2022年朝日杯フューチュリティステークス予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

朝日杯フューチュリティステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

有力馬が集う次世代のマイル王決定戦!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第74回朝日杯フューチュリティステークス(G1)
グレード重賞(G1)
日程2022年12月18日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金7000万円
レコードタイム1:32.3

2022年朝日杯フューチュリティステークス予想 - 予想オッズ/出馬表(馬柱)/出馬予定馬の馬体/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

朝日杯フューチュリティステークス2022の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
12ドルチェモア坂井 瑠星牡255.03.52栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 81.4-65.1-50.1-35.8-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 51.7-38.0-25.1-12.6(馬なり)
11キョウエイブリッサ川須 栄彦牡255.0280.617美浦・坂路・稍重(助手)
800m 54.2-39.7-26.2-12.6(強め)
美浦・坂路・稍重(助手)
800m 53.3-38.8-25.3-12.9(馬なり)
23オールパルフェ大野 拓弥牡255.07.24美浦・南W・稍重(大野)
6F 82.5-66.0-51.6-37.6-11.9(馬なり)
美浦・南W・稍重(大野)
6F 85.0-69.5-54.4-39.5-12.0(馬なり)
24ドンデンガエシ横山 典弘牡255.040.910美浦・南W・稍重(助手)
5F 63.7-49.6-36.0-11.6(馬なり)
美浦・坂路・稍重(助手)
800m 53.3-38.2-24.9-12.3(強め)
35バグラダス吉田 隼人牡255.0111.614美浦・南W・稍重(調教師)
6F 81.9-65.0-50.6-36.7-11.7
美浦・南W・稍重(吉田隼)
5F 68.0-52.7-38.5-12.1(馬なり)
36ミシェラドラータ酒井 学牡255.0216.616栗東・坂路・良(助手)
800m 54.2-39.5-25.6-12.7(馬なり)
栗東・坂路・良(酒井学)
800m 52.6-38.7-25.1-12.5(馬なり)
47オオバンブルマイC.ルメール牡255.07.03栗東・CW・良(助手)
6F 83.1-67.8-52.0-36.6-11.7(G前一杯追)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.3-38.2-24.8-12.1(馬なり)
48グラニット嶋田 純次牡255.087.312美浦・南W・稍重(嶋田)
5F 66.9-52.1-37.7-11.8(馬なり)
美浦・坂路・稍重(嶋田)
800m 52.9-38.6-25.1-12.5(末強め)
510ウメムスビ角田 大河牡255.039.69栗東・CW・良(角田河)
7F 96.6-65.8-51.7-37.5-12.2(一杯)
栗東・坂路・良(角田河)
800m 52.5-38.3-24.3-11.9(一杯)
59ニシノベストワン藤岡 佑介牡255.0172.415-栗東・坂路・良(藤岡佑)
800m 53.4-39.1-25.4-13.0(一杯)
612ダノンタッチダウン川田 将雅牡255.02.11栗東・CW・良(斎藤)
6F 80.6-66.0-51.8-36.8-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.5-40.1-25.4-12.3(馬なり)
611ティニア福永 祐一牡255.030.87栗東・CW・良(水口)
6F 82.1-67.3-52.5-37.5-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(福永)
800m 54.7-40.5-26.4-12.7(馬なり)
714レイベリング横山 武史牡255.012.55美浦・南W・稍重(横山武)
4F 55.6-39.2-11.8(馬なり)
美浦・南W・稍重(助手)
5F 68.8-53.1-37.8-11.7(馬なり)
713スズカダブル鮫島 克駿牡255.092.613栗東・CW・良(鮫島駿)
7F 97.9-66.6-51.4-36.7-11.1(一杯)
栗東・CW・良(助手)
7F 97.4-66.8-52.3-37.4-11.7(直強め)
815フロムダスク武 豊牡255.022.96栗東・坂路・良(助手)
800m 49.7-36.3-24.1-12.5(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.9-38.0-24.5-12.1(馬なり)
816コーパスクリスティD.イーガン牡255.033.28-栗東・CW・良(イーガン)
6F 81.6-66.8-52.5-37.1-12.2(馬なり)
817エンファサイズ藤岡 康太牡255.081.711栗東・CW・良(藤岡康)
6F 81.0-65.6-51.5-36.9-11.7(末強め)
栗東・CW・良(藤岡康)
4F 51.3-36.2-11.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回2回2回17回4.5%13.6%22.7%
先行馬10回4回6回51回14.1%19.7%28.2%
差し馬7回13回8回99回5.5%15.7%22%
追い込み馬2回1回4回91回2%3.1%7.1%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠5回2回4回26回13.5%18.9%29.7%
2枠3回2回5回29回7.7%12.8%25.6%
3枠3回5回1回31回7.5%20%22.5%
4枠3回3回4回30回7.5%15%25%
5枠1回3回1回34回2.6%10.3%12.8%
6枠2回4回1回33回5%15%17.5%
7枠1回0回3回38回2.4%2.4%9.5%
8枠2回1回1回37回4.9%7.3%9.8%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト46回42回45回275回11.3%21.6%32.6%
ロードカナロア25回22回22回184回9.9%18.6%27.3%
ハーツクライ20回10回19回138回10.7%16.0%26.2%
エピファネイア15回13回12回77回12.8%23.9%34.2%
キングカメハメハ15回13回8回74回13.6%25.5%32.7%
ダイワメジャー13回25回15回134回7.0%20.3%28.3%
ルーラーシップ13回14回12回117回8.3%17.3%25.0%
キズナ11回11回9回91回9.0%18.0%25.4%
ハービンジャー9回9回5回101回7.3%14.5%18.5%
オルフェーヴル8回3回10回76回8.2%11.3%21.6%
人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回5回6回4回25%50%80%
2番人気6回3回2回9回30%45%55%
3番人気2回2回2回14回10%20%30%
4番人気2回2回2回14回10%20%30%
5番人気1回2回3回14回5%15%30%
6~9番人気4回4回1回71回5%10%11.3%
10番人気以下0回2回4回132回0%1.4%4.3%

