天皇賞(秋)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

阪神ジュベナイルフィリーズを予想!

日本競馬の根幹を成すクラシック競走と古馬のGⅠ競走の中でも、前身のエンペラーズカップ、帝室御賞典まで加えると、開催年数で国内GⅠ級競走では一番の東京優駿<別称・日本ダービー>より遥かに歴史は長く、
第1回の施行は1905年という、明治期スタートのこの天皇賞は、古馬最高の栄誉とされ、勝者には楯の副賞が授与されます。
ただ、歴史が100年以上となると、その間の変化も何度か起こり、天皇賞競走としてカウントされるようになった1937年から始まる東京開催の秋は、1984年から芝2000Mへと短縮。
一方で、阪神から京都へと序盤で開催地が変更された春の方は、戦乱期の混乱で奇数回での開催になる前から、既に現在の3200Mの設定に変更はありません。
スピード馬のためのレースに変更された秋の天皇賞は、世界レベルの名馬を披露するために、年を追うごとにその質を着実に上げていきました。

天皇賞(秋)の歴代優勝馬

年度1着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年ブエナビスタ牝4
56
C.スミヨン
1
宝塚記念<2>
スペシャルウィーク
ペルーサ
牡3
56
安藤勝己
4毎日王冠<5>
ゼンノロブロイ
アーネストリー
牡5
58
佐藤哲三
2札幌記念①
グラスワンダー
2011年トーセンジョーダン
牡5
58
N.ピンナ
7札幌記念①
ジャングルポケット
ダークシャドウ
牡4
58
F.ベリー
2毎日王冠①
ダンスインザダーク
ペルーサ
牡4
58
横山典弘
6天皇賞(春)<8>
ゼンノロブロイ
2012年エイシンフラッシュ
牡5
58
M.デムーロ
5毎日王冠⑨
キングズベスト
フェノーメノ
牡3
56
蛯名正義
1セントライト記念①
ステイゴールド
ルーラーシップ
牡5
58
I.メンディザバル
2宝塚記念②
キングカメハメハ
2013年ジャスタウェイ
牡4
58
福永祐一
5毎日王冠②
ハーツクライ
ジェンティルドンナ
牝4
56
岩田康誠
1宝塚記念③
ディープインパクト
エイシンフラッシュ
牡6
58
M.デムーロ
3毎日王冠①
キングズベスト
2014年スピルバーグ
牡5
58
北村宏司
5毎日王冠③
ディープインパクト
ジェンティルドンナ
牝5
56
戸崎圭太
2宝塚記念⑨
ディープインパクト
イスラボニータ
牡3
56C.ルメール
1セントライト記念①
フジキセキ
2015年ラブリーデイ
牡5
58
浜中俊
1京都大賞典①
キングカメハメハ
ステファノス
牡4
58
戸崎圭太
10毎日王冠⑦
ディープインパクト
イスラボニータ
牡4
58蛯名正義
6毎日王冠③
フジキセキ
2016年モーリス
牡5
58
R.ムーア
1札幌記念<2>
スクリーンヒーロー
リアルスティール
牡4
58
M.デムーロ
7安田記念⑪
ディープインパクト
ステファノス
牡5
58川田将雅
6毎日王冠<5>
ディープインパクト
2017年キタサンブラック
牡5
58
武豊
1宝塚記念<9>
ブラックタイド
サトノクラウン
牡5
58
M.デムーロ
2宝塚記念<1>
マルジュ
レインボーライン
牡4
58岩田康誠
13宝塚記念<5>
ステイゴールド
2018年レイデオロ
牡4
58
C.ルメール
2オールカマー①
キングカメハメハ
サングレーザー
牡4
58
J.モレイラ
4札幌記念<1>
ディープインパクト
キセキ
牡4
58川田将雅
6毎日王冠③
ルーラーシップ
2019年アーモンドアイ
牝4
56C.ルメール
1安田記念③
ロードカナロア
ダノンプレミアム
牡4
58
川田将雅
3安田記念⑯
ディープインパクト
アエロリット
牝5
56戸崎圭太
6毎日王冠①
クロフネ
2020年アーモンドアイ
牝5
56
C.ルメール
1
安田記念<2>
ロードカナロア
フィエールマン
牡5
58福永祐一
5天皇賞(春)①
ディープインパクト
クロノジェネシス
牝4
56北村友一
2宝塚記念<1>
バゴ
2021年エフフォーリア
牡3
56
横山武史
3東京優駿②
エピファネイア
コントレイル
牡4
58福永祐一
1大阪杯「3」
ディープインパクト
グランアレグリア
牝556C.ルメール
2安田記念②
ディープインパクト
2022年イクイノックス牡356C.ルメール1東京優駿②キタサンブラックパンサラッサ牡558吉田豊7札幌記念②ロードカナロアダノンベルーガ牡3
56
川田将雅4東京優駿④ハーツクライ
2023年イクイノックス牡458C.ルメール1宝塚記念①キタサンブラックジャスティンパレス牡458横山 武史6宝塚記念③ディープインパクトプログノーシス牡558川田将雅3札幌記念①ディープインパクト
2024年ドウデュース牡558武 豊2宝塚記念⑥ハーツクライタスティエーラ牡458松山 弘平9天皇賞(春)⑦
サトノクラウンホウオウビスケッツ牡458岩田 望来8毎日王冠②マインドユアビスケッツ
2025年マスカレードボール牡356C.ルメール1東京優駿②ドゥラメンテミュージアルマイル牡356C.デムーロ3セントライト記念①リオンディーズジャスティンパレス牡658団野大成8宝塚記念<3>ディープインパクト

