天皇賞(秋)予想

菊花賞を予想

日本競馬の根幹を成すクラシック競走と古馬のGⅠ競走の中でも、前身のエンペラーズカップ、帝室御賞典まで加えると、開催年数で国内GⅠ級競走では一番の東京優駿<別称・日本ダービー>より遥かに歴史は長く、
第1回の施行は1905年という、明治期スタートのこの天皇賞は、古馬最高の栄誉とされ、勝者には楯の副賞が授与されます。
ただ、歴史が100年以上となると、その間の変化も何度か起こり、天皇賞競走としてカウントされるようになった1937年から始まる東京開催の秋は、1984年から芝2000Mへと短縮。
一方で、阪神から京都へと序盤で開催地が変更された春の方は、戦乱期の混乱で奇数回での開催になる前から、既に現在の3200Mの設定に変更はありません。
スピード馬のためのレースに変更された秋の天皇賞は、世界レベルの名馬を披露するために、年を追うごとにその質を着実に上げていきました。

天皇賞(秋)の歴代優勝馬

年度1着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年ブエナビスタ牝4
56
C.スミヨン
1
宝塚記念<2>
スペシャルウィーク
ペルーサ
牡3
56
安藤勝己
4毎日王冠<5>
ゼンノロブロイ
アーネストリー
牡5
58
佐藤哲三
2札幌記念①
グラスワンダー
2011年トーセンジョーダン
牡5
58
N.ピンナ
7札幌記念①
ジャングルポケット
ダークシャドウ
牡4
58
F.ベリー
2毎日王冠①
ダンスインザダーク
ペルーサ
牡4
58
横山典弘
6天皇賞(春)<8>
ゼンノロブロイ
2012年エイシンフラッシュ
牡5
58
M.デムーロ
5毎日王冠⑨
キングズベスト
フェノーメノ
牡3
56
蛯名正義
1セントライト記念①
ステイゴールド
ルーラーシップ
牡5
58
I.メンディザバル
2宝塚記念②
キングカメハメハ
2013年ジャスタウェイ
牡4
58
福永祐一
5毎日王冠②
ハーツクライ
ジェンティルドンナ
牝4
56
岩田康誠
1宝塚記念③
ディープインパクト
エイシンフラッシュ
牡6
58
M.デムーロ
3毎日王冠①
キングズベスト
2014年スピルバーグ
牡5
58
北村宏司
5毎日王冠③
ディープインパクト
ジェンティルドンナ
牝5
56
戸崎圭太
2宝塚記念⑨
ディープインパクト
イスラボニータ
牡3
56C.ルメール
1セントライト記念①
フジキセキ
2015年ラブリーデイ
牡5
58
浜中俊
1京都大賞典①
キングカメハメハ
ステファノス
牡4
58
戸崎圭太
10毎日王冠⑦
ディープインパクト
イスラボニータ
牡4
58蛯名正義
6毎日王冠③
フジキセキ
2016年モーリス
牡5
58
R.ムーア
1札幌記念<2>
スクリーンヒーロー
リアルスティール
牡4
58
M.デムーロ
7安田記念⑪
ディープインパクト
ステファノス
牡5
58川田将雅
6毎日王冠<5>
ディープインパクト
2017年キタサンブラック
牡5
58
武豊
1宝塚記念<9>
ブラックタイド
サトノクラウン
牡5
58
M.デムーロ
2宝塚記念<1>
マルジュ
レインボーライン
牡4
58岩田康誠
13宝塚記念<5>
ステイゴールド
2018年レイデオロ
牡4
58
C.ルメール
2オールカマー①
キングカメハメハ
サングレーザー
牡4
58
J.モレイラ
4札幌記念<1>
ディープインパクト
キセキ
牡4
58川田将雅
6毎日王冠③
ルーラーシップ
2019年アーモンドアイ
牝4
56C.ルメール
1安田記念③
ロードカナロア
ダノンプレミアム
牡4
58
川田将雅
3安田記念⑯
ディープインパクト
アエロリット
牝5
56戸崎圭太
6毎日王冠①
クロフネ

※<良は無印・着順は○/<稍>「重」【不良】

3200m時代の主な勝ち馬

シンザン 1965年優勝/顕彰馬

-その他の勝ち鞍-

クラシック三冠(1964年)
宝塚記念、有馬記念(1965年)

