宝塚記念2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着メイショウタバル(11.4倍)2着ベラジオオペラ(4.0倍)3着ジャスティンパレス(31.5倍)
レース名 | 第66回宝塚記念 |
日程 | 2025年6月15日 |
優勝馬 | メイショウタバル |
優勝騎手 | 武豊 |
勝ちタイム | 2:11.1 |
馬場 | 稍 |
3連単配当 | 127,550円 |
宝塚記念2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | メイショウタバル | 2:11.1 | - |
2 | 1 | ベラジオオペラ | 2:11.6 | 3 |
3 | 7 | ジャスティンパレス | 2:11.6 | クビ |
4 | 16 | ショウナンラプンタ | 2:11.8 | 3/4 |
5 | 5 | チャックネイト | 2:11.8 | アタマ |
単勝 | 12 | 1,140円 |
複勝 | 12 | 370円 |
複勝 | 1 | 160円 |
複勝 | 7 | 640円 |
枠連 | 1-6 | 880円 |
ワイド | 1-12 | 960円 |
ワイド | 7-12 | 6,520円 |
ワイド | 1-7 | 2,080円 |
馬連 | 1-12 | 2,370円 |
馬単 | 12-1 | 5,380円 |
3連複 | 1-7-12 | 23,200円 |
3連単 | 12-1-7 | 127,550円 |
宝塚記念2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「嬉しすぎますね。涙が出そうになるくらい嬉しかったです。馬がつないでくれる縁というか、人がつなぐ馬との縁というか、そういった事を感じますし、色々な思いがあります。基本的には先手を取りたいと思っていました。ただ、どれくらいのペースで行ったらいいのか、どれくらいの感じで馬が走るというのはスタートしてみないと分からなかったので、色々な迷いもありました。(1000m59秒1のペースは)それ以上は速くしたくなかったですし、スローも望んでいなかったので、丁度良いくらいの入りかなと思いました。(4コーナーではベラジオオペラが来ていたが)どの馬かは分からなかったのですが、割と早めに来ていました。それは馬場傾向で、ある程度各馬が早目に仕掛けて来るのかなと思っていましたが、4コーナーを回る時の手応えも良かったので、リードを取った時に何とか押し切ってくれ、という気持ちでした。馬の状態はとにかく良かったと思いますし、こういう馬場状態も気にはしなかったので、色々と上手くいったかなと思います。(今日は父の日、メイショウタバルの父ゴールドシップと親子二代制覇した事について)私の父(武邦彦さん)も喜んでいると思います。今日は応援していただいてありがとうございました。たまにはこういう馬が勝つのも良いのではないでしょうか」
※優勝した武豊騎手のコメント(メイショウタバル)
宝塚記念2025 - レース結果動画(YouTube)
※実況レース映像
宝塚記念2025 - 回顧
メイショウタバルの血統
説明不要、クラシック二冠に宝塚記念連覇の豪傑・ゴールドシップの産駒。 その適性はピカイチであるが、お父さんはこんなに速いタイムでは走っていない。 その戦法もさることながら、往々にして、父似ではない産駒が代表の後継になる典型のように思える。
5代母のサイレージが輸入の繁殖であり、武豊騎手に無念と歓喜の両方を味あわせてくれたダンスインザダークも、母母父に入るこのファミリーは、在来の牝系に等しい。 メイショウの馬であるから、ピカイチの血統馬ではないが、ステイゴールドの守備範囲が、そうした、一見怪しげな血統の馬。 そういう中から、ゴールドシップという馬が出てきたが、これは由緒正しき星旗の牝系なので、そうした括りに入れるのは相応しくしないにしても、この配合にサンデーサイレンスの3×4は、スイッチを入れるための操作の一つに過ぎない。
結果、父とが違う前向きさが武器の馬になり、次はどうだかわからないが、宝塚記念に適性のある馬になってみせたのである。 刹那の時間、武豊騎手がそんな演出をしたかのようなレース解説に、様々な縁が生んだ物語の、ひとつの締めくくりというニュアンスのコメントが、心憎くもあった。 ディープ以降の不遇の時間、松本オーナーが支援してくれたことを、皆が知っている。 それも含めて、恩返しなのであると、ゴールドシップが自分のことの様に自慢している姿が目に浮かぶ。 彼は新聞記事くらいなら、十分に読み解ける知能を持っているとされる。
軽い逃げは控えることを読んだが、馬場が絶妙に味方した可能性を感じさせた。 1000M通過・59.1秒で、12.2秒を挟み、11.9-11.9-11.8-11.7というラップは、途中からベラジオオペラの横山和生騎手が、自身も得意とする戦法であるから、危険を察知したプレッシャーも多少かかったものとしながら、終いは12.5秒でまとめたのだから立派。 それは言わずもがな、スローの逃げでも、高速の逃げでもなく、馬の個性も含めた、武豊という芸術表現も得意技とする不世出の騎手でないと成立しない話。 G1で逃げ切ることを最も難しい仕事であると理解する鞍上だからこそ、その価値は重いものがある。
