有馬記念2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着エフフォーリア(2.1倍)2着ディープボンド(20.9倍)3着クロノジェネシス(2.9倍)

レース名第66回有馬記念
日程2021年12月26日(日曜)
優勝馬エフフォーリア
優勝騎手横山 武史
勝ちタイム2:32.0
馬場
3連単配当7,180円

有馬記念2021 - レース結果動画(YouTube)

有馬記念2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
110エフフォーリア2:32.0 -
25ディープボンド2:32.1 3/4
37クロノジェネシス2:32.2 1/2
49ステラヴェローチェ2:32.3 1/2
516タイトルホルダー2:32.5 1 1/2
単勝10210円
複勝10110円
複勝5280円
複勝7130円
枠連3-51,000円
ワイド5-10540円
ワイド7-10170円
ワイド5-7730円
馬連5-101,740円
馬単10-52,070円
3連複5-7-101,440円
3連単10-5-77,180円

有馬記念2021 - レース後コメント(騎手/厩舎)

※優勝した横山騎手のコメント(エフフォーリア)

有馬記念2021 - 回顧

秋の天皇賞もパーフェクトだったが、人馬一体の競馬を立て続けに、日本競馬の最高峰である天皇賞競走と有馬記念でやり切る若きスターコンビを、改めて称賛し、素直にその実力を評価すべき一戦だったように感じる。

敢えて、念を押してそうすべきとするのは、前日の粗相<所謂不注意騎乗の類>を筆者は何も気にしていないからである。

勝てそうな馬に乗る時に、余裕を持つことは必要。

しかし、ある程度の金額が全てのレースで動くアジア圏の競馬におけるファンのルーティーンがあるから、不正は許されない。

内を見なかったというだけの失態なのだが、まずかったことは事実。

しかしながら、それでもこのことが問題になるのは、父典弘騎手と同じで、若い頃からいい馬に乗って結果を出していることで、皆が素晴らしい騎乗をしてくれると期待されているからだ。

本人の猛省ぶりには、鮮やかなベストライドだっただけに、尚の事驚かされる面はあったのだが、馬乗りが巧くなるのは決まった40代が見えて来てからというのが、この世界の一般的な傾向であるから、父がいつまで経っても引退しない理由が少しずつ、こうやって大きなレースを勝つたびに成長するとともに、理解できるようになるだろう。

父より年長のあのお方が、最近お元気なのは、何より馬に携わった仕事がようやく楽しくこなせるようになった、ある種の自由を体得したからであろう。

無論、先週の主役であるユタカジョッキーも同様。

早くいいことが訪れすぎた若き才能には、程々のお灸なのかもしれない。

ライアンに乗っていた頃のお父さんよりは、様々な方向からの批判は耳にするだろうが、大分軽薄な暴言が増えているだけで、中身はないものが多いだろうから、次はしないようにすればそれでいい。

って、昨日の新馬戦を振り返っても仕方がないか。

エフフォーリアの血統。

主戦の横山武史騎手同様、この馬も血に恵まれた良血であるわけだが、またまた一族の夢をかなえたことになる。

父は有馬記念で単調な逃げに出るしかない状態だったJC圧勝直後のエピファネイア。

それ一度切り。

父父シンボリクリスエスは、中山の天皇賞、ジャパンCを連続好走後、いつも中山の有馬記念で変則的な点の争いに動じず、全盛期のペリエ騎手に誘われ、日本の王者であることを示したあの名馬。

翌年もほぼ同じローテで、秋天と有馬を連覇。

伝説の引退レースとなった4歳時に、レース史上最大着差の9馬身差を記録すると同時に、レコードタイムもわずかに更新して見せた。

その連覇の2年後に有馬記念を勝ったのが、当時まだ3勝のみで古馬戦未勝利だったバイプレーヤーになりかけていたハーツクライ。

言わずと知れた、ディープを負かした、公式記録上唯一の存在である。

ディープインパクトの血が入っていないことが、秋の天皇賞の勝因だったとすれば、因縁はその時から始まり、今年の秋の天皇賞で結実したともできる。

唯一無二の存在。

それが二つも加わるエフフォーリアは、勝つべき馬であったと生まれながらに生産者が思う、そのままを突き進んだ理想の名馬なのである。

加えて、3代母のケイティーズはあのヒシアマゾンの母である。

有馬記念は堂々の2着だが、その年無双状態のナリタブライアンにだけは敵わなかった。

翌年はもっと強くなったが、ジャパンCで再び強敵となったランドに完敗。

強い牝馬の時代にあって、時代の先駆者であったヒシアマゾンの近親者が、グランプリ4連覇の大記録を達成しようと目論むクロノジェネシスを負かすなど、また時代は一歩進んだということだろう。

