高松宮記念2020 予想
4年前は、雨が降るはずがどんどん予報が上方修正されたため、信じられないほどの高速馬場になった。
馬場質はその時と大差ないだろうが、今年はしっかりと事前に雨が降る上に、開催日前日の土曜にも芝のレースが多く組まれる。
これに合わせて、ルメール以外フル参戦となって、三浦、ヒューイットソン両騎手のレース参戦が取り消しになったとか、コロナ関係のゴタゴタも影響し、意外と混戦模様を呈している。
このレースと相性抜群の福永騎手など、ディフェンディングチャンピオンとのドバイ参戦が立ち消えたら、今度は秋の王者への騎乗依頼が舞い込んだ。
しかし、このようなビッグアーサー的鞍上強化の実績は、案外はかばかしくはない。
その日競馬場にいる騎手からの変更で成功した例は、特にテン乗りではこれ以外に見当たらなかった。
ダノンスマッシュのような奇遇も、馬場読みでのフィット感も、かえって、GⅠを勝っていないという死角が相手の多角化により、どう影響するのか。
少なくとも、スプリンターズSよりタフなマッチアップである。
だからこそ、基本的なスピード能力を問うべき一戦という解釈の方が、しっくりくる。
あえて、道悪予想でも快速中の快速であるモズスーパーフレアから入りたい。
いっぱい道悪の歴史があって、スプリンターズSとも合わせて、スプリントGⅠにおけるこの手の事象の分析を行ったが、結局、GⅠになったらそもそもプラスアルファの能力が求められるから、道悪実績などあまり重要ではないのである。
実質的な道悪の経験も遅い時計の決着に対応したような好走実績もないモズスーパーフレアは、直ちに用なしの貧弱な女馬とはなりえないのだ。
昨年は連続して快時計を叩き出した上に、中山で勝って中2週後の競馬。
同じ歳のアーモンドアイがそうである�ように、毎度全力で走れる能力のある牝馬というのは、得てして、休息を要する性質を孕む。
自慢の全速力を前半から繰り出しつつ、上がりが掛からないことも条件という馬だから、結果として、勝ちタイムが速い時こそ自分の出番となるわけだが、実は単純で、上がりが掛かってしまえば、いくらでも差し馬にチャンスを与えてしまうのだから当然の事。
モズスーパーフレアだからダメなのではなく、先行型の馬に、遅い時計は不利なのだ。
にも拘わらず、このレースのコパノリチャード、スプリンターズSのカルストンライトオ、アストンマーチャンらが、あれだけの極悪馬場で逃げ切ってしまったのか、粘り込んで見せたのか。
理由は全く同じ。自分も走りづらいが、みんな走り切れないから、本物の先行型を追い込めないのだ。
モズスーパーフレアは不利な条件でこそ、本当の実力を発揮できる。それが、スプリント戦の本質なのだろう。
故に、道悪の実績が重要とはならない。
そもそも、左回りの実績と血筋の根幹部分を成すゴーンウェストやダンチヒの存在など、死角ばかりが目立つ馬。
消す理由など山ほどある牝馬には、それと同じくらい、ここに出てくるだけの存在価値を感じさせるに十分な記録がある。
12.0-10.5-10.7(33.2)-11.1-10.9-11.8(33.8)→1:07.0
中山1200<稍重> セプテンバーS
コパノリチャードは厳密には逃げ切りではないが、前走で33秒台の3F通過から、1:20.7で阪急杯を逃げ切り圧勝。
カル�ストンライトオやアストンマーチャンも、平坦ながら、歴史的快速タイムを刻んだ実績の持ち主。
どの馬にもそれ相応の持ちタイムというのはあるが、タワーオブロンドンが復活して、ダノンスマッシュも中山で一気に時計を短縮したところで、そこには必ずモズスーパーフレアがいて、その記録がついてきたという経緯がある。
戦略が淡白なようで、潔くまた爆発的な才能は、GⅠでこそ本領発揮だろう。
前走の外差し馬場で、今までになく、遅い時計の決着で粘り込み、ゴール寸前での先頭交代であった。
実は、道悪への適性を秘めた馬なのだろう。
前述の記録は稍重。金鯱賞の週の馬場を考えたら、同じ稍重となれば、セプテンバーSの再現も可能かもしれない。
◎モズスーパーフレア
○タワーオブロンドン
▲ステルヴィオ
注ダノンスマッシュ
△ノームコア、グランアレグリア、シヴァージ、ナックビーナス