チャンピオンズカップ2014 回顧

超スロー。アクシデントの少ないダート戦線とて、世界の勢力図では異質な存在となりがちな1800MGⅠならば、何かが起きても不思議じゃない。

ただし、実力馬が揃った競馬でその本質を問われたならば、これはある意味で当然の結果と言える。

人気両頭のレースぶりはあまりにも対照的だった。

雌雄を決するに相応しい叩き2戦目のGⅠで、ホッコータルマエはフェブラリーS前に見せていた威光をこの日放っていた。

調子そのものは前シーズンである昨年末から今年初めにかけての時期の方がずっとよかったのだろうが、単純ならざる直線の長い急坂のあるコースで、多少揉まれても気持ちの切れないタフネスチャンピオン・ホッコータルマエの真価が最も発揮される叩き合いでの勝負になったことは大きかった。

正直、周りに若くて勢いのある馬がいなかったのは助かった部分もあるだろうが、これがこのレースの本質と言える。

充実度が反映されるフェブラリーSと安定期であるかが重要視されるチャンピオンズC。

自分の前にはムーア跨るクリノスターオーがいた。勝負は既に、向こう流しで決まっていたのかもしれない。

クリノスターオーは、幸騎手の思惑通り直線入り口で圏外に消えていった。

さあさあ。4歳どうした?

馬券圏内はおろか、掲示板にも一頭もいない有様。が、それはフレッシュさが要求される競馬にはなかったから仕方ない部分もある。

上手さでも、充実度でも一歩上をいく評価をなされた人気のコパノリッキーは、敗因となる要素が凝縮されたような結果になった。

出負け、位置取り争いに加われず、揉まれて1角でクリソライトと激突。強引に行く手もあったが、あまりにも最初の30秒で色々なことが起きてしまったので、レースには加われなかった。

この世代、GⅠで人気を背負うといいことがない。何かが足らないのだろうが、古馬の方が引き出しが多いのは事実だ。

重賞未勝利馬の連勝記録が途絶えてから、今度はフレッシュなGⅠ馬が連戦連勝。今年5戦目と4戦目の馬が連勝。今回は5戦目、叩き2戦目の馬が一変。

チャンピオンズCでは、GⅠ初参戦のナムラビクターと復活の見えた休み明けのローマンレジェンドが最後まで叩き合いを演じた。

流れそのものは変わったのだが、少しチャンピオン級が心許ないのがその主な原因だろう。