阪神ジュベナイルフィリーズ2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着スターアニス(5.0倍)2着ギャラボーグ(7.2倍)3着タイセイボーグ(11.5倍)
| レース名 | 第77回阪神ジュベナイルフィリーズ |
| 日程 | 2025年12月14日 |
| 優勝馬 | スターアニス |
| 優勝騎手 | 松山弘平 |
| 勝ちタイム | 1:32.6 |
| 馬場 | 良 |
| 3連単配当 | 30,180円 |
阪神ジュベナイルフィリーズ2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
| 着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 9 | スターアニス | 1:32.6 | - |
| 2 | 5 | ギャラボーグ | 1:32.8 | 1.1/4 |
| 3 | 17 | タイセイボーグ | 1:32.9 | クビ |
| 4 | 11 | スウィートハピネス | 1:32.9 | クビ |
| 5 | 4 | アランカール | 1:33.1 | 1.1/4 |
| 単勝 | 9 | 500円 |
| 複勝 | 9 | 200円 |
| 複勝 | 5 | 230円 |
| 複勝 | 17 | 260円 |
| 枠連 | 3-5 | 990円 |
| ワイド | 5-9 | 710円 |
| ワイド | 9-17 | 830円 |
| ワイド | 5-17 | 780円 |
| 馬連 | 5-9 | 2,020円 |
| 馬単 | 9-5 | 3,710円 |
| 3連複 | 5-9-17 | 6,470円 |
| 3連単 | 9-5-17 | 30,180円 |
阪神ジュベナイルフィリーズ2025- レース後コメント(騎手/厩舎)
「とてもうれしいのと、感謝の気持ちです。前走で負けてしまったのですが、こうしてまたチャンスをもらえて、こんなに強い馬に乗せてもらって、本当に感謝ですし、もう一度頑張ってくれた馬に感謝したいです。前走で1400mを経験していましたし、その時からマイルは大丈夫だろうと思っていました。跳びが大きく、とてもいい跳びをする馬で、雨が降ってそれが損なわれなければいいと思っていたのですが、晴れてくれて、運も味方してくれたと思います。最後にいい脚を使える馬で、最初は内に押し込められそうになったのですが、内にこだわらず、最後は外に出してあげたほうがいい脚を使えるだろうと思っていました。イメージ通りにできたと思います。直線の手応えも良かったですし、追い出しを少し我慢するぐらいの余裕がありました。強かったと思います。来年は桜花賞とかが目標になると思いますので、とにかく無事に行ってほしいですし、またコンビを組むことができたらうれしいと思います」
※優勝した騎手松山弘平のコメント(スターアニス)
阪神ジュベナイルフィリーズ2025 - レース結果動画(YouTube)
阪神ジュベナイルフィリーズ2025 - 回顧
ノーザンダンサーのクロスが薄く掛かる配合ながら、ハイセンスな絡ませ方というか、同系配合の父と比べ、母のエピセアロームに方がいくらか濃いという距離にあるから、スターアニスの代では5代目以降のクロス。 スピード能力を顕在化させるのに、最も相応しい、底力の配合である。
それに加え、フランス出身の母系は、あのサクラローレルの半姉が3代母に入る配合。 スターアニス云々以前に、母も活躍した短距離のステークスウイナーであるということも含めて、ハマる配合の組み立てをしたならば、この結果は必然のようなところがある。 直前2番人気に押し上げた、大忙しのはずのファンは目が肥えている。
速い配合の根拠に、日本で長く活躍馬を送り込むトウルビヨン系のクラリオンの血がサクラローレルの母父として効いていた<=ある程度の高速の展開もこなすという意味>ということでも、何も、ダイタクヘリオスからダイタクヤマトの流れに倣うまでもなく、ここに底力の前進気勢強化の血が奥深くに眠っていることも、勝負どころの押し切るべき求められるパワーのようなものに、変換されていて不思議ない。 見た目はスピード型ではない配合も、馬格もあって、あまり人気は集中しなかったアランカールに対し、480kg近い馬格を誇るスターアニスは、阪神向きのパワーを備えてもいたことになる。
その気にさせれば、いくらでも行ってしまうことを警戒した国枝調教師は、管理するヒズマスターピースの隣の枠に、明らかに速いタイプのマーゴットラヴミーが武豊騎手に乗り替わっていることへのけん制をしていたが、外から押し込みを狙う若武者吉村、田口両騎手の気合いに、引く手を選択のユタカジョッキーの総合的に妥当なジャッジが災いする格好で、突進型のフォームであるがために、ガンガン飛ばす本命馬の走りに、まあ、そういうこともあるわな…、と観念した筆者。
大忙しの日曜日であっただけでなく、海外の競馬でよくある軽めの発走時刻後ろ倒しの流れを食らい、香港ヴァーズとカペラS<独走ゴールのテーオーエルビスだけでなく、古馬を圧倒した2頭の3歳馬も素晴らしかった>が同刻発走に変わってしまい、これもこれでてんやわんや。
