天皇賞(秋)予想

日本競馬の根幹を成すクラシック競走と古馬のGⅠ競走の中でも、前身のエンペラーズカップ、帝室御賞典まで加えると、開催年数で国内GⅠ級競走では一番の東京優駿<別称・日本ダービー>より遥かに歴史は長く、
第1回の施行は1905年という、明治期スタートのこの天皇賞は、古馬最高の栄誉とされ、勝者には楯の副賞が授与されます。
ただ、歴史が100年以上となると、その間の変化も何度か起こり、天皇賞競走としてカウントされるようになった1937年から始まる東京開催の秋は、1984年から芝2000Mへと短縮。
一方で、阪神から京都へと序盤で開催地が変更された春の方は、戦乱期の混乱で奇数回での開催になる前から、既に現在の3200Mの設定に変更はありません。
スピード馬のためのレースに変更された秋の天皇賞は、世界レベルの名馬を披露するために、年を追うごとにその質を着実に上げていきました。

天皇賞(秋)の歴代優勝馬

年度1着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年ブエナビスタ牝4
56
C.スミヨン
1
宝塚記念<2>
スペシャルウィーク
ペルーサ
牡3
56
安藤勝己
4毎日王冠<5>
ゼンノロブロイ
アーネストリー
牡5
58
佐藤哲三
2札幌記念①
グラスワンダー
2011年トーセンジョーダン
牡5
58
N.ピンナ
7札幌記念①
ジャングルポケット
ダークシャドウ
牡4
58
F.ベリー
2毎日王冠①
ダンスインザダーク
ペルーサ
牡4
58
横山典弘
6天皇賞(春)<8>
ゼンノロブロイ
2012年エイシンフラッシュ
牡5
58
M.デムーロ
5毎日王冠⑨
キングズベスト
フェノーメノ
牡3
56
蛯名正義
1セントライト記念①
ステイゴールド
ルーラーシップ
牡5
58
I.メンディザバル
2宝塚記念②
キングカメハメハ
2013年ジャスタウェイ
牡4
58
福永祐一
5毎日王冠②
ハーツクライ
ジェンティルドンナ
牝4
56
岩田康誠
1宝塚記念③
ディープインパクト
エイシンフラッシュ
牡6
58
M.デムーロ
3毎日王冠①
キングズベスト
2014年スピルバーグ
牡5
58
北村宏司
5毎日王冠③
ディープインパクト
ジェンティルドンナ
牝5
56
戸崎圭太
2宝塚記念⑨
ディープインパクト
イスラボニータ
牡3
56C.ルメール
1セントライト記念①
フジキセキ
2015年ラブリーデイ
牡5
58
浜中俊
1京都大賞典①
キングカメハメハ
ステファノス
牡4
58
戸崎圭太
10毎日王冠⑦
ディープインパクト
イスラボニータ
牡4
58蛯名正義
6毎日王冠③
フジキセキ
2016年モーリス
牡5
58
R.ムーア
1札幌記念<2>
スクリーンヒーロー
リアルスティール
牡4
58
M.デムーロ
7安田記念⑪
ディープインパクト
ステファノス
牡5
58川田将雅
6毎日王冠<5>
ディープインパクト
2017年キタサンブラック
牡5
58
武豊
1宝塚記念<9>
ブラックタイド
サトノクラウン
牡5
58
M.デムーロ
2宝塚記念<1>
マルジュ
レインボーライン
牡4
58岩田康誠
13宝塚記念<5>
ステイゴールド
2018年レイデオロ
牡4
58
C.ルメール
2オールカマー①
キングカメハメハ
サングレーザー
牡4
58
J.モレイラ
4札幌記念<1>
ディープインパクト
キセキ
牡4
58川田将雅
6毎日王冠③
ルーラーシップ
2019年アーモンドアイ
牝4
56C.ルメール
1安田記念③
ロードカナロア
ダノンプレミアム
牡4
58
川田将雅
3安田記念⑯
ディープインパクト
アエロリット
牝5
56戸崎圭太
6毎日王冠①
クロフネ

