大阪杯2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着ベラジオオペラ(5.1倍)2着ロードデルレイ(6.5倍)3着ヨーホーレイク(13.6倍)
レース名 | 第69回大阪杯 (G1) |
日程 | 2025年4月6日 |
優勝馬 | ベラジオオペラ |
優勝騎手 | 横山和生 |
勝ちタイム | 1:56.2 |
馬場 | 良 |
3連単配当 | 30,910円 |
大阪杯2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ベラジオオペラ | 1:56.2 | - |
2 | 13 | ロードデルレイ | 1:56.4 | 1 |
3 | 7 | ヨーホーレイク | 1:56.5 | 1 |
4 | 14 | エコロヴァルツ | 1:56.5 | ハナ |
5 | 2 | ホウオウビスケッツ | 1:56.5 | クビ |
単勝 | 5 | 510円 |
複勝 | 5 | 180円 |
複勝 | 13 | 260円 |
複勝 | 7 | 340円 |
枠連 | 3-7 | 650円 |
ワイド | 5-13 | 730円 |
ワイド | 5-7 | 990円 |
ワイド | 7-13 | 1,460円 |
馬連 | 5-13 | 1,720円 |
馬単 | 5-13 | 3,300円 |
3連複 | 5-7-13 | 6,910円 |
3連単 | 5-13-7 | 30,910円 |
大阪杯2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「相変わらずのスタートの上手さで、欲しいポジションをしっかり取れて、4コーナーでは手応えが良かったので負けないだろうなと思っていましたが、今日は強い競馬を見せてくれたと思います。流れとしては十分読めていた流れでしたし、取りたいポジションを取れたので、ペースというよりはしっかりリズム良くこの子と走れたというのが、本当に一番の勝因かなと思います。
(最後の直線は)気持ち良かったです。去年ここで初めてGIを勝たせてもらって、そのあとしっかりと結果を出せなかったので、またここから1からのスタートのつもりで今日は臨めて、しっかり結果で応えてくれました。本当に馬にも感謝の気持ちで一杯です。まだまだ良くなる余地も残していると思うので、本当に順調に、無事にいって欲しいなと思っています。また応援してください」
※優勝した横山和生騎手のコメント(べラジオオペラ)
大阪杯2025 - レース結果動画(YouTube)
大阪杯2025 - 回顧
ベラジオオペラの血統
3代母・エアデジャヴーは桜花賞と秋華賞でファレノプシスの3着、オークスではファレノプシスに先着しながら、エリモエクセルに屈しての2着。 その娘には秋華賞勝ちのエアメサイアもいるが、皐月賞、菊花賞二冠のエアシャカールがヒット作。 また、母系を遡ると、サイクルの早いベラジオオペラまでの展開もあって忘れられがちなのだが、大種牡馬となったブライアンズタイムがいる。
底力の血を抱える大いなるG1ファミリーであるだけでなく、キングジョージ大レコードで大勝のハービンジャーを母父に抱え、大きな期待を持たれた母母エアマグダラが、サンデー×ノーザンテースト。
阪神の2000Mでの時計勝負が合うということはないにしても、母母と全姉妹のエアメサイアは、阪神内回り時代のローズSを制していて、ロードカナロアは中距離までならば、時計勝負ではある程度の延長をこなせる性質からも、激しいラップのこのレース。 サトノレーヴが素晴らしい内容でチャンピオンになった翌週、この路線にもエースがいることを示したことでも、同期の同父・ブレイディヴェーグが、ドバイで案外の結果に終わったことからも、ひとまず、5歳世代の統一王者に、ダービー馬のタスティエーラと同格の存在として、リバティアイランドとも同じレベルになったことを示したという意味でも、その解を大種牡馬になったロードカナロアに求めるのが、案外、筋が通った見解ともなってくるのだろう。 時代はサンデーというよりも、それに伍して戦えた系統の時代に、一時、移行しているとも言える。
デシエルトがスタートでしくじる可能性を、何となく読んでいた筆者は、本命のコスモキュランダ共々、対照的だったのその中枠から外へかけての中穴爆弾系ダークホースの挙動を注視していたのだが、ありがた迷惑なことに、ここでデシエルトが出負け、立ち遅れをした時に、コスモキュランダが久々にまともな好位付けに成功。
よって、デシエルトは当然納得できない、ホウオウビスケッツが作る前残りの展開に反抗するように、途中で止まらなくなってしまった。 1000M通過は猛烈にも等しい、桜花賞でもハードすぎるレベルの57秒台。 ほとんど、夏の名物、小倉記念の猛ラップにも伍した、先行馬殺しもいいところの競馬に、スローの可能性を予期した掛かりやすいアルナシームが、位置を取ったことにより、捲りの利く、自在な中長距離戦の展開は予測されず、ロードデルレイの西村騎手は、きっと、これで中内田厩舎の馬で自分がG1を勝てるのではないのかと、本気で思ったはずだ。 ゴール後の、彼らしいうなだれたような姿が、実に印象的。