2022年朝日杯フューチュリティステークス予想 - 過去10年のデータ傾向

東京、本来は京都のマイルで行われる重要前哨戦は、現状の完成度を明快に示す指標を作る

デイリー杯優勝馬は、アドマイヤマーズやセリフォスなど、後々の路線を牽引するエース級にまで育った、このレースの連対馬でもある。
レッドベルオーブがややおかしな感じに育ってしまったものの、ここでは強敵相手に3着。
近年ほど、ここ3年は阪神での開催でもあったから、今年も強いコネを作る。
人気になって敗れたダノンタッチダウンのような巻き返しの馬は、キープであるとか、連外しから人気落ち激走の形はあっても、基本的には逃げ切り勝ちのオールパルフェの方が優勢ということに違いはない。

一方、サリオスとダノンプレミアムらが無敗を継続して連勝した例が記憶に新しいサウジアラビアロイヤルC組は、グランアレグリアのショッキングが敗戦こそあったが、アドマイヤマーズの方がいくらか完成度合いが上のデイリー杯勝ち馬だったということで、結果的には、大した問題とはならなかった。

現実的には東京の方が総合力を問われるとなるわけだが、ひところと比べると、1400の京王杯や1800の東京スポーツ杯が各路線のキーを成す重要戦となっている影響で、好走馬ほど参戦の例が少なく、京王杯組は中山の朝日杯ではなくなってから、ほぼ強い馬の後についてくるくらいの結果しか出せていない。
ドルチェモアやグラニットの人気薄での快走を再び期待するのが筋であり、オオバンブルマイにまた奢ってもらいたいと願うのは、ややご都合主義の嫌いがあるという傾向と言える。

昨年のドウデュースやダノンスコーピオンのような1800オープンからの転戦は、やや斑が出る

そもそも、ナリタブライアンだとかアドマイヤドン、その翌年のエイシンチャンプだとか、旧京都2歳S勝ちから連勝の中山朝日杯優勝馬は平成中期までは出ていたが、その後は、東京スポーツ杯で足らなかったり、不利などもあったドリームジャーニーやゴスホークケンが登場してきて、人気勢を破るというケースが続いた15年くらい前までが、ひとつの流れの終焉であった。