※<良は無印・着順は○/<稍>「重」【不良】

3200m時代の主な勝ち馬

シンザン 1965年優勝/顕彰馬

-その他の勝ち鞍-

クラシック三冠(1964年)
宝塚記念、有馬記念(1965年)

2000m時代の主な勝ち馬

タマモクロス 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

天皇賞(春)(1988年)
宝塚記念(1988年)

テイエムオペラオー 1988年優勝

-その他の勝ち鞍-

古馬主要G1完全制覇(天皇賞春・秋、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念) (2000年)
天皇賞(春)(2001年)

シンボリクリスエス (2002年&2003年)

-その他の勝ち鞍-

有馬記念 (2002年・2003年連覇)

ジャスタウェイ 2013年優勝

-その他の勝ち鞍-

安田記念、ドバイデューティフリー(UAE/現:ドバイターフ) 2014年

天皇賞(秋)過去の傾向

2コーナーの引き込み線からのスタートで、そこにかかる手前で何度も大きな接触が起きてきた曰く付きのレースです。
そういう難しさは大改修後も引き継がれ、最短ルートの内枠も大きく外を回らされる多頭数の外枠も、展開によって自身の脚質が有利になるか否かが、はっきりしないことが多く、
スローでは外枠はまず死に目となる以外は、そこまで重要な要素ではなくなっています。

天皇賞(秋)過去10年のデータベース

着度表1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気7回1回1回1回70%80%90%
前走が宝塚記念2回3回2回11回11%28%39%
前走が天皇賞(春)0回1回0回3回0%25%25%
前走が安田記念2回2回1回3回25%50%63%
前走が大阪杯0回1回0回1回0%100%100%
前走が東京優駿2回0回1回2回40%40%60%
前走が上記以外のG10回0回0回4回0%0%0%
前走が札幌記念1回2回1回17回5%14%19%
前走が毎日王冠1回1回4回34回3%5%15%
前走がオールカマー1回0回0回17回6%6%6%
前走が京都大賞典1回0回0回11回8%8%8%
前走がセントライト記念0回0回1回0回0%0%100%
前走がその他の古馬オープン0回0回0回17回0%0%0%

様々なキャラがいる一桁着順の毎日王冠組は、勝っている馬が人気になる以上、人気落ち期待の負けている能力上位の馬に期待。
こういう狙い方で回収率が高いというのは珍しいので、馬券的には単穴狙いか大本命馬かの毎日王冠組とすべきでしょう。

人気馬でクラシックホース。若い頃から一流評価の名馬。
不利は承知で、そういうローテを選んだ一流馬は、人気になっても押さえないといけません。
無論、消えた馬も沢山いますが、オークス馬とダービー馬、3歳秋で古馬ともGⅠで好勝負だったからこそ、格上の馬をいちいち嫌う必要はないとするのが、今の常識と言えます。

