天皇賞(春)2026【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着クロワデュノール(1.8倍) 2着ヴェルテンベルク(208.4倍) 3着アドマイヤテラ(3.0倍)

レース名第173回天皇賞春 (G1)
日程2026年5月3日
優勝馬クロワデュノール
優勝騎手北村友一
勝ちタイム3:13.7
馬場
3連単配当70,630円

天皇賞(春)2026 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
17クロワデュノール3:13.7-
215ヴェルテンベルク3:13.7ハナ
33アドマイヤテラ3:13.81/2
44アクアヴァーナル3:13.91/2
512ヘデントール3:14.11.1/4
単勝7180円
複勝7110円
複勝15940円
複勝3120円
枠連4-82530円
ワイド7-153640円
ワイド3-7170円
ワイド3-153490円
馬連7-1518240円
馬単7-1520000円
3連複3-7-1510370円
3連単7-15-370630円

天皇賞(春)2026 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「ゴールした時は本当にわからなくて、勝っているのか負けているのか、わからない状況で戻ってきました。戻ってきてからも写真判定が長く、勝てて本当にほっとしています。良かったです。写真判定の結果が出るまでは、どきどきというよりも、斉藤崇史調教師とレースのことについて話をしていて、自然と時間が流れていました。

 レースプランは、最初の下り坂をリラックスして入っていくことを第一に考えていたのですが、正直少し力んでしまいました。総合力があり、機動力もあるので、早めにスパートして押し上げていく形になりましたが、頑張ってくれると信じて追っていました」

※優勝した北村友一騎手のコメント(クロワデュノール)

天皇賞(春)2026 - レース結果動画(YouTube)

天皇賞(春)2026 - 回顧

ヒヤヒヤものの勝利とはなったが、さすがはダービー馬を倒したダービー馬である。

これはヴェルテンベルクだな…、という間違った風潮を、正答であると見せつけたハナ勝ちの根拠は一応ある。


何しろ、母のライジングクロスの唯一の重賞勝ちはヨークの約2800MのパークヒルSなのだ。

父は言わずと知れた、ヴェルテンベルクと同じという表現がこのレースでは相応しい、キタサンブラックである。

このレースだけでなく、菊花賞も含めて、父も母父も縁のなかったこの長距離カテゴリーのビッグ2を3勝した顕彰馬。


しかし、スタミナが本当にあったのかと言われれば、考えようによっては、ヴェルテンベルクくらいと同レベル…。

そう評価することもできる。

シンボリルドルフもコントレイルも、菊花賞制覇時は2着馬とわずかな差だった。

この天皇賞をクラシックホースが制する時は、いずれも上がり勝負になるか、メンバーがほぼ衆目の一致する馬同士の争いであると想定できるときに限られるが、その中で、正攻法の競馬は、前回のダービー馬の制覇と同じハナの差。

これもプリンスリーギフト系の血を持つメイショウサムソンであったが、どう見ても、ベストは10Fから少し長めくらいの感じ。


とはいえ、スピード能力は万能の武器であるから、コントロール下におければ、ライバルの方がわずかに早くバテる。

何一つ、血統論の展開になっていないが、実際は、日本の平地競走における芝G1のカテゴリーで、ここから逸脱した結果というのは、むしろ、ほとんど出てこないという意味であったのかもしれない。

キタサンブラックがスタミナ任せに勝っていたのか、それは違うだろうという論理展開をすべきことを、代表産駒の一頭となったクロワデュノールが示しているのかもしれない。

凱旋門賞の経験も、最後は活きたのだろう。

これは父が叶えられなかった夢でもある。

 


3:13.7の勝ちタイムは、強烈に過ぎる父のレコードには遠く及ばないものの、ディープインパクトとはわずか0.3秒差の快記録。

ここにオルフェーヴル不発で躍動のビートブラックも混じるのだから、ヴェルテンベルクが勝っていたところで、歪められたような展開だったとは言い切れないところがある。


伏兵のミステリーウェイがひと叩きされ、快調に飛ばしていったところで、勝手は許すまいと、池添騎手の伏兵・サンライズソレイユが追撃を意識しだした辺りの中間点は、1:36.5である。

しかし、離れた中位の外にいたクロワデュノールは、伏兵の一発狙いのヴェルテンベルクとは異なり、そこから1:37.2で後半は推移したハイレベルな展開に対し、ほぼイーブンのラップで押し切ったという印象を受ける。


見た目には小さく、スタミナの絶対量も伏兵たちや後ろに押し掛けた5歳勢らと同じくらいであったが、それを受け切ったのだから、総合力の勝負に勝ったという感じ。

この着差に現れたのは、あくまでもクロワデュノール自身の距離適性の問題があったという事実だけで、勝ち切ったのであれば、もはや、論争の余地のない、王者によるG1連覇であったという、明快な答えのみが出た、あっさりの結果でもあったと結論付けるのが筋だろう。


しかし、ここは北村友一騎手の心中を察するに、伏兵で粘り込んだ6年前のこのレースで、断然支持のフィエールマンにハナ差捉え切られたという悲しいシーンが、一瞬ではよくわからない馬が来たことで、少し過ったはずである。