※<良は無印・着順は○/<稍>「重」【不良】

3200m時代の主な勝ち馬

シンザン 1965年優勝/顕彰馬

-その他の勝ち鞍-

クラシック三冠(1964年)
宝塚記念、有馬記念(1965年)

2000m時代の主な勝ち馬

タマモクロス 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

天皇賞(春)(1988年)
宝塚記念(1988年)

テイエムオペラオー 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

古馬主要G1完全制覇(天皇賞春・秋、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念) (2000年)
天皇賞(春)(2001年)

シンボリクリスエス (2002年&2003年)

-その他の勝ち鞍-

有馬記念 (2002年・2003年連覇)

ジャスタウェイ 2013年優勝

-その他の勝ち鞍-

安田記念、ドバイデューティフリー(UAE/現:ドバイターフ) 2014年

天皇賞(秋)過去の傾向

2コーナーの引き込み線からのスタートで、そこにかかる手前で何度も大きな接触が起きてきた曰く付きのレースです。
そういう難しさは大改修後も引き継がれ、最短ルートの内枠も大きく外を回らされる多頭数の外枠も、展開によって自身の脚質が有利になるか否かが、はっきりしないことが多く、
スローでは外枠はまず死に目となる以外は、そこまで重要な要素ではなくなっています。

天皇賞(秋)過去10年のデータベース

着度表1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気521250%70%80%
3歳馬021130%13%19%
4歳のクラシックホース312723%31%46%
【牡馬】3、4歳のクラシックレース連対馬124106%18%41%
【牡馬】古馬王道路線タイトルホルダー2111213%19%25%
【牝馬】G1の勝ち馬221325%50%63%
【牝馬】当該年の安田記念出走馬101050%50%100%
札幌記念の勝ち馬111317%33%50%
安田記念連対馬101514%14%29%
安田記念の1番人気馬200250%50%50%
安田記念2、3番人気馬03130%43%57%
毎日王冠組の1着馬01160%13%25%
毎日王冠組の2着~9着322308%14%19%
G1で5勝以上の馬231322%56%67%
上記に加え、出走歴があった場合02120%40%60%

様々なキャラがいる一桁着順の毎日王冠組は、勝っている馬が人気になる以上、人気落ち期待の負けている能力上位の馬に期待。
こういう狙い方で回収率が高いというのは珍しいので、馬券的には単穴狙いか大本命馬かの毎日王冠組とすべきでしょう。

人気馬でクラシックホース。若い頃から一流評価の名馬。
不利は承知で、そういうローテを選んだ一流馬は、人気になっても押さえないといけません。
無論、消えた馬も沢山いますが、オークス馬とダービー馬、3歳秋で古馬ともGⅠで好勝負だったからこそ、格上の馬をいちいち嫌う必要はないとするのが、今の常識と言えます。

天皇賞(秋)攻略のポイント

雨馬場だとあまり荒れませんが、歴史的に見て、良馬場のハイペースは波乱傾向なので、勝ち馬の父親にバラつきがあるからこそ、その中の上位人気の馬を選別していって、信頼度を見極めたいところです。
この前の10年も似たような傾向なので、マイラーとして認知されている馬以外、差し馬から入るのがいいでしょう。
宝塚記念は雨が多いので、こちらも雨が降ったとすれば、この組はそもそも主流なので、人気馬を絶対視できるのは渋馬場コネクション成立の時、と記憶しておきたいところです。

天皇賞(秋)2020【予想】|外枠不利データも?枠の有利な傾向と対策

天皇賞(秋)予想2020の枠順発表&最終追い切り後の攻略をしていきます。
登録馬の中から厳しい抽選やトライアルにて勝ち抜いてきた絶好調馬を公開!