天皇賞(秋)攻略のポイント

雨馬場だとあまり荒れませんが、歴史的に見て、良馬場のハイペースは波乱傾向なので、勝ち馬の父親にバラつきがあるからこそ、その中の上位人気の馬を選別していって、信頼度を見極めたいところです。


この前の10年も似たような傾向なので、マイラーとして認知されている馬以外、差し馬から入るのがいいでしょう。
宝塚記念は雨が多いので、こちらも雨が降ったとすれば、この組はそもそも主流なので、人気馬を絶対視できるのは渋馬場コネクション成立の時、と記憶しておきたいところです。

天皇賞(秋)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

天皇賞(秋)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第171回天皇賞秋(G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年11月2日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,000m
コース左回り
賞金2億2000万円
レコードタイム1:55.2

天皇賞(秋)2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

天皇賞(秋)2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11コスモキュランダ津村明秀牡458.070.014美浦・ウッド・稍重(津村明)
6F 81.1-65.1-50.7-36.8-11.5(G前仕掛け)
美浦・坂路・良(助手)
800m 51.9-38.6-25.3-12.1(馬なり)
22アーバンシックA.プーシャン牡458.020.69美浦・ウッド・稍重(石神深)
6F 83.1-67.1-52.7-38.3-11.7(強め)
美浦・ウッド・良(プーシャン)
6F 84.0-67.5-52.4-37.6-11.5(G前仕掛け)
33ジャスティンパレス団野大成牡658.021.210栗東・CW・良(団野大)
7F 98.4-66.8-52.6-37.5-11.3(一杯)
栗東・CW・良(泉谷楓)
4F 52.4-37.6-11.8(馬なり)
34ソールオリエンス丹内祐次牡558.030.913美浦・ウッド・良(丹内祐)
6F 85.0-69.7-54.3-39.2-11.9(馬なり)
-
45タスティエーラD.レーン牡558.09.14美浦・ウッド・良(助手)
5F 66.0-50.5-35.9-10.9(強め)
美浦・ウッド・良(レーン)
5F 65.1-50.3-35.7-11.6(G前仕掛け)
46ブレイディヴェーグ戸崎圭太牝556.011.46美浦・ウッド・稍重(戸崎圭)
6F 82.1-65.5-50.3-36.1-11.2(馬なり)
美浦・ウッド・良(戸崎圭)
6F 80.8-66.0-51.1-36.3-11.0(馬なり)
57マスカレードボールC.ルメール牡356.03.71美浦・ウッド・良(ルメール)
6F 84.3-68.9-53.6-38.8-11.8(馬なり)
-
58ホウオウビスケッツ岩田康誠牡558.014.68美浦・ウッド・稍重(岩田康)
5F 65.6-50.7-36.8-11.4(一杯)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 65.9-51.0-36.7-11.5(馬なり)
69ミュージアムマイルC.デムーロ牡356.04.82栗東・CW・良(亀田温)
6F 82.3-67.3-52.3-37.0-11.3(G前一杯追)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.8-38.6-24.8-12.3(一杯)
610エコロヴァルツ三浦皇成牡458.030.412栗東・CW・良(三浦皇)
7F 99.4-68.2-52.9-37.1-11.4(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.8-40.3-25.5-12.6(馬なり)
711シランケド横山武史牝556.010.75栗東・CW・良(横山武)
7F 99.0-67.3-52.2-37.1-11.6(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.0-41.5-26.8-12.6(馬なり)
712セイウンハーデス菅原明良牡658.022.311栗東・CW・良(菅原明)
6F 79.4-64.1-49.6-35.7-11.5(一杯)
-
813メイショウタバル武豊牡458.08.53栗東・CW・良(助手)
6F 78.3-63.4-49.6-35.6-11.4(一杯)
栗東・CW・良(助手)
5F 68.9-53.2-37.4-11.1(馬なり)
814クイーンズウォーク川田将雅牝456.013.77栗東・CW・良(川田将)
6F 83.6-68.2-53.6-37.9-10.9(一杯)
栗東・CW・良(調教師)
5F 68.8-53.0-37.5-11.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬0回2回3回15回0.0%10.0%25.0%
先行馬7回6回4回59回9.2%17.1%22.4%
差し馬12回9回6回107回9.0%15.7%20.1%
追い込み馬1回3回7回81回1.1%4.3%12.0%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠4回4回1回25回11.8%23.5%26.5%
2枠2回2回0回33回5.4%10.8%10.8%
3枠1回1回5回29回2.8%5.6%19.4%
4枠6回3回3回26回15.8%23.7%31.6%
5枠1回5回2回31回2.6%15.4%20.5%
6枠3回2回3回31回7.7%12.8%20.5%
7枠3回3回3回39回6.3%12.5%18.8%
8枠0回0回3回48回0.0%0.0%5.9%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
エピファネイア20回12回17回69回16.9% 27.1% 41.5%
ディープインパクト15回23回19回115回8.7% 22.1% 33.1%
キズナ14回14回6回59回15.1% 30.1% 36.6%
モーリス14回6回7回51回17.9% 25.6% 34.6%
ハーツクライ12回15回16回101回8.3% 18.8% 29.9%
キタサンブラック10回9回5回31回18.2% 34.5% 43.6%
ドゥラメンテ10回9回4回72回10.5% 20.0% 24.2%
ゴールドシップ8回10回18回110回5.5% 12.3% 24.7%
ロードカナロア7回12回5回58回8.5% 23.2% 29.3%
キングカメハメハ7回8回2回35回13.5% 28.8% 32.7%

