秋華賞2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着エンブロイダリー(5.5倍)2着エリカエクスプレス(15.1倍)3着パラディレーヌ(16.9倍)
| レース名 | 第30回秋華賞 |
| 日程 | 2025年10月19日 |
| 優勝馬 | エンブロイダリー |
| 優勝騎手 | C.ルメール |
| 勝ちタイム | 1:58.3 |
| 馬場 | 良 |
| 3連単配当 | 129,850円 |
秋華賞2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
| 着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 11 | エンブロイダリー | 1:58.3 | - |
| 2 | 10 | エリカエクスプレス | 1:58.4 | 1/2 |
| 3 | 18 | パラディレーヌ | 1:58.5 | 3/4 |
| 4 | 3 | ジョスラン | 1:58.8 | 1.3/4 |
| 5 | 13 | セナスタイル | 1:58.8 | ハナ |
| 単勝 | 11 | 550円 |
| 複勝 | 11 | 240円 |
| 複勝 | 10 | 560円 |
| 複勝 | 18 | 550円 |
| 枠連 | 5-6 | 2,530円 |
| ワイド | 10-11 | 1,790円 |
| ワイド | 11-18 | 2,220円 |
| ワイド | 10-18 | 4,610円 |
| 馬連 | 10-11 | 5,280円 |
| 馬単 | 11-10 | 8,170円 |
| 3連複 | 10-11-18 | 29,560円 |
| 3連単 | 11-10-18 | 129,850円 |
秋華賞2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「GIを勝つことができて本当にうれしいです。オークスは距離が長くて残念でしたが、今回は勝つ自信はありました。この秋から馬が落ち着いてきて、きょうも前半はとても冷静に走ってくれました。いいポジションで乗ることができました。向正面でペースが遅くなってきたので、ポジションを上げていきましたが、2番手でリラックスしていましたし、その後も頑張れると思いました。直線はエンジンがかかるのに少し時間がかかりましたが、残り200mはいい脚を使ってくれました。届いて良かったです」
※優勝した選手C.ルメールのコメント(エンブロイダリー)
秋華賞2025 - レース結果動画(YouTube)
秋華賞2025 - 回顧
もうひいおばあちゃんの代に、阪神3歳牝馬Sでエアグルーヴを倒したビワハイジがいるという血統。 言わずと知れた代表産駒のブエナビスタ、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラなどの異父兄弟が、いずれもクラシック戦線で活躍するも、このファミリーは、ビワハイジの母・アグサンを経ることで、フィリーズボトムラインへと変化するのであった。 奇しくも、ブエナビスタ宿命のライバルであるレッドディザイアは、ブエナビスタと従兄にあたるマンハッタンカフェの代表産駒だった。 同じファミリーの血を引く良血同士が競ったこの世代のクラシックは、最後はこの2頭の争い。 降着などもあったが、見た目にはハナ差か頭差で、このレースをレッドディザイアが制し、一矢報いたのも印象深いシーンとなった。
父は友道厩舎の中では異質のマイラーであったアドマイヤマーズ。 早熟ではないダイワメジャーの仔だったが、その前進気勢を受け継いだこの馬は、持続型のサンデー×ノーザンテーストの理想の型の通り、最後まで能力を維持し続けた。 速い競馬が得意な系統であるから、両者の掛け合わせで、いくらかドイツ血統で渋いところもある部分をフルで穴埋めすると、こうした成功例もある。
例に漏れず、サンデーサイレンスの3×4を有し、父のラインでダイワメジャーの父、母方では母母父が皐月賞馬のアグネスタキオン<=アーデルハイトはダービー3着のアドマイヤオーラの全妹>を介し、強い繋がりを持つ、ジャパニーズブランドのクラシック配合。 これに今更触れるのは、カムニャックがあまりにも哀れであったからでもある。 分かり切ったことに改めて触れるからには、大きな理由がある。 エンブロイダリーが順当勝ちだったとは、オークスでの明暗、あの対照的なまでのコントラストからも、そうとは単純には評せない。
やってしまった感じもある。 ローズSと紫苑Sは1週繰り上がったが、結果、別ルートの組のワンツー。 決まって、大きな注目を集めやすい、牝馬にも走らせやすい条件が整ったローズSの結果が、ハイレベルであればあるほど、こうなるもの。 レースにならなかったようなところもあったパラディレーヌが急襲したのに対し、必死に権利を取りに行ったセナスタイルは、汗をかいた割には頑張ったが、健闘虚しく、ジョスランにも敗れた。 今週活躍の岩田親子も、ここまでが精いっぱいであった。
