チャンピオンズカップ2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

チャンピオンズカップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第24回チャンピオンズカップ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年12月3日(日)
発走時間15時30分
開催場所中京競馬場
距離ダート1800m
コース左回り
賞金1億2000万円
レコードタイム1:47.6

チャンピオンズカップ2023の予想オッズ/出走馬(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

チャンピオンズカップ2023の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11メイクアリープ幸 英明牡4 58.021.89栗東・CW・良(助手)
6F 83.4-68.9-54.5-39.3-12.5(強め)
栗東・CW・良(幸)
6F 81.7-66.7-51.8-36.8-11.9(稍一杯)
22メイショウハリオ浜中 俊牡658.019.38栗東・CW・良(助手)
7F 95.7-80.0-66.3-52.3-37.9-12.7(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 83.4-68.4-53.5-38.0-12.1(稍一杯)
23ジオグリフW.ビュイック牡4 58.034.310美浦・ウッド・良(ビュイック)
7F 95.3-80.2-66.3-52.2-37.8-11.8(強め)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 68.5-53.0-38.5-12.2(馬なり)
34テーオーケインズ松山 弘平牡658.09.73栗東・CW・良(松山)
6F 82.2-66.4-51.4-36.3-11.5(稍一杯)
栗東・坂路・良(松山)
800m 53.1-38.6-24.8-12.3(馬なり)
35ドゥラエレーデB.ムルザハエ牡357.046.212栗東・坂路・良(助手)
800m 54.5-38.8-24.5-12.1(馬なり)
栗東・坂路・良(ムルザバエフ)
800m 53.6-38.4-24.8-12.4(馬なり)
46グロリアムンディC.ルメール牡558.013.77栗東・CW・良(ルメール)
6F 83.1-67.2-52.2-37.1-11.7(強め)
栗東・CW・良(助手)
7F 97.6-66.0-51.8-37.1-12.0(一杯)
47ウィルソンテソーロ原 優介牡4 58.054.214美浦・ウッド・良(原)
6F 85.3-69.1-54.0-39.0-11.7(馬なり)
美浦・坂路・良(助手)
800m 55.1-40.5-25.5-12.4(末強め)
58アーテルアストレア横山 武史牝456.041.011栗東・CW・良(助手)
7F 99.9-83.3-68.6-54.4-39.4-12.9(一杯)
栗東・坂路・良(横山武)
800m 54.0-39.2-25.1-12.7(末強め)
59クラウンプライド川田 将雅牡4 58.012.46栗東・CW・良(小崎)
6F 78.4-64.0-50.8-37.6-12.4(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 51.0-37.4-24.5-12.5(一杯)
610ノットゥルノ松若 風馬牡4 58.051.613栗東・CW・良(松若)
6F 82.2-66.2-51.1-36.0-11.3(強め)
栗東・坂路・良(松若)
800m 52.1-37.2-24.1-12.1(馬なり)
611ハギノアレグリアス岩田 望来牡658.010.25栗東・坂路・良(岩田望)
800m 52.6-38.4-24.9-12.5(一杯)
栗東・坂路・良(岩田望)
800m 53.8-39.4-25.2-12.1(強め)
712セラフィックコールM.デムーロ牡357.03.52栗東・CW・良(助手)
6F 89.9-73.7-57.3-41.0-12.8(馬なり)
栗東・CW・良(M.デムーロ)
6F 86.7-69.7-53.9-38.5-11.6(馬なり)
713ケイアイシェルビー藤懸 貴志牡558.072.815栗東・坂路・良(藤懸)
800m 54.7-39.6-25.9-12.9(馬なり)
栗東・坂路・良(藤懸)
800m 51.0-37.4-24.7-12.6(一杯)
814アイコンテーラーJ.モレイラ牝556.010.14栗東・CW・良(助手)
7F 97.5-65.8-50.9-36.0-11.3(強め)
栗東・CW・良(モレイラ)
7F 95.5-65.5-51.1-36.4-12.1(G前気合付)
815レモンポップ坂井 瑠星牡558.03.51美浦・ウッド・重(坂井瑠)
7F 96.6-67.3-52.2-37.9-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 81.6-66.5-51.8-36.9-11.4(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回0回3回18回12.5%12.5%25.0%
先行馬6回7回8回51回8.3%18.1%29.2%
差し馬9回8回6回93回7.8%14.7%19.8%
追い込み馬2回5回3回93回1.9%6.8%9.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回2回3回31回2.7%8.1%16.2%
2枠3回2回3回32回7.5%12.5%20.0%
3枠5回2回5回28回12.5%17.5%30.0%
4枠2回3回0回35回5.0%12.5%12.5%
5枠4回3回4回29回10.0%17.5%27.5%
6枠2回4回3回31回5.0%15.0%22.5%
7枠2回4回1回32回5.1%15.4%17.9%
8枠1回0回1回37回2.6%2.6%5.1%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
キズナ18回12回17回106回11.8%19.6%30.7%
ルーラーシップ15回12回14回153回7.7%13.9%21.1%
キングカメハメハ15回12回10回80回12.9%22.4%31.0%
シニスターミニスター15回9回7回87回12.7%20.3%26.3%
ハーツクライ13回11回15回97回9.6%17.6%28.7%
マジェスティックウォリアー12回9回10回90回9.9%17.4%25.6%
ダンカーク12回9回8回60回13.5%23.6%32.6%
ディープインパクト12回7回11回84回10.5%16.7%26.3%
ホッコータルマエ12回3回8回82回11.4%14.3%21.9%
ドレフォン11回5回10回53回13.9%20.3%32.9%