天皇賞(秋)2025 - 過去10年のデータ傾向

ルメールさんの活躍により、府中の魔物は2回のみの発動に止まる

7勝の1番人気に対し、うち4勝はルメール騎手の騎乗馬。

それも最大クラスの大物による連覇だから、ヘグるかに思われた2022年のイクイノックス、2020年のアーモンドアイも難なく勝利へと導いたので、怖いものはなし。

ただ、今年の騎乗馬は3歳のマスカレードボール。

イクイノックスとは程遠い実績に見えなくもないが、スケール感では二枚以上劣る。

無理もない。

一見、キャリア形成は同じでも相手が1頭だけ強かったというのとは、イクイノックスの背景とはあまりに違うわけだから、これが人気になるようだと…。

ミュージアルマイルも乗り替わり。

クリスチャンが乗ったから人気になるようでは、皐月賞馬の名が廃るが、これが人気になって不思議なという見立てでもあるし、こちらが正確な評価の上で押された天皇賞であれば、結果は順当。

ただ、これも力通りという意味で、古馬優勢なのは変わりない。

まだ、ジャスティンパレスの方が強いのではと訝しげに捉える筆者は、騎手で人気になるメイショウタバルら3頭を消すと決意した。

故に、ワイドと複勝は命綱なのである…。

タスティエーラさんはドウデュース王みたくなれるのか問題

昨年は、長く天皇賞競走が行われた中で初となる、2世代のダービー馬による強烈な穴ワンツー。

タスティエーラもドウデュースも、もうリバティアイランドには敵わないという評価が一定程度あって、タスティエーラに関しては、大阪杯1番人気を過去のモノにしようとしたファンへ痛烈なダメ出しをした、渾身の2着。

普段なら買っていても不思議なかったが、明らかにリバティ対策を兼ねた後方待機のドウデュースと武豊がやりたい放題であった。

勝っていたとするならば、衰えたどころか、完全復調の上に本格化の雰囲気であって、何も来て不思議ない。

ちなみに勝った2頭は、そのドウデュースとクリストフのレイデオロ。

勝った時のコンビで来るから面白い。

あとは、不屈の三冠馬となった渾身の仕上げっぽい雰囲気でも馬が納得していなかったような振る舞いで立ち遅れたコントレイル。

実は、ダービーで燃え尽きる馬も多くいるから、ワグネリアンやマカヒキなどは複数回敗れていて、アヴェレージとしては相対的に低いと言わざるを得ない。

香港の叩き台であることが明らかなローテ、その適性からも、相手強化というなら、昨年好走のホウオウビスケッツと共に、また要らないのではないと思った筆者なのである…。

穴狙いの根拠となった、連続好走中である馬の存在

実は、アーモンドアイが該当せずして、おまけにコントレイルも外れて、エフフォーリアやイクイノックスなどに限定されるキーファクターの一つ。

古馬の重賞は距離がのびれば、いくらか少頭数になることもあるので、簡単な傾向分析の一つとして、メンバーレベルとその格差を測る上での指標となるのが、この重賞連対記録の継続というもの。