そんなことに動揺するはずもない北村友一騎手のアランカールは、小柄にしても、妙に落ち着きすぎていることが怪しい気配を漂わせたが、出脚がついたとて、前に行く判断は正解でない上に、藤岡佑介騎手らしいというと何だが、中間ラップが、 33.7-45.3-57.3
という、古馬マイルG1やひとハロン短い主要重賞級の展開にもなって、一旦は、後方も後方、殿のポジションまで下げる手になったのも間違いはなかったが、上がりが目立った記録を残せていない。 一番でもない上に、途中から動いとはいっても、求めるものが中距離の大きなタイトルであるとした時、瞬時の決め手勝負に適していても、激しい底力勝負への適応力に疑問符の付く結果。 中団か前とはいえ、上位3頭のうち、上がりメンバー2位タイがスターアニス、一番がしぶとく中団から伸びたギャラボーグ<抽選待ちも期待に応えたことに川田騎手も確信を持ったはず>ということでは、きっと、想像を超えることを求めた関係者、ファンの多くの期待を、アランカールは裏切る形になったのかもしれない。
野路菊Sの勝ちタイムの1:33.5は、決して遅くはないものの、破壊力の点で、スターアニスはおろか、その他の伏兵陣に見劣った印象。 小さすぎる馬体は、いかにもオークス向きを思わせ、母のシンハライトとよく似た適性のようだが、1400オープンも勝ち、阪神マイルの桜花賞路線のど真ん中で2戦連続連対の上で、オークスを勝った母の姿と、今の時点で比べるは酷かもしれないと思わせた。 一旦、脱落の方が、その後の成長を望めるはずだ。 そういう馬を育てることに長けた陣営、また騎手との特性からも、期待をかけた早めのスパートは、ここでの勝負で失敗の評価を受けるようで、本番を見据えたのなら、正しいジャッジであったと筆者は支持したい。
しかし、外から豪快に伸びたスターアニスは、あっさり勝った印象もある。 パワーも違うし、距離経験で勝負したギャラボーグや、臨戦過程は押せ押せでも、底力勝負でこそを思わせたタイセイボーグの戦い続けるタフさをもっていて、相手になっていなかった感じがあるから、完全に路線のエースになったとも言える勝利になった。 完成期の母父・ダイワメジャーのようなその粘り腰に、感嘆するしかなかった。
中京2歳Sの距離設定が1400Mに変更していることに、レースの寸前になって気が付いた、ぼんくらにもほどがある筆者が、そのレースの断然人気馬を評価することなど、不正確なジャッジともなりかねないと思いながらも、ややスパートが早いという感じでありながら、自ら、急坂をものともせずに、粘りに粘って、キレ味というよりかは、デイリー杯での結果からも、適性でいくらか分が悪かったという感じで北村友一騎手のキャンディードにやぶれたことは、何一つ、スターアニスにとってマイナスの要素ではなかった…、とあの時は評価していたのだが、同じ休み明けのアランカールにジャッジに、その点のマイナス要因を挙げていたので、アランカールに以上にパワーはあるとしても、底力の勝負になった時に怪しいと思って、かなり大幅な評価ダウンに泡を吹いた筆者は、やはり、罰当たりのことをしていたから、仕方がないと観念するしかなかった。
正直、北村友一・レシステンシア、北村宏司・アスコリピチェーノら、モンスター級の歴代ウイナーに比して、クラシック級のその前のスター、今は亡きリバティなどとも見比べたとて、このスターアニスは何一つ見劣る要素を感じさせたなかった。 上がりもベストに近い記録であり、激しいマイルの底力勝負への適性は、桜花賞路線で、完全なる安全圏のリードを作ったように思った。 時計のインパクトは、似たような競馬になったアスコリピチェーノとの比較もされるだろうが、スケールで一枚上回った印象もある。 1400では、恐らくは、アスコリピチェーノはそこまで強くないだろうが、それこそ、レシステンシアのようなスピードも誇る。 ウオッカやブエナビスタのような成長の軌道は望めないとしても、偉大なる先達から、成功の形を学び、モンスター化を期待である。
キャリアの面で、タイセイボーグとの争いを制したギャラボーグは、それなりの評価を加えつつ、ロードカナロアの印象というか、ダノンスコーピオンにいくらか引っ張られるマイラー疑惑、その後の大いなる不振など、不安要素は前走の1800戦快勝<2着マテンロウゲイルには超大物の可能性を秘める何かがある>を、すでに払拭したような前走内容、休み明けの不利に加え、スターアニスとは異なり、ハイペースの経験がなかった中で、阪神でのキャリアだけで勝負したことに、結果は伴なったことも含めて、こちらは長期展望での世代を牽引するリーダーの資格をこの際与えたいとも思った。
中団からスマートに抜け出したとはいえ、速い展開の中で、自分を最後まで見失わず、外からオープンキャリア、そして、スピード能力の絶対値で優勢に持ち込んだスターアニスのプレッシャーは、想像を超えるものがあったはず。 一旦はそれを跳ね返すのでは思えたことで、アランカールの上に、この才能が前に出たとここは評したい。 フェスティバルヒルも、その色々と目ぼしいタレントが散見される状況で、これからも楽しみが尽きない争いが期待される。 その他も成長にも期待である。