2000m時代の主な勝ち馬

タマモクロス 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

天皇賞(春)(1988年)
宝塚記念(1988年)

テイエムオペラオー 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

古馬主要G1完全制覇(天皇賞春・秋、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念) (2000年)
天皇賞(春)(2001年)

シンボリクリスエス (2002年&2003年)

-その他の勝ち鞍-

有馬記念 (2002年・2003年連覇)

ジャスタウェイ 2013年優勝

-その他の勝ち鞍-

安田記念、ドバイデューティフリー(UAE/現:ドバイターフ) 2014年

天皇賞(秋)過去の傾向

2コーナーの引き込み線からのスタートで、そこにかかる手前で何度も大きな接触が起きてきた曰く付きのレースです。
そういう難しさは大改修後も引き継がれ、最短ルートの内枠も大きく外を回らされる多頭数の外枠も、展開によって自身の脚質が有利になるか否かが、はっきりしないことが多く、
スローでは外枠はまず死に目となる以外は、そこまで重要な要素ではなくなっています。

天皇賞(秋)過去10年のデータベース

着度表1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気521250%70%80%
3歳馬021130%13%19%
4歳のクラシックホース312723%31%46%
【牡馬】3、4歳のクラシックレース連対馬124106%18%41%
【牡馬】古馬王道路線タイトルホルダー2111213%19%25%
【牝馬】G1の勝ち馬221325%50%63%
【牝馬】当該年の安田記念出走馬101050%50%100%
札幌記念の勝ち馬111317%33%50%
安田記念連対馬101514%14%29%
安田記念の1番人気馬200250%50%50%
安田記念2、3番人気馬03130%43%57%
毎日王冠組の1着馬01160%13%25%
毎日王冠組の2着~9着322308%14%19%
G1で5勝以上の馬231322%56%67%
上記に加え、出走歴があった場合02120%40%60%

様々なキャラがいる一桁着順の毎日王冠組は、勝っている馬が人気になる以上、人気落ち期待の負けている能力上位の馬に期待。
こういう狙い方で回収率が高いというのは珍しいので、馬券的には単穴狙いか大本命馬かの毎日王冠組とすべきでしょう。

人気馬でクラシックホース。若い頃から一流評価の名馬。
不利は承知で、そういうローテを選んだ一流馬は、人気になっても押さえないといけません。
無論、消えた馬も沢山いますが、オークス馬とダービー馬、3歳秋で古馬ともGⅠで好勝負だったからこそ、格上の馬をいちいち嫌う必要はないとするのが、今の常識と言えます。

天皇賞(秋)攻略のポイント

雨馬場だとあまり荒れませんが、歴史的に見て、良馬場のハイペースは波乱傾向なので、勝ち馬の父親にバラつきがあるからこそ、その中の上位人気の馬を選別していって、信頼度を見極めたいところです。
この前の10年も似たような傾向なので、マイラーとして認知されている馬以外、差し馬から入るのがいいでしょう。
宝塚記念は雨が多いので、こちらも雨が降ったとすれば、この組はそもそも主流なので、人気馬を絶対視できるのは渋馬場コネクション成立の時、と記憶しておきたいところです。

天皇賞(秋)2021 予想

天皇賞(秋)の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

2021年の秋盾を掴むのは!?

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第164回 天皇賞(秋)(GⅠ)
グレード重賞(G1)
日程2021年10月31日(日曜)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2000m
コース左回り
賞金1億5000万円
レコードタイム1:56.1

天皇賞(秋)予想2021 - 過去10年のデータ傾向

天皇賞(秋)の有力馬の信用ならぬ傾向を列挙してみよう。基本的には、前走は負けていても構わないのだけれども…。

所詮、安田記念で負けたような馬ではアーモンドアイになれるわけがない

アーモンドアイ女史に敵わないのは、何もG1を9つも勝ったからではなく、安田記念を勝って挑まない限り、好走する理由が見つけづらいからだ。

ウオッカがもう13年前に、同期のダイワスカーレットと至極のレコードマッチを演じたわけだが、安田記念は楽勝だった。

安田記念を使っていて、見事に好走を果たした馬は、秋天最先着という形でモーリスやカンパニーなどの逆転劇が見られたケースもあるのだが、昔から1番人気が信用ならない安田記念<実は、近20年で人気通りに走ったのは、ウオッカ/2回目、ロードカナロア、ジャスタウェイ、モーリスら殿堂級の名馬のみ>と、近年かなり1番人気が強い<【5・2・1・2】/図表:J36参照>秋の天皇賞とでは、扱いが異なる。