差し馬は?連覇は?逃げ宣言の馬は?
過去配当や予想オッズを見ても荒れる要素がある本レースにて狙い目の三連単に入りそうな軸馬や大穴、激走馬を分析していきたいと思います。

各種展望や指数データに加え、当日の馬場状態やパドック診断もしていく予定ですが有力馬のサインを見逃さず参考レースを交えて予想をしていきます。

レース名JRA:第162回 天皇賞(秋)
グレード重賞(gi)
日程2020年11月1日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2000m
コース左回り
賞金1億5000万円
レコード1:56.1

天皇賞(秋)2020出馬表(馬柱)出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)

枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量)馬体重(前走)
1ブラストワンピース池添 謙一

58542
2カデナ田辺 裕信58476
3ダイワキャグニー内田 博幸58498
4ダノンキングリー戸崎 圭太

58456
5ウインブライト松岡 正海
58484
5フィエールマン福永 祐一

58490
6クロノジェネシス北村 友一

56464
6キセキ
武 豊

58502
7アーモンドアイC.ルメール

56488
7スカーレットカラー岩田 康誠


56474
8ダノンプレミアム
川田 将雅

58506
8ジナンボー
M.デムーロ

58486

天皇賞(秋)2020 - 過去10年~20年の歴代優勝馬や成績データ

 1着2着3着4着以下
安田記念1番人気の成績2回0回0回2回
安田記念2~3番人気の成績0回3回1回3回

アーモンドアイが該当

アーモンドアイとダノンプレミアムの復権で明らかになったポイントは、どうしたって58<牝馬は56>を背負った経験が、若い馬ほど重要であるかということ。

春の天皇賞の出走馬も似たようなことがあったが、今はその辺を全て安田記念がカバーしている。

何せ、ダービー馬は安田記念の方に気がある時代なのである。小難しい分類法のようでいて、要領を得ない前走別成績よりずっと合点がいく傾向に思える。

1着2着3着4着以下
1回2回4回10回

ダノンキングリーが該当

ここはファンのセンスが問われるポイント。
特に、牡馬が輝きづらい時代にあって、クラシックホースの若手の方が勝ち切れない傾向は、そもそもの出走数が少ない上に目立つから、心中するようなタイプではないことだけは付け加えておきたい。

レイデオロが海外遠征をしていることが重要なのではなく、その後勝って、ここに挑んできたことがポイントと言える。

 1着2着3着4着以下
G1・5勝以上の馬2回3回1回3回
上記に加え、出走歴があった場合0回2回1回2回

アーモンドアイが該当?

はっきりしているのは、そんなに大レースを勝ってきた馬は、おおよそ下降線に入った古豪になりかけの重鎮ということ。

秋の天皇賞の古馬での連覇の記録はないから、早々狙いが立つ人気馬ではないとすべきで、半分が馬券外だから、真剣に取捨を考えないといけない。

天皇賞(秋)2020 - 出走予定馬の血統データ

推挙理由の一つには、ダノンキングリーと三冠馬とのわずかな血統構成の違いもある。

血統構成や兄弟のダート適性などからも、三冠馬のコントレイルに限りなく違いものがあるが、

母が、ストームキャット×インテント系×マジェスティックプリンス<レイズアネイティヴ系>
と、
ミスプロ系<レイズアネイティヴ系>×インテント系×ストームキャット

という風に、クロスの掛かり方やポジションの違いでキャラが激変。

1800適性では同レベルだとしても、持てるスピード能力の発揮できる範囲に三冠馬には限界がなく、完成度や母系にトウショウボーイと似た配合が入った<3代母ロヴィンタッチ>ダノンキングリーには、不良のこのレース快勝のキタサンブラックのように、リファール2本でもそれが5代内でクロスなしだから、迫力も足らない。

