2020年ホープフルステークス 予想

ホープフルステークスの予想とトライアルから勝ち上がってきた登録馬の最終追い切り評価を行っていきたいと思います。


予想オッズ的にも荒れる傾向の高いこのレースにて外厩情報を調べつつ、絶対に買うべき鉄板軸馬や消去すべき馬、狙い目の穴馬を分析&シュミレーションして過去配当を超える払い戻しを狙っていきたいと思います。
歴代勝ち馬の映像を観ながらサインを見逃さず早速今年の予想を行っていきましょう。

レース名第37回ホープフルステークス
グレード重賞(G1)
日程2020年12月26日(土曜)
発走時間15時25分
開催場所中山競馬場
距離芝2000m
コース内回り
賞金7000万円
レコード1:58.9

ホープフルステークス2020の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)

枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量)馬体重(前走)
1オーソクレースC.ルメール55.0kg470kg
2ヨーホーレイク武 豊55.0kg500kg
2ランドオブリバティ三浦 皇成55.0kg464kg
3ヴィゴーレ横山 武史55.0kg458kg
3テンカハル坂井 瑠星55.0kg494kg
4ホールシバン丸山 元気55.0kg502kg
4マカオンドール岩田 康誠55.0kg484kg
5バニシングポイントM.デムーロ55.0kg488kg
5アオイショー石橋 脩55.0kg462kg
6ダノンザキッド川田 将雅55.0kg520kg
6タイトルホルダー戸崎 圭太55.0kg470kg
7アドマイヤザーゲ吉田 隼人55.0kg498kg
7シュヴァリエローズ北村 友一55.0kg436kg
8モリデンアロー山田 敬士55.0kg494kg
8セイハロートゥユー木幡 巧也55.0kg494kg

ホープフルステークス2020 - 内枠有利なレース展開になるか

年馬券になる右回り巧者

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
右回りのみ出走の無敗馬2回2回2回4回20%40%60%

今年も1戦のみの馬も含め、3頭が登録。
10頭しかいないのに6年で6頭が馬券内なのだから少なくとも、血統的に買い材料に溢れるアドマイヤザーゲ、ランドオブリバティを推さない手はない。
昨年は、2頭が登録してきて、人気になってレースに参加。
2着はヴェルトライゼンデ、5着が今年の有馬記念で惑星となっているオーソリティ。
つくづく、生まれた年が悪かったとしか言いようがない。

2000mを使うと疲れる説はすでに2歳戦から採用できる

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
前走2000m(全条件)3回3回2回39回6%13%17%
前走1800m(オープン)2回1回2回11回13%19%31%

レイデオロが勝った2016年が、G1になる前最後のレースで、この馬は東京と中山の2000Mを快勝してきた馬だった。


以降、京都2歳Sで負けていたタイムフライヤーが激戦を制し、あと2年が1800で強い勝ち方をして能力の違いを示していた無敗馬の完勝。


前走2000M勝ちで連対した馬は、レイデオロが最後なので、その時点でホープフルSが現在のポジションに落ち着いてから、10月以来の競馬となったアドマイヤジャスタしか連に絡んでいないので、ただでさえ、ローテに工夫を凝らす時代にあって、連続の2000で快勝が続く馬ほど、やや警戒してみておきたい面はある。
前記の2頭で考えたら、軸に据えることを考えたらランドだが、3着拾いの可能性でいったらアドマイヤも買えるとなる。

マリアライトがディープ産駒だったからこそ、この結果があるオーソクレース。

マリアライトというのは、不思議な馬である。


エリザベス女王杯で惜敗女王のヌーヴォレコルトを競り落とすまで、関東圏でしか勝っていなかったどころか、重賞さえも勝ちそびれていたような馬。

牡馬相手に中山の2500や東京2400の特別戦を制していたからと言って、大威張りできるはずもないのだが、絶妙な湿り気で稍重になった途端、強靭な末脚を駆使し、前年覇者・ラキシス、翌年優勝のクイーンズリングらをも呑み込んで、一気に面倒を見てしまった。

ホープフルステークス2020 - 出走予定馬の血統予想

 

翌春。

良馬場の長距離重賞で再び連敗するも、ドゥラメンテ、キタサンブラックら歴史的名馬に加え、前年覇者のラブリーデイ、翌年完勝のサトノクラウンらも負かして、まさかの快勝をしてしまうこの芸当を宝塚記念でも再現してしまうなど、とても印象深くもあった特殊能力の持ち主だった。


