2022年阪神ジュベナイルフィリーズ 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

阪神ジュベナイルフィリーズの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

牝馬のニュースターが決まる一戦!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第74回 農林水産省賞典 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2022年12月11日(日)
発走時間15時45分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金6500万円
レコードタイム1:32.3

2022年阪神ジュベナイルフィリーズ - 予想オッズ/出馬表(馬柱)/出馬予定馬の馬体/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

阪神ジュベナイルフィリーズ2022の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11サンティーテソーロ横山 和生牝254.030.28美浦・南W・重(横山和)
6F 82.3-65.7-51.0-36.9-11.6(馬なり)
美浦・坂路・稍重(助手)
800m 53.5-39.5-25.5-12.8(馬なり)
12キタウイング和田 竜二牝254.029.77栗東・坂路・重(和田竜)
800m 52.2-38.0-24.5-12.1(馬なり)
栗東・CW・良(和田竜)
7F 95.8-66.4-52.6-38.1-11.8(一杯)
23シンリョクカ木幡 初也牝254.0128.713美浦・南W・重(木幡初)
5F 67.0-52.0-37.5-11.8(馬なり)
美浦・南W・稍重(木幡初)
5F 67.9-52.8-38.1-11.7(馬なり
24アロマデローサD.イーガン牝254.078.012栗東・CW・重(C.デムーロ)
6F 83.3-67.9-52.9-37.3-11.0(稍一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.0-38.9-25.6-12.1(馬なり)
35モリアーナ武藤 雅牝254.08.45美浦・坂路・稍重(武藤)
800m 53.9-39.4-25.1-12.1(末強め)
美浦・坂路・稍重(助手)
800m 54.4-40.2-26.3-13.0(馬なり)
36ミスヨコハマM.デムーロ牝254.056.010美浦・坂路・重(助手)
800m 60.8-45.4-29.8-14.9(馬なり)
美浦・南W・稍重(助手)
5F 66.6-50.5-36.7-11.9(馬なり)
47ハウピア菱田裕二牝254.0390.918栗東・坂路・稍重(助手)
800m 53.0-38.6-24.4-12.2(強め
栗東・坂路・良(菱田)
800m 55.1-39.7-25.1-12.4(馬なり)
48エイムインライフ酒井 学牝254.0272.717-栗東・CW・良(酒井学)
6F 82.3-67.1-53.0-38.3-11.9(馬なり)
59リバティアイランド川田 将雅牝254.02.71栗東・芝・稍重(川田)
5F 64.8-50.3-36.4-11.8(直強め)
栗東・CW・良(助手)
6F 82.0-66.5-51.4-36.3-11.5(強め)
510ミシシッピテソーロ原優介牝254.0227.915美浦・南W・重(菅原隆)
5F 65.3-50.8-36.6-11.4(一杯)
美浦・南W・稍重(原)
5F 67.5-52.0-37.2-11.7(馬なり)
611イティネラートル岩田 望来牝254.0243.316栗東・坂路・重(岩田望)
800m 53.5-38.4-25.0-12.4(馬なり)
栗東・坂路・良(調教師)
800m 55.2-40.4-25.7-12.6(馬なり)
612リバーラ石橋 脩牝254.041.19美浦・南W・重(石橋脩)
5F 66.1-50.6-36.7-11.5(馬なり)
美浦・南W・稍重(助手)
5F 67.1-51.9-37.4-11.6(キリ不明)
713ドゥアイズ吉田 隼人牝254.050.911栗東・CW・稍重(大久保)
6F 81.4-65.5-50.4-35.8-11.7(一杯)
栗東・CW・良(吉田隼)
7F 99.2-66.1-51.3-36.8-11.8(末強め)
714ブトンドール鮫島 克駿牝254.014.76栗東・CW・重(助手)
6F 84.0-68.2-52.9-37.1-11.3(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.7-38.2-23.7-11.5(馬なり)
715ムーンプローブ松山弘平牝254.0124.314-栗東・坂路・良(調教師)
800m 54.4-39.6-25.0-12.1(馬なり)
816ドゥーラ斎藤 新牝254.07.54栗東・CW・重(斎藤)
7F 96.3-66.0-51.6-37.0-11.3(一杯)
栗東・坂路・良(斎藤)
800m 55.3-39.5-25.1-12.1(馬なり)
817ウンブライル横山 武史牝254.05.73美浦・南W・重(助手)
7F 99.3-68.3-53.4-38.7-11.8(馬なり)
美浦・南W・稍重(横山武)
5F 67.3-52.6-37.7-11.5(キリ不明)
818ラヴェル坂井 瑠星牝254.03.12栗東・CW・稍重(坂井瑠)
7F 96.2-66.5-52.3-38.0-12.3(追って一杯)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 54.3-39.3-25.3-12.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回1回1回18回4.8%9.5%14.3%
先行馬3回5回5回66回3.8%10.1%16.5%
差し馬14回10回11回114回9.4%16.1%23.5%
追い込み馬2回4回3回100回1.8%5.5%8.3%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠4回1回0回35回10%12.5%12.5%
2枠1回1回5回33回2.5%5%17.5%
3枠3回3回1回33回7.5%15%17.5%
4枠1回3回0回36回2.5%10%10%
5枠1回5回5回29回2.5%15%27.5%
6枠3回3回3回31回7.5%15%22.5%
7枠4回2回3回50回6.8%10.2%15.3%
8枠3回2回3回51回5.1%8.5%13.6%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト47回42回45回276回11.5%21.7%32.7%
ロードカナロア25回23回22回182回9.9%19.0%27.8%
ハーツクライ20回10回19回137回10.8%16.1%26.3%
キングカメハメハ15回13回8回74回13.6%25.5%32.7%
エピファネイア14回13回12回77回12.1%23.3%33.6%
ダイワメジャー13回25回15回135回6.9%20.2%28.2%
ルーラーシップ13回14回12回118回8.3%17.2%24.8%
キズナ11回11回9回91回9%18%25.4%
ハービンジャー9回9回5回102回7.2%14.4%18.4%
オルフェーヴル8回4回10回78回8.0%12.0%22.0%
人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気7回2回2回9回35%45%55%
2番人気2回4回3回11回10%30%45%
3番人気2回3回3回12回10%25%40%
4番人気3回1回5回11回15%20%45%
5番人気3回1回0回16回15%20%20%
6~9番人気3回5回5回67回3.8%10%16.3%
10番人気以下0回4回2回172回0%2.2%3.4%