上位の2頭については後述するが、問題はやはり、カムニャックの挙動であろう。 パドックの後半から、やや興奮を抑えられないような雰囲気。 体重増は見てくれの良さをより際立たせるものがあったが、内実、本当はもっとせめて行けたはずだったのに…、という大谷翔平的な非現実的な、まさに、信じがたい調教を課せていたはずなのに、きっと、そこまでに至らないほど、維持すべき状態のレベルが最初から上がっていたのだろうとも思えた。 牝馬はやはり難しい。
返し馬を経て、それは恐ろしい目つきの怪獣と化した状況。 半ば、川田騎手ほどの実力者であるなら、その後の展開が読めていたのだろう。 入れ込んで、ゲートの中で怪しい素振りをみせることも予期した対応で、スタートは出たが、外枠でユタカペースは見えていたので…、ほとんど形作りの好位付けで、そこに加え、ルメール騎手も不安を抱える桜花賞馬に乗ったものの、このカムニャックの具合であるなら…、とほとんどダシに使われてしまった。 戦う状態ではなかったカムニャックの回復を祈ると同時に、とんでもない袋小路にハマってしまったという、前年クラシックで活躍の良血牝馬の今の姿が、同時に目に浮かんだ。 しっかりと立て直さないと、なまじパワーがあるから、故障しかねない。 体中に漲る力みを、まずは消し去りたい。
こういう展開になったのもそうだが、阪神ジュベナイルフィリーズの時から、この世代の主要競走はいつも接触が目立った。 1コーナーのゴチャつきは、まさに想定の範囲内のそれだったが、慎重に立て直された本命のブラウンラチェットもかなりの不利を受けていた。 自分自身がゲートが悪かったのもあるが、すぐに危険を察知して池添騎手がリカバリーをしたものの、その展開でほぼカムニャックの次くらいのギブアップ。 残念ながら、この世代でいつも安定して走れたのは、外からでも確実に伸びてくることのできる、現在休養中のアルマヴェローチェのみであると、再度認識したのである。
ユウガがほぼ消えたという前提で、ルメール騎手の組み立て直しが完璧に決まった向こう流しの後半。 再び逃げる、きっと、来週も再来週も逃げる武豊騎手のエリカエクスプレスがターゲットと切り替わった。
推定、この番手マークのポジションについたあたりの6F通過タイムが、絶妙なまでに美しい71.3秒。 ここから、 11.7-11.7-11.6-12.0 決まった感じだが、相手がまた実力者、またそうした実績を持つ馬だった。 こういうことになるから、武豊はあまり逃げなかったのである。 逃げ始めたのは、本当に、サイレンススズカ活躍期の前後でほとんどなく、2006年の菊花賞で決め損ねたアドマイヤメインまで、まず、G1に乗って、絶妙な逃げの手を駆使することはなかったが、もう、ここの時点でベテランの域に入った武豊騎手は、そうしたことをするべきクラスのタレントに多く乗る立場になってから、ダービーでも見せ場十分の先行を何度も見せてきた。
正直、ルメール騎手や川田騎手などは、そうした時代の武豊しか知らないのかもしれないが、言わずと知れたところで、歴代屈指の逃げの美学の探求者となった横山典弘騎手と共に、時代を築いたその一つの戦法である逃げという危険な賭けを、技術的な部分でブラッシュアップさせることに成功したのが、JRAの馬場コンディション維持の技術向上を味方につけたものなのである。 そうしたことに熱心ではなかったというか、明らかに技術を繰り出す、様々な環境が徐々に整っていくと、その前の時代から動き出しの早さで勝負を決めることの多かった騎手が、徐々に真似をするようになったが、今でも、その両者の技術レベル<=レースコントロール>ということでは、まだまだというところであろう。
ルメール騎手は強かに立ち回り、伏兵の台頭を防いだ。 有り体に言えば、武豊の確かなペースメイクを活用した1勝。 これほど、確かなものはない。 ルメール初ダービー制覇、どうも勝ち縁のないこのレースでスロー逃げしていたのは、横山典弘のマイスタイルだった。 自分も時々駆使するから、またいっぱい勝てる。 日本競馬のルールと馬場質の解釈と、主な戦略…。 しっかりと大一番を制することで、してやられたスプリンターズSのお返しをするルメールさんは、さすがである。
翻って、またカムニャックの話。 見た目は、弟の一見ひ弱そうな風体に対し、実に力強いところのあったブラックタイドのそれそのものであったが、そのスペシャルな後継であるキタサンブラックもそうなのだが、どう見ても、最初から素晴らしい体躯で、どんどん良くなっていくところもあって…。 友道調教師に川田将雅騎手。 そうした慧眼で捉えるまでもなく、技術に長けた者同士、現状の本当のスケール感を少し超えてしまったような何かを、求めてしまったのかもしれない。
もしそうならば、体は案外に動けない。 ただ、稽古ならばいくらでもこなせるくらいに強い体を手に入れた。 キタサンブラックのそのような成功のパターンにはめ込むには、やや未完成期にG1を2勝した後の4歳秋以降の躍進に、正しい解を求めるしかない。 牝馬は難しいが、そうなってしまったならば、こうした理由があるはずなので…、というサポートによって、少し立て直しには時間が掛かるかもしれないが、アルマヴェローチェと同じくらいの時期に、また駆けはじめることができたら、きっとキタサンブラックの半分くらいの再現も不可能ではないだろう。