さすがに、それで燃え尽きてしまうが、2000Mを超える古馬の特別戦で3戦3勝の牝馬など、二度と出てこないはずだ。

うち、G12勝を含むとなれば、不滅の大記録である。

マリアライトは小柄な馬だったが、キタサンブラックのようなビッグなチャンピオン級でもねじ伏せてしまったように、体力勝負で圧倒的な適性を誇った。
その謎は、至ってシンプルに解明できる。

何と言っても、母の兄弟はゴールドアリュールをつけられるとダートでチャンピオン級に育ったという成功例が目立つ、途轍もなくパワーに優れた系統。


叔父にあたるクリソベリルも、無敵時代が長く続いてきたし、その兄のクリソライトも長く活躍した馬。


一方、刹那の輝きで爆発的に才能を輝かせたのがエルコンドルパサー産駒の大叔父・アロンダイト。

その傾向は半姉の産駒であるマリアライトには伝わったが、それはG1連戦連勝などまずないディープ産駒ならではの性質でもあり、決め打ちの勝負では強いが、後はそこそこくらいに止まった。

問題は、このキャサリーンパーの名血系が、どういうシステムでキャラ変を起こしているかであって、それは単純に、名繁殖牝馬になったクリソプレーズの姉であるタンザナイトから誕生、ルーラーシップの血を受けたダンビュライトの戦績を見れば一目瞭然。


ダートも合いそうな組み立てでも、サンデーサイレンスがダイレクトに入っているからか、芝適性でキングカメハメハ×トニービンの組み合わせのルーラーシップの本質が証明されたことになる。


代表産駒はキセキであるから、これと逆配合に近いマリアライトは、より無駄が少ないので芝寄りに偏ったとできる。

芝向きも出すが、ダートメインのゴールドアリュールでは絶対的にダート向きに出て、半端なゼンノロブロイではリアファルのような掴みどころのない馬になった。


芝向きだけれども、組み合わせ方次第でダート向きに変貌するシンボリクリスエスの直系のエピファネイアは、ドバイのダートで見事に人気を裏切っている。


ドバイで合わないのなら、日本の砂馬場はもっと合わないとできるエピファネイアの芝適性は、振れ幅の大きいキャサリーンパー系にあって、オーソクレースに類まれな芝での競馬における才能を授けたことになる。

新馬戦はスローの瞬発力勝負を制したもの。


あまり、札幌のそれを信用してはならないとされるが、バニシングポイントのようなフワフワした感じの情けない結果を残すようなこともなく、仕方なしに池添騎手に変更の前走のアイビーSも、出ないところを逆手にとって、揉まれる経験や馬込みを抜け出す言わば訓練を課した中で、きっちり抜け出してきた。


つい5か月前の同じ東京で、前週見事に三冠を達成したデアリングタクトが使ったような末脚であった。


彼を唯一追い詰めようとファイトしたラーゴムは、短期間で京都2歳Sでも好走して見せ、一気に評価を高めている。

このオーソクレースは、キレない一族にあって、まともにスローの瞬発力勝負になっても、まるで苦手意識を見せることはない。


エピファネイアだって、最初の内は福永騎手もコントロール下に置いていたから、直線で誰にも負けない末脚を見せていた。

それよりかは、東京での結果もあるので、完成度では上だろうか。
一族にクリソライトもいる一方で、2歳戦からずっと重賞で通用のダンビュライトもいる。

いいところ取りのオーソクレースは、このクリソプレーズ兄弟が期待された新馬戦ならば、まず負けることはないという血の強みも継承しつつ、芝で2歳戦連勝の快挙も成し遂げた。


ダンビュライトはG1でも人気になったが、2勝目を挙げたのは朝日杯で敗れてから1年後、クラシックを戦い終えてからことだった。

異様な才能が集った昨年のようなケースでも、結果は、ナンバーワンがオンリーワンであることを証明する衝撃的快勝であったから、ラジオたんぱ・NIKKEI杯時代からもそうだったように、良い馬が集まった時ほど、2000Mでのランク付けはあっさりと決着することがある。


今年はG1昇格最初の2017年のような構図に近いが、この年は、ここからクラシックウイナーも古馬タイトルをダートでも奪えるような馬も今のところ見当たらないから、タイムフライヤーが1番人気ながら、4.2倍の単勝支持だったことからも、ハイレベルではないとできる。