2022年阪神ジュベナイルフィリーズ - 過去10年のデータ傾向

アゲアゲの時代から低調な時期を経て、ここ2年連勝馬を出すアルテミスS組は、今年も中心

ソダシとサークルオブライフは、オークスこそ不発に終わったものの、桜花賞では大いに好走していた。
人気になりやすいクラシック前の東京で派手に立ち回った候補というのは、どうしても、その辺りの壁にぶち当たるもの。

ジェンティルドンナやデアリングタクトはオークスが初めての東京であり、アーモンドアイも未勝利戦は東京だったが<当然、馬なり圧勝>、いずれも完勝の第二冠制覇であった。
つまり、この辺までは桜花賞路線に直結するライン。
桜花賞馬はアルテミスS連対馬から、最初のアユサンから3頭も誕生しているのに対し、オークスで連対馬にまで拡大しても、アルテミスS連対馬は、リスグラシューもラッキーライラックも3着以下だから、アルテミスSで何もできずに不利に泣いたユーバーレーベンがここで盛り返した後、回り道をしてオークスを勝ったという以外、基本的にマイルでだけ狙えばいいという流れ。

無敗を継続のラヴェルも、断然人気に応えられず2着のリバティアイランドも、展開の割にはタイムも速かったので、常識的に考えても、軽視する理由はない。
縦の比較でも、レース史上に残るレベルであった可能性もあるので、人気が散ってくれるなら、軸でまとめてでもいいはず。

札幌2歳S好走の牝馬は大概強いわけだが、高速レースが当たり前になったので、マイルの経験は重要

その昔はテイエムオーシャン、9月最初の開催になってからは、レッドリヴェールやロックディスタウンがそれなりの支持を集め、唯一レッドリヴェールのみが連勝。
テイエムオーシャンはデビュー戦が1200で旧500万も同じ札幌。
レッドリヴェールは阪神のマイルデビュー。
一方、長期展望で適性重視の新潟1800から発進のロックディスタウンは、異例の札幌転戦を力で勝ち切った後、ここで大コケしてしまい、そこで終わってしまった。