しかし、キレは出せるから、サトノアラジンやキズナのような直線勝負なり、時計勝負での対応力に期待となると、G1ではこのレースにジャストフィットの可能性はある。

トウショウボーイは、東京の皐月賞を独走した馬だった。

鞍上のジョッキーや脚質は消去法予想に必要になってくる

面白い対抗馬を選別していった結果、逆転の芽まで考えると、この馬しか狙えない。

安田記念の組が有利なのは当然のこと。

春の天皇賞も宝塚記念も、古馬のためのレースという設定にしているから、極めて厳しい定量の58を背負わされるレースであるためだ。

秋は一転、58を背負うとしたら、このレース以外には古馬GⅠの前哨戦に使われるレースなどしかないから、そもそも、全ての馬が57以下で覇を競うという構図になる。

その経験値を得た、東京ワンターンの鬼の巻き返しに期待したい。

そういう狙いを立てておきながら、大阪杯の回顧では、情けない男衆の一頭に数えて、展開は合っていたのではないのかという苦しい言い訳に終始した筆者。

中山記念が完勝だっただけに、次は安田記念と思っていたのだが、間を挟んで、安田記念は前述の斤量に加えて、正真正銘、初めての経験となった道悪の渋残り競馬で、目の前にいたグランアレグリアにコントレイル的な絶望を味わらされた、スピードの限界まで示す完敗。

苦しい。

ダノンキングリーの評価は地に落ちかけていた。

ところが、ダービーの勝ったようなロジャーバローズの追撃や、自分より評価を受けた皐月賞の上位入線組は、ここにはいない。

有馬記念まではみんな走っていたのに、特にサートゥルナーリアなどは、世代のトップホースとして満を持して宝塚記念に挑むも、距離と道悪とやけに猛々しくなりすぎた影響も重なり、競馬に挑むべき場面で違うことに興奮するようなシーザリオ兄弟の怪しい面ばかりで出てしまった。

記録は4着だったが、ダノンキングリーの安田記念とあまり差はない。

ただし、彼らが勝ちそびれたダービーで、正攻法の抜け出しを決めかけたダノンキングリーの健康さは、本番であまり本気になれなかったからというより、基本的な身体能力の高さに加えて、基本的な前半じっくり構え型にシフトしているからという面で、好影響があったのかもしれない。

虚弱体質の才能をこれまでも数多く手がけてきた萩原調教師だから、戸崎騎手がいないとなれば、厩舎のトップホースには必ず声をかけて乗ってもらう横山騎手に、大いなる休養期間の穴埋めをしてもらった。

その中で、大阪杯のアクシデントが普通はプラスなのに、彼にはよくなかったという結果の前のレース。

つまり、あのG1馬を相手にしなかった中山記念のレース内容はともかく、その時に課された条件が一つのポイントだったのだ。

古馬になって、56を背負ったということの意味。

大柄でも何でもないザ・ディープ体形のダノンキングリーだから、得意のフレッシュな状態での1800戦もGⅡも、これまで解説のリザルトから勘案するに、何の壁でもない。

ただ、ダービーもその前の皐月賞も57で負けて、マイルチャンピオンシップも揉まれてはいないのに、力を出し切れずの5着。

ステップレースのGⅠ馬ばかりとはいえ、中山マイスターを鞍上に迎えたところで、全く勝負にならない可能性もあった。

ところが、厳しい斤量とはならないとはいえ、56で誰よりもスムーズにレースを作るような余裕で、次戦こそ負かされたが、ラッキーライラックにも毎日王冠とは逆の位置からインディチャンプも完封。

