | 29% | 29% | 43% |
JC4着~5着 | 1回 | 1回 | 2回 | 4回 | 13% | 25% | 50% |
JC6着~9着 | 0回 | 1回 | 0回 | 17回 | 0% | 6% | 6% |
JC10着以下 | 0回 | 0回 | 2回 | 14回 | 0% | 0% | 13% |
ホーリックスとの激闘に敗れたオグリキャップだけでなく、シングスピールに惜敗のファビラスラフィン、重馬場で9馬身差逃げ切りのタップダンスシチーがザッツザプレンティらに絡まれ撃沈…。
続きを夢見るものではないとしながら、テイエムオペラオーやハーツクライのような例もあるから、はっきりとは断言できないものの、今年馬場質が稍重のようなタフさを備えつつ、極限の底力を各馬に求められたと仮定すれば、次もあるのはカレンブーケドール以外には見当たらない。
ただ、デアリングタクトとの差を考えた時、例年ならば、あれが優勝争いとまた仮定したならば…。
ルメール様は意外と人気薄で買い?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C.ルメール<通算> | 2回 | 4回 | 0回 | 7回 | 15% | 46% | 46% |
単勝も複勝も、他がうらやむばかりの回収率を誇っているが、エイシンフラッシュやクイーンズリングのオッズがそれを引き上げ、ハーツクライでインパクトを与えたものだから、1番人気でどうかと考えたら、これがサトノダイヤモンドの後は連敗中。
有馬記念の定義に照らし合わせると、トップジョッキーに人気馬を乗せて、それをわざわざ買うレースではないという解釈が適当だろう。
また、歴代優勝馬の欄を見てもお分かりの通りヘイルトゥリーズン系の連対率は異常というデータも出ている。
有馬記念2020 - 出走予定馬の血統分析
キングマンボ系はアメリカンボスの時代から、ヘイルトゥリーズン系に負け続けている。
昨年こそはと思ったが、違うロードカナロアが2着。
初めて連続してキングマンボ系が連対を果たしたが、勝負がついた後に追い上げてきただけのような結果。
ジャパンCも秋の天皇賞も高確率で好走馬を出しているものの、これが阻めないのであれば、その他、ロベルト系まで復権を遂げているヘイルトゥリーズン系が勝ちまくるのは当然の話。
レース史の後半はこの流れがずっと続いているため、上位独占と同一種牡馬同士はまずない、という以外のことで、ほぼ何でもありなのは確かだ。
お世辞にも血統馬とは呼べないが、濃すぎないヘイローの同系ポジションにおける4×4と、名血サングの血を継ぐサッチとスペシャルの全兄弟クロスを母の代で4×3で有するという形で、かなりスタイリッシュで戦略的な血統構成にはなっている。
それが素直に結果に結びつくわけではないが、半姉のアサクサキングス産駒・アンナージュ、半弟のエスポワールシチーの仔・ウィンウッドだって同じヘイロークロスの4×4が入っているから、どうしたのかなと考えたのだが、表に出ているそのヘイローの名に隠れて、ノーザンダンサーやデインヒルといった同族の大種牡馬が絡み合うように練り上げた、長期戦略上の配合の一端であり、本質はヘイローの祖母であるアルマームードの配置が重要なのであろう。
父父、父母、母父、母母のアルマームードのポジションを数字で示すと、
- 父父 ステイゴールド 4・6(表記上はクロスにならない)
- 父母 ディアウィンク 6×6・6
- 母父 タイキシャトル 4・6(上記の通り)
- 母母 グランスオークス 4代目
それにより、多くのファンが見逃すアルマームードの影は、6代目以降の薄っすらとした継続クロスとして密やかに生き続け、牝系より効果を増す種牡馬に入っているのみの存在により、幾らか底力を加える。