負けていることは別に悪いことではない札幌2歳Sワンツーのキングカメハメハ・ドゥーラとドゥアイズは、現状では、ユーバーレーベン以上の評価までは難しい。
一方、荒れ馬場の経験はレッドリヴェール<函館開催の2歳Sは歴史的な不良馬場>の例もあるから、ロックディスタウンのように相手が大したことなくて楽に勝ててしまった…、という感じもないから、軽視もできない。

頭までは狙いづらいから、関西の伏兵的ポジションなら、本流のスタイリッシュな良血たちと同等評価でもよろしいが、7、8倍を境に、その価値の見極めをするのはいいだろう。
人気がないなら、どう狙ってもいいのだから。

ワイルドカードは決まって、中山開催になって以降のサフラン賞組

古くはメジロドーベルが東京開催時代にサフラン賞を勝ってから、いちょうSももらっていき、本番では断然支持のシーキングザパールの自滅にかこつけて、一気に女王に相応しい振る舞いをしてみせたということもあったが、今や、そんなローテでは、速すぎる彼女たちの心身がボロボロになってしまう。

以降、あまり目立つことはなく、11月の東京名物・赤松賞のウイナーからアパパネが登場するようなことがあったが、昨年のナミュールがそうだったように、派手にキレるとリカバリーの時間がとれずに自滅など、今では当たり前になった。

だから、また再びサフラン賞なのである。
2013年のフォーエバーモアは、まだ東京開催も、3年前のマルターズディオサ、翌年のサトノレイナスらは、長期展望の初手に勇躍挑戦となったこのレースで、勝ち馬と同等の走りを以降も続け、重要な役目を果たしていった。

今年は地味めのサンティーテソーロ…、とならないようにしてもらいたいところだが、ファンタジー快勝のリバーラ同様、先行できる関東馬という枠では、キタウイングやウンブライルよりも発展的な狙いができる。
人気になりすぎなくても、下から3番目の支持は今回だけはあり得ないリバーラと同等評価で、ここは行きたい。

1番人気が安定して消えるレース

惜しい負けはハープスターのハナ差及ばずという2013年の一例のみ。
メジャーエンブレム、ソウルスターリング、ダノンファンタジー、ソダシらが人気に応え、昨年のナミュールやロカ、リアアメリアなどの人気先行型の惨敗など、妙にレパートリーが豊富なのでちょっと困ったものがある。

端から期待しすぎない方がいいに決まっている2歳重賞ながら、前走で派手に格好いいサラブレッドの走りを見せつけられると、誰でも期待感が膨らむ。
まだ未完成と分かりつつ、思えば、人気に応えた馬の多くが、1年後には怪しげな2歳女王になっていたという傾向からも、言わずもがなの展開が見て取れるが、そんな結末がジュベナイルフィリーズの時点でわかるわけもない。

強いて、その可能性を読むことができる要素のようなものが挙げられないというわけでもないが、概ね、重賞1番人気で勝った後は、無敗馬ほど反動が出やすく、人気になるくらいなら、むしろ、重賞初挑戦くらいの方がいいというくらいで、当然ケースバイケースで…、となってくる。
今年は断然支持はあり得ないので、3倍前後で能力互角と読めるなら、5番人気以内の馬の好走率はかなり高いレースなので、同等評価可能の少しだけでも人気がないほうがちょっとだけ得であろう。

2022年阪神ジュベナイルフィリーズ予想- 出走予定馬の血統/成績/タイム

事実上、牝馬クラシックの開戦を告げる一戦・組み合わせであり、今回の内容はそのまま、春の阪神、東京にも大きな影響を与える

リバティアイランドの血統

母ヤンキーローズはオーストラリア産馬であり、また、当地の1200、1400、2000M各距離でG1連対実績のあった名牝。
中にはウィンクス相手に、日本でいえば3歳春にコックスプレートへ挑戦し、まるで歯が立たなかったものの、3着に入っている。
ただ、早期に活躍した反動で、伸びしろはなかった。