これは1800Mだからそうなのだと言っても、毎日王冠ではアエロリットをねじ伏せている。

事実上、同じパフォーマンスでも、その斤量面の2kg上増しの分だけ強くなっていたと言える。

問題は距離だが、2000Mは溜めて勝負したいけれども、それができないくらいにスタートがうまく行って、共に3着。

意外にも、いや、4歳牡馬では結構多い、東京2000M初参戦なのだ。

これに加えて、カンパニーやもっと古いところではサクラチトセオーが成功させた、ここぞの場面で本当は得意だった東京での大逆転物語もある。

敢えて、そういう名前を出したのが、前記したGⅠ5勝以上の呪いが深く関わっているから。

ウオッカもオペラオーも勝ったことがあるが、翌年はほとんど同じ条件になったのに、あっさり格下とされた馬に敗れた。

サクラチトセオーが輝いた時は、故障明け初戦で慎重なスタートであった三冠馬のナリタブライアンがいた。

何かが起こる時、ワンダーホースが登場する。

テイエムオペラオーを交わし去ったのは、翌々年はGⅠ5勝のトラップに自らハマる当時GⅠ2勝のアグネスデジタルであった。

ハマる末脚と案外の人気馬の共通項。

魔物が棲むとされてきた東京2000Mには、メジロマックイーンやサイレンススズカ、ルドルフ・テイオー親仔など、名馬と共に名手の屈辱の歴史が刻みこまれてきた。

これまで秋の天皇賞は、【2・1・1・6】というのがルメール騎手の成績

JC、有馬狙い見え見えの短期免許取得の歴史があるから、有馬記念に乗れないようではということと、最初はもっと若かったから、良い馬にも乗れていたわけではないし、ペリエ先輩もいれば、自国での実績作りもあったから、着外の6という数字に問題はない。

ただ、三連覇ジンクスのナンバーワンクラッシャーたる男が鞍上。

史上2頭目の連覇も見えているアーモンドアイに、大いに逆らうには、あの競馬の真理をついているようで、キャリアが多いわけではない彼女に使えるかどうか不明の謎の傾向を丸呑み、そのまま活用しかない。

天皇賞(秋)2020 - レース展開予測と最終予想

不安点は、ダノンキングリーが4歳であるのに、アーモンドアイは5歳ということ。

全く衰えているわけではないが、消耗度合いでジェンティルドンナとかブエナビスタのような安定感にウオッカ以上の爆発力があるから、足し引きしていると、同等レベルと言える。

何も、普通の馬のローテに拘ることはないが、当たり前のことができない馬のまま終わるとすると、それはそれで残念だ。

そろそろ、休み明け7戦無敗の記録も怪しい。

何だかんだで、コントレイルだって、詰めたローテでトライアル・前哨戦→本番の連勝を2歳時に決めていた。

牝馬なら大丈夫の理屈は、クロノジェネシスとデアリングタクトの連続ぶっつけ成功の例で証明されているが、ヴィクトリアマイルと安田記念のローテがキツすぎただけのこと。

普通じゃないことの証明をしたシンボリクリスエスが、
<天皇賞→JC→有馬→宝塚→天皇賞>

の異色ローテで○×を交替で繰り返した末の、唯一の秋天連覇達成者ならば、
<天皇賞→有馬→Vマイル→安田→天皇賞>

というのも同じなのだが…。

三冠馬たちのように、その在るべき形で攻める手は、クラシックを勝っている馬にこそ近年は不利の構図から、すでにここを勝っている上での連覇挑戦の苦しさは、テイエムオペラオーに学ぶべきとすべきだろう。

オペラオーがスピードレースを嫌ったように、タフな馬場の6月、12月のGⅠはアーモンドアイに合わないが、同時に、得意分野が広域ではなくなるとも言える5歳秋のトップホースのこと。

エネイブルも勝てなかった、ゼニヤッタも5歳BCクラシック制覇の翌年の連覇挑戦で、有終の無敗完走は叶わなかった。

牡馬の丈夫さでカバーしないといけない分野。

天才にも限界がある。もしかすると、同じ事をコントレイルに課しても、同じことが起きるのかもしれない。

勝負が決した後に言うべきことだが、安田記念の敗因はアスリートとしての限界と同時に、あまりに完成されたスピード型であるがために、ちょっとした出負けでグランアレグリアの瞬発力に対応しきれなかった肉体的な変化も影響した可能性がある。

逃げてしまいやしないか。

もしそうなると、今度はダノンキングリーが差してくる。

妄想の部類に入るこんな読みをしても、牡馬勢が大いに怪しいから、クロノジェネシスの代役を買ってもいいとは思うが、良馬場で強い馬ではない。

天皇賞(秋)2020【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着アーモンドアイ(1.4倍)2着フィエールマン(17.4倍)3着クロノジェネシス(4.4倍)女王アーモンドアイが連覇!史上初の8冠達成!

