日本ダービー(東京優駿)2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着シャフリヤール(11.7倍)2着エフフォーリア(1.7倍)3着ステラヴェローチェ(40.2倍)

レース名第88回 日本ダービー(東京優駿)
日程2021年5月30日(日曜)
優勝馬シャフリヤール
優勝騎手福永 祐一
勝ちタイム2:22.5
馬場
3連単配当58,980円

日本ダービー(東京優駿)2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
1シャフリヤール福永 祐一2:22.5 -
2エフフォーリア横山 武史2:22.5 ハナ
3ステラヴェローチェ吉田 隼人2:22.7 1 1/4
4グレートマジシャン戸崎 圭太2:22.7 ハナ
5サトノレイナスC.ルメール2:22.7 ハナ
単勝101,170円
複勝10270円
複勝1120円
複勝11550円
枠連1-51,020円
ワイド1-10450円
ワイド10-113,880円
ワイド1-111,030円
馬連1-101,010円
馬単10-13,360円
3連複1-10-118,800円
3連単10-1-1158,980円

日本ダービー(東京優駿)2021 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「厳しい展開だった。周りを見ながら、スムーズな騎乗ではなかったけど、馬の力に助けられた。最後の最後まで素晴らしい末脚を使ってくれた」

※福永騎手のコメント(シャフリヤール)

日本ダービー(東京優駿)2021 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

日本ダービー(東京優駿)2021 - 回顧

ジャパニーズダービーに再び、新時代がやってきた。

それはダービーであるのだから、何にも先んじて、勝ち馬であるシャフリヤールの血統をざっくり押さえておきたい。

全兄は言わずと知れた、皐月賞レコード勝ちと5歳時に大阪杯優勝のアルアイン。

何の因果か、松山弘平騎手や北村友一騎手にとって重要な意味を持つことになる、初の芝のビッグタイトルをプレゼントした幸運の王子でもあった。

母ドバイマジェスティは、シアトルスルー直系のエーピーインディを経た復興したボールドルーラーの象徴的本流の末裔。

5歳夏ごろから、大きなものを狙えるような完成の形を示し、伏兵評価だったものの、チャーチルダウンズの7F戦で行われたブリーダーズCフィリー&メアスプリントを快勝して見せた。

母系は超A級とは言い難いが、祖母の代でヒムヤー系×リボー系という組み合わせになった時点で、何かのスイッチを入れるための準備は整っていた感じ。

北米血統を受け入れても、ミスタープロスペクターが入ったところでボールドルーラーの迫力のスピードの持続力でかち合い、ダンチヒやストームキャットを入れたところで、気性面でプラスが大いに好転する可能性はない。

違うニュアンスで北米ラインから飛び出たところで発展のヘイローの直系・ディープインパクトを配合相手に選んだことで、ミラクルホースの可能性をルーレット方式でも、何か都合のいいことが起きた時に…。

兄の皐月賞勝ちも毎日杯を好時計勝ちから、しっかりと実力を示した中での激戦を制しての結果だった。

ただ、大阪杯の方は前が開いた、ダービーで言えば、この日のエフフォーリアのような天運が勝利へと導いたような展開が勝利を運んできたが、弟のシャフリヤールは、狭いところを抜け出したあと、極限の末脚でヒットマンぶりを発揮。

溜めることで末脚を爆発させるのは、1995年のタヤスツヨシから何も変わらないが、サンデーサイレンス系全体で時計勝負への強さを見せることになったのは、アドマイヤベガのタイレコード勝ちとなった1999年以外だと、ディープインパクトは除いて、ここ4年の連覇中のそれで、ようやく輝きを放った、引き出しを追加して臨めるディープインパクト産駒後半の活躍馬に限られる。

溜めてキレるだけなら、90年代から見られたとして、時計がついてきたのは、総合力がついた証。

意外にも、キズナとコントレイル以外は1番人気ではないディープ産駒のダービーウイナーということで、本命クラッシャーぶりを発揮しているのは、どこにもなかった特性。

ディープのそれなのか、サンデーサイレンス系特有の何かなのか、隠れ持つノーザンダンサーのクロスの影響なのかと見たが、単純に中距離型であって、総合力でどうこうでない勝負の際に、異彩を放つダービー血統の血筋ということが、影響しているとするより説明はつかない。

結果が全てである以上、この内容で歴史は作られていく。

ダービー2着の血筋<父、父父、母父全てダービー2着馬>では、ダービー優勝まではなかなか届かないという時代に入ったのであるなら、相応のスタミナはあっても、ダービーの異例の展開に合わない究極の決め手が、エフフォーリアにはなかったというだけで、シャフリヤールにその他全てで上回っているだろうエフフォーリアは、ディープのそんな末脚を真っ向に受け、奇跡的に負けたネイティヴダンサー的な男として<ケンタッキーダービーのみ敗戦>、再度の成長に期待であろう。

