2023年安田記念【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ソングライン(7.4倍)2着セリフォス(5.8倍)3着シュネルマイスター(4.2倍)

レース名第73回安田記念
日程2023年6月4日
優勝馬ソングライン
優勝騎手戸崎圭太
勝ちタイム1:31.6
馬場
3連単配当14,510円

2023年安田記念 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
118ソングライン1:31.4-
24セリフォス1:31.61.1/4
314シュネルマイスター1:31.6アタマ
47ガイアフォース1:31.6クビ
53ジャックドール1:31.7クビ
単勝18740円
複勝18220円
複勝4210円
複勝14160円
枠連2-81,300円
ワイド4-14460円
ワイド4-18770円
ワイド14-18450円
馬連4-181,890円
馬単18-44,240円
3連複4-14-182,290円
3連単18-4-1414,510円

2023年安田記念 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「このような素晴らしい馬に乗せていただいて、うれしく思っています。ポジションもいいところに収まって、手応えもしっかりあった。しっかり伸びてくれる馬なので、力を見せられたんじゃないかと思う。ここに来て一段二段と上がっているんじゃないかと思います。本当にいい馬に乗せていただいて感謝したい。今後もソングラインに期待していただきたいと思います」

※優勝した戸崎圭太選手のコメント(ソングライン)

2023年安田記念 - レース結果動画(YouTube)

2023年安田記念 - 回顧

ソングラインの血統

先週のダービーで死したスキルヴィングの近親であり、今のソニックレディ・4代母 のラインを代表する名牝。
キズナがダービーを制したのはちょうど10年前だったが、それと同じ配合である<ディープインパクト×ストームキャット>という配合からは、その娘であるソングラインの連覇も素晴らしいものがあるとしても、リアルスティールこそモーリスと共倒れということもあったが、未完の大器であったサトノアラジンやダノンキングリーらが、ここで悲願のタイトルを得ているのだから、油断ならない。
面白いもので、皆、伏兵評価での快勝であった。

ソングラインも同じ血を持っているわけだから、ソニックレディが芝のマイルでG1を3つ獲っていることからも、その性質を受け継いだ名牝であることは言うまでもない。
何より、父も安田記念に向いた配合であり、産駒傾向がダート向きも出るという本質は北米血統の性質を伝える傾向からも、本家欧州型のマイル血統にスピード能力を足したとすると、いくらでも説明がつく。

また、最初のこのレースを連覇したのがヤマニンゼファー<父ニホンピロウイナー>、次はウオッカ<父タニノギムレット>、この次がサンデー直系のソングライン。
大昔のハンディキャップ競走・安田賞時代に、桜花賞馬のスウヰイスーが連覇したことがあるが、これがパーフェクトの異名を持つ天才のトキノミノルと同じセフト産駒。
ちょうど彼が無敵の二冠制覇後、病に倒れた1年後に現れた3歳馬が、連覇をしたという黎明期の記録。

ニホンピロウイナーはこのレースのウイナー、タニノギムレットはウオッカを出すための生を受けたようなダービー馬、キズナもダービー馬。
そして、同じターントゥの直系というのが、連覇の特性であるが、他の年の安田記念では、むしろ、ヘイルトゥリーズン系<同系統>は勝ち切れない年の方が多い。
フランケルにサンデー系が負けるようなレースとすると、継続性と再現性からも、日本のトレンドが適性を示した時、侮りがたしとなるのかもしれない。

昨年のソングラインの走破タイムは1:32.3。
今年は渋残りにも関わらず、1:31.4。
他の馬もよく頑張った印象だが、所詮はディフェンディングチャンピオンに花を持たせただけの脇役に過ぎなかったということだろう。
一時の不振というか、やる気ゼロ状態と少々コンディショニングの面で不具合のあった昨年優勝後の春先までの展望はまさにお先真っ暗状態でもあったソングラインながら、雄々しく、まさに内面を強化するための機会に充てたかのような一変で、東京マイル絶対王者の称号を勝ち得た。

上がりの33.1秒は大いに立派であるが、滅多にやってこない詰めた間隔の中2週<ソダシは中3週の経験まではあった>で、両方雨馬場と渋残りという完全高速決着確定のパンパン馬場の東京ではないとしても、適性を超えたような抜け出す時の脚は、昨年の32.9秒のそれとは、比べようのないほどに力強く、皆がお手上げという感じにも映ったから、陣営はたまらない。

