天皇賞(秋)2017 予想

良馬場は有り得ない。

雨が降らないという言質は誰からも取れないし、2週続けてのタフすぎる芝へ変質が、いくらか中間回復しながらも、どうせまた少なからず雨が降れば、また想像よりもずっと重たい馬場になるのは目に見えている。

1分57秒台で決着した渋残りのジャスタウェイ独走のような馬場は想定しなくていい。

同時に、猛烈なペースを演出する馬はいない一方で、逃げなきゃ意味のないロードヴァンドールやネオ、キタサンら上手に運べる馬が多いから、超スローも考えなくていい。

レースをしてみないとどう行くか分からないエイシンヒカリのような馬はいないのだ。

◎ソウルスターリング

○キタサンブラック

▲リアルスティール

注サトノクラウン

△ネオリアリズム、レインボーライン、グレーターロンドン、シャケトラ

絞り込むのが難しい一方で、買いたい馬もそれほど多くない組み合わせ。

また逃げるかもしれないという、やや気性面で変なスイッチが入った可能性を匂わせるようになった3歳牝馬のソウルスターリングは、自分と同じくらい上手な馬が登場することによって、自分の競馬に徹することができるようになるその確率が、格段に上がるように思う。

そして、馬場質が大きく変化している可能性がある含水率が異常に高い芝コースのキープという面で、Bコースに替わるというのは、結局、内を通ればそれが全て正しいというケースが大レースほど見られる傾向が、たとえ良馬場であろうとも、高速の上がりにはなり得ない状況であれば、重厚すぎるこのサドラーズウェルズ系の才女に大いに味方となる好材料にも感じてならない。

加えて、タフすぎた桜花賞で不発に終わった理由も、関東馬の遠征ということより、その関西圏での競馬が直前2戦を強烈なハイレベル決着に自ら持ち込んできたせいで、やや消耗しきってしまった面も含まれているから、良馬場でも十分に初黒星の可能性は、今にして思えばかなりの確率で有り得たのではと筆者は考えている。

重馬場になるかはともかく、日本のパンパン馬場が合うようなタイプではなく、オークスの高速決着のような、自力で時計を作れるような馬場への対応以外、そもそもディープが活躍するような環境は、本質的には合わないはずなのだ。

逆説的な根拠はともかく、彼女には他の馬よりスピードがあることを、基本距離において結果を出し続けて証明することに向きすぎた一流血統だから、前回のように今後のために目一杯の仕上げは不可能な競馬で結果が出せなくても、それを次戦にも引きずらないとここは信じたい。

ディープの台頭さえなければ、キタサンブラックの持続力勝負での力比べで大敗は想像し難い。

そういうレースになりそうだと分かっていれば、相手を間違えず、また道中の位置取りで少し劣る面がありながら、直線終盤できっちりとした挽回を遂げる仕掛けが続いているJRA所属の外国人2騎手を買わない手はない。

同じ位置であれば、よもやのギブアップという毎日王冠のようなことは想像しがたいソウルスターリングの敵は、今回に関しては雨ではない。

根性を出して頑張るタイプではないにしても、絶対的な距離不安があるわけではない今回は、4kgもらいの斤量が活かせないこと=単なる貧弱な乙女という構図が成り立ってしまう一戦となる。

オークスの内容から、左回りの中距離戦がベスト。現役生活最終盤の父フランケルと同じ適性をここで示せれば、もうあとは怖いものなしだ。負けてはいられない。