桜花賞2016 予想

ヒロイン最有力候補は、今年も関東馬。

実質的にトップとされた昨年のルージュバックの評価とは違い、どう考えても、実績が一番のメジャーエンブレムは、ローテーション上の問題をとやかく言われることはあっても、焦点は、マイルでのハイパフォーマンスの連続に対する反動への不安が主であり、能力そのものを否定的に捉えた論争は一切聞かれない。

加えて、ここからは考え方の違いとして現れる部分ではあるのだろうが、主流も主流、チューリップ賞を戦ったほとんどの馬が、あのウオッカ・ダイワスカーレットがレースレコードで駆けた時の時計より速く走り切ってしまったのだから、例年のレース水準より、遥かに高いところで勝負をしてきた上で、また強い馬がいてという桜花賞の構図だから、それ以上のものが求められた際の余力という面で、この組も反動という切り口ならば、同等の評価を下す必要がある。

残りの組は、レース展望の観点で、完全に二枚落ち以下の評価がされている以上に、迫力のあるレースをしてきた馬が少ないから、どう抗ったところで、メインの組が死闘を演じた、もしかすると、有力と目される3頭のうち1頭が抜け出す流れになって、着争いにちゃっかり加わってくる構図にならないと、大分苦しいとみるのが自然。

諸々、弱みも強みも見ていった中で、殊、一般的な条件にして、芝の競馬における根幹距離でのマイル戦でのチャンピオンレースである桜花賞競走では、余程の自滅、不利、故障等のアクシデントがない限りは、人気馬から狙うより他ないと結論付けるに至った。

多言は無用、という表現は不正確な言い回しではあるが、本質的に、クイーンCの

「1:32.5」

と、

チューリップ賞1、2着馬が追い込み競馬の末に叩き合って生み出した

「1:32.8」

には、発生の構図からして、まるで別物であると思う。

3歳2月に、どんなに強烈な競馬をそこまで見せていたとしても、

「12.3-10.8-11.3<34.4>-11.7<46.1>-11.7<57.8>-11.2-11.6-11.9<上がり34.7>→1:32.5」

で流れた競馬を自らが作り出し、ぶっちぎりでも涼しい顔で走り切ってしまった馬がいたのなら、前半は1秒遅く、後半は2秒近く速いラップになったチューリップ賞ツートップと比べても、後者が時計で上回っているならまだしも、高速馬場でありながら、時計の差が多少なりともある状況なので、そもそも比較できる対象にはないと考える。

勿論、メジャーエンブレムが完璧な馬だとは言わない。

スローでは負けている。

ただ、彼女以上に安定して自分の競馬をできる馬は、現段階ではおらず、こういう場合で怖い、全く関係のない路線からの刺客も、現実的には見当たらないわけだから、メジャーエンブレムを本命視する以外、道はないと思う。

自滅、不利、故障…。

大一番になればなるほど、それらの蓋然性が高まる状況となるわけだが、自滅させられるほどのスピードは他にはないだろうし、不利を受けるなら、アンフェアでも強引につついていく自爆覚悟の策しかなく、ビービーバーレル、アッラサルーテは、そういうことはできない感じもあるし、故障するという読みはあまりにも常軌を逸しているから…。

ここまでは負けない。

これまでのように好位につけるのに適した内枠をまた引き当てた運の強さが、少しでも出負けして、鞍上も大事に乗り過ぎて、などという愚にもつかない負けパターンの想定も3歳戦ならあり得なくもないのだが、今のところ、戦前の段階で敵はいないと考える。

母系は重厚で、底力勝負は大歓迎。

それとギリギリ伍して戦える血統の桜花賞4着馬ワンカラットの妹・ジュエラーにしか、万が一の際の出番はない。

3着に妙味はありそうだ。

チューリップ賞よりまともに競馬できれば面白そうなレッドアヴァンセやスピード型のアットザシーサイド、サドラーコネクションで最有力のデンコウアンジュなど、大体のモノがよく見えている馬が候補。

シンハライトは、連勝が止まりそうなレースだけに、無敗馬の弱みが出そうなので、オッズとの兼ね合いもあるが、多く押さえることは控える。

重い血にヘイローのクロスの成功パターンは多いが、馬体の印象通り、今のところはメジャーエンブレムの好まない条件で出番ありのタイプ。

今回は、牝馬らしさが求められるとは思えない。