安田記念で1番人気に推された馬は、最近、秋の天皇賞にアーモンドアイなどが挑戦してきて【3・0・0・2】で、1番人気になった1頭のスワーヴリチャードは、アーモンドアイが4歳時そうだった安田記念のあのパターンのスタートのアクシデントでジエンド。

つまり、負けて直行という馬は歴史上、まず馬券になっていないのだ。

おまけに春にG1を3戦しているのだから、グランアレグリアさんはちょっと悩ましい。

安田記念を勝った昨年の結果を踏まえれば、5歳時の結果がアーモンドアイさんそっくりのアレグリアさんは、極めて好走確率の高い人気馬にも見えるが、10F以上のレースに何度も使っている馬でないからこそ、モーリスのようなストレスのかけ方<前走で道悪の札幌記念を使われ完敗の2着を経て、見事に復元して見せた>をすれば底上げは図られたかもしれないが、G1を3戦だとダメージの方が出てしまいそうだ。

一つは人気馬総崩れの大阪杯。歯の痛みよりもソダシが泣いたとされる、あのタフ馬場の2000である。

ドバイカラ出張後に2戦のアーモンドアイと、香港→東京→札幌と経たモーリスよりも、いくらかタフだろう。

馬格でも競走能力でも何一つ見劣らないが、狙うべきレースとしては、臨戦過程等に不安な面もあるから、実質的な目に見えたこういう不安材料も少し気にした方がいいかもしれない。

いつでも全力のグランアレグリア、ではないという点も気になる点だ。

斤量58<古牝馬・3歳牡馬56>未経験問題の解決策は限られる

G1勝ち馬で58未経験の牡馬は、今回コントレイルしかいないのだが、古馬の中距離G1を勝った馬が実はいないというところも、案外、ライバル・伏兵陣が心許ないとなってくる。

56を安田記念でクリアしたグランアレグリアは、57で皐月賞独走のエフフォーリア<今回は彼女と同斤>にも、同等のチャンスがあるように、古牡馬勢が振るわない近年の傾向からも、この斤量問題は大きな問題。

ちなみに、58未経験の勝ち馬は平成に入ってから4頭登場している。

  • ・1991年 プレクラスニー… <不良馬場で2位入線、1位降着は6馬身差独走のメジロマックイーン>
  • ・2013年 ジャスタウェイ… <ここまで重賞3連続2着、以降このレース含め重賞4連勝>
  • ・2014年 スピルバーグ… <これが重賞初勝利、人気勢の目標が先にあって、一芸であるスローでの直線一気が炸裂>
  • ・2018年 レイデオロ… <言わずと知れた第84代ダービー馬で、前々走はドバイで完敗も、前走オールカマーは快勝>

今にして思えば、東京で派手にやってきた巧者のように見えるが、プレクラスニーはさすがに快勝とは言えないものの、どの馬も絶頂期を迎えた充実の古馬シーズン、まさしく馬肥ゆる秋を体現してみせた面々だ。

東京1800にツボがあったりだとか、東京の中距離戦でデビュー勝ちとか、何かしらの縁があった。

東京スポーツ杯を毎日王冠と同レベルのタイムで独走のコントレイルは、その点を強調材料とし、ダービー、ジャパンCの内容も吟味すれば、まあ買えなくもないが、十分な根拠を持っているわけではない。

ただし、古馬戦未勝利の馬は、藤沢厩舎の3歳馬や天下のジャスタウェイ様くらいしか当然勝っていないが、それぞれ歴史的な存在。

コントレイルの死角は、これではないのかもしれない。

大阪杯以来の馬を買うのは、相当な勇気がいる

そもそも、こんな馬が毎年現れるわけがない。

理由がない限り、普通ではないからだ。

ちなみに、大阪杯がG1に昇格後、中間1戦の馬は、スワーヴリチャードがズッコケて、サトノクラウンやクロノジェネシスらが、殿堂入りした名馬かそれがほぼ既定路線の女傑相手に、各々健闘。

