2020年マイルチャンピオンシップ 予想|内枠有利!過去10年データと最終追い切り

マイルチャンピオンシップ予想と過去傾向のデータ分析です。
一週間前追い切りから最終追い切りまでのラップ比較はどうなったか?

トライアルを勝ち抜いてきた登録馬の全頭診断や成績診断はもちろん、外厩や歴代優勝馬のライブ中継を吟味し、鉄板の軸馬や馬場によっては激走が期待される大穴を選定!

例年、大荒れ傾向にある本レースの勝ち馬のサインを見逃すわけにはいきません。

予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを目指していきましょう!

レース名第37回 マイルチャンピオンシップ ジャパン・オータムインターナショナル
グレード重賞(G1)
日程2020年11月22日(日)
発走時間15時40分出走
開催場所阪神競馬場
距離芝1600m
コース外回り
賞金1億3000万円
レコード1.31.5

マイルチャンピオンシップ2020の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)

枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量)馬体重(前走)
1ベステンダンク藤岡 佑介57.0kg524 kg
1レシステンシア北村 友一54.0kg476 kg
2グランアレグリアC.ルメール55.0kg504 kg

2ケイアイノーテック津村 明秀57.0kg472 kg
3メイケイダイハード酒井 学57.0kg540 kg
3ラウダシオン武 豊56.0kg510 kg
4アドマイヤマーズ川田 将雅57.0kg482 kg
4インディチャンプ福永 祐一57.0kg480 kg
5カツジ池添 謙一57.0kg500 kg
5ブラックムーン幸 英明57.0kg510 kg
6アウィルアウェイ藤岡 康太55.0kg478 kg
6スカーレットカラー岩田 康誠55.0kg488 kg
7サウンドキアラ松山 弘平55.0kg458 kg
7タイセイビジョン石橋 脩56.0kg468 kg
8ヴァンドギャルド戸崎 圭太57.0kg468 kg
8サリオスM.デムーロ56.0kg538 kg
8ペルシアンナイト大野 拓弥57.0kg490 kg

マイルチャンピオンシップ2020 - 過去10年の傾向と対策

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気0回3回2回5回0%30%50%
短期免許で騎乗の外国人騎手2回2回4回25回6%12%24%
3歳馬2回0回2回32回6%6%11%

結構酷いと見るべきか、それなりには買えると考えるかは、もはや、そのレースのメンバー構成によるとしか言いようがない。

ざっくりした近年の流れで見れば、G1で一定の結果を出したマイル重賞好走歴のある前走古馬重賞組であれば、3歳馬は拾える。

1番人気についても、消えた5頭は前走成績で買われ過ぎた面と、それで走りすぎた馬ばかりで、前走が前哨戦らしい上がり勝負ならば、そこまでの凡走はない。

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
毎日王冠から直行組2回0回2回17回10%10%19%

3勝している毎日王冠参戦組は、休養2戦目の富士S勝ちで勢い駆って連勝のエイシンアポロン以外、使った効果は期待ほどは出ていないので、ここ2年で立て続けに勝利している直行の組は期待できる。

秋の天皇賞ほどは激しい競馬にならない上に、間隔も開くのだから、古馬にも3歳馬にもメリットのあるローテとなっている。

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
富士Sの勝ち馬1回2回1回2回17%50%67%
富士Sの2~9着2回2回0回37回5%10%10%

今年も上位入線組がこぞって参戦の富士S組は、毎日王冠組ほどの底力はなくても、実力者が潜んでいることが多い。

ただし、何故か不良馬場のレースを制した馬が本番でも好勝負したように、良馬場の高速レースになりやすい富士Sで力を出し切ってしまう馬が多いからか、一桁着順で負けた馬の方が結構頑張っている。

主流には違いないので、毎日王冠より数が多いのは当然でも、G2になった今年の結果が知りたいところ。

何とも言えない混戦が、思わぬ展開を呼び起こしたようで、本番に繋がりそうな雰囲気はあまりしなかったが、果たして。

マイルチャンピオンシップ2020 - 展開予想

プレ・ジャパンCと見立てるならば、あの2頭を軽視するわけにはいかない。

アーモンドアイの進路がどうなるか不明の段階から、サリオスの阪神舞い戻りが決まっていた。

そこで何故かというか、前走でとりあえずのルメールだったから、乗り替わりが次戦で濃厚だったといえ、ここでドゥラメンテとの苦い思い出を振り返るのかという感じで、デムーロ騎手にお鉢が回ってきた。