皐月賞まで無敗、アーモンドアイがあそこにいなければ歴史を変えていたかもしれないという2頭が、ここ2年勝ってきたそれと同じになるかは、オーソクレースやダノンザキッド、ランドオブリバティのパフォーマンス如何となるが、そこまではまだ強烈ではない彼らであるから、一度敗戦を経験してから…、という流れになって悪いことはない。


ただ、朝日杯もこちらも昨年とは明らかに違って、確実な軸というものを決める前の構成なので、難しい推理を我々は課されたことになる。

ダノンザキッドの死角は、そもそも、あまり人間の思惑の通りには動てくれないということか。


2歳馬だからこその特性ながら、元が大きいのに、東京スポーツ杯でプラスの24kgで出走となると、絞っていく段取りも簡単ではないし、下手に強い稽古も出来ない。


また増えたら、さすがに大きい520kgオーバーで、クラシック向きの馬体ではないとなる。

キタサンブラックも若い頃から大きかったが、デビューは3歳になってすぐの東京だった。

才能は断トツに思えるダノンザキッドは、ジャスタウェイの産駒でもある。


川田騎手がどうこうではなく、現状の完成度は、これから研ぎ澄ませる段階に入ろうというところだから、ここも無理に作っては来ないと思う。


これに負けるようだと、これまでの実績をリセットされるのは敗れた全員となるが、オーソクレース以下、決して、中山のギニーコースで見劣るような面々にも思えない。

手広くにではなく、本質の適性でこの距離がベストに思えるオーソクレースの底力と意外な完成度の高さをここでは優先したい。


萩S組が、歴史上最も注目される時代に入り、一応、サートゥルナーリアと同じようなローテになっているシュヴァリエローズが、ダノンザキッドに敗れてから強くなり続けているワンダフルタウンを負かした結果を重視しても、ダノンザキッドより俊敏に反応可能な小柄な馬とあって、狙いとすると悪くはない対抗だろう。

大型であろうとも、いかに柔軟に対応できる機動性を持っているかが確かめられる一戦。


完成期ならば、大きくても問題はないが、今年は大柄でも早熟型という馬はいないように思う。

新潟内回りは道悪、タフな中山もホープフルSの平均勝ち時計超えで快勝のランドオブリバティの課題は、休み明けのローテと本当に強いのかどうかという実力面の両方だから、楽ではない。


ドバウィハイツの仔は、母系にスワーヴダンサーもハイトップも入っているのに、それらの性質をドバウィとドバイミレニアムのスピードで消されているという懸念材料もある。


荒れ馬場への適性は証明しているが、底力を大いに証明した瞬間、騎手三浦皇成とこの血統の課題が一気に解消され、勢力図は一変する。

ディープインパクトの産駒であり、昨年のコントレイル以上に中距離への適性はあるだろうが、そうなってくると、意外と早熟性の方が課題になるか。


日本の中距離チャンピオンは、短距離型やダート王などのように、早期完成のタイプを筆者は知らない。
それこそ、ダノンザキッドの懸念材料にその父ジャスタウェイの姿を重ねるから、それと似た傾向を示すなら、ここで出番はないだろう。

ホープフルステークス2020 - 最終予想

もう一頭押さえたいと思うのが、藤沢厩舎のカランドゥーラ。


モーリス×ラストグルーヴで、完成などずっと先になるはずだが、この厩舎でこの手の配合で、せっせと2歳戦から使い込まれるのは、間違いなく、完成度と気性の関連があるからで、最近はまずクラシックで用なしのここでキャリア6戦目となった時に、他とは違うキャリアの積み重ね方をしてきたが、その大半が道悪でのもので、前走もその影響も大きかったように思う。

グラスワンダーもエアグルーヴも、同時代に生きた名馬であり、荒れ馬場は嫌いではないが、雨が降ると本来の持ち味はあまり出せなかった。


荒れ馬場の師走らしい中山の良馬場で、ロベルト系を軽視するのは、その狙いをすり込まれている筆者からすると、愚の骨頂である。

ナタルマ系なのに、ゴールドシップ×ダルシャーンという激しい配合のマカオンドールも、前走の阪神で全能力を出したようには思えないから、ここらまではしっかりと買い目の中で外さないように、丁寧に押さえておく。