エリザベス女王杯2014 回顧

最後は力比べ。キャリアの差も出た。

昨年2着からの上がり目は、古牡馬との再三の対戦によって生み出され、見事オークス馬封じへと繋がった。

勝ったのはラキシスだが、その鞍上はハープスターを誰にも譲らないと誓いを立てる川田将雅である。ヌーヴォレコルトへの対抗心ではなく、騎手としてプライドが勝たせた、男の執念も感じられる。長く語られるレースになった。

一年ぶりの勝利。思えばラキシスだって同期のメイショウマンボと同じくらい勝っていなかったのだ。

そして、思えばこれが重賞初勝利。

4歳勢の不遇は解消したが、謎の記録は5まで繋がった。

ちなみに、来週の候補は…。それはまあいいとして、

「3歳と4歳」

力比べをもう少し掘り下げていくとする。

枠を見た時に、前にいるヴィルシーナをどう交わして、追撃もまたどう振り切るかに焦点が定まった感もあったヌ―ヴォ&岩田のコンビネーションは、今回も悪くはなかったと思う。しかし、

「枠と出来」

はこの勝負では味方しなかった。下がり目の関東馬が、再びの遠征で大一番に挑むということの意味。

ジャパンカップ回避の理由は、今回のレースぶりに表れていたような気がする。

切なかったのはディアデラマドレ。これは!と思わせながら、止まったというより伸びるのに必要なパワーが残っていなかった感じだろうか。

仕掛けは少し早いとは思ったが、GⅠだから仕方ない。母に似てどう立ち回るかのテーマは全く同じ。

それにしても、上位2頭と並んでゴールできなかったのは…。

1、2着馬とは違い、内枠を引いたらのタラレバは考えにくい脚質。ヌーヴォレコルトと1馬身と少しの差では、いい訳はできない。

メイショウマンボ、ヴィルシーナは、それぞれそんなに悪い出来ではなかったはずだが、劇的変化は展開利の中で生まれる程度の体調だったのだろう。

牝馬のことだから、それは難しいことだらけなのだが、あの失速では春の激走の反動としか言いようがないのが寂しい。

サンシャインの作った平均ペースによって、ショウナンパンドラは絶対的な瞬発力が欠点となるることが判明した。総合力以上に時計耐性が要求された前走と比べ、古馬との力比べでは、今回積極策をとれなかった原因でもある気性面の危うさも課題として浮かぶ。

総じて、今回好走した組には未来があり、凡走してしまったのでは…、という正しいエリザベス女王杯の形が久々に戻ってきた気がする。