前の晩の坂井瑠星騎手や師匠の矢作調教師がそうだったように、行けるはずの展開で落としたという、まさに落胆のさまは、咲き誇る春爛漫を演出する桜花と比しても、実に哀れに思えた。 簡単ではない、そう思った闇の時間を経て、春の陽光がターフを照らす大阪杯は、普段以上に儚さを、一層に敗者の陰の部分として、そのコントラストをより色濃くしていた。
他方、4歳勢は期待されながら、それぞれ、持ち場に振り分けたのに、坂から伸びきれず…。 シックスペンスもステレンボッシュも、仕上がりは問題なかったが、いくらか、伸びしろがないような作りにも見えて、激しい展開でこその好仕上げも、結果には繋がらず、ステレンボッシュに至っては、これまでのレースレコードと同じくらい走っていたのに、見せ場さえ作れなかった。
さて、そういう不穏な状況が重なり合い、また、思惑よりうまくいった位置取りが、かえって、普通の型を求め過ぎることで、34.9-46.3-57.5という強烈な前傾ラップに、実はフィットしていなかったはずの前年覇者であるベラジオオペラも敗因となっていたはずなのに、恐ろしいまでの答えの出し方で、杞憂に終わった、となった。
3歳までで結果を出したソールオリエンスも今一つで、ドバイでも鳴かず飛ばずだったこの世代は、ともすれば、隙間の層の薄い世代と言われてきたが、今年は最後の大物であったロードデルレイも、一年越しの参戦を決め、これが2着。
ただ、有馬記念でもこのレースを勝った後に世代を代表して参戦した宝塚記念でも全く崩れなかったベラジオオペラは、もう、この5歳世代のナンバーワンであることを示す、実に、痛快なまでの阪神内回り適性を世に改めて知らしめたかのような、それ以外の理由で突き抜ける根拠が見当たらないという完勝劇だった。
まるで、昨年のこのレースを接戦で制したことを、今年のこのある意味では本番とできる、本物のエースを決めるレースでこそ、本領発揮されることの踏み台にしたかのように、強烈なラップから、自らの伸び脚の鋭さで、最後の2区間のラップを、何と、11.4-11.7でまとめて、自身は34.1秒でレースを締めたのである。
ジャスティンパレスが頑張って、一生懸命にいい頃も自分を思い出させるかのように走っていたから、筆者はハッとして、彼が追い込んで2着になったあのイクイノックス独走の爆裂レコードになった2023年の秋の天皇賞の結果を、すぐさま見返したのだが、驚くべきことに、勝ちタイムそのものは1秒ばかり今回見劣ったのだが、その、終いに勝ち馬が事実上のレースラップを作った同地点のラップ構成が、全く同じだったのである。
フォーエバーヤングと苦労も多く抱える彼に関わる陣営の労をねぎらいつつ、日本の芝路線の馬は、やはり、時計で底力を証明することに特化したことで、世界の中心を移行させようとしているのだが、ドバイでの劇勝ターフG1連勝、実は大健闘のアルクォーツスプリントの面々も含め、それを改めて、正夢にしようとしている、最終局面にまで達したことを理解したのである。
即ち、勝ち馬は最初から決まっており…、という論理構成に等しい。 58への耐性も、5歳以上は厳しい斤量をどこかで背負ってきている、今の設定方法からして、実際は、窮屈に走る阪神2000では、古馬の方が有利であるという条件こそ付くものの、高速馬場になってしまったことで、締まった競馬になる事も決まり切っていたレース展望からも、この時計勝負は不可避だったものの、王者が新生の形で収まらず、前年からの連覇となった時、そんなイクイノックス級の才能を見せつけられたのなら、誰ももう、ただの5歳世代のトップホースという括り方を、ベラジオオペラにはできなくなる。
先週も案外の渋馬場化の回避により、ロードカナロア産駒が勝った。 思えば、彼が今の中京競馬場の形になった最初の年に、異常に重たい馬場で行われた時の断然人気馬だったのだ。 これが敗れて、翌年、香港でビッグタイトルを得てから、それと同じくらいの時計で中京芝1200Mの、もう残っていないレコードタイムを刻んで、無念を晴らした翌年が、先週の中京の馬場質と同じくらいの感じ。
毎年重馬場だと、1分7秒台では猛烈な快速決着に思えるが、それは極端な雨馬場にやりやすい気象条件が、偶然の産物となってきただけのこと。 このレースも何度か、渋った状態で行われたことがある。 ただ、こういうハイレベルな時計になるほど、G2時代は色気を持った勝ちたいと思う馬が出てこなかったのだが、こういうワチャワチャしそうなレースに、ロードカナロア産駒が2頭出てきたら…。 代表産駒のアーモンドアイもサートゥルナーリアも、第一冠となった桜花賞、皐月賞はレースレコードに近いタイムで駆けていた。
ベラジオオペラにはそうした持ち時計が皆無に等しかったが、秘める才能は、阪神適性で爆発させることに成功し、昨年の自分に2秒先着。 言わずもがな、ソウルラッシュやダノンデサイル、敗れたものの健闘したドバイ参戦組に、再び、今度は強い中距離王者として、戦いを最後まで行うことが、今まさに、連覇の快挙と同時に、皆に再度の能力証明をすることで決定したのだ。 パドックを見終えて、それでも混戦だったのに、この馬はついに1番人気にならなかったし、実はそういう仕上がりだったようにも思えたから、これもまた恐ろしい。 横山和生には、こういう得体の知れない能力を秘めた才能の持ち主がよく似合うし、手もよく合うのだ。 もう軽視はしない方がいい。 あの有馬記念の4着馬である。