レース名第162回 天皇賞(秋)
日程2020年11月1日(日)
優勝馬アーモンドアイ
優勝騎手 C.ルメール
勝ちタイム1:57.8
馬場
3連単配当4,130円

天皇賞(秋)2020 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
19アーモンドアイ1:57.8-
26フィエールマン1:57.91/2
37 クロノジェネシス1:57.9クビ
411ダノンプレミアム1:58.22
58キセキ1:58.62 1/2
単勝9140円
複勝9110円
複勝6260円
複勝7140円
枠連5-7780円
ワイド6-9420円
ワイド7-9180円
ワイド6-7670円
馬連6-9970円
馬単9-61,180円
3連複6-7-9960円
3連単9-6-74,130円

天皇賞(秋)2020 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「信じられないパフォーマンス。今日は日本一になった。強い馬だが、毎回乗る時はプレッシャーが凄いです。G1・8勝をとりたかった。改めてアーモンドアイはすごくよい競馬をした。よく頑張ってくれた」

※C.ルメール騎手のコメント(アーモンドアイ)

天皇賞(秋)2020 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

天皇賞(秋)2020 - 回顧

動き出すタイミングをどう計るかどうかだけの問題を、外から逃げたダノンプレミアムと、キセキが作ってくれた壁のおかげで、全てがうまくハマっていった。

しかし、もうアーモンドアイらしい姿ではなかったのかもしれないなと、静かな天皇賞のゴール後、これまでの偉業についてまで思い返す筆者であった。

さて、まあ彼女の話は置いておくとして、素晴らしいのはクロノジェネシスとフィエールマンだろうという見方もあっていいレースだったことに、大いに価値を感じる一戦となった。

自分のタイミングだけで動き出すことを考えればいいアーモンドアイとルメールのゴールデンコンビに対し、あのコントレイルでもオークスではデアリングタクトでも苦しい瞬間を迎えたことを考えたら、そういうGⅠ級やすでにその称号を得た伏兵でも、それなりの場面を作れる機会は訪れる。

東京で跳ねるようにキレ味を繰り出していた、若き日のクロノジェネシスがちょっとだけ戻ってきた。
気づいたらもっと大きくなっていくのかもと膨らみ続ける彼女ながら、この日の馬体重を見ていると464kgであった。
これは宝塚記念と同じ。
フレッシュさで勝負のトップホースだから、瞬発力勝負でどこまでやれるかという課題は、他の馬より若干ピッチ走法で血統背景から道悪で地球上でトップクラスレベルの中距離馬だからこそ、トータルの時計とハイペースの良馬場への適応力に注文がつく馬が、実は、アーモンドアイ、今のアーモンドアイのボリューミーで豊かすぎるボディであれば、最も持ち味を活かせたはずという組み合わせだったのだろう。

一瞬は、スイッチが入った瞬間だけなら同期のグランアレグリアとも大差ない加速力のあるクロノジェネシスらしさは、全く違う環境の秋の天皇賞でも十二分に発揮された。

しかし、本当に古馬の中距離GⅠで超一流にはまだ足らないから、アーモンドアイが超高速抜け出しを決めて止まったと同時に、クロノジェネシスの死角であるもう少しどうにかならないかという感じのひと押しまでは出せなかった。

それも個性。ナスルーラ直系のスピード能力を末脚に乗せるとやたらと日本で本領発揮の伝統芸は、今後も彼女が走ることで、しっかりと披露されていくことになる。

来たぞ、これは。

フィエールマンと福永である。

先週と逆だったが、物理的な限界と休み明け、もっと言えば、中距離の経験値の少なさが札幌記念同様、大一番で少し足らなかった結果に繋がったのか。

その昔、といっても2年前の春なのだが、中山で独走、福島で殿から大外ブン回しの鬼のような不器用さでメイショウテッコンに迫った時から、いずれは東京の大レースでと期待された才能だったのが、気づけば、器用に何でもこなせるような馬にはなれず、春の京都でだけ全力投球の馬になっていた。