そういうものは、真の能力値を問う場面であまり重要とはならないが、勝手気ままに自分の持ち味で勝負する場面はそれほど多くないけれども、限定的に途轍もなく底力を発揮することがある。
5代目にわずかに影を覗かせる父ナカヤマフェスタの代では、道悪の中距離戦というその限定解除方式が証明されたが、もう一代経た時、ヘイローでクロスさせたものがアルマームードの迫力を増す効果を及ぼすと仮定した時、ステイヤーなど上のクラスほど少ない時代に、セントライト記念圧勝の実績は光る。
少なくとも父と同レベルの成長のレベルにあるとしたら、半年早く、グランプリに挑戦して勝ち切って不思議はない。
とりあえず、父より戦法がはっきりしているから、分かりやすい存在ではある。
アルマームードが増えているから、ヨーロピアンノーザンダンサーのような、早期完成型に引っ張られたかのような適性があって不思議はない。
ナスルーラと同族のブラストワンピースは、ノーザンダンサーたっぷり配合のハービンジャー産駒で、主なG1実績もないのに、レイデオロを完封しているから、バビットも狙いはここからでも早くないだろう。
滅多に来ないタイプの3歳馬だが、普通ではないレースを経た馬たちの中では、彼が一番余力を残している。
有馬記念2020 - 出走予定馬を診断
有馬記念というレースは、様々な尺度で分析を加えたところで、路面の状態が滅多に変化しない極端な荒れ馬場も極悪馬場もないというのに、普通ではないコース形態であることに加えて、歴史的名馬からギリギリG1出走レベルまで色々と混ざってくるので、強い馬が極端に着差を広げてしまったり、自分の良さを出し切れずに伏兵の台頭を許すこともある上に、昔から続く定番というか、シーズン末期のグランプリレースならではの大逆転劇が定期的に巻き起こってきた。
今年は牝馬ばかりが強かったから、昨年リスグラシューが勝ってから、中央の芝主要G1、古馬のレースに限ると、ついにテイエムオペラオー的リーチをかけている。
ちなみに、テイエムオペラオーがパーフェクトゲームを成した2000年に入る直前、1999年の有馬記念では3着。
グラスワンダーとスペシャルウィークが激闘を演じたあのレースで、ちゃっかり好走していた。
グラスワンダーはスクリーンヒーロー、スペシャルウィークはエピファネイアを通じ、21世紀の競馬界を牽引する才能をしっかりと送り込んでいる。
ジャパンCなどよりも、ずっと種牡馬選定レースに適した一戦だから、ドリームジャーニーやゴールドシップさえも、オルフェーヴルに伍して、ここに出走馬を送り込んでいる。
何も関係ないようで、年末ではなく、梅雨時のサマーグランプリに縁のあったナカヤマフェスタが、それらステイゴールド軍団の威を借るようにして、伏兵のバビットを投入。
人気になるラッキーライラック<父オルフェーヴル>は、どうしても、雨馬場適性に死角があるから、春の阪神で対照的なパフォーマンスとなってしまった。
一方、極悪馬場まで歓迎のナカヤマフェスタ譲りのタフさが信条のハビットは、本当に良馬場なのか?という菊花賞の馬場では本領発揮ならなかったが、いかにも怪しい馬場であったラジオNIKKEI賞やセントライト記念で、見事に才能潰しに成功。
堂々の伏兵一番手として菊花賞に挑むも、キメラヴェリテの果敢な逃げに撃沈。
リズムもよくなかったが、広い馬場で仕掛けのタイミングを惑わされただけでなく、良馬場ならではの外差し傾向のバイアスの掛かった馬場で、全く走り切れない3分どころより内をついたのでは、どんな差し馬相手でも勝負にならない。
しかし、相手を見る余裕するらない、誰が本当に勝利に近いのかよくわからない競馬こそ、この手の馬にフィットする気がする。