ペルシアンナイトで際どい競馬を制した後、翌年のレースでも同じコンビで2着。

その前は、フィエロでのモーリスに完敗の2着もあるが、好印象なのは事実だろう。

ミルコはここに来て、急にいい馬にありつけている。

どういうわけだか、強い牝馬に両腕を引っ張られるようにして、肝心のエリザベス女王杯では、主戦としての仕事を全うすべく、オークス馬のラヴズオンリーユーに騎乗した。

その結果が決まる前に、鞍上の都合だとかアーモンドアイに関わることで結論がまとまったのか、サリオスへの騎乗が舞い込んできた。

ラウダシオンには武豊騎手で、グランアレグリアはルメール騎手、その他も色々チェンジがあったが、テン乗りはサリオスとミルコのコンビくらいだ。

いい選択になるかはともかく、今もデムーロ騎手の立ち位置が何とも微妙なことは、本人ならずとも理解するところ。

社台ファームノーザンファームに完敗であるように、かつての栄光はどこへやらと、ミルコ・デムーロの業界内価値は早々は元に戻らない。

ただ、天性の楽天家であるミルコ・デムーロには、よくわからない天運が味方するケースがまま見られる。

実は一番強い可能性があるサリオスを射止めたのも、その幸運の一かけらだろう。

マイルチャンピオンシップ2020 - ルメール騎手は狙い目か!

三冠馬に最も接近した馬ではなくなった今、おかげで、終始自分のリズムを押し通せる中距離部門に専念する機会を得たサリオス。

究極のライバルを眼前にし、多くの時間は屈辱に塗れたことになるが、その一方で、勝ち運は巡るものであったりもする。

ミルコ&サリオスの若々しいエネルギッシュなハイパフォーマンスを期待しない手はない。

どうしたってグランアレグリアが過剰に人気を集める状況。

これもどこかで、アーモンドアイやルメールの動向に遠因があるような参戦に映ったが、単純に、余裕残しのスプリンターズSであり、気持ちは満たされているクリストフの心持ちでもある。

余裕の競馬は時として、究極の爆発力を引き出すものだが、前走で勝っていると中8週では走り切れないグランアレグリアの個性がある。

また強気にならないこと以上に、今後に備えた新たな作戦を企てる可能性はある。

それはまた、ハマらない可能性の方に比重が傾いているから、ますますルメール騎手は選択肢を絞り込むように思う。

サリオスはグランアレグリアの1年後、奇しくも全く同じローテで、牡馬だからというよりも、誰よりもアグレッシヴであることを示すような形で、3戦無敗のまま2歳シーズンを完走した。

新馬戦こそ圧倒的だったグランアレグリアが、次に本気を出したとされるのは翌年の桜花賞。

新馬戦のタイムでは、まるで勝負にならないサリオスはというと、コントレイルアクシデントを除けば、まるで死角なしの完勝続き。

負けない馬に負けてしまうことは、決して、大きな死角ではない。

マイルチャンピオンシップ2020 - 枠データとタイム

ちなみに、コントレイルが東京スポーツ杯で世界の2歳馬史を破壊するような快走を見せた時、自身の最初1F分を推測でレースラップの12.9秒にコンマ数秒を加えたものを、1:44.5の勝ちタイムから引いてみると、ここに出ているグランアレグリアやレシステンシアよりも1秒ほど速い3歳春までの持ち時計となる1分31秒台後半の時計になる。

そもそも、8F通過タイムでも互角だから、総合力の差は歴然だったことになる。

栴檀は双葉より芳しなどと言って、過去の名馬との比較で当確の印を出す指標としてこういう比較も多い訳だが、サリオスもまた偉大で、1:32.7を本番ではなく、前哨戦のサウジアラビアロイヤルCで記録しているのだ。

それは2歳女王のレシステンシアと桜花賞馬のグランアレグリアの、それぞれの勝ちタイムであると同時に、両者のNHKマイルCでの走破時計とも一致するというのは、きっと偶然の取り合わせではない。

グランアレグリアは豪華メンバーの安田記念で自分の殻を打ち破り、1:31.6で勝ち切ったが、ヴィクトリアマイル2着時のサウンドキアラの時計には及ばない。

ハイレベルで安定しているグランアレグリアは、常に一定のリズムでは走れるが、派手なパフォーマンスに反して、自分の限界は自分で決めているところがある。

アーモンドアイが常に、限界に挑戦し、それはまた、今年のパーフェクトトリプルクラウン・ティアラコンビも同じわけだが、その挑戦に一番抵抗しようとした才能が、ここにもいるというのは、当然無視できないことになる。

どこまで行っても、あの時負けたあの馬にまた好勝負を挑めるかと言えば、自身のハイパフォーマンスを否定されるような負け方で苦しいはずだが、ここにはそういう相手は見当たらない。

