朝日杯フューチュリティステークス2016 予想
サトノアレスに期待というより、ミスエルテが人気になりすぎる要因の方が問題ありとみて、ベテラン四位騎手の手綱にここは期待したい。
トラストは相手にケンカを売りそうな陣営の雰囲気はありそうだが、テーマはあくまで距離延長への対応力を再確認する場だと考えているだろうから、行く一手であろうタガノアシュラ・武豊コンビをマークして進んだ方が、むしろ、来春の展望が開けると考えるはずだ。
前回に関しては、ラビット役を自分のところから出して、トラストに試練を与えたようなほぼ調教の側面が前面に出たレース内容であった。
自信はあるだろうし、その気になればこちらの方が速いことも判っている。
しかし、朝日杯のために未来を失うような手段を選んでは、今までの訓練は何の意味もなさない。
どうせ行くなら、58秒台前半でミホノブルボンの再来を皆に認識させるような手段以外、自滅のそれしか想定はできない。
ここは武豊に任せるべきである。
そのユタカ騎手だが、今回の逃げは難しい。
ミスエルテがどこから飛んでくるかもわからないし、トラストも大分邪魔。
マイル短縮で61秒台の逃げでは何の意味もないから、万が一の好位差しはなくはないにしても、下げていい味が出ないと知ってしまった以上、59秒台中盤の平均より少しやわらかい流れを作る気でいるはずだ。
34秒そこそこで上がれば、ハイレベルとされる先週のジュベナイルフィリーズと似たような時計になる。
もしそうなれば、恐らく、末脚に関しては自信を持てるミスエルテが揉まれて力出せずの図以外で、上位争いに加われないという可能性を加える必要はなくなる。
何しろ、牡馬は人気に応えられないが、牝馬は人気なるととても強いのである。
唯一、川田騎手は自信を持ち過ぎて乗ってしまうと、変に行き過ぎたり、逆に下げ過ぎたりするケースが往々にして見られることが不安といえば不安。
母系のプルピット、ヘネシー、サラトガシックスといった種牡馬は、その血が入った馬が日本にも相応数輸入されているから馴染みはないということはなくても、鋭さを引き出すことに重きを置いた場合、仕掛けのタイミングを誤る可能性はある。
このレースは、インをついて調教師から注文を付けられた因縁の舞台である。
どうせなら、早く仕掛けすぎて負ける方が、味は出し切れるはずだ。
決め手比べで、牡馬の方が優位ということはないだろうが、少なくても、先週のソウルスターリングのようなきつめのミドルペースから好位抜け出しをできるほどタフな馬はいないだろうから、それができる可能性はミスエルテだけとみると、案外、マークをそもそもされていないディープには有利だろうと思う。
兄カミノタサハラか兄サトノフェラーリか。
よりワールドワイドな母父デインヒルのサトノアレスは、ディープとの組み合わせで20頭ほどの同配合の馬がいるものの、フィエロと障害馬のレッドキングダムしか出世していないのは、何とも辛いところ。
上を含まずとも、マカヒキ、ショウナンパンドラというキングとクイーンがいる母父フレンチのディープ産駒・クリアザトラックは、一応今回は下げて勝負するのだろうか。
小さい馬体だが、案外前に行って渋とかった新馬戦の再現は、ミルコの正攻法のイメージに合うが、これは読みづらい。
一方、死に目の配合であるサトノアレスは、JCデーの特別一番手で、ムーアがうまく能力を引き出したとはいえ、マイル短縮が鮮やかにハマった印象の快勝であった。
時計があまりにも平凡で、見どころがなさそうに見えて、2、3着馬がすでに重賞で入着していた点と、4着レッドローゼズは中山1800では差はつかなかったものの、東京のマイルで2馬身以上の差をスローでつけているから、結構侮れない候補だ。
かつて、バブルガムフェローを育てた藤沢流の距離短縮でのマイル獲りの戦略は、一度は1800を使って、マイル再挑戦のレースで踊るように差してきたウオッカの最初の主戦・四位騎手の馬作りのヴィジョンとよく似ている。
決して小さくはないこの馬が、小回りの1800をこなしている点で、先週のソウルスターリングと同じ道を辿って何ら不思議はない。
デインヒルも本来はマイル向きの種牡馬。何となく、トラストが粘り込みを図る展開こそ、この馬の持ち味が活かせそうな印象もある。
よって、
◎サトノアレス
○トラスト
▲ミスエルテ
注タガノアシュラ
△ダンビュライト、トーホウドミンゴ、モンドキャンノ、レッドアンシェル
など、オープンで実績のある馬を多めに押さえて、ここはトーホウドミンゴで遊びたい。
道悪京都の内回りマイルでネオが勝ったことが何か雰囲気があるわけではなく、母がマイネルラヴ×デヴィルズバッグなのに何故か直線一気を決めた点が気になる。とんでもない先行力があるかダートも歓迎の馬でないと出世は見込めないが、道悪2戦のキャリアは買える。