同じ長距離カテゴリーの競馬で不発の、それも春のクラシック不出走の馬を狙うのは筋悪かもしれないが、5歳以上が平成以降で、まず歴史的名馬級しか連絡みもないという流れを踏まえれば、この秋の1番人気・牝馬コレクションのひずみが、一気に有馬で露見しないかと淡い期待を寄せて、久々に、まともではない視点で爆発的な底力を発揮してもらおうと、バビットの秘める究極の二枚腰に一票を投じたい。
有馬記念2020 - レース展開
誰にでも死角があって、ステイゴールドっぽさのかけらもなかったラッキーライラックが、気難しさだけ強調されたような近走の結果から、ちょっと、エリザベス女王杯でハマりすぎた印象もなくはないので、少し大人しくしてもらいたいという願望も込みで評価落とし。
同時に、ジャパンCは稀に見る激闘で、普段は芝コースの直線を真一文字で上がってくる上位3頭が、まともに走り切れていない、あの瞬間だけ風速30m/hの向かい風が吹いていたようなレースで、努力出来る限りのものをすべて出し切ったような面々も怪しいとなる。
頼みの綱となるのはもうエリザベス女王杯と秋天の好走馬で、これらも勝ち馬以上に強力な武器を持っていないとなるから、突き抜けるとは思えない。
道悪適性で群を抜いているクロノジェネシスは、そういうコンディションなら、いかにもの器用さで前を捉えにかかるが、外を上がると良馬場では特に、エース級には敵わない。
彼女を最有力とした時、必ず存在したディープの才能はここでは揮わないことが大半だから、それを負かすことは可能でも、違う武器を持ったフィールド丸被りの若い牡馬は、案外手間取る好敵手になり得る。
上昇力では世代の中でもピカイチで、女馬にはない、旺盛な戦闘意欲が前向きさを押さえつけない時に発揮されるタイプだから、若き日のダイワスカーレットが、まさかのマツリダゴッホのイン追い抜き作戦に屈した例があるように、有馬記念なら、そうした単純な理由ではないことで、フレッシュな状態で大一番に再挑戦できる好機を活かせるかもしれない。
そもそも、他人<馬>の力を借りて器用に立ち回るスタンスで、簡単にレースをしたいと考えるバビットではない。
おまけに、秋ほどではないにせよ、ステイヤーズSが馬場状態以上に、現状の中山の馬場の質を反映するような時計の決着で、高速馬場のタフな戦いを好む馬ばかりの争いで、秋に先行粘りを成功させた実績のあるバビットは、言われるよりもずっと、アドヴァンテージを持っている。
マツリダゴッホやマンハッタンカフェの2着に入ったアメリカンボスらは、春に入るまでの寒い時期での中山重賞勝ちの記録がある。
セントライト記念の勝ち馬など、変に人気になっては消えるから、ほとんどは格下と切り捨てられるのだが、キセキが連続の先行態勢をとったとして、不器用な男同士、バチバチやり合う可能性も残しながら、意外なほど先行有利の流れを生む干渉のし合いもなくはない。
そうはならない可能性は十分にあるとはいえ、決して、若い馬の逃げ込みが少ないレースでもない。
ベテランも当然、展開一つで押し切りを図るべく粘りを見せるが、古馬の追撃を凌ごうと粘るブエナビスタやブラストワンピースのような構図の方が、圧倒的に多い。
デムーロのヴィクトワールピサなんて、まさにそのパターンだった。
ステイゴールド系の有馬勝ち馬は、そのほとんどが、差し追い込みタイプのズドンスタイル。
まるでそういう雰囲気のない、実に潔い先行型のバビットは、荒れ馬場の差し合いで世界レベルであることを示す4歳夏以降の短期間を除き、グズグズしていることもあって、道悪でも結果を出せなかった父を持っている。
しかし、ナカヤマフェスタがセントライト記念を勝った時は、自分から動いて、後の重賞勝ち馬らを引き連れての完勝。
また、だいたいが450kg台の馬体重ながら、462kgでセントライト記念完勝のバビットは、ステイヤーっぽく作り上げた菊花賞の450kg<12kg減>で、実は不適の仕上げだった可能性がある。