ザックリ言うと、連覇のイクイノックスに古馬になって完全連対のモーリスなどとしったシンボリルドルフ、テイエムオペラオー的存在に加え、あのラブリーデイも加わって、計5勝。

他だと、昨年のホウオウビスケッツと宝塚記念でG1・2勝目を挙げたクロノジェネシス。

この辺の距離に絶対的な適性を持っている馬が、その路線で使われ続けている時、結果が伴わないというのは、相手が強いからというのもあるが、必ず走るという条件が重要になってくる。

これがアーモンドアイとコントレイルにはなかったが、あのジャパンC出走機会連続好走の内容からも、これは例外。

ただ、この手の馬がいなかった2017、18年は1番人気が消えるか、ヒモ荒れ。

2020年からずっと6度続けて、この傾向が続いており、この枠を一つ確保して、その枠に少し穴っぽい馬が来た昨年は、ダービー馬が埋め合わせた。

枠から外れた馬がいるならともかく、そうした常識的な馬が集まるケースではない今年は、無極化の傾向で、とんでもない波乱の可能もあると信じ込む筆者なのである。

そんな奴いるわけないと思っていたら、過去14回で2頭出走のレアケース

ブラックムーンという京都金杯を勝った馬と中京記念連覇のフラガラッハがいるのみ。

該当は10年で1頭のみで、サマーマイルシリーズ導入は、中京競馬場改修後、あの中京記念を夏のマイル戦で行うという、急展開のような出来事から始まった、つい最近の出来事だから、絶対数もさることながら、前走が京成杯オータムH以前ということもあって、それもマイル戦であると想定した時、連対していたらマイル戦にまた出てくるし、距離延長ならば、毎日王冠くらいは使ってくるだろうし…。

中京記念は絶妙に4着で、人気なる要素は皆無。

ただ、大阪杯も4着。

主な実績は、朝日杯の2着。

安田記念でも7着は健闘の部類。

本当は別の馬の各前走の記録のようで、これがエコロヴァルツのキャリアであるのだから、今までのモノとは比較にならない。

ちなみに、マイル戦は3戦して【0・1・0・2】。

そんなに悪い内容でないが、スピード系の馬ではない。

1800Mだと【3・2・0・1】で、着外はなし。

消えたのは超スローで、ジャスティンミラノにどうせ敵わなかったという、あの共同通信杯だけ。

2000には皐月賞以降に参戦で、あとは大阪杯の4着があるだけ。

極めつけのレースレコードであるから、ミュージアルマイルを推すならこれが根拠にもなるだろうが、大阪杯の結果に対し、その最先着馬がロードデルレイで、0.1秒差というのは不正確<限りなく0.2秒に近い1馬身差>ではあるが、珍妙な皐月賞7着、ダービー8着、菊花賞大敗も確かに9着…、という三冠皆勤の朝日杯2着馬の底力が、今まで頑張ってきた連中と攻守交替のこの世代の構造の中で、渋とく、メイショウタバルでもG1を獲れるならば…、という屁理屈を盾にして、堂々、躍動の単勝万馬券<最近のWIN5は、開催日全部で行われているせいなのか、歯が立たないレベルの難解な結果が多いという流れにも乗って…>を期待しつつ、これは三浦皇成の仕事であるべきと、早くも二つ目のJRAG1制覇を期待する。

またユタカさんが行ってくれますんで、よろしくどうぞ。

メイショウタバルはいつも言うとはは限らないので、この辺は逆張りでいきたい。

天皇賞(秋)2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

もう芝G1なんて怖くない鞍上を背に、再び、悩ましい結果をもたらす立役者になってくれ

エコロヴァルツの血統

8、8、6番人気で条件戦をそれぞれ勝利した母プティプランセスは、7番人気で格上挑戦の新潟記念を5着。

主な実績をこれしかないが、重賞好走時は最高支持の単勝が6.8倍で、大阪杯は10番人気で好走なのだから、息子も立派な穴男である。

下河辺牧場の生産というのもあるか、ヘイルトゥリーズン3×3で牝馬三冠のスティルインラブが強烈な印象を残したので、過度に意識するのだろうか、その真逆の構成に意図を感じる筆者。

