朝日杯フューチュリティステークス2014 回顧

アッシュゴールドは、パドックから少し気負い気味。これでは好位につけて、無難に立ち回ることはできない。捲るにしてもその前の消耗を考えると、無理はできない。馬場は合っていたはずなのに…。ドリームジャーニーに似てきた。

クラリティスカイが抜群の手応えで上がってきた。岩田騎手は今年も相変わらず騎乗停止はあったが、安定してGⅠではいい馬を供給され、人気に推されれば結果を出していた。

が、そんな騎手の技量をもってしても、この日は一息入った後の一戦とはいえ、ちょっと勝ち馬に迫力の差を見せつけられる結果になってしまった。

同じようなローテのブライトエンブレム&田辺も然り。こちらは気配一歩。チャンピオン戦への臨戦過程としては、あくまでもイレギュラーな策には違いない。こちらは距離伸びて、であろう。

驚いたのはアルマワイオリと私的好奇心をくすぐらせる存在だったアクティブミノル。

双方が自分に合った枠を利して、人馬一体の大立ち回りを見せた。勝てはしなかったが、前者は自在性を証明し、後者は十分にマイルは守備範囲であることを示した。

言わずもがな、この2頭は鞍上の好騎乗も忘れてはならない。

そして、それらをまとめて面倒見たダノンプラチナのポテンシャルと主戦騎手である蛯名正義のフィーリングは…。向かうところ敵なし。マイルGⅠ最強のディープの血を味方につけ、迫力の追い込みを今週も堪能させてもらった。

これは、他がどうであれ、簡単に勝てる相手ではないという結果だった。

ファンの見識にも敬服の意思を示したい。勢いだけで選んだ馬ではなかったのは凄い!

今週も後ろから馬込みを狙って前を捉える策を選択した騎手は、デビューからずっと跨っている強みを活かし、人気ではあっても、ロスのない競馬で脚を溜めるディープらしさを引き出そうとした。

先週は、多分についていた部分もあったが、道悪という点を考慮すれば、今週の場合、それは積極的な選択をしたまでのこととも言える。

思った通り、脚を溜めスムーズに外に出せた後は、馬が気分よく前を一気に捉え、あっさり抜け出してしまった。あまりの手応えの良さに、ゴール寸前、鞍上は外を確認する余裕さえあったくらい。

ディープの重下手は周知の事実だが、こういったGⅠを楽勝するような馬には全く関係なかった。

現に、この日の阪神では、ディープ産駒が2勝している。

ただ、体型を見てしまうと…。

それでも、これだけの脚を見せられたならば、世代の一番馬として、十分誇れるだけの内容だったと胸を張って、中山2000への対策をじっくり練ってゆけばよい。