オークス(優駿牝馬)2017 予想

◎ソウルスターリング

○リスグラシュー

▲レーヌミノル

注ミスパンテール

△モズカッチャン、ホウオウパヒューム、アドマイヤミヤビ、マナローラ

非常につまらない予想だが、レーヌミノルがマイルをきっちりこなしたのであれば、もう同一線上にあるオークスで崩れるシーンは、ハイペースに耐えきれたのが明らかに適性というよりは、総合力で押し切った内容なので、事前に想定することは難しい。

同様に、2歳GⅠからこれで4戦連続の対戦となるソウルスターリングとリスグラシューも、主要路線でずっと3着以内をキープし、自らがレースレベルを上げるようにして新興勢力を封じてきたわけだから、血統面のアドヴァンテージがレーヌミノルよりある分だけ、ここでは上位に取った。

さて、人気馬をここで買う以上は、それ相応の根拠を示さねばならない。

血統の推し材料は桜花賞の結果でやや雲散霧消といった具合で、あまり説得力のある材料を示せないソウルスターリングに対し、ゴールまでグイグイ伸びてきたリスグラシューには、ハーツクライ×アメリカンポスト(ベーリング産駒)という論拠をもって、一点突破が可能となる説得力のある決め手がある。

これまでマイル戦であったのだから、どれもこれもハイレベルで、本質的に向かないのによく頑張っていたわけで…。

そうなってくると、武豊騎手のGⅠ戦線における手綱捌きの老獪さを含め、リスグラシューの方が1番人気であった方が、何となく収まりはいいところもある。

ソウルスターリングは、父の気性面を考慮した評価だろうが、陣営は2000Mくらいまでがベストという風に捉えている。

ただ、武豊×オークス1番人気。

あまり最近ではないとはいえ、ろくなことがない。

06年 アドマイヤキッス 4着

04年 ダンスインザムード 4着

03年 アドマイヤグルーヴ 7着

99年 トゥザヴィクトリー 2着

98年 ファレノプシス 3着

<96年 エアグルーヴ 1着>

何とも言えない結果の連続。

最後に馬券内3着に好走したのは、今ちょっとまた行く末に不安が生じているエアスピネルの母エアメサイアで2着だった05年以来、好結果そのものが出ていない。

まあ、どうでもいいことではあるが、ソウルスターリングが人気になってくれた方が、実際のところは、案外面白い結果が望めるのかもしれない。

これまで通りにソウルが上位に人気になった時に、今回は良馬場間違いなしの状況で、良馬場におけるハイパフォーマンスをそのまま受け取れば、本来はリスグラシューよりも総合力は上と言える。

そもそも、レベルが高い馬がコンスタントに力を発揮できるからこそ、半年に及ぶ一連のGⅠ戦線では、質の高い馬が揃えば揃うほど、上位安泰のレース結果が判で押したように続いていくケースは多く見られる。

桜花賞がスピード型が必ずしも有利ではなくなったから、今年は久々に明らかな武器の違いが結果に影響したので、常識的な着順の入れ替わりが起きそうだ。

ただ、年末から何も変化見られなかったに等しい結果は、周りの成長力はもちろんのこと、道悪を敗因に挙げられたソウルスターリングにも、やや怪しさを秘めている可能性を示しているようにも感じる。

結論から言うと、負けた後の今回、それが判然とするという以外、誰も明快な解を持っているはずはないわけだが。

ここ10年。チューリップ賞の勝ち馬は、オークスで2勝2着1回。

ただし、そこで1、2番人気だった馬というフィルターに変えてみると、5勝2着1回3着1回で、ここでも上位人気であれば、ほぼ米違いなく優勝争いである。

阪神ジュベナイルフィリーズはやや不完全な内容ながら、極端に速い決着にならず、消耗を幾分かは防いだ。

チューリップ賞での完璧な内容の今季初戦で、折り合う競馬を身に着け、桜花賞では道悪を経験し、何より、GⅠらしい展開を体験できた武器は大きい。

この時期の3歳牝馬に、距離適性はあってないようなもの。

速いことを武器に戦ってこなかったソウルスターリングは、東京の2400Mで、ジェンティルドンナ級の弾け方を魅せる可能性がある。

マイル実績がより反映されるのは、近年は桜花賞より断然オークスの方である。

やや狂いかけた3歳牝馬戦線は、このレースを経て、再び元の形に戻るはずだ。