この馬の魅力は、牝系にこそある。
4代母であるCondessaは、大昔のJC黎明期の時代に、ヨークシャーオークス<今年は凱旋門賞の前哨戦としてアルピニスタが制した重要戦>を勝っているのだが、アルピニスタとは違い、大本番では伏兵牝馬のGold River<今年のエプソムCで久々に連対を果した重賞馬・ガロアクリークの4代母>に敗れ、連覇を目指したDetroit<モーリスの血統表にも登場するカーネギーの母でアーク母仔制覇を果している>共々、大敗を喫している。

代表産駒には日本の短距離戦線で長く活躍したビコーペガサスがおり、何となく、ヤンキーローズと似た雰囲気を漂わせる。
源流をたどると、Simon's Shoesに行き着くので、ラフショッドを経て、スペシャルの子孫から大きく発展したヌレイエフ、サドラーズウェルズ、エルコンドルパサーなどと、ファミリーとすると同じとなる。

ほぼほぼ、山の頂上付近から流れが違うという分水嶺のような存在も、この牝祖を経て、ノーザンダンサー系の芝血統が大いに発展していったのは言わずもがなの面があるのだから、ヌレイエフの強いクロスを持つアーモンドアイの近親であるエルグランセニョールとトライマイベストが、薄っすらとながらも確実にクロスする5×4なので、これも大きく捉えれば同じ配合となるキングマンボ系×ヘイルトゥリーズン系のリバティアイランドは、一度負けたくらいで見切ってしまうような素材ではないのは間違いない。
秘める本質的な速さもまだまだ全開ではないだろうし、父が血迷って自滅を繰り返していた2、3歳の秋冬シーズンを思えば、先々も見据えて、押さえるのは早めの方がいいだろう。

筆者は、ここ2走のリバティアイランドのパフォーマンスに対し、変にキレ過ぎなかった前走・アルテミスSの内容の方を、いくらか上に評価したいと、考えを改めた。
新馬戦はいかにも、ワンターンの夏のマイル新馬戦であったから、1000M通過がほぼ64秒というドスロー。

そこからレースラップは急加速するように、10.9・10.2・10.9と強烈なラップを連続させたので、通常のレースのように、2F目のラップが最速であるという常道を大きく凌駕する格好で、最後から2番目に最速の数字が出る、完全なる後傾ラップの競馬になった。
さりとて、ではリバティアイランドのアクションがスロー向きの機動性に富んだストライドだったかと言えば、川田騎手が、こうした新馬戦で様々なアプローチをする中で、無駄を極力減らすように、どれか一つのテーマだけでもクリアできれば、残りの課題はいずれ厩舎と協力して、解決すればいいという感じで、キレるというより、加速がついてから全く止まりそうもないという、ある意味では正反対のイメージを持った新馬戦でもある。

究極の決め手というのは、このレースがあまりにも激しい、自身上がり3Fが31.4秒であるがために生じる、キレすぎる不安が、普通は東京や阪神のようなクラシックコースでのパフォーマンスのダウンにつながる危険性のようなものは、あまりなかったなという内容。
ある意味、そういうイメージを与える内容にもかかわらず、結果というか数値化することでとんでもなくアンバランスなものが記録されたことは、再確認が必要だと、一流になった川田将雅なら、まず次戦のポイントとして掲げながら、勝ちきるための策を無理はさせない中で選択するといった準備をしたのだろう。

そこで次走のアルテミスSは、序盤で出負けした新馬戦の課題を少々克服するため、少し揉まれる形にはなったものの、変に外に出すような、無理に外差しを決める流れを作らなかった。
まあ、パトロールビデオを拝見する限り、スタート直後に内の馬とかなりがっつり衝突しているレベルの接触があったことは、多少なりとも影響しているのだろうが。
ともかく掛かる面も踏まえねばならないドゥラメンテの仔であるから、順番に組み立てることを優先したように感じる。
だから、最後に外に出すのは当然として、どの道スロー<アルテミスSは5Fで60秒ちょうど>でも決め手比べには負けないという自信はありつつ、その中でも疑いは持っていた感じで、あえて、踏み遅れたかのような仕掛けをしたように見えた。

