2023年天皇賞(春)予想 過去10年間のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

天皇賞(春)の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第166回天皇賞春 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年4月30日(日)
発走時間15時40分
開催場所京都競馬場
距離芝3,200m
コース右回り
賞金2億2000万円
レコードタイム3:12.5

2023年天皇賞(春)予想 - 予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

天皇賞春2023の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ジャスティンパレスC.ルメール牡458.0 4.72栗東・CW・良(高倉)
7F 97.9-65.9-51.2-36.6-11.4(一杯)
栗東・CW・重(ルメール)
6F 83.0-67.6-52.4-37.2-12.0(直強め)
12ディープモンスター浜中 俊牡558.0 46.09栗東・CW・良(水口)
7F 98.2-66.0-51.3-36.7-11.5(一杯)
栗東・坂路・重(助手)
800m 54.0-39.1-25.2-12.4(馬なり)
23タイトルホルダー横山 和生牡558.0 2.31美浦・南W・良(横山和)
6F 80.3-64.7-50.1-36.0-11.2(G前仕掛け)
美浦・南W・重(横山和)
6F 82.7-66.5-51.7-37.9-12.1(馬なり)
24メロディーレーン幸 英明牡756.0 339.917栗東・坂路・良(幸)
800m 55.8-40.2-26.2-13.2(馬なり)
栗東・坂路・重(助手)
800m 55.7-40.7-26.4-13.2(末強め)
35アイアンバローズ坂井 瑠星牡658.0 91.012栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 85.2-69.2-53.7-38.0-11.4(一杯)
栗東・CW・重(助手)
7F 98.1-67.4-53.2-38.3-11.9(馬なり)
36アスクビクターモア横山 武史牡458.0 9.24美浦・南W・良(横山武)
5F 64.7-50.0-36.4-11.5(G前仕掛け)
美浦・南W・重(助手)
6F 82.8-66.1-51.2-37.3-11.8(馬なり)
47ディープボンド和田 竜二牡658.0 22.87栗東・CW・良(和田竜)
7F 95.3-65.5-51.2-36.2-11.4(一杯)
栗東・CW・重(和田竜)
6F 84.0-67.9-53.2-38.1-12.0(直強め)
48トーセンカンビーナ岩田 望来牡758.0 234.916美浦・坂路・良(助手)
800m 53.9-38.8-25.8-12.7(強め)
美浦・坂路・重(助手)
800m 53.5-38.8-25.9-13.1(馬なり)
59ヒュミドール武 豊セ758.0 123.513美浦・南W・良(助手)
5F 65.5-50.6-36.9-12.0(G前仕掛け)
美浦・坂路・重(助手)
800m 54.0-39.2-25.3-12.4(馬なり)
510サンレイポケットM.デムーロ牡858.0 72.511栗東・CW・良(M.デムーロ)
7F 97.2-65.6-51.4-36.9-11.5(一杯)
栗東・坂路・重(M.デムーロ)
800m 55.9-40.9-26.5-13.2(馬なり)
611ディアスティマ北村 友一牡658.0 61.210栗東・坂路・良(北村友)
800m 57.5-41.9-27.1-13.1(馬なり)
栗東・坂路・重(北村友)
800m 57.5-41.3-26.8-13.3(馬なり)
612ブレークアップ松山 弘平牡558.0 38.98栗東・坂路・良(助手)
800m 55.6-40.5-25.9-12.9(馬なり)
栗東・坂路・重(松山)
800m 55.2-40.4-26.3-13.2(馬なり)
713ボルドグフーシュ川田 将雅牡458.0 5.43栗東・CW・良(川田)
7F 99.8-67.5-52.9-37.5-11.3(G前仕掛け)
栗東・坂路・重(川田)
800m 54.0-39.0-24.6-12.0(馬なり)
714マテンロウレオ横山 典弘牡458.0 20.36栗東・CW・良(助手)
6F 82.2-66.7-51.5-36.5-11.7(一杯)
栗東・CW・重(助手)
7F 99.7-68.7-54.3-39.0-11.9(一杯)
815エンドロール永野 猛蔵牡458.0 137.514美浦・南W・良(永野)
5F 69.8-54.5-39.4-11.8(馬なり)
美浦・南W・重(永野)
6F 85.0-68.5-53.2-38.6-11.7(馬なり)
816シルヴァーソニックD.レーン牡758.0 10.65栗東・CW・良(水口)
6F 83.1-67.8-52.7-37.4-11.3(一杯)
栗東・坂路・重(レーン)
800m 55.5-40.4-26.7-13.5(馬なり)
817アフリカンゴールド国分 恭介セ858.0 220.715栗東・CW・良(助手)
6F 81.4-65.5-51.4-37.0-11.9(一杯)
栗東・CW・重(助手)
6F 83.0-67.6-53.2-38.4-12.0(一杯)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬4回0回1回19回16.7%16.7%20.8%
先行馬8回15回9回45回10.4%29.9%41.6%
差し馬8回5回10回122回5.5%9.0%15.9%
追い込み馬0回0回0回95回0.0%0.0%0.0%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠6回1回2回28回16.2%18.9%24.3%
2枠1回2回3回31回2.7%8.1%16.2%
3枠3回1回1回34回7.7%10.3%12.8%
4枠2回1回5回32回5.0%7.5%20.0%
5枠1回2回0回37回2.5%7.5%7.5%
6枠3回4回5回28回7.5%17.5%30.0%
7枠1回3回2回45回2.0%7.8%11.8%
8枠3回6回2回45回5.4%16.1%16.1%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト2回1回1回13回11.8%17.6%23.5%
ステイゴールド2回1回1回5回22.2%33.3%44.4%
ブラックタイド2回0回0回0回100.0%100.0%100.0%
ハーツクライ0回4回2回10回0.0%25.0%37.5%
ディープスカイ0回0回1回2回0.0%0.0%33.3%
トーセンホマレボシ0回0回1回0回0.0%0.0%100.0%
キングカメハメハ0回0回0回10回0.0%0.0%0.0%
アドマイヤドン0回0回0回6回0.0%0.0%0.0%
マンハッタンカフェ0回0回0回2回0.0%0.0%0.0%
シンボリクリスエス0回0回0回2回0.0%0.0%0.0%