思えば、シックスペンスが独走ゴールを決めたスプリングSに、当初は、横山典弘騎手を迎えて、クラシックの権利獲りを目指したようなところもある。 他の誰でもない、自身と対を成す騎手の息子が、胸騒ぎがしてスパートを早めたのは、プラン通りだとしても、ハマるかどうかはわからないまでも、少なくとも馬の機嫌を損ねることはなかったと思うから、今日はうまくいった…、という話だろうが、G1で決め切るのは、問答無用にカリスマでしかなしえない、至高の技巧に他ならない。
わがままが過ぎるところもあるが、体の使い方などを微修正して、どうも、終い重点の稽古が出来ているとの数字上の記録は出ていたが、如何せん、ゴールドシップのパワフルモンスターを継承した馬のこと。 だがしかし、ここの一戦に関しては、うまくいったのは事実。 時計勝負にはならないまでも、過剰にそれが問われない稍重で、ドタドタ馬場でも不利な最内選択の単騎先行が可能となった馬場の回復が、この馬に最大の勝機を呼び込んだことは事実だ。
そう思うのが、路線は似通っているショウナンラプンタが、最後まで見せ場を作ったからである。 ベラジオオペラは自分の力を示す競馬をすればよかったが、その他の4歳勢は軒並み大敗。 いかにも宝塚記念らしい、タフさが求められた一戦であったというところに、今から結果が分かっているのに、またショウナンラプンタの外れ馬券を買いそうになるくらいに、馬場は向いているように思えたが、不屈の天皇賞馬・ジャスティンパレスに差された。 ディー騎手のNHKマイルCで魅せたそれは、再び、理想の着拾い、一発を懸けた狙い通りにハマった。
ただ、もう少し回復途上の重馬場になっていたならば、また違っていたはず。 しかし、それでも、最近の宝塚記念は、馬場が荒れていても重馬場の範疇ではないという含水率を示す稍重が大半。 時計を見れば明らかと、午後一番手で芝の新馬戦で、勝ち馬が上がり34.0秒で逃げ切ったから、重馬場から稍重に変更なるのは必然の流れ。
ジャスティンパレスも馬場が悪すぎるとよくないから、距離もこの辺がいいし、馬場もこれぐらいがいい。 何もかも、ハマらない中で、意地の阪神王の孤独を実践したベラジオオペラは、大阪杯3連覇の偉業が現実味を帯びてきたことになる。 メイショウタバルが走りすぎた。
その他で注目したいのも、ベラジオオペラをリーダーとする5歳世代。 リバティがいなくなり、タスティエーラとドゥレッツァで支えねばならないところにきて、今回はドゥレッツァが今一つの結果。 馬場は合っているように思えたが、4歳よりもタフであると示せただけましだが、ジャパンCのレース評価が課題である気がする。 有馬記念の方が、余程いいメンバーだった。
ソールオリエンスが馬場が悪いままなら面白いという、皐月賞のような策を松山騎手が実践していたが、結果としては、馬場が合わなささ過ぎたロードデルレイと同じで、あまり結果に大きな影響を及ぼせるような馬の状態、理想の完成形を示せた内容と言えないものがあった。 頑張ったが、それまでのこと。 一方は出世が急すぎて、もう一方が、じっくり態勢を整えた5歳シーズン。 様々なプラスマイナスを経ているが、皐月賞で泥にまみれたベラジオオペラが、今や、世代のトップランナーである。 連続負けているから、このランク付けの逆転は少し難しいだろう。
4歳勢は難しい評価の馬が上位に来て、皆がいいと思う馬は完敗。 何も、ダノンデサイルやフォーエバーヤングが万能というわけではないし、今後も勝ったり負けたりすることはあるだろうが、レガレイラの普通の競馬から失速の哀れ…、などに代表されるように、洗練されるまでに時間のかかるタイプが多いという評価の通り、皆が、あのアーバンシックのような子供っぽさを抱えている気がした。 どの馬も、まだ厳しい競馬では注文がつく。
メイショウの松本オーナーは、凱旋門賞に挑戦にするにあたって、二冠馬のサムソンを、主戦として、瀬戸口厩舎から定年解散の転厩があっても、当時ベテランだった石橋守騎手を変えなかったにもかかわらず、わがままを言わさせてもらったと、已む無く、武豊騎手へと変更したことがある。
当時、大きな後ろ盾を失うような、馬主サイドとの軋轢を生む出来事があり、怪我も重なった時期でもある。 ディープインパクトを無事に牧場に返すという仕事をする過程で、サンデーサイレンス産駒との圧倒的な好相性ぶりが、年間200勝の理由とイコールになっていたが、それがいなくなったことで、評価を落とした。 年齢も石橋元騎手と2つしか変わらない。 アスリートの評価がシビアになる時代と重なる。
ここまでやるつもりはなかったというよりも、ここまでできるとは思わせた不遇の時代に、縁あって、メイショウの馬で秋の天皇賞に転じたのは、馬インフルエンザ感染で凱旋門賞参戦断念のサムソンであり、それ以来のチーム再構築でのタバルで、今度は宝塚記念制覇。
石橋守調教師は、メイショウサムソンにダービージョッキーの箔付けをしてもらい、ダービー無双の武豊を背に、サムソンで勝ちそびれた宝塚記念を奪取。 何を語るまでもなく、まず一番に、うれしすぎるといったレジェンドの感情は、初ダービー制覇の時と、遜色がないほどのものがあったはずだ。