無駄なことを避けるのが近年のトレンドとすると、インテリのキャリアがまるで気にならない心優しき林徹調教師の鬼決断は、昨年の経験と、内面に物足りない何かを馬自身が秘めていることを看破した、人馬のファインプレイでもあった。
中間の調教内容をより古馬らしい充実の攻めに転じ、展開は昨年より1秒以上速いところで、上がりは大差ないから、セリフォスもシュネルマイスターも昨年の好走馬ながら、上がりが速かった珍しいタイプに入るシュネルマイスターに関しては、昨年同タイムだったものが0.2秒差。
トータルの時計を踏まえて換算すると、昨年の自分にさえ、2馬身ほどは置かれているような雰囲気さえある。
もっと迫力はあったはずのシュネルマイスターの方が、今は、自分自身に課題を残すような結果であったとすべきだが、ソングラインには成長力の点で、3歳時とは決定的な差をつけられてしまったのは間違いない。

キレる脚も使えるとしたガイアフォースが、昨年も大健闘だったセリフォスに迫っている。
結果、頭と首の差だけ及ばなかっただけだが、このキタサンブラック産駒が、まだまだ全能力を見せていないことは、皆が知るところ。
クラシック戦線に秋には追い付いた格好で、不適の菊花賞を経たガイアフォースは、秋の主役候補に上っている。
ジャックドールには2000Mでは敵わないだろうが、どこのマイルでも走れる武器を手に入れ、恐らくは、右回りの方がまだ脚質的にも、持ちうる瞬発力の絶対値からも、京都向きの可能性を既に示している。
ここで、昨夏の小倉2000・1:56.8の絶対能力が活かせる舞台に到達できそうに見えるから、西村淳也で勝負なのかどうかも含め、夏以降は要注目であろう。

カフェファラオもウインカーネリアンも、ドバイ帰りで見せ場十分。
ジャックドールがある意味、普通の、中距離でもやって来そうな先行策を、さすがの業で武豊流を魅せたので、ちょっと出番はなかったが、前週のパクスオトマニカのように、ほとんど不適に思える馬でも、見せ場を作れることがある先行型には、今後も魅力がある。
ソングラインが素晴らしすぎて、ダメ押しの展開は実に残念だが、カフェファラオは昨年の勝ちタイムで走っている。
想定を超えた馬場の回復、予報では怪しい空模様の不安定さも伝えられていたから、ダートでの持っている感じとは違っても、種牡馬入り後の可能性に、大きな展望を持つ隠れた大勢の可能性が透けて見えた。

ソダシは悪い競馬ではなく、状態もそこそこだったように見えたが、ついにマイル伝説に陰りが見えてきた7着は、彼女の実力とすれば、完全に凡走の類。
牡馬連中よりもずっとタフな内面が大きな武器であるが、2歳女王であり桜花賞快時計レコードウイナーの成長の限界のようなものと同時に、似たように白い馬になっていく芦毛のゴールドシップが、大迷惑な宝塚記念3連覇拒否の姿勢を示して以降の姿のように、いくらか、走る方に能力を集中するように全開にできるようなメンタルが、もう失われかかっているのかもしれない。

凡走も多かった顕彰馬のウオッカは、このレースを荒れ馬場になった2009年に連覇を決め、秋にはジャパンCも勝ったのだが、ヴィクトリアマイルという、本物のタイトルを得た馬にはあまり価値のない大レースこそ独走も、それはアーモンドアイがそうであったように、欲しいものではないから、体調を確認する程度のものであったが、ソングラインは見事こなせたものの、上がり目に乏しい面も秘めるソダシには、戦える形をマイルに限定して求めるのももう苦しいのだろう。

速い馬特有の沈み方とは違い、まだ元気さのある同族のメイケイエールに比べ、芯の強さが売り物であるソダシは、本来は牡馬相手の戦いこそ歓迎のはずだが、挑戦するにはあまりにも重い格を手に入れている彼女に、難しい課題を与えることはもう難しい。
静かに退くも何も、個人の所有としても、おもちゃになど決してできない貴重な白毛の女王に、正攻法で勝ち切れなかったソダシの安田記念…、という有り難くない副題がつくことは、少々本意ではない。
休み明けが必ずしもいいタイプではないだろうが、前走の反動は認めつつ、内面的な狂気にも等しい走る気持ちをどう戻すかを、残り短い期間で考えねばならないとすると、秋の天皇賞あたりに登場するくらいしか、奇策の類は見当たらない。

落鉄を敗因に挙げるようなこともあったりする近年、フォームのバランスが悪くてそうなる部分もあるから、スパイク云々は問題ではなかったりもするので、その敗因が挙がって不思議ないパワフルなソダシが、何かしら、メカニック的に不安を抱えるならば、もう無理はすべきではないだろう。
この牝系はきっと、後年大発展する可能性を秘めている。
ソングライン同様、貴重な存在なのだから。