高松宮記念2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着ダノンスマッシュ(6.0倍)2着レシステンシア(2.9倍)3着インディチャンプ(6.3倍)国内G1初勝利で父ロードカナロアとの父子制覇!
レース名 | 第51回高松宮記念 |
日程 | 2021年3月28日(日曜) |
優勝馬 | ダノンスマッシュ |
優勝騎手 | 川田 将雅 |
勝ちタイム | 1:09.2 |
馬場 | 重 |
3連単配当 | 9,770円 |
高松宮記念2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | ダノンスマッシュ | 1:09.2 | - |
2 | 16 | レシステンシア | 1:09.2 | クビ |
3 | 9 | インディチャンプ | 1:09.3 | クビ |
4 | 13 | トゥラヴェスーラ | 1:09.4 | 3/4 |
5 | 4 | モズスーパーフレア | 1:09.5 | 1/2 |
単勝 | 14 | 600円 |
複勝 | 14 | 210円 |
複勝 | 16 | 140円 |
複勝 | 9 | 190円 |
枠連 | 7-8 | 710円 |
ワイド | 14-16 | 430円 |
ワイド | 9-14 | 680円 |
ワイド | 9-16 | 450円 |
馬連 | 14-16 | 1,010円 |
馬単 | 14-16 | 2,170円 |
3連複 | 9-14-16 | 2,200円 |
3連単 | 14-16-9 | 9,770円 |
高松宮記念2021 - レース後コメント(騎手/厩舎
「国内でG1を勝つことができなかったので、結果が出てよかったです。こんな天候(雨)でしたから、あえて何も考えず、この馬の走りたいように走らせました。道中はいいリズムで走ってくれました。直線で進路ができてからはレシステンシアと競り合うことになりましたが、最後までよく走ってくれました。国内G1を取れて、結果が出てよかったです」
※川田騎手のコメント(ダノンスマッシュ)
高松宮記念2021 - レース結果動画(YouTube)
※実況レース映像
高松宮記念2021 - 回顧
2歳時の朝日杯フューチュリティS参戦から、未完の大器として、時に過剰な人気を背負っては崩れてきた、あの勝負弱いダノンスマッシュが、どこかに消えてしまったようで痛快だった。
マイルで苦しい競馬を繰り返しながらも、苦行とは思わず、己の研鑽に繋げたレシステンシアやインディチャンプもまた素晴らしい。
大迫力の道悪・高松宮記念は、異様な馬場状態だった改修後最初の開催の1:10.3や<おかげでロードカナロアは対応できずに敗れた年>、不良馬場でどうにも快時計が出る道理のなかった2014年の1:12.2に続く遅い決着ではあったが、その時のような変な雰囲気、要するに人気馬が崩れたレースとはなっていないから、見事な展開だった。
マイルチャンピオンシップやその前のスプリンターズSで戦っていた、どうしても太刀打ち不能のグランアレグリアの評価が上がると同時に、この路線に万一にも戻ってこようものなら、今度は容赦しないという迫力を備えた3頭のドラマが、また進化したのようにも思えた。
謎めいた香港での激走は、ローテもほぼ同じでスプリンターズSの内容であれば、前年の2019年の方がよっぽど惜しかったように思えたダノンスマッシュだったから、ムーア鞍上でもその驚きはソダシG1制覇以上のものがあった。
直線でタフな叩き合いの中から抜け出し、最後はぐいと力強く体半分ほどリードできたのは、当然鞍上のワイルドな追いに馬が叱咤された結果と大いに納得したのだが、そんなに追い負けないだろう、彼をお手馬とする川田騎手でも、その結果は変わらなかった。
昨年以上に馬場は荒れ、時計も展開もかなりタフになり、何よりも相手関係が強化された中での差し切りだから、馬自身の成長と期待されたよりもずっと遅い成長軌道だったのだと反省すべき材料も我々に与えた。
休み明けは走るから、いつも派手に前哨戦は勝っていた。
正直言って、馬全体の成長はあるから迫力は伴った体つきに思えたが、調子が絶頂のそれにはなかったはず。
その点、ややモタモタした印象のレシステンシアは明らかに充実していたから、ここは物足りないのだが、この馬だって差しての競馬などやったことはないし、1400以上でそれができるような凡庸な才能の馬ではない。
しかし、後傾ラップに持ち込める可能性、それが1200以下ならば終いも伸びきる才能となる絶対的な安定感を生むパフォーマンスを、この舞台でやってのけたのだ。