2023年天皇賞(春)予想 - 過去10年のデータ傾向

王道ローテがハマらなくなってから、阪神代替で日経賞組台頭も果たして

京都開催にクローズアップした前走別成績をこしらえたはいいものの、阪神の3000級が想像以上にタフすぎて、菊花賞馬の連続優勝。
当然、フィエールマン的ワープ参戦は超イレギュラーなのであって、阪神大賞典よりもいくらか調整のし甲斐がある日経賞を使った組が、連続して好走して、京都に戻る。

最後の2020年が、その日経賞で好走の組によるフィエールマン崩しという構図で、わずかに及ばなかったわけだが、あの時も、勝ったミッキースワローの方が好内容も伸び負けで3着。
前で悠々構えたあわやのスティッフェリオは、前走3着だった。

フェノーメノしか勝っていないという記録とはなっているが、実際は、もう長い距離を直前に使うくらいなら、京都記念だとかアメリカジョッキークラブCから、放牧を挟んでじっくり作り上げた方が得策という時代に、とうの昔から突入しているのだ。
有馬から直行の怪しげな策は、1998年の栗毛3大巨頭対決のスーパーレコード決着の際、サクラローレルがハマりかけた2着の大記録がある。
サウジ組のシルヴァーソニックやダイヤモンドSが久々だったトーセンカンビーナなど、有力馬以外が、それも大して広い間隔をあけた組でもなく、まあ、妥当に菊花賞好走馬は2大前哨戦を使っていたので…。
無理に変な攻めをしても、力勝負なのであまり大きな価値は見出せないだろう。