父はダービーで増やした体を絞って快勝後、結果的に距離不適の菊花賞で上がり目はなかった。
ディープインパクトもその代表産駒であるコントレイルも、作り上げる過程で絞り込むことが、いい訳ではなかった。
そもそもが大きくないのだから、ライスシャワーやヒシミラクルのように、叩いて鋭敏な嗅覚を研ぎ澄ますようにして獣のように作り上げるスタンスが適当ではないわけだ。
小柄なステイゴールドに過酷な稽古は必要なかったから、いくら使っても気が滅入ることはなかった。
無論、真面目に走らないから可能だったのだが、今はそういう馬が生き残る道などまずないので、G1ではそれは可能でも、はっきりと適鞍があるフィエールマン以外は、コンスタントに結果を積み上げていく必要がある。
有馬記念2020 - 最終予想
2度目のG1でバビットに求められるのは、今後再戦もあり得るコントレイルやアリストテレスとの長距離戦における逆転の可能性を見つけるレースになると同時に、ステイゴールド系の継承者として、絞り込まないスタンスでの結果の追求もまた必要となるわけだ。
大きく減らした後は、普通は反動が出てしまいがちで、それがレースの前に出ていたとして不思議はない。
であるなら、レースのダメージが大きい以前に、菊花賞を走り切れなかったという見解もあっていいはず。
前に邪魔が入ったからではなく、自分が自由に動けなかったと考えた時、この伏兵の一発に、まさかの馬体重揺れ戻し現象のセントライト記念くらいの目方で、再びの激走を期待してみても面白いだろう。
ステイゴールド系の活躍は、三冠馬・オルフェーヴルに集中するのは仕方ないが、それとて、人気に逆らうのが信条。
ラッキーライラックは真面目に走れることが、他の馬よりスピード型に出た分だけ機会が多いというだけで、ステイゴールド自身がそうであったように、孫のバビットに人気で走る義務など何一つない。
伏兵評価の時、どれだけ狙える馬になれるか。
どうせ大きく人気を集める立場にならない、世代レベルに未だ疑問符がついている、それでもいくらか有利な3歳馬という立場を、どうやって味方につけるか。
ステイゴールドだけではなく、ヘイルトゥリーズン系の連続勝利を止めた一昨年覇者のブラストワンピース<テイエムオペラオー−ブラストワンピースの間に17連勝>が、JCのアーモンドアイばりに大威張りはできない中抜き連続参戦で、1月の中山の走りができれば侮れない。
しかし、ミスタープロスペクターの血が母父では届くのに、アーモンドアイが大惨敗のように、ヘイルトゥリーズン系のキレやスピードが優先される舞台。
その最大の後継ラインであるヘイローのクロスを直交させた構成は、ヴィクトワールピサやシュヴァルグランなどが、母父にマキャヴェリアンを持つことで生じさせたそれより、顕彰馬・タイキシャトルが母父に入って生ずる4×4のインパクトの方が、幾らか強い。
それはキレイにハマることもあれば、うまくいかないことも多いが、クロスがやたらと偏屈な構造になっているナカヤマフェスタのベクトルがどの方向に極端に向いているか、判然とはしない一方、牝馬の強い時代にはこういうスピードのアシストと不思議と軽さが強調されないヘイロークロスの武器とが、一発屋の底力を極限値まで引き出す可能性に賭けたいところ。
同じ歳のディープボンドも、思われているよりは実力者という走りを、クラシックの後半ほど見せているから、これも期待だが、流石にワンツーは難しそう。そもそも、出られるかわからない立場。
キレと完成度のクロノジェネシスに、再挑戦のフィエールマン、牝馬ならサラキアの究極の末脚が有馬向きに思えて、これにオルフェーヴルの本物の方に思えるオーソリティ、昨年の中山で一緒に撃沈のテイエムオペラオーと同じ牧場育ちであるブラックホールなど、人気に合わせた妙味のある相手を上手に組み合わせた流し馬券を、手広く行くのが安心と思う。