北村友一にまつわる物語も色々あったが、アルアインの大阪杯制覇から、翌年はクロノジェネシス本格化に伴い、一気に上げ潮ムードのところに来て、阪急杯の降着もあって、心が乱れていた頃でもある。

ここでもうひと旗…。

結果、この年の宝塚記念をクロノジェネシスで大楽勝しているから、何もないのだが、翌年は例の大事故が起こってしまった。


そういうことが巡って、今度が皆が注目する天皇賞で、全く同じ展開。

受けて立つ側からすると、受けきったことになるこの結果は、想像以上に重い意味を持つ。

馬自身に価値ある勝利では正直なかったかもしれないが、大阪杯に続く親仔制覇を、いずれも父より一つ年下の時に記録した快記録だけは、永遠に語り継がれることであろう。


惜しかった松若風馬騎手は、阪急杯降着事象を経て、より妙な展開になった高松宮記念で、逃げ馬のモズスーパーフレアに乗っていた。

3頭に交わされることになっただろう展開は、先頭に出た馬の降着処分で棚ぼた勝利。

今度こその因縁の相手が、その高松宮記念で最も大きな不利を受けていた北村友一騎手だったのだから、もはや偶然ではないのだろう。

武豊騎手の畜生発言<キタサンブラックで天皇賞を出走機会3連勝したから、クロワデュノールがいるんだ的申し開き>にも大いに期待であるが、負けて悔しいレースは多くあるが、これはこれで、切なさが燻る部分もあるか。

思えば、キタサンブラックが4歳時にこのレースを制した時は、サンライズソレイユに乗った池添騎手を差し返した勝利であった。

血の物語は、ここまで大きな影響を持っているのだと、このレースが証明しているのだと、つくづく思い知らされた面もあるのかもしれない。


アクアヴァーナルの健闘は褒めつつ、ヘデントールの行きっぷりの悪さに何とか格好をつけさせたルメール騎手と、少し試しておきたかったけど、本番でやるしかなくなった差しまくりの高速戦での実行をやって見せたアドマイヤテラの武豊騎手について、少し触れておきたい。


出来は悪くなかったように思えたディフェンディングチャンピオンだが、ある程度の流れて、クロワデュノールがそれなりの位置につけるという読みもある中で、攻めの手に出る前に、ゲート入りをごねたり、あまり闘争心に火がつかなかったような動きから、難しいレース運びを迫られた。


最近は、やや勝負に行って難しいような印象のある馬で、案外、やはり負けてしまったというレースも多く見かけるルメール騎手であるが、フェブラリーS連覇にばかり目が行くその手腕に対し、筆者は少し違った視点で彼を捉えているところがある。

勝ち切ったレースのことではなく、勝つためということ以上に、木村厩舎やノーザンファームの外厩との連携の中で、気持ちをより走る方向に向ける再教育を必要とした状況で、その意図を的確にくみ取った、何なら、そうしたことを調教師に直言したからこその、フェブラリーS好発<この馬としてはの注釈は付く>だったのではないのか。


勝ちにいかないといけないということはとっくに卒業しているクリストフは、更なる高みを終活のようにして、こうしたことを楽しんでいるように感じる。

あまり自分はフラストレーションを溜めると、馬にも悪い影響を与えるということも痛感してきただろうキャリアの終盤で、立ち上げがなかなかスムーズにいかないヘデントールに、あえて、昨年優勝のレーン騎手ではなく、この男を起用してきた陣営の意図を汲み取った筆者は、意気に感じて、出来の部分の不安は最小限になったと見たパドックも自信に繋がったが、かなり執念の部分が目減りして印象も受けた。

勝ちに行く騎手ならば、無駄な叱咤もあっただろうが、適度なものに止めたルメール騎手を称賛したい。

ベテランにもなって、無様に勝ち負けにイライラしているようでは、面白い馬乗りなどずっとできないままである。


敢えて、下げた面もあるアドマイヤテラだが、行きっぷり自体が悪かったのは事実だろう。

結果として、ロングスパートをクロワデュノールもしているのに、内に入れるということが得策ではないと、瞬時に判断した菊花賞の時のような武豊騎手の強かな戦略は窺い知れたが、結局のところ、最大の死角で決め手の不足は、今回も補えなかったということだろう。


多くのファンは、北村友一が武豊をマークすると思ったが、筆者はそもそも、内にいるなら、そこの部分が自由であって、速いとみるなら、スタミナ比べに持ち込んで、セオリー通りの差しの決着に持ち込んで…。

不運なことに、これをマークする松若風馬が台頭の展開で、これが目立たなくなったのが無念の結果に繋がった。

最大能力を出し切った1、2着に対し、スタミナをどうにもフルに活用することに難儀なところがあるこの馬は、うまく乗りすぎない方がいい一方、雨があれ以上降っていたところで…。

変な話、クロワデュノールの粘りは想定以上であったのかもしれないが、外から飛んでくるようなレースは出来ないアドマイヤテラに、このレースでの勝ち筋はどの程度あったのだろうかと、ふと感じた筆者。

G1を勝ち切れる馬とそうでない馬との差が、よく見られたというサイドストーリーも見逃せないファクターであったような気もする。