阪神大賞典好走で勝つ気満々の若手は、有馬負けが好走の絶対条件

サトノダイヤモンドがダメで、レインボーラインや3度目の正直が決まったゴールドシップの何が良かったのかと言われれば、ただ単に、有馬記念の激闘で惜しくも敗れたか、力づくで勝ったかの2点。
ゴールドシップ然り、その前年のオルフェーヴルもそう。
怪しさ満点の不穏な天皇賞となった両者は、3歳秋無敗の王者だった。

転じて、シンボリルドルフとディープインパクトは、菊花賞の後にどこかで負けて、ひと叩きのここを力でねじ伏せた。
となると、どこも勝っていないボルドグフーシュやプレップには強くなったジャスティンパレスらは、フレッシュさで、同期菊花賞の雄であるアスクビクターモアと同格くらいにはなる。
今年は、やたらと有馬出走の有力馬が多かった大賞典なので、ボルドグフーシュが異様に人気を集めたが、結果は相変わらず。
そんなに差はない三者ながら、自在性の順に、今回印をつけたものとでリンクする面も多分にあるから、高速レースへの対応力から言っても、経験値なども込みで、揉まれた回数を根幹距離のG1では重視したいところ。

有馬もここも勝った菊花賞馬は、シンボリルドルフとマンハッタンカフェ。
奇しくも、ルドルフはジャパンC強行参戦も含むが、春とは一転、秋以降はセントライト→菊→有馬→日経賞→のローテで統一。
阪神大賞典がハマりそうで、いかにもの長距離クラッシャーは、最後に力尽きる構図である。
ステイゴールドのスーパースターたちは、まさにこの罠に引っかかった。
足し引きゼロで、ここはアスクビクターモアに僅差譲るが、力はなくなるはずだ。

人気を背負っても大丈夫なのは、ローテがある程度決まってる組に限られる

菊花賞馬ばかり勝てば、もちろんのことながら、人気馬が順当に走っていることになる。
少なくとも、15年ほど前まで頻発していた、本物のステイヤーがいなくなった的波乱の構図はないが、構造としてはその前の時代と同じで、今程、ステイヤーは少なくなかったが、スピード型かスタミナ型かの棲み分けがはっきりしていたために、力量差が大きい時代に戻っただけでもある。
ステイヤー不足など、今更解消できるわけがない。

それでも、菊花賞馬というパワーワード以外でも、ディープボンドのような持続力勝負を3000で遺憾なく発揮の王道路線組なり、連続好走していたシュヴァルグランなど、有馬記念を勝ったり、菊花賞以外は京都で走らないだとか、そういうタイプが走るレースを絞って参戦するスタイルに変化した昨今、専門性を極めたグループは常に一定レベルで登場するから、破綻に近い構造的な部分からの瓦解は、しばらくないはず。

今年はジャスティンパレスかタイトルホルダー。
一応、両方軽視はあり得ないが、京都の菊花賞好走馬ではないので、一旦はバラしていいかもしれない。
少なくとも、京都の天皇賞は2000M重賞への対応力が問われるシーンが非常に多かった。
プラス長距離適性となれば、ジャスティンパレスが人気の方が、少しくらい評価上げでいいか。
もうタイトルホルダーに関しては、専門性でどこまでやれるかの一点だろう。
長距離の先行馬の消耗は、想像の遥か上を行く。

菊花賞馬は若手から押さえよ

フィエールマンやキタサンブラック、猛烈阪神野郎となった関東馬のタイトルホルダーさんたちには、改めて感謝である。
グレード制導入から、1985年の三冠馬対決ラウンド3で、三度シービーを倒した皇帝ルドルフは、その先頭に登場するスーパーホース。

中には、ナリタブライアンとマヤノトップガンらのローレルを見ずして無念の共倒れや、世紀のリターンマッチがあまりにも極端な時計勝負でキャリアで上を行ったキタサンブラックのサトノダイヤモンド討ちなど、有馬記念から続く因縁の対決は、本番想定の天皇賞における逆転や、よもやの伏兵台頭という感じのローレルを覚醒させるための助走の装置と化す可能性を秘める。

