安田記念2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ジャンタルマンタル(4.3倍)2着ガイアフォース(32.2倍)3着ソウルラッシュ(3.3倍)

レース名第75回安田記念
日程2025年6月8日
優勝馬ジャンタルマンタル
優勝騎手川田将雅
勝ちタイム1:32.7
馬場
3連単配当65,970円

安田記念2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
110ジャンタルマンタル1:32.7-
27ガイアフォース1:32.91.1/2
313ソウルラッシュ1:33.0クビ
418ブレイディヴェーグ1:33.0クビ
54ウインマーベル1:33.1クビ
単勝10430円
複勝10180円
複勝7540円
複勝13140円
枠連4-53,250円
ワイド7-102,200円
ワイド10-13380円
ワイド7-131,730円
馬連7-109,560円
馬単10-713,540円
3連複7-10-1310,250円
3連単10-7-1365,970円

安田記念2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「久しぶりにこの馬らしく走ることができ、とてもホッとしています。前半、とてもいいスタートを切ってくれて、いいリズムで3番手に収まりかけたのですけど、外から来る馬もいて、あそこでかなりエキサイトしたので、その後はどうなるかと思ったのですが、この馬としてはよく我慢も効きましたし、あの競馬になって、よくこんな強い勝ち方ができたなと思うぐらいでした。(直線では)4コーナーの雰囲気はすごく動けるという感じではなく、どのぐらい動けるのかなという雰囲気だったのですけど、それでも動かしてみると、これだけの競馬ができたので改めてやはり素晴らしい馬だなと実感しながらの直線でした。(前走の香港マイル13着から振り返ると)前走は全く競馬にならずに終わってしまったので、4コーナー手前で苦しさで動けなくなってしまっていましたから、全く違う本来の姿をきょうはお見せできたと思います。(3年連続のマイルG1勝利)朝日杯を勝ったときに、とてもポテンシャルの高さを感じましたし、NHKマイルCを勝ったときに、この馬が日本で一番のマイルの馬になるなと実感しました。秋は結果を伴うことができなかったですけど、こうして改めて馬自身が本当に日本で一番強いマイル馬なんだと証明してくれたレースだと思います。これから先も無事に一戦ごと無事に競馬場に来てくれることを願います。無事な状態で競馬場に来ることさえできれば、素晴らしい走りができると思いますので、これからも楽しんでもらえたらと思います」

※優勝した川田将雅騎手のコメント(ジャンタルマンタル)

安田記念2025 - レース結果動画(YouTube)