エコロヴァルツからみて、4代母であるノーザンレイクは、その名の通りにノーザンダンサー産駒なのだが、ここより浅いところの、いわば、もっと強いクロスが生じる血が入ってこないのである。

母の代でも、キングカメハメハをつけると、これが4代目に掛かるから、ノーザンダンサーの4×4・6のキングカメハメハは、一つ代を経るから、このクロスを深いところで作る。

ブラックタイドは母父父父に該当し、表面的にはその5×5。

ブラックタイドは重い血を重ねられながら、異系色の強い北南米の血を抱えたサンデーサイレンスの影響で、どうなるか不明の不安定さを抱えながらも、その武器をぶん回ししていくことで、他を追随を許さなかった。

全弟ディープインパクトより体格に恵まれているが、ほとんどの馬は大きくなってしまっては、扱いの難しい面のある系統だけに、苦労することもあるが、キングカメハメハが怪しい位置にいるエーピーインディ<母母父>の気性面を悪く出さないのか、前向きさについては、このヘイルトゥリーズンの血を得たウインドインハーヘア一族の狂気の一部分にすぎず、いかにも、ブラックタイドの後継であるかのような風情もある。

ブルードメアサイアー・キングカメハメハでは配合相手に困るわけだが、こうしたバランスの馬は、しばしば、スイッチが入った瞬間に大きな変わり身を見せることがある。

クロスの強さが明暗を常に分けた今年の3歳牝馬路線のように、同期のアーバンシック、メイショウタバルらが持つサンデーの3×4、それもダンスインザダーク<あの失意の敗退だったカムニャックはこの一族>に関わる、気性難を誘発するクロスに対抗するには、こうした色気を持ちながら、地道な努力を実らせたような血統の持ち主のような気もする。

天皇賞(秋)2025 - レース展開と最終予想

JRAG1・100何十連敗という呪縛から解き放たれた三浦皇成騎手が、中間、3歳の最終タイトル戦2つに騎乗予定がないため、最初のG1ジョッキーとして臨むG1へと挑む。

今度はエコロヴァルツ。

人気になる理由はないが、朝日杯フューチュリティSや大阪杯で掲示板内に入ったことはあるが、右回りの1800戦でのみ3勝の偏ったイメージで、騎手としては気楽に乗れる。

少なくとも、苦楽を共にした盟友でもあるウインカーネリアンとは、臨む姿勢が違うはずだ。

気負う理由などないから、自分らしく、馬の走る気に合わせて、正しいアプローチでやる気などを踏まえて、しっかりサポートしてあげるだけで、関係者は一定の理解をしてくれる。

結果に拘る理由はないが、この馬は持ち時計に割に、結果がパッとしない。

マイル戦に2度ぶち込まれて、牧浦調教師はマイル戦を意識した好発の絶妙な発進から、そこからがいまいち…、ところが最後は案外伸びてきて、という繰り返し。

安田記念も中京記念も、47秒程度の半マイルの展開。

大阪杯の自分のポジションから推定するに、それよりもコンマ数秒遅い通過で、中距離のハイレベル戦は得意分野にも思える。

ただ、菊花賞でも簡単にポジションを獲れているくらいで、朝日杯の結果を踏まえたマイル2戦でも、賞金に絡む事情、今回だってフルゲートを超える登録ならば、除外が推定されるケースだったで、15頭登録、四の五の言わずに一所懸命にやるのみであろう。

打ってつけの鞍上でもある。

牧浦充徳厩舎からは、人気になって不思議ない左回り巧者でもあるシランケドが登場する。

ワンターンに特化した才能という見立て、中山牝馬Sでの適性の再確認などを経て、好メンバーとなった新潟記念の結果が決定打。

追い込み一手の馬に横山武史騎手があっているかはともかく、では、ミルコ・デムーロ騎手がどちらを選んでいたのかと言われれば…。

いかにも武史騎手に合っていそうなエコロヴァルツは、コウセイ・ミウラとどのようなコラボレーションを体現し、また化学反応を起こすのだろうか。

シンプルに競馬が器用な馬で、距離相応に、武豊騎手や岩田康誠騎手が手懐けたクラシック皆勤の一頭でもあって、タフなのは間違いない。

ただ、勝ち味が遅いというよりも、本当は守備範囲があまり広くないタイプにも思えた。

唯一、掲示板外のない距離である芝1800Mが、独特な中山を中心とした形態でフルに能力を発揮するタイプのようで、2000Mで揉まれながら、最後追撃してくるというような、朝日杯で機転を利かせたレジェンドの強烈な休み明けでのアプローチ<翌週は有馬記念制覇とは恐れ入る>は、意外なほど、様々な場面で繰り返されている。