チャンピオンズカップ2023 - 過去10年のデータ傾向

半分消えるというより、強い馬がJBCクラシックを勝つと消える

上位争いに、つまりは馬券内に入った5頭の1番人気馬の内、どこかであるかは兎も角としても、当然のことながら、JBCクラシック組が多数絡んできたというデータは出てくる。

都合、3頭が連対だから、確率論的に言っても、その他の人気上から半分組に入るこの祭典帰りの組を押さえない手はない。

ただし、川崎2100の年に勝ったアウォーディーだけしか、連には絡んでいないという勝ち馬がジョーカー。

連覇していた次走も決まってここだったコパノリッキーは、面白いほどこちらでは走らず、皮肉なことに、わざわざスプリントを使って、ここに挑んできた最終年の7歳時に3着、東京大賞典は大団円の圧勝であった。

つまり、2000M以下の通常設定で行われるJBCクラシックは、激しい消耗を伴うということ。

キングズソードさんとモレイラ先生にいいようにやられてしまった面々ばかりだが、砂の入れ替えで異様に時計が掛かっていたことからも、変わり身を見せる馬は必ず出てくるだろう。

ゴール直前に突っ込んでくるか、前で踏ん張るかの2択という春の王者

ゴールドドリームは4歳時に春秋連覇という形でJRA王者を防衛、少し気難しさが目立ってきたインティは、得意であったこの舞台で、強烈な力比べを自ら演出する先行策で、見せ場を作った3着。

ただ、両方のG1が東京で行われていた時代と比べると、少しコネは弱まって、確実な筋とはならなくなった。

まあ、ゴールドドリーム以外は負けているという事実は、厳粛に受け止めるべきなのかもしれない。

他方、ドバイは諸々かみ合わずに、見事なまでに大惨敗だったレモンポップは、苦手ではないだろうが、休み明けG1全力投球のJRAトレンドのそれにすっかりはめ込むようにして、大胆な逃げから、直線入り口に至る前で、ほぼ後続との勝負をつけ、あとはやりたい放題。

これがマンノウォーやセクレタリアトだったのか、いや、今はフライトラインなのか…、とUSAスターたちの思い出や伝説を振り返らざるを得なかったほどに、圧巻の内容。

フェブラリーSも内容的には双璧のように思え、まだ若いこの5歳馬が、差す可能性は少し考えづらい一方、多少のハイペースはものともしないというキャンペーンから、坂井騎手の思惑通りに事が運ぶ可能性は大いにある。

そもそも、逃げ馬ではないというのは有利な要素だろう。

1800の関西G1になってからは、盛岡組が大体主役になる

中京初年度のホッコータルマエ、4年連続で連絡みとなったマイルチャンピオンシップ南部杯組など、盛岡で大きなレースを戦った後に、強くてそれも若い馬がよく頑張って走る。

今年は南部杯直行組が、勝ち馬とまだ迷いがある皐月賞馬のジオグリフと、これもこの路線では若手の部類。

昨年は、3歳のクラウンプライドが盛岡JBC経由で連続連対。

レモンポップを若手とするのは、本来筋が違うとも思えなくはないが、20戦以上する一般的なダートを走る5歳馬とは違う。

阪神の頃からか、距離も影響し、また距離が東京の時とは300M短くなったので、ほぼ2F短縮という感じであるなら、回りが同じ盛岡と中京の親和性は、存外に侮りがたい関係性。

当然、フェブラリーS好走馬が盛岡の方が走っているわけだから、両方圧勝の馬を買わないという考えには至るはずもない。

無視する意味のないJBC上位組は、惜敗も大いに買える要素

今年は惜敗とはならないが、クリソベリルが連勝を狙って自滅した年も、昨年のテーオーケインズの件もそう、負かしにかかるのは、マイラータイプのG1複数回好走馬やJBCで先着を許した組。

決まって、その仁義なき戦いが大逆転劇へと発展する。

闘争劇の進展には、決まって裏と表があって…、ということは、今年のジャパンCでもこのチャンピオンズCでも起きそうにはないが、少なくとも、こちらにはJBCクラシックウイナーはおらず、複穴になるか微妙な6歳勢と互角に戦える馬であることを証明した後に、レディスクラシック快勝のアイコンテーラーが、アーテルアストレアを引き連れて、わずかなチャンスを得ようと逆転を画策。