3歳世代の活躍により、強い牡馬が戻ってきた。

ダートには多くいたが、芝で戻ってきたのは間違いなくロベルト系の後継者であるからに他ならない。

ナリタブライアンの父であるブライアンズタイムはその直仔であり、シンボリクリスエスは孫。

シンボリクリスエスの3年前にグランプリ3連覇と有馬連覇を決めたグラスワンダーも同じ。

前者はこのエフフォーリアであり、後者はグランプリウイナーのゴールドアクターとその同期モーリスを孫世代に出している。

面白いことに、エフフォーリアとグラスワンダーの後継者となったスクリーンヒーローは、同じように鹿戸雄一調教師の管理馬。

ロベルト系の総合商社たるこの厩舎に、次のロベルト系名馬が入厩した時、またこの系統の繁栄が見られるだろう。

中団にいたのは、坂にどこかしら不安があったのかもしれない。

筆者、絶対安心の皐月賞と考え、本命に推したエフフォーリアは意外にも、中山の急な坂をグイグイ上っていくというより、他の馬がジリジリとしか伸びずに差が縮まらなかっただけのようなところがあった。

再三の回顧は有馬記念では念入りにする筆者とすると、その中でダービーの、周囲が妙にうるさく言う「早仕掛け」/ 本人はそのつもりはなかったが、気が逸っていたことが敗因だと思っている の問題は、秋の天皇賞では慎重な仕掛けで、万全のレース内容に持ち込み解決させたと考える。

今回はその坂をもう一回上る。

皐月賞も同じ二回だが、加速する前の通過となる皐月賞とここで脚を溜めたいという有馬の1度目の坂とでは意味が全く違ってくる。

瞬発力を東京の共同通信杯で大いにアピールした手前、G1に挑む若武者の攻撃的姿勢はあまり合わないと武史騎手は、若干の修正を加えている。

出来の不安はともかく、最高潮の秋天に並ぶ出来を同シーズンで作り上げるような真似はできない。

何しろ、最高だったのだから。

しかし、有馬記念はそういう引き算の論法で大抵の有力馬は苦しんでいる。

グラスワンダーとスペシャルウィーク、テイエムオペラオーとメイショウドトウ、ヴィクトワールピサとブエナビスタ。

究極のハナ差決着の前には、必ず熱戦の秋競馬や上がり目の怪しさを残した仕上げが想定されていた。

総合力の競馬になった今年。

そうした若干の不安は、エフフォーリアの決め手に勝負のポイント、力点を置いた騎乗を続けてしたことで、消し去ることに成功。

よって、秋天勝ちから直行の不安/ 無論、そんな馬は古牡馬ばかりだった に全く付け入る隙が無かったから、筆者垂涎の激推し馬であるはずが、みんなが応援していた(笑)ディープボンドの激闘を難なく抑え込む余裕があったとできる。

1000M通過よりも、その後の加速のステップの方に主眼を置くべき長距離戦である有馬記念は、11秒台連発の序盤に比べ、その後がどこも激しくない12秒台の推移で、極めて高水準のレースレベルを体現したことで、距離未経験のエフフォーリアはともかく、12F以上に主戦場を置くその手のスペシャリストが多く上位に顔をそろえた。

よって、

「1、5、2、3、4番人気で上位決着/以下も、9、6、14、16、7番人気」

という決着。逃げるしかないパンサラッサ・8番人気は役目を果たしたから13着なのであり、タイトルホルダーが5着に粘ったことで、世代レベルだけでなくその長距離実績が間違えようのない正しい適性を示した実力だったと、改めて示すことに成功したのだ。

惜敗の面々には色々な思いがある。

ただ、それは勝ち馬は除いて…、という話。

昨年のクロノジェネシスに迫ったサラキアほどの、その他大勢の数頭から出現の伏兵ではないから、実力通りであろう。

引退戦のクロノジェネシスは、作りは宝塚記念よりボトムアップのような形でも気持ちをコントロールするところに主眼を置いた仕上げであったのだろう。

若い頃のパドック気配だったが、漲る絶好調期のそれではなかった。

だからこそ、素晴らしい引退レースだったように思う。苦しい末脚勝負にしっかりと加わったのだから、相手を褒めるしかないだろう。

一方、凱旋門賞をなかったことに成功したディープボンドは、突如としてということはないが、密かにテイエムオペラオーに対するメイショウドトウのような安定感が備わった感じ。

やけに出来が良く、自信満々の彼を初めてみたから、4コーナーでは行けると感じていたが、エフフォーリアは抑える向こう流しから、少し馬を叱咤する必要があるタイプなので、終いの脚に限界がある。

中山向きではないのだろう。

だから、来年こそは春の天皇賞は確勝級。

この距離でタイトルホルダーをしっかり抑え込めたから、馬が力をつけた今なら、きっとずっと乗ってくれるテイエムオペラオーの和田騎手は、もっと楽にスパートできる古牡馬らしい多様な戦法を手解きすることになる。

有馬記念は最後のレースとされやすいが、こうして未来を展望できる年ほど、この参戦者が翌年の主役に育っていくことはままあるということ。

そうなると、どうにも勝ち切れないステラヴェローチェは、ディープボンドの母父キングヘイローのような末路を辿るのか。

いや、宝塚記念があるではないか。

そろそろ、ゴールドシップを育てた須貝調教師は雨乞いの準備に入っていくだろう。

バゴの産駒。

クロノジェネシスよりも馬場適性の幅、使える条件にも柔軟な対応力を示してきた実績もあって、本当は彼こそが国外戦の適性を最も秘めるリーサルウェポンなのかもしれない。

ドバイに行くべき最上位の存在が、この惜敗王なのかもしれない。

まあ、本質的に合う条件がエフフォーリアと丸被りなのは辛いところだが…。