しかし、岩田騎手の捉えた視点は、器用なタイプで、自分の技量込みで先行する策を最善手とする見立ても、ある意味正解ではある。

マイルで差せるような馬は、中長距離戦で絶妙な先行が可能であって不思議ない。

ダービーも先行して損をした菊花賞も、勝ち馬が目立った一方で、案外渋とく止まらずに、最後までファイトしているのだから、健気である。

速いタイプのように見せて、2000Mでは4着が最高、得意な1800も重賞では中山記念の僅差、タッチの差の2着があるのみ。

強烈な記録はないが、2000M戦はいずれもトラックレコード、それも世代別戦やフリーの全世代戦いずれでも、しっかりと走った記録を残している。

それも皐月賞も大阪杯も、位置を上手に取れなかった中で、うまく内を捌いて、大阪杯も3着はあったという内容。

最後に差されているイメージは、3歳秋以降に続いているから、差して脚を伸ばす形を模索するのはありだが、今回は確たる先行馬がいる。

エコロヴァルツは2度の対戦で巻き込まれ現象に、直接接触するくらいの距離感で勝負所の捌きで若干の不利を受けた立場。

周りに馬がいたから、そういう現象になるが、偶然か、今回は差し馬がほとんどの組み合わせ。

マイル戦でも出がいい、今のエコロヴァルツは一見すると、そのメイショウタバルの逃げに鈴をつける役目<本当はホウオウビスケッツにお願いしたいところではあるが>で損なようでいて、スローで行けるならその方がよっぽどいいけれども、相手関係云々の馬ではないし…、というレジェンドの大局観は、先行馬の味方になる可能性はある。

行ってどこまでやれるかという馬を、最初に交わした馬は、案外、大箱のコースで結構粘り込むものだ。

ペースを読みながらも、自分の馬の脚に少しでもプラスのアドヴァンテージを残しておきたいという密やかに発せられたシグナルに対し、G1なんてもう怖くない三浦皇成が、シランケドのためと言いつつ、自分にもチャンスがあることに密かに気付いているなら、この数字の武器が役に立つ。

2000Mも持ちタイムである1:56.5は、ジャスティンパレスの天皇賞での記録が抜けている一方で、ロードデルレイに続く小差の3番目。

1800では東京の高速の記録が多く見られる中、中山のレコードで1:44.8がベストなので、キレ味勝負ではない場面での記録ということでも、強気に回ってくることが至上命題だけに、かえって、メイショウタバルに翻弄される有力勢の動きに惑わされず、いい仕事を出来る可能性は大いにある。

だからこそ、牧浦厩舎の親子丼が本線。

きっと、シランケドがハイレベルだったヴィクトリアマイル見せたような、望ましい展開を再現することが<直線の捌きではなく、その展開という意>、エコロヴァルツ覚醒の瞬間にもなっていく気もしないではない。

同期のブラックタイドとキングカメハメハは、その戦績は雲泥の差でも、血統的価値では大差なく、キタサンブラックの父、レイデオロの父として、秋の天皇賞ウイナーの父にもなった。

同時にルメール騎手でイクイノックス、アーモンドアイと、直系孫の世代から親仔制覇もイクイノックスは達成も、色がだいぶ違うロードカナロアでも輩出の展開は、両方の血を抱えるエコロヴァルツが持っているという証にもなろう。

勝てばきっと、皆、そのことを語り出す。

先を読んで、超大穴狙いをするならば、予祝のごとく、こんな夢のような名馬にも繋がりのある血の組み合わせから生まれた、ただの善戦マンような扱いの伏兵の勝利を堂々と願うのである。

案外、エコロヴァルツがレースを動かすというところで損をする可能性があるのは、僚馬かもしれない。

動かざるを得ない可能性があるからだ。

差し馬沢山だが、意外と高速の芝を得意とするスピード戦を望まない中団以下の組みが沢山いるような気もする。

前残りでも不思議はない。

天皇賞(秋)過去の予想と結果