結果、もっと後ろにいたラヴェルの破壊力に屈したのだが、おかしなもので、最後それを追い詰めたリバティアイランドの方が、上がりにして0.3秒見劣ったのだ。
これをどう評価するかは、スケール感でラヴェルに下回ったという視点で、一気に評価を下げる見方もあっていいはず。
そもそも、ラヴェルはこの勝ち方で、桜花賞もオークスも一気に射程圏に捉えたエース候補に名乗りを上げたのだ。

ただし、キレない確認をしたようなという結果論的な見立ても並立しえて、スパッと切れないのであれば、レースにおける進路選択には間違いはあまりなかったものの、いい意味で、軽いギアのキレ馬ではないと騎手も陣営も確信を持ったはずである。
無論、スケール感で見劣ったと出来なくはないが、桜花賞で毎度毎度31秒台の上がりを使えるようなレースになることはない。
レッツゴードンキが62秒半で逃げて、33秒半で上がったあの異様な桜花賞でさえ、最速のアンドリエッテは33.2秒である。

ハープスターの32.9秒は殿一気での記録だから、過大な評価はできない桜花賞だが、自分でスパートして上がり最速ではなかったグランアレグリアは33秒台前半で独走。
最速の馬はデアリングタクトだとかアーモンドアイがぶち抜くシーンもあったが、桜花賞よりはいくらか時計のレベルは下がるジュベナイルフィリーズで、たとえ上がりがもっと早くなったところで、32秒台の武器ももしかしたら使えるかもしれないという程度にとどめた方が、ずっと将来の展望は開けるのである。

2022年阪神ジュベナイルフィリーズ予想 - レース展開と最終予想

本番で究極の脚がいらないのなら、ぼちぼちの上がりでも勝負になる事を事前に証明できたリバティアイランドは、強気になれるはず。
ハイペースにも対応可能であるし、スローも密集した中でのレースも経験済み。
2戦しかしていない主力級の馬にしては、充実のキャリア形成。
新馬で敗れたアパパネ、ブエナビスタは、次戦以降目が覚めて、ここもあっさり勝ち切って、春以降も大変に活躍をした。

重賞こそ負けるのはよくないという向きはあるが、特殊な新馬戦を経たリバティアイランドに、その時点で明らかになった才覚の部分と、克服すべき課題は、極めて明快なプラス思考で戦える要素であったはずで、でなければ、もっと勝ちに出る殿一気作戦を出ていて、それで勝っていたはずだ。

ハープスターもダノンファンタジーも、もっと口惜しいリアアメリア、朝日杯で惨敗だったミスエルテなど、ここ10年だけでも数々の名牝候補に騎乗した経験のある川田騎手が、日曜日は香港には行かず、久々にジュベナイルフィリーズに騎乗する。
2007年マイネブリッツでの初挑戦は、勝ったトールポピーに遠く及ばぬ16着。
以降、18、6、5、9、2、10、7、2、6着と、ここまで未勝利。
参戦そのものが、2019年に人気を大きく裏切ったリアアメリアに騎乗して以来であるから、この好機は逃したくない。
前との差を詰める能力と同時に、加速した後の持続力に魅力のあるリバティアイランドは、まだ本気では走っていない。
スケール感で距離をよりこなせそうな雰囲気を醸す馬こそ、本物と評価されるのが2歳G1のあるべき姿だとすれば、五指に余る重賞連対馬という組み合わせでも、底力そのものでも一枚上の可能性を、この2戦で感じ取ったのは、陣営も同じであろうと思っている。

相手筆頭はラヴェルだが、まだまだ速さも大きな武器になる2歳戦だけに、穴逃げドハマりのリバーラだとか、昨年の勝ち馬と配合的には似ているサンティーテソーロなどは、関東馬だからこそ狙いたい。
昨年は関東馬のワンツーで、昔からマイルチャンピオンシップなどもそうで、東西格差の小さい数少ない大レースでもある。
サドラーズウェルズの4×4があるサンティーテソーロは、ここ10年で6勝のサドラー持ちの血統馬でもあり、昔から、本番の桜花賞以上に重厚な配合が幅を利かせるレースであるから、ここは強い札幌2歳S組と同格に扱いたい。