本音を言えば、もう少し早く…、だったものがアーモンドアイ大偉業なるの瞬間、最もタフな末脚を繰り出した男のプライドを示すGⅠ馬らしいパフォーマンスで穴党は一瞬だけ喜ばせてもらった。

ディープインパクト産駒は最近揮わないが、それはコントレイルが万能性を初めて示す競走馬になったのに対し、その他大勢は、父が好んだ10F近辺のスピードレースで順番こにGⅠを制すだけに止まってきたから。

本質はコントレイルとみんな同じだが、何かに耐える力を得た時、ようやく次のステージに上がれる機会ももらえる。

GⅠ3勝全て超僅差のフィエールマンは、中距離馬らしい走りで今年の春の天皇賞を制し、首尾よく、自慢の末脚を再び約束の府中で繰り出した。

ダメージさえなければ…。

ジャパンCでは古馬代表としてのプライドを示すことになるだろうが、誰が乗るのか、そもそも違う道を選ぶのか。

この点、上位3頭はずっと悩ましいレース選択の中で、唯一に近い欠点を示してきたのは残念と言えば残念。

それもまた個性なのだが。

その残念さは、最も相応しい舞台に万全の状態で出られなかったダノンキングリーが際立っていた。

何ゆえに体が減ったのか、全くもって謎だが、気合いの入り方がライスシャワー的で、到底スピード競馬の東京2000M向きの作りではなかった。

攻めすぎたわけでもないので、この気配。

あの安田記念で上位入線組は今も元気だが、大きく負けた馬は反対に絶不調。

完全にグランアレグリアにやられてしまっている。

敢えて、GⅠ8勝は褒めないとする。

そもそも、競走馬として3歳の内に全て獲るべきものを全て奪いつくしたアーモンドアイは、今更万能性も、発展性も示す必要はない。

ある意味で、アスリートとして実戦における身体実験をしているだけのことであり、それは特異なローテで可能にしたものだから、この部分も含め、アーモンドアイはずっと素晴らしいサラブレッドで在り続けているのは当然でも、何度もそれを証明する必要もまたない。

ただ、8勝できないのはJRAのGⅠという関門の据え付け方の問題であり、ルドルフもディープも一度だけ国外戦に挑んで敗退も、その分の差が1つ上増しされただけで、もはや、この観点で褒めるのは筋違い。

そもそも、あのJCで世紀の最強馬誕生である。数字は問題ではない。

それでも、幻の凱旋門賞制覇が二度ほどあった日本の調教馬の不遇は、ルドルフ超えにしか、未来を求められないという課題をずっと残してきたのも事実。

今更、何の意味もないように思う秋天連覇で得た我々の教訓は、しかし、これがアーモンドアイの強さなのか、ではなく、さすがにもう強烈さはなくなったというものだった。

男馬には到底かなわない加速能力で他を圧倒したのではなく、基本のスピード能力でだけ他を制したヴィクトリアマイルと同じような結果だから、本当にその数字の更新だけのために挑んだレースになっていた。

アメリカで死にそうになったルドルフも、元気さが出過ぎた凱旋門賞のディープも、本当の姿ではなかったように、本当の一流が3歳で何もかも叶えたのなら、もう5歳シーズンなど何の意味もないのだろうと、亡き先達に改めて学ぶべきだったとここはしたい。

褒めるために走らせるべきか、可能なものへの挑戦こそが有意義とすべきことが正論なのか。

シンザンは五冠であると同時に、宝塚記念も制していて、GⅠ級レースは6戦パーフェクトだった。

もうそれは三冠馬になりたての2頭にしかできないことだが、三冠を重んじておきながら、古馬の追加要項たるGⅠカテゴリーにスペシャリストとしての可能性の選択をする以上、アーモンドアイはマイルに絞るべきだったと、敢えて注文を付けておきたい。

ともあえ、これが最後でも不思議はなし。

お疲れさまと言いたいが、まだ走りたいんでしょ?と、ちょっと意地悪なことを言って、送り出してあげたい。

ありがとうございました。

天皇賞(秋)過去の予想と結果