オークス(優駿牝馬)2020 展望

デアリングタクトが未知の魅力で勝負するようなダークホースではないことを、雨の桜舞台で公然と披歴した以上は、このタレントを無視するオークスの推理などあり得ない。

同時に、彼女がいなければ、それではその後どうなるのか、万全でない可能性が示されれば、違う馬の台頭を一から構築する作業が、有力各馬の陣営と同じくらい求められるなど、どの道、デアリングタクト次第の昨年の有馬記念状態に移行したのである。

結論から言うと、桜花賞で道中抑えていた馬は、オークスになっても変な暴走はしない、ということ。

流れが桜花賞以上に上がるとすれば、何頭かいる快速型の後ろにデアリングタクトがついて回る展開の時。

桜花賞のあまりタフな流れに乗っていたわけでもないが、皆が消耗した中、一頭だけ余力たっぷりの大外進撃ならば、アーモンドアイやブエナビスタの比ではないという見解さえ成り立ってしまう。

これが無難に走るせよ、ミドルペースではよく見る直線勝負型の逆ダービースタイルの成功者たちのような桜の再現をしたところで、大きなダメージを受けたという証拠がない限り、二冠はほぼ確実だろう。

だから、前が残るのか後ろから追い上げに行くのか。

桜花賞以上に、この選択が難しいと言えるわけだ。

レシステンシアがまともに登場するとは思いづらいのだが、出てきたらもう、抑えても仕方ない。

もしも…、があるなら、再度の道悪でのプリティキャスト的逃走劇の成功だけだろう。

だから、アブレイズやスカイグルーヴがどの程度上手に流れに乗れるかどうかが肝要。

タフな中山の経験はGⅠで活きることだろうが、キレは明らかに本流組のスピード能力で消される。

スタミナをどう体現するか。

直線勝負型も今度はチャンス十分。

オークス男の福永騎手が、ミヤビザクラに乗った時の差しは怖い。

同じくらい、こちらは桜不完全燃焼のクラヴァシュドールも今度は評価まちまちで、動きやすい。

これに別路線組の勝ち馬がどう絡むか。

まあ、ダービーに行ってくれと思っている陣営は多いだろう。