有馬記念2020 展望
もう大昔になるが、24年前に3歳牝馬が古馬戦線で大活躍したことがある。
休み明けで第1回の秋華賞に登場した、GⅠを勝っていなかった方の馬・ファビラスラフィンである。
断然支持のエアグルーヴが、レース中の故障で惨敗する中、自慢の持続力に富んだ先行スピードで、翌年にエリザベス女王杯を制するエリモシックを完封して、初タイトルをゲット。
そんなファビラスラフィンが次に挑んだのは、今では普通の挑戦となっている古牡馬の大目標であるジャパンCだった。
熾烈な勝負は、日本競馬史の名シーンに数えられるが、翌年にドバイワールドCに直行して、GⅠ連勝を決めるシングスピールに、僅かの差で敗れた。
ラッキーライラックを管理する松永幹夫調教師<当時は騎手>が、その口惜しさを後々記者に語ったとされるが、今年も似たようなローテを考えていそうな3歳の牝馬がいる。
ジャパンCまでのレース数は全く同じ。
負けの数が1つ違うだけ。
そう、デアリングタクトはJCで激走した瞬間、ファビラスラフィンの伏線を辿ることになる。
もう古い話だが、最近まで、ルドルフの話をしていた競馬識者たちが、万が一にでも、彼女の存在を有馬の出馬表に見つけたら、そんな話をしだすことだろう。
サクラローレルという、三冠馬も歯牙にもかけなかった時代の名馬が、横山典弘騎手と共に駆け抜けた有馬記念であった。
クタクタのファビラスラフィンは、エアグルーヴの分まで頑張ろうとしたが、もう燃え尽きていた。
ローレルとラフィンの年の差は、アーモンドアイとデアリングタクトと同じ2つだから、フィエールマンもチャンスありなのだろうとは思う。
昨年はアーモンドアイの闖入に影の役目に徹したものの、結局、フィエールマンが潰したようなものだった。
年々、スピード血統の本質が出るようになる活躍馬が多くなり、使い込めなくなっているから、昔よりは数は少なく、でも現役時間は長くなっている。
サクラローレルもまともに使えた馬ではないから、その変遷は同じような感じ。
秋の天皇賞でちょっとスピード負けしたのも同じ。
ちなみに、凱旋門賞にまで行こうとしたところと実際に出たところまで似ているフィエールマンとの関係性では、誰が乗るのか全く分からないものの、買いの材料に溢れている。
下手に1番人気では、ちょっと気が引けるが、まずが出てきてもらいたいと思う一頭。
ならばと、2着だったマーベラスサンデー、人気に全く応えれらなかった前年覇者のマヤノトップガン、エリザベス女王杯の人気馬に3歳牡馬のロイヤルタッチらと似たようなタイプを探し出してみたいところだが、そうも単純に事は運ばない。
キセキは一体何似ているのかと言われれば、すぐには思いつかないし、奇跡の復活もあるグランプリだから、サートゥルナーリアにも期待していい訳だが、牝馬が強い時代なのだからとしたら…。
ラッキーライラックに期待するよりも、ラヴズオンリーユーに一発を期待したいのが有馬記念であったりする。
筆者はまるで適性はないように思っているが、オグリキャップやジェンティルドンナが、得意条件だからと言って復活したわけではないのだから、矢作祭りのオーラスは、やっぱりその厩舎の馬から…、としても何だか、全く無理筋ではないのだから、それはそれで恐ろしい。
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有馬記念・狂気の追い込み集(有馬記念予想参考データ)
89①イナリワン
R2:31.7
JC好走、またその前の天皇賞から続く同期のライバル対決に注目が集まる中、春に魅せた衝撃的な破壊力でそれらを撃破。
翌年も地方出身馬が制し、元号跨ぎで有馬を三連覇。