古馬よりタフな経験をしている3歳馬は、昨年のダービー2着馬もそうだし、アーモンドアイに敗れた秋天2着馬もまた然りだが、そこはインディチャンプがまとめて面倒を見た。

グランアレグリアは強いが、インディチャンプも自分の世界を持っている。

いい騎手がいい仕事をする時、実績は重要なファクターとなると同時に、新たな魅力を放つ、なのに同型の才能を眼前とした時、大いに苦戦を強いられるシーンは歴史上何度も繰り返されてきた。

マイルチャンピオンシップ2020 - 出走予定馬の血統から見る脚質

デュランダルが三連覇ならずの時、同じサンデーサイレンス産駒の4歳馬が躍動したという歴史がある。

サンデーサイレンス直系の孫同士の争いで、それぞれが別の父を持つことになったが、実際のところ、違う母を持つ程度の差しかない。

15年前の熱戦には、苦闘を戦い抜いた変則二冠牝馬がいた。ラインクラフトだ。

似たような道を進もうとした時、シーザリオの血とインディチャンプの兄を父に持つ馬に連敗。

ただ、牡馬のトップホースと同格の持ち時計でスピード豊かなレシステンシアもまた、驚異の才能の持ち主。

ウオッカ超えの持ち時計とアーモンドアイ超えの桜花賞馬の対戦も見ものだが、実際にアーモンドアイを負かしたグランアレグリアは、流石にスピードが勝ちすぎている。

似たような脚質のようで、好む展開が真逆の両者は、主導権を握れる方が有利と見て、組み立て上ではレシステンシアを上に取ることになる。

これは形式上ではなく、展開によりどちらが左右されないかという理由で、牝馬が好まないレースを愛するレシステンシアが普通の競馬では普通の馬になり、自分の持ち味を出したところで、三冠牝馬になったシーザリオの孫に敗れたというのは、どことなく、サリオスの境遇とよく似ている。

クラシックを勝てるような馬はここには挑まない。

勝てそうだったからこそ、多少の無理も効くと思って、ここに出てくる。

桜花賞馬が勝ったという歴史はないこのレース。

裏切ってこそのグランアレグリアだが、こうも条件が噛み合わないと苦しいだろう。

マイルチャンピオンシップ2020 - 最終予想まとめ

シンコウラブリイやノースフライト、ブルーメンブラットに縁が生まれ、同年に一緒に参戦の桜花賞馬・ダンスインザムード、ラインクラフトらはタフな牡馬に敗れた。

牡馬も牝馬もタフでなけれならないとすれば、余裕のないローテの若い馬に、同じタフさで勝負できるという武器をここでは信じていいように思う。

激しいレースになるかはレシステンシア次第だが、クロノジェネシスの未来を占いながら、レシステンシアを取り戻した北村友一騎手の迷わない策に期待だ。

実は、グランアレグリアようにフレッシュな状態こそが、最大の能力発揮の舞台になるというタイプなのかもしれない。

奇しくもジャパニーズギニーの各2着馬同士に注目の集まるレースとなったが、いつも主役ではない感じのインディチャンプも、逆らう男・ステイゴールドの傑作の1頭だからこそ、期待に応えない魅力がある。

この三者を重視し、玉だらけのパワーレースにおいて、最高の実をサリオスには奪い取ってもらいたい。

実はこの馬、スローペースでもハイペースでも走破時計が変わらないタイプ。

上がりの数字が安定しているから、まず崩れないのは事実だが、そもそもが恐ろしくタフな重戦車のような体格なので、どんな相手でも自分を見失わない強みを持っている。

強い相手がいた時こそ。それはコントレイルもデアリングタクトも同じ。

レシステンシアだって、インディチャンプだって、本当はそういうタイプの馬である。

半姉のサラキアが、道悪の東京1800でやたらとよく走ったのに対し、サリオスは正攻法のワンターンで、常に高性能エンジンをフルスロットルまで吹かしまくるタイプ。

だからといって、大柄なのに無難な競馬ができるのは、サラキアと違って、グレイソヴリン系のパワーがサンデーサイレンスらしさだけを活かさないから。

簡単に言うと、ディープとかダイワメジャーだと、一気にスピード能力を出し切れてしまうから、破壊力の方が強まるけれども、もう少しタフな重厚さをプラスできるハーツクライや最近はステイゴールドなどは、ポカがあったところで、燃え尽きづらい性質を武器にできるから、どこかでまた強い姿を取り戻せる可能性を秘める。

結局、1年もG1を勝っていないわけだが、出走回数が3回で、いずれも国内の主要レースで、マイルはなし。

ここで買わないと、きっと損をするはずだ。
グランアレグリアに勝たれたら、もう、ごめんなさいである。