以降、前走1800以上だった朝日杯優勝馬は、ローズキングダムとドウデュースといった皐月賞以降に活躍した中長距離型と新馬戦が京都の2000だったシーザリオの仔・リオンディーズによる最短キャリアでの戴冠以外に、例はない。
どうせなら、1勝クラスのマイル戦を使った方がいいくらいで、重賞を使ってまで、中距離のリズムをなじませるような楽のさせ方をすると、昨年のジオグリフのように、面白いように置かれてしまう。

朝日杯そのものは、阪神に転じて以降は、クラシック本戦にいくらか繋がるようになった成功例ばかりが取り上げられがちだが、ここに至るまでに勝ちたいとこのレースを狙う以上は、重賞を使わないという条件で、番組が豊富な1800くらいまでならOKといった感じ。
例年以上、中距離経験のある馬が少ない組み合わせで、基本的には1800負けの馬は来ないので、1600路線に絞った狙いを立てられると逆算する上でのポイントとしてとらえるのがいいだろう。

人気になって敗れたのは、牝馬2頭と後に古馬G1の方で活躍した未完成の組ばかり

ミスエルテがやらかして…、といっても4着だから、見た目はともかくとしても大負けしたわけではない。
あとは全て3着以内。
阪神で行われる朝日杯は、人気勢に有利な傾向となっている。
波乱という決着も連絡みで人気薄が絡んだ例が多くないから、これも堅調な傾向。

傾向をもう一歩掘り下げてみると、マイル重賞勝ち馬がしっかりと人気に推されると、結果もまとも。
そうでなかった年も、ダノンプラチナは東京と同じくらいキレたし、サウジアラビアロイヤルC組の方が高速の底力勝負になるために、やや本番想定の組み立ては可能になるというアドヴァンテージが結果に影響しているくらいで、東西どちらでも通用の傾向であるから、やはり1600専門型を狙うというベースであっていい。

あくまで本命サイドの決着を狙った買い目を重視するという手法に過ぎないが、妙なところから穴馬が登場することも多いから、頭の方の固定に拘るならば、オールパルフェをどう狙うかでほぼ方向性は固まる。
人気はドルチェモアより上だろうし、これにデイリー負けのダノンタッチダウンの評価を重ねて、穴に振るという本命狙いはあってもいいだろう。

とにかく、人気になってもらっては困る前走1400組や反主流条件戦勝ち馬

最近、ドカンとやった馬の大半は前走1400の平場戦組。
高速の未勝利勝ちからの連チャンを決めたグレナディアガーズは、20倍を少し切るくらいの支持。
その前年の京都の未勝利勝ちだったグランレイは、前走4馬身勝ちでも、結果的に作戦通りではない後方一気の策がハマり、ゴール前飛び込んでくる3着。
これが単勝200倍超えの伏兵。

とにかく、この1400枠は隔年でひと枠という狭いゾーンに、京王杯2歳S好走馬が普段はハマってくるものが、想定以上に荒れる京王杯の傾向からも、穴狙いの筋としては悪くないが、途端に穴では重賞を勝った意味がないのでは、とか考えてしまうものだから、返って厄介。

京王杯より格下の1勝クラスで、より開催後半になった東京1400勝ちのバグダラスの狙いは、一応、穴は決定的なので悪いことはない。
ただ、関西馬の方がいくらか順当なステップを踏んで、パッとしない面もあるから、もう一頭の関東馬も押さえたい。

そこで滅多に登場してこない秋の中山組のアスター賞勝ち・ドンデンガエシに注目。
データ上は、東京でなければダメという筋悪傾向の穴狙いとなっているが、1200でしか勝っていないウメムスビよりは、似たようなローテでも狙い目だし、サウジアラビアとデイリーの時計の差が小さい今年は、サウジ組の方がいくらか有利のはずでも、総合力はデイリー優勢の感じもあって、いずれも正攻法の争いになることで、時計面の死角は、時計のある馬のやり合いで霧散しそうな雰囲気もしないではない。

持ち時計が2秒を超える差がある一方、ドンデンガエシは昨年のドレフォン・ジオグリフとは違う、仕掛けのタイミングを待って動かす形を早々に見切りをつけ、距離延長を小さく重ねることで前に行けるようになったという経緯がある。
差せるだろうけど、キレるわけではない。
そういう総合力でマイルをこなせそうな馬に向く設定である朝日杯は、彼に向いている可能性がある。

2022年朝日杯フューチュリティステークス予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

関東馬の伏兵が制する2歳重賞のトレンドにまる乗っかりしたい、フレッシュな血統馬と名手とのコンビ!

