皐月賞2016 展望

年が明け、当初は何とも言えないレース展開が続いた重賞部門に対し、オープン特別からは続々と大物が無傷のままクラシック路線に勝ち名乗りを上げていった。

トライアル開催が始まると、そのオープン特別の勝ち馬が、主要競走の好走馬や年明け重賞の連対馬を負かした。

きさらぎ賞は、1:46.9のレースレコードの決着。

共同通信杯は、稍重を考慮せずとも速い1:47.4。

弥生賞に至っては、夢の1分59秒台でのハイレベル決着で、裏路線組のマカヒキと2歳王者のリオンディーズが、少なくとも同じ土俵の上で戦えるだけの力関係にあることが証明され、3着のエアスピネルを含めた前記2戦の勝者と5頭が、路線の牽引者たる存在と認知されることとなった。

ディープ産駒がそれら全てを制し、キングカメハメハや昨年から元気なマンハッタンカフェの期待馬もそれに続いた。

さて、である。

何を信じたらいいのだろうか。

過去10年では、弥生賞組は3勝。

その前の10年が4勝。安定供給でも、絶対安全の証とはならない。

いつも評価がバラつくスプリングSは、本番の高速化が顕著になって以降、その穴を埋める10年4勝。

共同通信杯からの直行組が、今のトレンドであるように、重賞で負ける悔しさを知っていれば、ほとんどローテーションは関係ない状況なのだ。

理論上は、エアスピネルやイモータルも圏内。が、重賞で2敗はちょっと尻込みする。

皐月賞はリオンディーズかサトノダイヤモンドだろうとは思うが、ダービー以降は全く見えてこない。

青葉賞組からついに勝ち馬が出るかもしれないし、フサイチコンコルドのような重賞初挑戦の馬の激走もあり得なくない。

皐月賞は、きっと順当である。

時計が速い前哨戦のところから、本年のクラシックのレベルに達した馬が出てくる。

スプリングS組では、ロードクエストと芝2連勝中の刺客との対戦結果に注目。

若葉Sに関しては、いかにもズブそうなアドマイヤダイオウが、皐月賞に出た方がいいのか否かを問う競馬になり、双方、主流を形成するまでは至らぬ公算大。

戦前ではあるが、負け組の方が狙い目だろう。