オークス(優駿牝馬)2016 予想
「素直に信用すべきかどうか」
桜花賞馬の回避が、思わぬ展望を我々に期待させ、時に荒れ、時に何事もなかったかのように、桜花賞上位入線馬がしっかりと人気に応えたりと、その予想をするとなると、案外厄介な手段をもって、どの方程式に当てはめるのが正解かと頭を悩ませるのだ。
しかし、考えようによっては、実に単純な結果が出てきた歴史にも触れねばなるまい。
「07<08>年以降、桜花賞馬は【3113】」
負けた5頭は、あのハープスターでさえ、その例外なく、後にGⅠを勝っていない。
二冠牝馬の3頭は、ただでさえ名牝の評価を受ける上に、秋はおろか、その翌年にもGⅠを勝っている歴史的名馬である。
メジャーエンブレムがその可能性があり、ジュエラーには、ダイワスカーレットのような戦績を辿ったことで、またそちらも希望は残していたが、今はその権利を失っている。
実際は、二冠馬に共通した桜花賞前のGⅠ勝利記録か牡馬相手に重賞勝ちなどの明白な根拠となるものがあった者しか、連続勝利などできないのだ。
こう逆説的に捉えてみても、シンハライトは有利でも不利でもない。
2着馬に関しては、前述の阪神外回り桜花賞が施行された07<08>年以降で【0322】。
そのまま2着が多いし、勝ち馬ともさして大きな結果の違いはない。
桜花賞とオークスは、間違いなくリンクしている、同一線上にあるレースだということだ。
近年の桜花賞組の、それこそ、フサイチパンドラのような大逆転の盛り返しの例は、
08トールポピー⑧→①
13メイショウマンボ⑩→①
15ルージュバック⑨→②
2歳女王、混戦なのに4番人気→9番人気、桜花賞断然の1番人気。
オークスの人気と桜花賞の人気の差が、客観的に見て妥当という評価であったなら、あとは適性だけの問題。
メイショウマンボは、スズカマンボ×グラスワンダーなのに、1800M以上の競馬に初参戦。穴党は、かなり確信をもって狙っていった28倍というオッズにも感じる。
シンハライトは、メイショウマンボと同じ1800M以上未経験の馬。
そんな馬は、桜花賞組ではほとんどだし、桜花賞好走馬に限れば、そういう馬しかいないのは当然。
桜花賞はオークスとリンクするのだから、尚のこと、取り沙汰する意味はないだろう。
問題は、一見有利そうに見える3番枠発走という抽選の結果と、池添騎手ではなく、アダムスピーク、リラヴァティ、アダムスブリッジといった、どこか頼りない兄姉の結果。
アダムスピークに対する期待は、2歳時から評価の高かったゴールドシップ、グランデッツアらを一刀両断にしたラジオNIKKEI杯の勝利で、最高潮にまで達したのだが、弥生賞敗退でミソをつけてからというもの、ろくにレースを使える状態に戻ることなく、最後はダートを勝って引退。
まあ、年明け3戦、ジェンティルドンナの石坂調教師が丁寧に使って、結果は全く心配のいらない戦績。
師のよく知る兄姉のこと、妹も石坂厩舎入りが決定。
疲れが溜まりやすい血筋なので、かなりタフなローテではあろう。
互角。故に、枠が…。
きつめのクロスの入った馬は、ブエナビスタが7番、メイショウマンボは3番。
シンハライトと同じく、ヘイローのきつめのクロスを持つワンアンドオンリー、ロジユニヴァースらがどちらも1枠の馬。
揉まれるコース取りをとった馬はメイショウマンボくらいだが、やはり、大外を引くよりは、ずっと勝利に近いはずだ。
終いを活かすのが合っているとはいえ、ここは1番人気。
勝負の追い込みというよりは、馬なりに乗って、最後は馬の力を信じてという、最近の鞍上の騎乗がまた見られるだろう。
それをして負けるなら、きっとチェッキーノだが、あまりにも前回が強すぎたので、ちょっと評価を落としたい。
反動というか、若駒の場合は、差してからの圧勝では、よほど力が抜けていない限り、また同じ競馬をするのは難しい。格も上がるし、ライバルも増える。
勝てるとみるならば、当然シンハライトを相手にするが、その相手として買うにはちょっと怖い。
両方負けることは考えられるが、今年の牝馬路線は、AとB馬のレベル差がかなり大きい。
底を見せていないロッテンマイヤー<伯母ブエナビスタ>やエンジェルフェイスは、フレッシュさで勝負になるが、ベストの条件とまでは思えない。
アットザシーサイドやデンコウアンジュなども総合力で相手にはなるが、こちらも流石に一枚落ちる。
きれいな競馬が似合うシンハライトは、正攻法で動くだろうロッテンマイヤーをゴール前交わす、という展開が、一つの見解だ。
きれいに決まればそうなるが、相手がエンジェルフェイスでもおかしくない。
3着は絞らず、手広くが無難だろう。