ドンデンガエシの血統

父ドレフォンは北米圏で活躍したゴリゴリのアメリカン野郎であったが、その母母父には凱旋門賞をダンシングブレーヴとトニービンの間である1987年に制したTrempolinoが入っている。
種牡馬として物凄く活躍したわけでもなければ、エタン系特有の癇性が強く出ているというほど、過激な内面を秘めるというわけでもないのだが、北米産のシャーペンアップ産駒ということで、母父が日本でも馴染みのヴァイスリーガル。

母父としてマーベラスサンデーが出ているというだけでなく、半弟ヴァイスリージェントから派生した北米向き兼日本競馬向きの性質を強化されていったようなその直系は、今の日本にはなくてはならない血となった。
クロフネとソダシ。
この父娘がいるというだけで、存在感とその価値を十二分に感じ取れる。

加えて、ドレフォンは芝で大活躍した異例のストームキャット系であるジオポンティの直仔だから、その母系に前述のトランポリーノ以外にも、ハビタット<直系からニホンピロウイナー・ヤマニンゼファー/フラワーパーク>、プリンスリーギフト<不滅の在来直系・ビッグアーサー産駒のトウシンマカオが来春の期待馬>などが配されている。
むしろ、芝のスピード勝負向きであるからこそ、北米の血筋であるにもかかわらず、堂々と期待種牡馬として予測した通りの産駒成績になったのであろう。

名前負けしそうな登録名を拝したドンデンガエシは、トゥザヴィクトリーのファミリー。
母母がこの名牝であり、G1を勝ち切れないまでも、数々のミドルディスタンスのタレントを芝、ダート問わずに送り込んできた。
トランポリーノの父であるシャーペンアップがクロスし、ドレフォンがノーザンダンサーの同系配合馬ながら、母系に入ったヌレイエフに絡むノーザンダンサーが5代目に見える程度の薄いクロスがあるだけ。
母の配合であるシンボリクリスエスとサンデーサイレンスの組み合わせからは、初期の段階でダート王になるサクセスブロッケン<フェブラリーSなど>が出ており、今では孫世代のエフフォーリアと同じエピファネイア産駒が早熟疑惑を取り沙汰されるほど早くエース級になれることを証明している。
逃げる形はサクセスブロッケンの若い頃のようであり、トゥザヴィクトリーもそうだったが、特別戦初めての前走でそれをやってのける勝ち切り方に、色々な可能性を求めたくなる面は、事実としてあるだろう。

2022年朝日杯フューチュリティステークス予想 - レース展開と最終予想

意外なことだが、デイリー杯2歳Sを逃げ切り、1:33.2の好時計を叩き出したオールパルフェは、その前走で中山の1600の未勝利戦を同じく快勝した際は、1:35.6という勝ちタイムであった。
最終週とはいえ、内枠有利の極端なバイアスが発生していた開催の後半で、当然、自分で進路選択可能の逃げ馬に実力があったということを、しかしながら、次走の重賞で証明したオールパルフェは、素晴らしかったことになる。

この時計の更新が2秒以上というところが、実はポイント。
そもそも走りやすい、春以来の開幕週で行われた1勝クラスのアスター賞で、初めての強気の先行に打って出たドンデンガエシは、毎度毎度相手が軽いことで評価が一向に上がらないものの、直線に入る直前から11秒台のラップを連発し、早め先頭だった稍重の札幌よりも、むしろ破壊力が増したかのように見えた押し切り勝ちだった。
勝ちタイムは1:35.8。

もっと平坦なラップであったオールパルフェに対し、1勝クラスで馬場状態を踏まえると不満は残る内容も、その勝ち方は確実な成長をうかがえるものであった。
同時に、父がドレフォンということで、ひとまず比較になる今年の皐月賞勝ち馬で、朝日杯では置いて行かれて5着止まりであったジオグリフに対し、どの程度の力差があるか問われた時、昨年のように、上位入線馬が後に4頭もG1を勝ったというところまでは早期に期待することはできないだろう今年、1800の12秒ラップ以上の経験がなく、本番の平均ペースに対応できなかった面を踏まえると、ある程度強気に動けるトゥザヴィクトリーの一族の強みで、こちらには一日の長がありそうにも思える。