だから、距離も同じで斤量だけ違うというところで、共通項はあるのかもしれないが、案外、着順が入れ替わらない特性がある。

雨でも降れば、モズベッロさんの出番がまたやってくるのではないか…。

妄想が止まらないファンが続出だろうが、京都大賞典が阪神開催になったところで、G1馬ではないのに惨敗となれば、道悪に泣き続けたランドがJCで復活…、流石に譬えが古すぎるか、まあ、よほどの東京巧者でもない限りは苦しい。

モズベッロは東京初挑戦で、適性面は不明確と茶を濁せるが、道悪G1で好走とて、身軽な牝馬に独走を許した後に突っ込んできただけ。

ここが入れ替わるとすれば、僅差入線の大阪杯組のツートップは、どちらが勝つのか論法で、どちらも減点材料のローテと相殺の可能性がある。

馬場適性は似たようなもので、1800以上はコントレイルに少し分はあっても、まずマイルでグランアレグリアはこの相手には負けないだろうという感じ。

五分五分の能力としたところで、距離適性もあるから、死角ばかりのローテの面はあまり重要ではないのかもしれない。

疲れが残っているのかどうかと、グランアレグリアは真の距離適性と現状の守備範囲、コントレイルはやる気。

諸々のことがリセット可能なレース間隔でもあり、出来が両者の死角ではないので、心身の充実というかコンディションというところで、実質一騎打ちの趣であれば、叩き合いの経験とか、そういうものが重要だろうか。

ならば、牡馬にもいくらか優位性が生まれるが、果たして。

休み明けの有力馬という構図なので、死角はみな平等にあるともできる。

三冠馬だけは特別

主にまとめられるものとしては、

・1着 アーモンドアイ <前走:安田記念3、2着>〔2019、20年連覇〕

・2着シンボリルドルフ  <前走:天皇賞(春)1着>〔1985年〕

・2着ジェンティルドンナ <前走:宝塚記念、2年連続3着以下>〔2013、14年〕

・その他秋の敗戦者

*ナリタブライアン <前走:阪神大賞典1着・京都>〔1995年 12着〕

*ディープインパクト <前走:宝塚記念1着・京都>〔2006年 凱旋門賞・3位入線/禁止薬物使用で失格〕

この両者に共通するのが、ダービー5馬身差圧勝。

→オークス5馬身差圧勝のジェンティルドンナも勝ち切れず2着止まり

実は、もっと小差で二冠目制覇の三冠馬は皆連対。

スローで3馬身差快勝のコントレイルの扱いは、なかなか難しいものがあるのだが、

・ダービー3馬身差以上の快勝の参戦馬で括ると

*スペシャルウィーク 1999年・レコード勝ち〔ダービーは5馬身差だが、その時は稍重馬場〕

*ウオッカ 2008年・レコード勝ち〔クリフジ伝説を復活させたルドルフ以来の存在で、ダービー3馬身差〕

→いずれも同牝系<シラオキ直系>で、秋天をレコードタイムで勝利

→近年はオークス馬も強いので、今の割合はほとんど五分

ダービー馬とするか、三冠馬とするかは難しいところだが、ダービー馬と考えた時、十分にチャンスはあるとなる。

ギニーホースは自身以外にも上下の世代に1頭ずついるが、12F以上で健闘の記録はない。

この距離のスペシャリスト枠に止まることはない三冠馬が、もしも、全てのデータを吹っ飛ばして負かされるとすれば、これまた死角ばかりのローテであるダービーから直行のエフフォーリアとなるのだが、父エピファネイアも母父ハーツクライも、一族の長となったアドマイヤムーンにしても、休み明けが良かったという感じではない。

グランアレグリアの動き次第で、各着順が決まってくる一戦であろう。

天皇賞(秋)予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

死角が多いと見るか否か人それぞれだが、各有力馬には自分の持ち場があるということだけは間違いない。

東京の10F戦では、大きな死角を生まないのがディープインパクト産駒なのだが、マイルでも著しく鋭い反応を見せてくれるのは、タピットのビッグなバックボーンを芝のスピード勝負で活かしてみせたタピッツフライの娘という武器をまた味方につけているから。

