桜花賞2024【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ステレンボッシュ(4.3倍)2着アスコリピチェーノ(3.5倍)3着ライトバック(14.6倍)

レース名第84回桜花賞
日程2024年4月7日
優勝馬ステレンボッシュ
優勝騎手J.モレイラ
勝ちタイム1:32.2
馬場良馬場
3連単配当11,470円

桜花賞2024 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
112ステレンボッシュ1:32.2-
29アスコリピチェーノ1:32.33/4
311ライトバック1:32.3クビ
47スウィープフィート1:32.41/2
515エトヴプレ1:32.5クビ
単勝12430円
複勝12150円
複勝9140円
複勝11340円
枠連5-6560円
ワイド9-11940円
ワイド9-12280円
ワイド11-12970円
馬連9-12620円
馬単12-91,240円
3連複9-11-123,260円
3連単12-9-1111,470円

桜花賞2024 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「そこまでスタートは速くなかったが、満足なポジションから道中もいいリズムで乗っていて、直線に入っても手応えがよく、非常に素晴らしい脚を見せてくれた。道中もリラックスしてくれていたし、距離が延びても問題ないと思います。これからも楽しみ。ポテンシャルは高いです」

※優勝したJ.モレイラ騎手のコメント(ステレンボッシュ)

桜花賞2024 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

桜花賞2024 - 回顧

ステレンボッシュの血統

皐月賞にも2頭投入の予定であるランズエッジの孫。

即ち、ディープインパクトの半妹にあたるダンスインザダークの産駒が、母母に入るこのファミリーは、一応のウインドインハーヘア=ディープインパクト、ブラックタイドの母 の一族の根幹を現在形成している。

ダンスインザダークの全妹は、無敗でのこのレースをレースレコードで制したダンスインザムード。

エピファネイアとルーラーシップという角居厩舎の問題児がダイレクトに配されたという組み合わせは大いに怪しい面を抱えながらも、単純に、クラシックディスタンスに適応する基本能力をファミリーの底力が支えることで、そこが素直に引き出された、いかにもクラシック適性が前面に出たという、マイルでは距離が短いタイプ。

前回より差はついての逆転劇であったが、完璧なレースなどいつもできるわけではないから、距離延長の強みをアスコリピチェーノとの兼ね合いで、再度東京の2400で本質に挑むことが、このステレンボッシュには問われてくるが、何一つ不安はない。

アーモンドアイ以上に距離をこなせる素地がある血統背景から、むしろ、モレイラ継続騎乗での過大評価の方が問題だろうか。

マイルで差せたのは、ある程度のズブさがある血統のイメージ通りの性質が出たため。

強気すぎて弱気過ぎてもダメな血統だから、無難にどう立ち回れるか。

大敗のクイーンズウォークらに課題が生じた一戦で、血統のイメージよりは瞬発力勝負に適応できたということで、ディープっぽさを活かす決め手比べを次戦でも期待するのが常道だろう。

道中はほぼ並んでの中団待機は、モレイラ騎手の総合的な判断による、徹底したアスコリピチェーノマークの形であったが、もっと重要な直線入り口に掛かる勝負所で、少しバランスを崩すように、アスコリピチェーノの方が外へ膨れてしまった。

騎手の腕の差と言ってしまえばそれまでだが、武豊でさえ、普通に乗ったモレイラの有力馬を負かすのは大変なわけだから、女王の敗戦はこの時点で確定的だった。

しかし、悠々抜け出す、リベンジほぼ成功のステレンボッシュに対し、女王がプライドを見せて、勢い勝るライトバックの追撃をついにしのぎ切った。

ここにチェルヴィニアだとかクイーンズウォークやコラソンビート、万全でかつ順調だったなら、ボンドガールやサフィラなども加わってきていたはずの優勝のゴールライン上に、ライトバックが加わってきたという変化が起きただけで、このライトバックと手、チェルヴィニアがクラシック最有力候補に挙がったアルテミスSの4着馬だったから、ジュベナイルフィリーズ以前に全ての駒は出揃っており、そこに唯一、賞金面でも厳しいマッチアップの経験も不足だった国枝厩舎のステレンボッシュが加わっただけのこと。

本当に強い馬が上位にいる世代だと、多少の入れ替わりが発生することはあっても、厳しいクラシック戦線の話。

本当に強いとわかっていることが皆に知られる存在が、変な負け方はしない。

ジュベナイルフィリーズ経験のスウィープフィートやジュベナイルフィリーズ3着のコラソンビートを破ったエトヴプレは、それらに続いた。

昨年のリバティアイランドと比肩する好タイムで上位陣は乗り切っているから、この時点で、古馬エース級とも即通用の基本能力を示したオープン馬の実力は、再び、確かなものであることが証明された。