ただ、今回の課題は先行見込みの実力馬がちょっと多いこと。
オールパルフェだけでなく、サウジアラビアロイヤルC組のドルチェモア、グラニットらも自分でスパートをかけるというか、レースを作っていくタイプ。
とりわけ、ドルチェモアの場合はデビュー戦が、ドンデンガエシの未勝利勝ちの前日で、同じ札幌の1500Mで稍重も一緒。

翌日のドンデンガエシにタイムでは及ばずも、馬場を考えても、1:32.2は大して遅いタイムでもない。
そうでなければ、いきなり東京の開幕週に出向いて、マイル戦を1:33.4では勝ち切れない。
ドンデンガエシは気持ち前掛かりの展開を早めスパートで乗り切ったので、後続に詰められたが、楽ちんの先行で直線は影をも踏ませずであった。

それと比べて…、と直接の比較ならば気持ち及ばないし、当時の走った格との兼ね合いで見劣るのは間違いない。
ただし、こうした似たようなキャリアというか共通項のある同距離で別のレースを勝った馬がいると、何となく上がり目が何となく見えてくる。
まだこの先を期待するのであれば、むしろ、このドンデンガエシなのではないだろうか。
決して、妄想とならないとここは信じたい。

このドンデンガエシを巡って、複雑な意図を持った采配もあって、横山武史→典弘の裏乗り替わりが発生。
ドルチェモアも和生騎手ではなくなったから、一族とすると複雑な気分だろうが、妙味たっぷりのドンデンガエシはその名前以上に、殊の外、強力なアシストマンを確保したことによる上積みまで期待ができる。

ちょっと昔の阪神3歳牝馬Sで連闘のスティンガーを駆り、堂々無敗の女王になったというキャリアはある父典弘騎手だが、以降は、勝ち切れない阪神マイルの記録が延々続く。
カンパニーで阪神時代のマイラーズCを現コースで制したものの、G1では桜花賞もジュベナイルフィリーズになって以降もこの朝日杯も阪神では未勝利。

朝日杯3歳Sの名称で最後に行われた中山時代の当レースをメジロベイリーで制してから、もう22年。
今年は母父として、レパードSを制したカフジオクタゴンを送り込んでいる。
ちなみにだが、スティンガーとトゥザヴィクトリーは同期であり、クラシック2戦ではいずれもトゥザヴィクトリーの先着だった。
まるでどうでもいい話だが、いずれもサンデーサイレンス産駒。

トゥザヴィクトリーの孫世代では、アゲヒバリの仔であるリオンリオンで3歳重賞を2勝し、主戦を務めたノリジョッキーにとって、距離適性は兎も角、似たような先行力を秘める若駒で同じく孫であるこの同名称の記録上では二代目らしいドンデンガエシを駆る事への不安は、ほとんどない。
若い馬だけに、ましてや血統も悪くない男馬でもあり、例によって、とんでもない後方追走も想定内なのだが、それはそれで穴狙いの裏の側面。
ある種の醍醐味を、最もその可能性のある騎手で味わうことは、考えようによっては快感と似たものがある。

一応、関東所属ではある拠点は関西、それでも風に身を委ねるがごとき振る舞いで、ライバルも出走馬陣営さえも揺さぶる横山典弘騎手ではあるが、久々に手を組む尾関厩舎の秘蔵っ子とのコンビで、3頭で4勝している。
レッドファルクスとサクラゴスペルでいっぱい重賞は勝っているが、ピンポイントでこの2900勝男が絡んでくる。
条件ではなく、重賞でのこうした傾向は侮れない面もあり、どうせなら、軸で狙いたいとなってくるのは自然だろう。
武豊騎手は香港に騎乗予定があるため、ついに必要となってスマホデビューを果たしたと妙な形で話題になっていたが、彼と一つ違いの先輩であるノリ騎手は、どちらも尾関知人調教師より年上である。
未だ、輝きを失わない生ける伝説が、そろそろ、大きな仕事やってのけそうな雰囲気は、あの中京開幕週を見れば、誰でも順張りしたくなるほどのフィーリングの良さを感じてしまう。