結果は全てでも、実力の通りにはいかない。

エアシャカールが同じサンデーサイレンス産駒のアグネスフライトに負けたのは、まさにそんな感じであった。

競馬は奥が深い。歯切りしたくなるような敗戦も、努力を超越したところで展開される勝負の綾が、多分に絡むのだから、人間の重いだけではどうにならないのかもしれない。

ヒールの福永祐一に対し、ヒーローになる夢を奪われた横山武史のエフフォーリアは、ゴールの寸前だけ先頭を譲っただけだった。

昨秋のジャパンCがあるから、何も、東京の芝2400Mは想像以上の結果をもたらすことはあっても、変なことはめったに起きないとされてきた。

ところが、出が甘かったというか、最初の出だしだけは慎重にならざるを得なかったバスラットレオンが、12−12の妙な勝ちに出たような先行を成功させたことで、かなりの人馬に影響が出た。

かく言う、勝者・シャフリヤールだって、直線半ばでようやくトラフィックから抜け出した伏兵の一頭に過ぎなかったが、理想的なスパートを、道中とは違う形で成功させたエフフォーリアを、その後の150Mほどで捉え切ったのだから、尋常ではない。

オークス男として名を馳せたのは、福永騎手が30代になる前後の時点だったが、10年ほどして、熱戦のダービーを勝ち切ると、今度は武豊がそうなったように、あるいは、武史騎手の父典弘騎手が、蛯名現調教師を負かした時のように、炎が噴き出さんばかりの究極の末脚をパートナーに使わせる何かを得るのである。

キングヘイローなんて遠い昔の話でありながら、考えてみれば、その後誕生した自分が乗っていたエピファネイアとその母シーザリオの血を引く大本命馬を討ったのである。

多くのファンには残念なあのシャッターカメラの映像になったが、同時に、いかに勝利の意味が大きいレースであるかも、万人に知らしめたゴールシーンだったと思う。

最後の5Fが全て12秒を切っていた。

無論、鬼脚炸裂のユーイチスペシャルが決まったシャフリヤールには得意ゾーンの競馬だったが、そんなことはフィエールマンが勝った3000M級G1では毎度おなじみの展開。

みんなに長くなったとした時、この結果には必然性が出てくる。

エフフォーリアは出来も気合いののり具合も良かったし、完調をキープした上出来の510kg。

一方、狙いは一本というハンター・藤原英昭調教師にダービートレーニングを課されたシャフリヤールは、微減でも究極に近い作りの444kgだった。

切れの出方は違うが、ゴールの瞬間並んだ2頭は、勝負所で順番は同じ9番手だから、当然、上がりも同じ数字の33.4秒。

しかし、うまくいかなかった直線の最初半分と、異様な反応の後半でラップが大いに異なるシャフリヤールは、激しい競馬にも対応したあの毎日杯の経験があるから、距離適性はともかく、むしろ、その先でより鋭く反応できた。

平均的には速過ぎる33.4秒は出せるエフフォーリアは、体幹はロベルト系そのものの雄々しさは魅力も、トモの作りはハーツクライだった。

キレは出せるが、スローでは大したことはない配合。

ここでオークスでも引き合いに出される小さい馬有利説の問答に展開する。

なるほど、出走馬中最大体重の馬を眼前として、最少体重の馬が一瞬前に出たのだ。

牝馬が強いことは夙に知られる、言わば競馬の常識となっていしまったが、牡馬の体躯も影響するのだろう。

昨年も体格差はそのまま、結果に出た。

決して馬格は小さくないサトノレイナスは、途中動いたとはいえ、平均値そのものの474kgでキレは普通。

34.0秒とでた上がりの数字は、そのまま1馬身半差の結果に繋がった。

彼女こそついていなかった有力馬。アーモンドアイならともかく、普通はこの展開で揉まれていたら、牝馬はアウト。

外枠を引いた時点で…。勝ち運に恵まれない馬は、ここにもいた。

弾けるでもなく、経験を糧にパートナーの末を繰り出した福永騎手は、横山親子に伝わるダービー伝説の第一章に、まずは敵役として登場である。

出来というより、ダービーのレース当日だけ最強であれば問題ないというような狙い方で、時々登場の休み明けダービー制覇の流れを掴み、3月中の主要レースを制していれば、何とでもなることを示したことで、武史騎手の気持ちはよりうまくなりたいという方向に傾く。

時代を彩ってきた名手の血筋は、経験と絶対的な勝利の意味で白黒つける結果をもたらしたことにもなるが、何も悔やむことのない武史騎手に必要なものはただ一つ。

本当のタフな経験を積み重ねる一定の時間。

今、来年以降のダービーを勝ちたいと思う時、リセットされたプランの中に、末脚という概念を考え直すいいきっかけになったのだろう。

ダービーを勝つにはあまりにも普通に戦えすぎた。

それは父も武豊も、適役・福永祐一も経験していない稀有な出来事なのである。

こんな素晴らしい武器はない。

この立派な2着にエールを送りたい。