安田記念2025 - 回顧

ジャンタルマンタルの血統

うなるような手応えで、直線を向いて、馬なりのまま。 後続馬の方が動き出さなければならない状況になり、絶好のポジショニングにいたシックスペンスも、まだおかしな状態にあるのか、直線は全く伸びず、最後は、お馴染みというか、最近になって、ようやく勢いのある所を見せている社台レースホースの勝負服が、ただ一頭、伸びていくのであった。
ガッツポーズは非常に珍しい川田将雅騎手であったが<=曰く、個人的なリクエストに応えたものらしい>、2着以下が接戦のゴール。 46.7-46.0 近年、有力馬に味方になるか微妙になる高速馬場の類ではなかった影響もある。 この手の馬場を不得意とする馬は、最近は多いが、クラシックの結果がそうであるように、立て続けに大きく負けては言い訳になる。 桜花賞は重馬場でも、これと同じくらいのタイムだったから、力のある馬に有利であった。
それでも、である。 ただ一頭…、彼の日のタイキシャトルや最近ではイクイノックスの4歳時がそうだったが、相手は関係ないという勝ち方をする馬というのは、必然の敗戦を経て、再度の成長を見せるである。 不可解な秋シーズンは、皐月賞とNHKマイルCが厳しかった証。 NHKマイルCのウイナーは、最近では、グランプリボスや近年好成績の牝馬という流れを作ったアロエリットなど、強い馬であるならば、しっかりと古馬になってからも結果を出せるものだが、今回が初勝利。
アーモンドアイに代表されるような、余裕のローテーションで、敢えて、狙いのビッグタイトルを狙い討つ形が、叩き良化型であったはずのジャンタルマンタルに当てはまるようになったのだから、言わずもがな、迫力のパドックの姿が示すように、順調に理想の成長曲線に乗せ、リカバリーもしっかりと出来た馬で、古馬らしい姿になったというのは、完全なる成功のパターン。 実力がなければ成立しえないが、誰でもできることではない。 高野厩舎のリベンジマッチは、大団円の結果であったと言える。
おそらく、あれだけ立派な体になり、単純な寸胴体形のマイラーという域から飛び越えていったようなところがあっても、納得の仕上がりだったクロワデュノールと同じで、そうした時に生まれる余裕が、最後のワンピース、言い換えれば、G1を勝つ上で重要なワンピースとなったのであろう。 つまり、休み明けでは目一杯の仕上げは出来ない。 ただ、それが馬のストレスがない状態で仕上げていけるならば、むしろ、叩いていった上で、精神的な部分で不安を抱える=叩いて前向きになりすぎることで死角は生まれることは速い馬ほどよくある話 ことがないならば、馬のためには、ベストのコンディションと言えるのかもしれない。
シックスペンスは今まで、それで前哨戦快勝の連続好走記録を持っていたが、今回はダメ。 皮肉にも、同期のライバルが、アーモンドアイで成功のその形で、堂々の復権を遂げたのだから、何とも気の毒である。 シックスペンスは道中引っかかっているように見えなかったが、前述のペースのこと。 内枠もよくなかったのであろう。
ガイアフォースというか、吉村誠之助がまた追い込んできた。 まとめていいのかもしれない。 すっかり真っ白なので、若々しい芦毛馬とは思えないが、この馬は、早い段階で、黒みがかった毛は生えてこなくなった一頭。 困ったことに、最高の2着を決めると、前に誰かいるという定番のそれが見られた。 最後までG1には縁のなかった、G12着ばかりのスーパーホーネットは、典型的なトライアルホースであった。 その対策を打ったところで、このレースに数度挑んだバランスオブゲームがついにG1は勝ち切れなかった様に、見事に本番の流れが合わないのである。 今回は適性面を考えても、ソウルラッシュ以上にチャンスがあったと、結果的には言えるわけだが、ジャンタルマンタルと双璧にあったソウルラッシュの状態に対して、最後は2着争いを制するまででいっぱい。
吉村誠之助騎手の未来は、当然のごとく、とても明るいものがあるのはと好対照で…。 菊花賞1番人気は見当違いとしても、もはや、国内に適鞍はないような感じもしないではない。 キタサンブラック産駒にしては珍しく、ウィルソンテソーロは佐賀JBCで決め切った=地元出身の川田騎手 のだから、決めきれないキャラが、あまりにも他の当たりの産駒とのコントラストで、実に切なくもある。
ソウルラッシュは器用貧乏の典型。 まさにルーラーシップが鬼脚を使って、はたまた、普通に折り合っても国内G1には縁がなかったように、何かがハマらないと、こちらも決め切らない。 初重賞制覇は、稍重の阪神開催だったマイラーズCで、前崩れの展開でもあった。 それは今は守備範囲ではないが、疲れなど感じさせない体つきから、敗因は、ジャンタルマンタル以外に対しては、絶対的な適性を凌駕するだけの何かを持ち合わせていなかった様に感じる。 時計は例年よりも掛かっているから、馬場はもっと良かったら、反動が出たのでは…、と言われていたのかもしれない。
ブレイディヴェーグは4着というか、出たなりのリズムで走り切り、力を出し切ったように思える内容。 案外、このスローに近い展開でも、キレ味が目立つことはなかった。 中距離型なのだろう。 アーモンドアイもマイラーの体形になっていたものの、1600では短い馬になっていった。 安田記念は少しだけ人気のない有力馬に、出負けをした上で完敗。 そっくりであるように思える。 戸崎圭太はソングラインを輝かせた立役者。 決して、ヘグってはない。
ウインマーベルは5着、マイルチャンピオンシップの松山発信のマイル戦線参戦の勧めで成功のパターンを自ら示したことを思えば、それと同じような結果。 秋のマイルチャンピオンシップよりも、強い馬1頭、適性上位がもう一頭で、ブレイディヴェーグとも接点だったことを考えると、実はこの馬も残念ながら、ここが精いっぱいだったように思う。
さて、ジャンタルマンタルは元気いっぱいである。 道中の行きっぷりは、返し馬をしっかりと行って、寝ぼけた走り出しをさせないため、勝ち切るための川田流のアシストである。 しかし、ロングランでさえも引っかかったのだから、元来、共同通信杯がそうであったように、皐月賞のあのメイショウタバルの猛ペースに、最初についていったような馬であるから、前向きさは健在。
よかったことであると同時に、何となく、失敗してしまったという手応えであったともインタビューのコメントからもくみ取れたが、結果とすれば、それぐらいの前向きさがなければ、マイルのG1を休み明けでは勝てないということ。 総合力のマイルという証明は、かつて、オグリキャップが有馬記念惨敗<秋に6戦のハードローテ>が復活したように、マイルチャンピオンシップのタイキシャトルは夏のフランス以来、短いところだと、スプリンターズSに2度も休み明けで挑んだデュランダルもついに崩れることはなかった。 強い馬はトップシーズンのビッグタイトルマッチで、ひどい競馬はしない。
他方、ジャパンCであると、暮れの香港であると、ハーツクライやそれこそジャンタルマンタルのように、どうにかして叩き上げていきたいところもあるのだが、昨年のジャパンCではインターナショナルS完敗のドゥレッツァがあわやの2着。 かつてのモーリスの5歳初戦は香港で完勝も、叩いたあとの安田記念は完敗。 トレンドに乗せたジャンタルマンタルの勝利により、ひと叩き絶対主義の凱旋門賞<=休み明けで全く勝てないわけではないが、20年に一度くらいの出現確率>へのフラグを立てるべく、欧州競馬が大好きは吉田照哉氏は、タイキシャトルと同じように、ジャック・ル・マロワ賞を狙う可能性は大いにある。 下地を作っておきたい。