97①シルクジャスティス
GⅠ初制覇
休み明けのマーベラスサンデーと世紀の激闘を制し17年振りに天皇賞馬になった名牝・エアグルーヴとの対戦も、斤量面でもタフな戦いを求めていたという渇望感で、3歳馬のシルクジャスティスが豪脚を披露した。
00①テイエムオペラオー
危険な勝負を制す
危なげないことで面白味と最強度に疑問を呈された7連勝男のオーラスマッチは、下記追い込み有馬史でも傑出する・最も危ない勝ち方をした一戦となった。一度は見てもらいたいレース。
09①ドリームジャーニー
2歳王者による春秋制覇
元2歳王者の3歳と5歳馬が組み合わさるグランプリやJCなどは、まずあり得ない。追い込みを捨てたブエナビスタも魅力的だが、この頃から、池添騎手の凄味が出てくる。
昨年はこの経験も活きたか。
05②06①<ディープインパクト>
展開より体調と経験値という真実
11-10-8-6→12-12-11-10
改めて、勝った年の上がりを見たら、上位勢で唯一の33秒台。また、2、3位の馬が34秒台で共に死んだふり作戦だった。自分自身との戦いが肝要だったことが、これによって証明されたといえる。
有馬記念 過去ログ
有馬記念といえば、古くは秋の天皇賞組の選択であり、今は、JC組と菊花賞組の激突というか、その優位性の判断が的中のカギを握っているといっても過言ではない。
好走すると少し割り引きが必要な近年のJC組の傾向は、その昔、馬鹿みたいに時計が速くなって1か月で立て直せなかった馬の凡走とは異なり、単純にレースの質の変化に対応しきれない馬が多いことが影響している。
一方、クラシックレースの好走馬か、さもなければ、古馬GⅠ出走経験か古馬重賞勝利の戦歴を持つ馬なら通用するという、実に明快な傾向もある。
有馬記念 過去の結果
開催年 | 1着馬 | 2着馬 | 3着馬 |
---|---|---|---|
2019年 | リスグラシュー | サートゥルナーリア | ワールドプレミア |
2018年 | ブラストワンピース | レイデオロ | シュヴァルグラン |
2017年 | キタサンブラック | クイーンズリング | シュヴァルグラン |
2016年 | サトノダイヤモンド | キタサンブラック | ゴールドアクター |
2015年 | ゴールドアクター | サウンズオブアース | キタサンブラック |
2014年 | ジェンティルドンナ | トゥザワールド | ゴールドシップ |
2013年 | オルフェーヴル | ウインバリアシオン | ゴールドシップ |
2012年 | ゴールドシップ | オーシャンブルー | ルーラーシップ |
2011年 | オルフェーヴル | エイシンフラッシュ | トゥザグローリー |
2010年 | ヴィクトワールピサ | ブエナビスタ | トゥザグローリー |
2009年 | ドリームジャーニー | ブエナビスタ | エアシェイディ |
2008年 | ダイワスカーレット | アドマイヤモナーク | エアシェイディ |
2007年 | マツリダゴッホ | ダイワスカーレット | ダイワメジャー |
2006年 | ディープインパクト | ポップロック | ダイワメジャー |
2005年 | ハーツクライ | ディープインパクト | リンカーン |
2004年 | ゼンノロブロイ | タップダンスシチー | シルクフェイマス |
2003年 | シンボリクリスエス | リンカーン | ゼンノロブロイ |
2002年 | シンボリクリスエス | タップダンスシチー | コイントス |
2001年 | マンハッタンカフェ | アメリカンボス | トゥザヴィクトリー |
2000年 | テイエムオペラオー | メイショウドトウ | ダイワテキサス |