だから、困ってしまうほどの雨で不良になった日経賞で初対戦の菊花賞馬同士によるリターンマッチは、圧倒的に若手が強いレースコンセプトからして、58も今は前哨戦群で経験できることもあって、元通り、4歳優勢と考える。

川田将雅的着度数を体現する若い菊花賞馬の活躍は、先ほどのステイヤーの道を繋いだ面々を褒める以外にも、G1である以上、速さを問われるという面も再確認したいところ。
サトノダイヤモンドだけは例外に等しいが、有馬勝ちの菊花賞馬の通例から、阪神大賞典も速いレースであったことでお釣りなりだから、今年は通常の型にハメは方がいい。
タイトルホルダーとて、有馬のような不発がある。
アスクビクターモアだって、いつも勝てるわけではないが、菊花賞の走破タイムがあまりにも違うことを、有馬記念で惜敗グループは格の差として示しているから、味方が多いことは、今回のレース展望では大きな要素になりそうだ。

2023年天皇賞(春)予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

菊花賞馬同士の直接対決の歴史は、共倒れもしくは、より若い方が有利の傾向で不変

アスクビクターモアの血統

半姉のケマー・Qemahが、ロイヤルアスコットの3歳牝馬マイルG1・コロネーションSを制したアイルランド産のフランス調教馬であり、ジョセフ・オブライエンが管理する早熟疑惑もあるプリティゴージャスも近親で、これが英国のジュベナイルフィリーズであるフィリーズマイルウイナー。

彼の母父である凱旋門賞馬のレインボウクエストは、言わずと知れたスターホース・サクラローレル<1996年の優勝馬>と凄まじい能力を誇った自分以上の才能の持ち主を、たまたまながら、日本競馬界の進歩に寄与した背景もあって、その影響力は父ブラッシンググルーム同様、かなり大きなものがあるから、やや隔世の感も否めない母父インの存在感は、良くも悪くも強烈。

ちなみに、サガスという当時のフランス最強馬の連覇を阻んだことになるレインボウクエストだが、これは進路妨害により繰り上げ優勝で、ただし、僅差の入線だったことで貶される2位入線馬の逆転ではなかった。
そのサガスの父であるリュティエの血が、サクラローレルの母母父に入っているから、競馬は面白い。

そうしたアーク・Prix de l'Arc de Triomphe の歴史があるから、伝説のブライアンズタイム産駒の大物対決ラウンドスリーに見事水を差したサクラローレルのような影響力の誇示を、このアスクビクターモアにも期待である。
まあ、ローレルは同期のナリタブライアンの三冠をダービーで阻止できた可能性もあったが、体質の弱さも同時にあった。
完成後も、脚元への不安は尽きなかったし、肝心の親仔制覇を目指したフランス遠征も最後は故障で未完。

ディープインパクトの幻とはまるで一線を画すアスクビクターモアのパフォーマンスだが、異能の後継ほど、後々に与える影響は大きい。
コントレイルが大半の成功モデルとはほぼ真逆だったように、孫の代でドカンとやれるか、意外な伏兵登場の復活Vに期待である。

2023年天皇賞(春)予想 - レース展開と最終予想

菊花賞を除くと、早めスパートというよりはずっと、大人しい仕掛けで、相手なりに先行した馬のバテ方を考慮したような動き出しで、クラシック三冠は5、3、1着という上等な結果を残すこととなったアスクビクターモアは、この中ではかなり強力。
前走に関しては、隣の枠でモゾモゾしているボッケリーニに対してなのか、<どちらが原因でいら立っていたかはわからないが>自身はずっとイライラしていて、ボッケリーニの方を見た瞬間にゲートが開いた。
煽るように出たことが敗因というよりも、びっくりして出たものだから、盛り返すのは難しい相手関係、極端な道悪となった以上、主戦級の田辺騎手は引くしかない。

