2020年中山大障害【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着メイショウダッサイ(1.7倍)2着ケンホファヴァルト(69.7倍)3着タガノエスプレッソ(6.2倍)

レース名第143回中山大障害
日程2020年12月26日(土曜)
優勝馬メイショウダッサイ
優勝騎手森 一馬
勝ちタイム4:40.7
馬場
3連単配当35,900円

中山大障害2020 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
114メイショウダッサイ4:40.7 -
23ケンホファヴァルト4:41.0 1 3/4
311タガノエスプレッソ4:41.0 クビ
412ブライトクォーツ4:41.3 1 1/2
52ヒロノタイリク4:41.4 3/4
単勝14170円
複勝14110円
複勝3650円
複勝11190円
枠連2-73,900円
ワイド3-141,680円
ワイド11-14300円
ワイド3-112,960円
馬連3-145,350円
馬単14-36,770円
3連複3-11-146,440円
3連単14-3-1135,900円

中山大障害2020 - レース後コメント(騎手/厩舎)

 

「今日はダッサイが頑張ってくれました!
経験を積んでどんどん馬が良くなっていたので、何の不安もなく走ることができました。
自分は乗っかっていただけなので実感がわきませんが、馬や関係者の皆さんに感謝の気持ちで一杯です!」

※森騎手のコメント(メイショウダッサイ)

中山大障害2020 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

中山大障害2020 - 回顧

最初どこにもタガノエスプレッソが見えないので、どうしたものかと思ったのだが、一方で、終始理想のコース取りと安定した飛越で、万全の態勢で動き出しを図った森一馬騎手のメイショウダッサイは、キャリアというか、大障害コースを経験している者同士、本命党には何とも頼りになる位置取りで、誰にもベストポジションは譲らなかった。

直線に入る手前、ダートコースを横切るところまでは、結果的に完璧な2着になったケンホファヴァルトと熊沢騎手の大物食いが可能と思われたところで、常に一番いい馬に乗せてもらえる位置、そして、安定感を買われている森騎手の正確無比な追い上げに、坂上では屈してメイショウダッサイの底力を引き出すまでに止まった。

それらに続き、筆者の推した石神騎手のフォワードカフェも、最高に素晴らしいというマークで、森騎手に勝るとも劣らない鞍上の好アシストはあったが、距離の壁と、格を知るという一戦に終始し、最後は伸びあぐねた。


7歳馬のメイショウダッサイが、昨年のこのレースでシングンマイケルらにねじ伏せられてからわずか1年で、森騎手共々、挑戦を目指すに相応しいいい意味でのテンションの高さを結果に結びつけ、大一番で中心馬、けれどもそこまで図抜けたキャリアまではない中でも、力を見せつけたのである。

元々は、芝でも時計が掛かるところで強い一族であるエリモルーシーの系統だから、こういう芝とはいえ、イレギュラーな能力を問われる舞台設定は苦にしなくて不思議はなかった。
しかし、上の兄にサウスヴィグラスを父に持つことでダートのタフな短距離型として活躍するスマートアヴァロンがいて、従姉弟に女傑たるサンビスタがいるという背景。

スズカマンボが平地適性を若干阻害する面があったところで、二冠牝馬の父でもあるから、自身が得意とした皆が苦しむ条件での活躍には、その共通項、血のなせる業が絡んでいると仮定することで、ほぼこの才能の根拠は血統からでも推理ができる

ただし、ここに出てくるべき昨年の勝ち馬シングンマイケルも、今年のグランドジャンプをちゃんと勝ち切ったオジュウチョウサンも、今や過去の存在になりかけている状況で、敵はいなくなったものの、新たな才能との対峙や変則的な仕掛けを講じる<結果的に成功>タガノエスプレッソ<平沢騎手>などの追撃を封じるのは思われていたよりずっと高いハードルだったはず。

状態は大一番の作りにしては、体形のせいもあってぼってと映したが、いざ走り出すと、まるで他の才能のそれとは違う抜群の安定感があった。


この馬がだいたい500kg超えの馬体重で常に走っている。

昨年勝ったシングンマイケルは、こういう距離向きの450kg台後半の馬体ながら、春にまさかの事故に遭い、天に召されている。


2頭も下したグランドジャンプ5連覇中のオジュウチョウサンは、メイショウダッサイのそれと同じように、500kg超えが普通の馬。

勝ち馬の馬体重を遡って見ていくと、2014年優勝のレッドキングダムも中型だったのに、そのまま春には終わってしまった。


我々はステイヤー体型ともてはやして、ライスシャワーやヒシミラクルといった、平成期以降の馬にでもそういった思考回路で当てはめる形をよく採用するのだが、春の天皇賞連覇時のフィエールマンはついに490kgに達していた。

アーモンドアイも似たような最後は体になっていたし、キタサンブラックはどう考えても中距離までしかもたない目方なのに、2400M以上のG1を5勝もして見せた。

耐久力に馬体のイメージを当てはめるのは間違いで、今や、ステイヤー血統など皆無の時代。


中距離型の選択肢に長距離戦や障害競走があると考えれば、繊細さをうかがわせる細身のタイプには苦しいのかもしれない。

血の系譜がそうさせるのは事実だろうが、コントレイルはそれとは異なるから、競馬は面白い。


メイショウダッサイの渋い血統にも、長距離の障害重賞をこなせる要素は秘められていたのだろうが、実際は、ただ単純に力のある成長力豊かなタイプだったというだけのことなのかもしれない。