また、そんな基本能力を図る上で最も重要な指標を作ったリバティアイランドよりも、阪神ジュベナイルフィリーズの時点で速くマイルを走り切った2頭の即戦力としての才能が、他を上回っただけの結果でもあった。

卒のないモレイラ騎手なら、高速決着で僅差2着の馬に、それと同等のパフォーマンスが可能なように運べることはわかっていても、完全に負けている苦しい体勢からの、ある意味での差し返しができるアスコリピチェーノも立派だった。

マイル戦に限らず、故障や大きな不利、ペースの読み間違いが甚だしいなどの事情がない限り、リバティアイランドと才能では差があったとしても、走破タイムの逆算ができると思われるこの2頭は、しばらく崩れない。

唯一、モレイラ騎手だから勝てたということではないだろうが、JRA所属ではない外国出身の騎手というのは、クリスチャン・デムーロ騎手が兄のミルコと僅差の接戦を演じた2013年のアユサンで勝ったというくらいで、極めてレアケース。

当然のことながら、南半球の大レースも組まれている状況で、北半球は日本だけでなく欧米の主要生産国で同時進行のクラシックシーズンの真っ只中。

ある意味では、フリーハンドであるモレイラだから勝てたというレアケースを、一発回答で、基本的にはテン乗りでの挑戦で決めるというのは、やはり、尋常なことではない。

ルメール騎手の騎乗は、チェルヴィニアの参戦が濃厚ということで、国枝厩舎としても生産したノーザンファーム、その総帥たるこのステレンボッシュのオーナーである吉田勝己氏も理解した上で、ほぼ同等レベルの鞍上の確保に成功したことは、大きな勝因とはなったものの、勝因の一つは、アスコリピチェーノのコース取りの些細なミスであり、作戦勝ちの面もあった。

実力間違いなしも、距離適性で勝ったわけではないから、勝負運で勝ったという側面はあるだろう。

間違いなく、ジュベナイルフィリーズよりもタイトな直線の勝負となっていたはずだ。

ステレンボッシュに負けまいともう一度伸び直した女王は、ロスした分の0.1秒上がりで見劣っただけで、それがそのまま着差になった。

相当ハイレベルなライバル関係である。

このような勝負には適したモレイラ騎手なのだから、ここも勝因に挙げてもいいのだが、滅多に欧米の大レースをいくつも勝っているような騎手が来ることはない時期とはいえ、今後もこのような結果になる事はほとんどないはずだ。

現に、調整はやれる範囲のことをすべてやったはずのチェルヴィニアは、ルメール騎手からのチェンジを余儀なくされ、ムルザバエフ騎手でも大丈夫と思ったが、正攻法の抜け出しは不発に終わり、ほぼ大差に近い、1秒以上の差をつけられて大敗。

いかに、順調なレースを重ねられるかどうかが重要な場面で、ジュベナイルフィリーズを使えなかったつけを払わされる結果に終わったが、あえて、ここまで使ってこなかった木村調教師や陣営の判断が間違っていたようには思えない。

仕上がってはいたし、多少の気配薄は仕方ないにしても、時間をかけて再調整の結果は、ここで出なくても、この先出そうな気がする。

如何せん、4歳時に再度成長をして、最後は4連勝で締めたシンコウラブリイの一族である。

時間をかけて、目標を再びおかないようなスタンスで作り直せば、必ず大きなタイトルを懸けた争いに戻ってくることができるはずだ。

クイーンズウォークは謎めいた敗戦であるが、直前に、ほとんど馬場状態の把握に役立つ傾向の指標とならないが、同じ川田騎手が2000Mで連勝していた。

それも外からのびのび走らせた結果、突き抜けたという強烈な内容。

スパートのタイミングがあまりに秀逸だったモレイラのステレンボッシュも5分ところくらいからの進行で伸び切り、これに続いたのは外からの追撃のグループ。

エトヴプレは鮫島克駿騎手が完璧に運んだ番手抜け出しで、これはパワーのある1600ギリギリのパワー型だから、内面的な課題はあるにしても、負けすぎの嫌いがあったところで、外に出せるほどの猛ペースで展開しなかったから、<オークスを少なからず展望する組が多いため、ジュベナイルフィリーズよりはスローに展開しやすい傾向> 枠の利は、今年は出せなかった印象もある。

ここ3年は高速決着が続き、真ん中より内の馬が必ず来ていたが、今年は9番のアスコリピチェーノが2着、スウィープフィートは下げていくから、7番枠はあまり関係なかったが、あとは二桁の馬番の馬ばかり好走であった。

大きな不利はなかったから、この馬の巻き返しが、チェルヴィニアと同じように、オークス展望最大のポイントとなってくる。

しかし、関東馬有利の状況に変化はないように思う。