安田記念2020 展望

アーモンドアイの参戦の可能性は、これまでのローテーションや、そもそもの参戦意義なども踏まえて、Vマイル回避以外で全くないと言えるだろう。

第一、もうマイルは短いのではないだろうか。勝負所までは、ゆったり走らせてあげたいという気持ちもあるはず。

ウオッカのようなタフネスメアではないから、同じスピード型でも、短距離専任になったグランアレグリアも、早々連続しては使えない。

そもそも、今年はその前もレースを使っているから、もっと詰めて、男馬に挑むということはない。

ただ、Vマイル回避の後輩桜花賞馬が、ルメール騎手との兼ね合いで安田記念に挑むことが先達て発表された。

アーモンドアイは出てこないが、楽しみなスピードスター登場と相成った。

さて、ヴァンドギャルドの思わせぶりな泥田府中マイル快走から、何とも切ない、直線だけの競馬を続ける現状において、インディチャンプが昨年より3枚落ちくらいの相手関係になる状況で、大崩れは考えづらいだろう。

しかし、自身の集中力が続かないことと、安田記念からマイルタイトル連勝をスタートさせて、マイルCSの後に再び安田記念を制した馬はいないという、実に気持ちの悪いジンクスについては触れておきたい。

マイルCS→安田記念の順に制した馬は枚挙に暇がないが、安田記念を勝った後にマイルCSを勝つ馬は、年跨ぎでは一度もない。

マイルCSはすでに36回行われている。

マイルCS→安田記念→マイルCSという順に制した馬は、ニホンピロウイナーとタイキシャトルがいて、ダイワメジャーが最後。

ところが、これを全て入れ替えると途端に、蒸発してしまったようにいなくなる。

インディチャンプは4歳で両方制したが、マイルCSを勝った後に安田記念連覇を狙ったモーリスも、変な展開と騎手の経験値の問題が合わさって、見事に失敗。

モーリスほどでは…、とはいえインディチャンプの挑戦は実に偉大であるから、要注目ではあるだろう。

ただ、こういう時ほど急進勢力の勢いが怖い。

キャリア5戦程度の3歳馬にも、今年はチャンスがあるかもしれない。