今回の乗り替わりは、馬のためでもあるが、田辺騎手のプライドへの配慮でもある気がする。
ディープインパクト記念で、外枠からすっと出ていったが、案の定、引っかかってしまった。
そこをしっかりとリューベックの拙い逃げに合わせたところで、いい競馬ではなかったが2番手追走。
そこでゆったり直線はスパートし、心身とも万全な仕上げではなかった日経賞の自分自身のような出来であったドウデュースを、お互い道中の消耗があった者同士ながら、ついに交わさせずにゴール。
その後はみなさんご存じの通りの実績。
世代はおろか、歴代の名馬と比較されるような存在になっていった。

何故、田辺騎手のためと勝手に解釈したのかというと、この手の行きたがる先行するしかないタイプ、我慢のさせ方が難しいタイプにずっと同じ騎手が乗るというのは、一見すると合理的なようで、出来に合わせて平気で策そのものを、出たなりで決められる横山典弘騎手のような乗り方は、普通はできないのだから、そうした変えることへの疑問のようなものがない限り、実は、リフレッシュして、新たなコンビで違う一面を引き出すような采配をしても、筋の悪い手ではないのである。
現に、カフェファラオという不思議なダート王者は、テン乗りで新馬戦含めても【5・0・1・0】、フェブラリーS連覇もルメール→福永だから、実に変わった手法をとってきたものだと感じたが、名伯楽・堀宣行でなくとも、ベテランの田村康仁調教師くらいなら、どことなくそうした馬の性質を見抜いているはずだ。
若手を乗せるといっても、大胆な仕掛けで2度目の皐月賞制覇で若干の父超えを決めた横山武史騎手への変更は、吉と出るように思う。<典弘騎手は皐月賞でたくさん乗っているが、テン乗りセイウンスカイでしか勝っていない>

マークすべき相手を決めて戦えるレースは、意外と少なかったここまでのアスクビクターモア。
デシエルトと行ったり控えたりの春二冠は、結果、共倒れでも、バテることはなかった。
型があるようで、実は、菊花賞のような仕掛けの方が、勝ちに出た分だけ相手に迫られた普通ではない策であったとできるし、しかし、その菊花賞こそが一番タフな先行馬追走の型。
普通の馬なら、ロケットスタートのレベルが違ったセイウンハーデス共々、大追い込み決着のグダグダな一戦になっていて不思議なかったが、あの弥生賞・ディープインパクト記念があったからこそ、このアスクビクターモアの菊花賞制覇が可能であったのだろう。

折り合いをつけるも何もなかった、不良馬場の日経賞で、ドロドロの芝だ何だとともに、田辺騎手等で58の重荷を経験したこの菊花賞馬に、ガス欠の心配はない。
むしろ、スタミナ勝負にばかり気を取られそうな、どうしても勝ちたいと考えすぎていそうな横山和生騎手とタイトルホルダーの黄金コンビよりも、同じような性質も似て非なる、こちらは高速ステイヤーの強みを遺憾なく発揮できそうな舞台である。
どうせ、自分を追いかけるしか能がないとは言いすぎでも、器用に自分の型に毎度はめ込めるほど器用ではない、ボルドグフーシュやジャスティンパレスら、準エース級ステイヤーは、相手次第で動きを決めるしかないから、長い距離ながら尚更、アスクビクターモアの方が優勢。

今度こそ、自分のいつものパターンにはめ込む必要がある後輩菊花賞馬という立場は厳しくもあるが、あのソールオリエンスで魅せた泰然自若の直線一気アシストをした武史騎手に、怖いものはない。
むしろ、勝手知るかつてのお手馬・タイトルホルダーのいい面、わずかにある長い距離での死角をも、恐らくは把握している。
敵にすると怖いのは、兄和生騎手はよく知っている。
恐らく、直線入り口の攻防は、皆が思った通り、ただ、どの距離でも安定して、終いを2分くらいでまとめられるアスクビクターモアの長い距離でこそ光る持続力は、かなり強力。
きっと、あのアスクビクターモアの仕掛けをしたタイトルホルダーという仮定をした場合、菊花賞も今回も勝てていないだろう。
逃げることもできるアスクビクターモアの優位性は、きっと、この注目再戦でも変化はしない。
全開がわずかに斤量利だったが、今回はイーブン。
実力差ははっきり出る。