結果的には、昨年惜しくも追い上げ届かずの3位入線だったグランアレグリアのそれのようで、中身はもっとスマート。
逃げることから差すことまで可能となれば、ダノンスマッシュの充実度合いもさることながら、こちらもまだまだ伸びしろを残している。
来年はドバイの芝のスプリント戦への参戦だってあり得る。
決して、道悪で頑張れるようなキャラには思えなかったが、外から伸びる2頭の激闘には、経験値や能力の絶対値でも見劣らないインディチャンプにも譲らぬ、破壊力のようなものがあった。
そのインディチャンプも、一線級で長く活躍ではダノンスマッシュには幾らか譲る点もあるが、ずっと崩れていないのだから、古馬になってからの立ち位置は逆転していた。
挑戦のスプリントは大金星にはつながらなかったが、こういう幅の広げ方で、競走寿命は延びていったりもすると言われる。
グランアレグリアみたいな短いところに一度行ってから、今までよりもっと長い距離を使うなどということはできないが、スピード負けも底力負けもしていない。
一点、スプリントで決め手比べで見劣らなくても、もしかすると、時計勝負への限界はあるのかもしれない。
レシステンシアには関係のない話でも、もう6歳のダノンスマッシュにはこの課題が、適鞍との出会いで解消されながら、今後、引き際選択する場面を左右するような回答をもたらすマイナス材料として顕在化する可能性はある。
インディチャンプはマイルでは速い方だが、この路線でそれが特別なわけではない。武器を磨きたいが、本当はマイルで復活が望ましいか。
伏兵で驚くような脚を使った泥だらけのドゥラヴェスーラは、上位勢を占めた6歳勢の一頭。
あのドリームジャーニーの仔であり、この手の馬場は歓迎のステイゴールドの直系。
何だかんだで衰え知らずのモズスーパーフレアも、今年は同じ馬場で同じようなラップの序盤<昨年より0.1秒速い、3F通過34.1秒>で、パフォーマンスはそっくりのようで、相手と併せて走るようなレシステンシアと似たな泥臭さはなく、自分のルールに準じて走れば、まだまだいけると証明した価値は大きい。
この馬も、ダノンスマッシュと同じように2歳夏のローカルデビューであった。
一芸に秀でた才能もまた、この特殊な専門家集結の舞台だけに、5年連続参戦のセイウンコウセイのような快記録達成も夢ではない。
牝馬の激闘はそれに続いたサウンドキアラの復調、重馬場ならエース級のエイティーンガールらに引き継がれ、全然競馬になっていなかったはずの
マルターズディオサまで半分より上に来たのだから立派なのだが、しかしながら、ダートと芝の違いは、来週も気になるポイントを後ろ指差されるようにして突かれることになる牡馬勢の切ない結果には今回もがっかり。
路線の牽引者は、スプリントもマイルも牡馬ではトップの馬が上位に来たが、意地でも好位差しで粘った9着までに牝馬はなんと7頭。
あと半分の10着以下に、型通りにスピード勝負に出るもどうしたって無理筋のダノンファンタジーは仕方ないし、後ろを回ってきただけのアウィルアウェイは完全にスランプだからどうしようもない。
ただ、人気に関係なく牝馬は上位に来ているのだ。
血統構成に関する血の濃さを、どうにでも扱える牝馬の方が、もしも同じ馬格ならば、敏捷性で少しだけ差をつけられるというアドヴァンテージは良馬場ならば言い訳になるが、道悪のG1である。
いつものように、行った行ったではなく、本格的な底力勝負。
馬脚を露すのが今回も牡馬だったとするなら、道悪濃厚で買われたライトオンキューの凡走に着目せずとも、この手の馬場が本来得意なはずのラウダシオンもレシステンシアにもダノンファンタジーにも完敗で、寂しい限りだ。
またグランアレグリアが人気になるのだろうか。
日経賞も自滅でロスしながら、菊花賞馬の方が最後は脚が止まるという、カレンブーケドールとワールドプレミアの攻防が印象的。
あの中山の日経賞で…。穴党はさぞびっくりだろうが、最近、長めの距離のG1で人気通りに走っているのは、むしろ牝馬の方だということは、しっかりと肝に銘じねばならない。
ついに、春天で牝馬に出番が来るのか。
予感を現実のものに変えるのは、世紀の初対決を控える、来週の大一番の結果如何であろう。
ただ、ようやく本気を出した4歳馬のトップグループは、もうやわな少年少女ではない。
カフェファラオとレシステンシアが示した底力は、あの独走した印象深いベストパフォーマンスとは違って、古馬らしいねじ伏せる能力が備わったタフさのようなものも見られたから、グランアレグリアの作戦は世紀の一戦の質を左右するはずだ。
何だか、アーモンドアイの背負っていたものまでそのまま乗っけるのは、気の毒ではあるが、強いのだから仕方がない。