1分57秒台の決着と見立てた時、シアトルスルー直系の血筋であるとか、英三冠・ニジンスキーのクロスだとか、母の血統背景にディープインパクトという型枠を作る根幹種牡馬の要素まで加えれば、いくらかマイルに偏った才能発揮の可能性を強める要素として、その三冠馬それぞれの個性が現れたとできる。

ニジンスキー直系は必ずしも、ステイヤーとしての資質を強めない面があり、カーリアンがそうであるように、主戦場はシンコウラブリイ<藤沢和雄厩舎最初のG1タイトルをプレゼントの名牝>と同じく、総合力勝負のマイル向き。

気難しいというか、走る気を殺がない方がいいのも、シアトルスルーらの超A級サラブレッドたちの血を持つ者たちの宿命のようなところがある。

走る馬ならではとできるグランアレグリアの前進気勢は、スローの10F戦でどこまで抑えきれるか。

大阪杯のような馬場にはなりづらい東京で、得意なパワー勝負に持ち込むには、コントレイルを意識しないスパートの勇気が鞍上に求められる。

母系が北米テーストの配合に差異の生じぬ人気両頭だが、血統面で決定的な差を生み出しているのが、ストームキャットのあるなし。

特段の距離適性に延伸の価値を生み出す有力者でも何でもないのだが、母父がアロゲートを送り込んだアンブライドルズソングとて、また母母父がBCクラシック連覇のティズナウであるとしても、軽やかなスピードを身上とするディープインパクトには、何も足かせになる鈍重さの減点要素たりえないのだが、北米血統のど真ん中にあるストームキャットが薄っすら母系に入り込んだだけで、意外な距離延長の可能性を生む隠れた要素になっているのだ。

母父ストームキャットであれば、サトノアラジン<今年の新種牡馬>、ダノンキングリー<ダービー2着の2年後に安田記念優勝>といった面々が、高速の上がりでマイルチャンピオンになれたという例はあるが、実は牝馬であると、

  • ・ラキシス<エリザベス女王杯2、1着>
  • ・ラヴズオンリーユー<優駿牝馬、クイーンエリザベスⅡ世C>

という大物が、母母父にミスプロ系の入った血筋から登場。

母母父とした時は、急にスマイルカナ<桜花賞3着>、テルツェット<ラヴズオンリーユーの姪、ダービー卿CT勝ち>が登場し、母母母父であると、何だか南関東でよく走っているライアンやコントレイル全弟のサンセットクラウドなど2歳の世代に集中。

ベストトゥベストが合う配合であるものが、代を経てからも能力全開のエースになるのは、スピード偏重ではない一面を証明した血統的根拠があってこそと言える。

ベストである2000MのG1で、再びの大敗は許されない。

良馬場の芝2000は、実はホープフルSしか走っていないという点は見逃せないが、東京で馬場を言い訳にできるのは伏兵だけである。

エフフォーリアの父は秋天で見せ場さえ作れなかったエピファネイア、同じくスローで不発だったのが、母父のハーツクライ。

おまけに、従兄のアドマイヤムーンは不利があったとはいえ、道悪得意のはずのこの舞台で完敗。

いずれも4歳時、休み明け参戦での掲示板外しであった。

アドマイヤムーンは3歳時に挑戦して、ダイワメジャーの3着に入っているから、多少はマイナス面も殺がれるはずでも、札幌記念からの黄金ローテで斤量利もあったとすれば、本格化直前でもスウィフトカレントに先着を許したというのは物足りない。

スピード負けもあるだろうし、言われるほどは道悪適性で群を抜いたものがないこの系統は、渋っても元気だったエンドスウィープ×サンデーサイレンスのアドマイヤムーンよりも、パワーは強化されたものの、その分だけ決め手を失ったエフフォーリアがダービーでまさかの敗戦であるから、ローテの狙いからして、どうしたって有馬記念一本釣りのクロノジェネシスに近い、叩き台的要素がはっきり見えている。

エフフォーリアの父父であるシンボリクリスエスは、このレースを連覇しているから、いかにもこれは屁理屈のように見られるだろうが、3歳時はさすがに前哨戦を使って、中山の豪華メンバーの一戦を上手に勝ったという内容。

