日本ダービー(東京優駿)2017 展望

皐月賞を見ればわかるという年もある。

皐月賞の結果を再検証する必要のある年も多い。

今年はそのどちらでもあり、また、どちらがより本質を捉えているということもない。

再検証の必要はない。参考にすべきものが少ない。

見返した方が、結局よくわからなくなるということも、たまにはある。

皐月賞を検討していく中で課題となったのは、どの参考レースを最も重要視すべきかということであった。

春の阪神のGⅢ馬のワンツーに、一時はクラシック候補に上ったブレスジャーニーに敗れた組の一頭が3着。

朝日杯も主要前哨戦も、最後は頼りになるトライアル組も、実質的には壊滅であったから、いい時のイメージがぼやけにくいようないいレースをした馬と、違う部門の期待馬にチャンスが巡ってきたのである。

具体名を挙げることは困難という、皐月賞組の有力候補ではあるが、それならば、皐月賞で勝負にならなかった有力馬は、今度こそチャンスがあるのでは、と考えることも無理筋でないはずだ。

フラワーCの幻影は水泡に帰したものの、負け方を知ったファンディーナは、今度こそ本物のジョーカーとなる。

末脚が魅力のレイデオロ、スワーヴリチャードらも、実質、他流試合と化した第一冠で、多数がゴール板を駆け抜けた、上位組入線後の入着争いには参加している。

サトノアレスはややタフさが欠ける印象でも、直線勝負が歓迎の馬だから、全体のタイムが遅くなると、朝日杯の再現は有り得なくもない。

むしろ、速い馬であると証明した2000M未満で結果を残してきた池江厩舎組の方が、人気を大きく集めることはなくても、少々割り引きが必要であろう。

内残りで且つ前残りの皐月賞が、ダービーと関連性を持つことは、よりスピード決着が先鋭的になった近年の流れで、直接的な関連性を生み出す要因そのものがなくなりつつある。

皐月賞の方がレベルは高いとさえ言われる時代。

「そろそろ青葉賞から」

本家イギリスでも、2000ギニーから連続好走するのは至難の業であり、ダービーのトライアルから挑むという狙い方の方がより常識的に。

しかし、アドミラブルの快走にペルーサの姿を見た人も多いはず。

混迷極まれり、である。