4歳時に休み明けから全力の疾駆という中身とは大きく違う。

スピードを消すような組み合わせであるから、良馬場でも不利は多く、幾らか外差し傾向ながらも良馬場だったダービーで敗れた点でも、阪神で秋華賞なんて最高じゃないか…、と羨ましく思っているかもしれない。

敢えてここは、ハーツクライ産駒の休み明け、ヒシイグアスから根拠を語りたい。

至極単純。東京で【2・1・0・0】なのである。

グランアレグリアの場合は降着もあり、【4・1・0・1】と2度の綻びがあり、エフフォーリアはダービーの件があるから、休み明けと距離適性が相殺の【2・1・0・0】はアドヴァンテージに乏しい感じ。

奇しくも、それと並ぶのが三冠馬・コントレイルであり、いずれもが超ビッグレースかあの東スポ杯というのであれば、ある意味で、東京G1を2勝のグランアレグリアとも互角になるのは、三冠馬とこの堀厩舎の伏兵のみ。

堀厩舎は5歳になってからのモーリスをこのレースに誘って、見事人気に応えてみせた。

その頃から、同期の有力馬を数多く当ててきた矢作厩舎から、今度は自慢の秘宝・無敗のトリプルクラウンが登場なので狙い討つまではさすがに厳しいが、サリオスと同父のハーツクライの牡馬であり、この父には珍しくトレンドに乗せた南米血統の活躍馬。

母父こそストームキャット系で異なるが、母母父レインボウコーナー、母母母父サザンヘイローは、まさかの復活を果たしたマカヒキと同じ。

今が旬、という強引な狙い目で、もう一方はさすがにヒモ荒れ期待の伏兵ならばと、東京でこそ買いのを推しておきたい。

でだ。

ローテ上の不利な面が大いにある有力馬から、コントレイルを買うべき根拠を求めていくとなると、三冠達成の能力に期待としか言いようがない。

仮にも、バタしあいに転じた大阪杯で、何の意味もないがライバルに先着である。

天皇賞(秋)予想2021 - レース展開と最終予想

今更ながら、まるで高級車のように古牡馬のシルエットを雨の阪神のパドックで見せびらかせながら、不発に終わった大阪杯を総括すると、馬自身のコンディションが未回復だったのは当然として、一番は、フルモデルチェンジ後初の試走の舞台が、なぜ最悪の阪神の道悪競馬なのか、という抵抗意志に尽きるように思える。

一張羅ということではないが、肉体がファッションであるという筋肉自慢の芸能人が言いそうなフレーズを当てはめると、あの雨の降り方はテンションがた落ちであろう。

それはグランアレグリアも同じだから、東京はどちらか一戦に止めた方が良かったはず。

掛かるかもしれない。彼女は我が強いことを、どこかみんな忘れているようなところがある。

レース展開は彼女の出方次第だから、受け身になった三冠馬となるが、位置取りなど本来どうでもいいコントレイルには、必要な仕事があるとここではしたい。

シンザンもミスターシービーも、時期は全盛期に被らないナリタブライアンとて、G1級レースは三冠戦以外にも制し、古馬タイトルは必ず獲っているから最低でも、主要タイトルは4つ以上が普通。

ルドルフと父・ディープ、凱旋門賞は1つ勝てていたはずのオルフェーヴルなど、G1連対率が頗る優秀な三冠馬は、菊花賞で早熟性を否定するから、その後も進撃が止まることはない。

歴代の牡馬クラシックウイナーは、春二冠とかでない限り、シングルタイトルに3歳時止まっても、フル参戦ならおまけのような古馬タイトルがついてくるのが普通。

調教の内容を見る限り、昨季までの自身をしっかり追い越してきた手応えを、結果で示せそうな雰囲気にある。

グランアレグリアを追いかけさせる大阪杯と逆の展開に持ち込めれば、勝機は濃厚だろう。

彼が勝つ時、ゴール前差し切りは一度もない。

直線一気ではない追い込み型のミスターシービーもオルフェーヴルも、華麗なるディープインパクトも、実は4コーナーで勝負を決めていた。

そりゃそうだ、である。

 

天皇賞(秋)過去の予想と結果