単純な時計に比較で、アイコンテーラーの1800の走破タイムと、想定のクラシックにおける各上位組の同地点通過タイムでは、勝ち馬のキングズソード以外に見劣ることは全くないから、少なくともこの大井王道路線組は怖い。

それより2秒速く走ったセラフィックコールも馬鹿げた能力であることは言うまでもないが、選り好みする必要はない相手になってくる。

左回りであれば、テーオーケインズとメイショウハリオの着順は安定して入れ替わるが、ここはテーオーケインズが先着。

古馬を軸にするなら、テーオーケインズと盛岡でいい結果を残した若い馬。

かなりのところまで軸は絞り込める一戦であろう。

チャンピオンズカップ2023- 出走予定馬の血統/成績/タイム

盛岡で大きな収穫を得た若い馬は、必ず、その後もより大きく成長を遂げてきた歴史に学ぶ一戦

レモンポップの血統

ベルモントSでカリズマティックの三冠を阻止した一頭である父レモンドロップキッドは、トラヴァーズSなども制した準エース級にまで成長を遂げたのだが、一方で、ブリーダーズCを前にして、いくらか調子が狂っていくという、何とも歯痒い戦績で10勝という北米のG1馬。

そのような変遷を辿りかけたレモンポップは、武蔵野Sで勢い勝ったギルデッドミラーの強襲に屈するも、再度成長を遂げた後は、得意か不得意かわからない中で挑戦のドバイゴールデンシャヒーンこそ惨敗も、前走の圧勝劇で面目躍如。

成長力の根源になりそうな要素として、母系のナタルマより発信されたノーザンダンサー<その産駒>ベースのハードなインブリードにも、母父ジャイアンツコーズウェイも、父同様に春のクラシック後半になって本領発揮の本質から、窺い知ることもできないとなると、キングマンボ系特有の性質とも取れなくはない。

ホッコータルマエもレッツゴードンキも、強い世代の一頭として、長期間G1で通用する馬であったが、それらの父であるキングカメハメハ<レモンドロップキッド同様キングマンボ直仔>は、3歳秋の神戸新聞杯でハーツクライらをきっちり倒した後に、以降の役割を彼に託すように、故障で短い競走生活を全う。

イクイノックスに唯一挑めた馬・リバティアイランドや、三冠馬や同性の中でも怪物を呼び寄せた世紀の競走馬・アーモンドアイらも、父は違うが、キングカメハメハ直系の孫。

アーモンドアイは挫けそうなレースが理事長名系記念に限られるという、奇妙な戦績を残したが、今のところ、納得の2着が数度に限られるレモンポップが、ひどい内容のG1となる確率は、適距離の範囲に入る9F<当然、来年はワールドCを目指す立場>であれば、かなり低いように思う。

もう6歳直前だが、伸び盛りなのではないだろうか。

チャンピオンズカップ2023 - レース展開と最終予想

圧巻の盛岡・南部杯<マイルチャンピオンシップ->であったレモンポップは、泥だらけになってプライドズタズタのドバイゴールデンシャヒーン以来の実戦。

思い切って、というよりは、後に大井で大仕事をする実力派のイグナイターが競りかけてきたというか、まだ30手前の笹川騎手が、普段なら縁のない西日本地区のエースに、本拠地の南関東ではなく、盛岡でのレースから<昨年は主戦の田中学騎手で好走していたにもかかわらずという前段がある>、この馬で大きなタイトルを得るんだという気合い、そして、大井に深く関わりのある少し下の坂井瑠星騎手へのいい意味での対抗心が、中盤以降、両者の意地のぶつかり合いに発展するかという流れにあったが、レモンポップの走破タイムと彼の上がりから推測される、ほぼ正確な1000M通過のタイム・59.1に対し、当地ではスプリント戦級のハイラップであるから、イグナイターはさすがに脱落。

恐ろしいのはここからで、そのラップを継続するどころか、再加速した上で、結果的にイグナイターはさすがの内容で2着に粘るものの、その後ろさえもバテていて、レモンポップは楽々34.7秒で上がって、1:33.8でぶっ千切り。

単勝払い戻しは1.5倍となったが、見る者を魅了するという点で、敵であるはずなのに大拍手、時にラヴコールを聞かれる同県出身の大谷翔平状態となったこのレースは、今後の更なる飛躍を確信させるに十分な結果だったように思う。

まあ、G1勝ち馬ではあったのだが。

思えば、初タイトルを得たフェブラリーSで、戸崎騎手が選択したドライスタウトを完全に内に押しやり、自分の走りやすい道を早々に確保して、堂々抜け出しとした一戦では、馬場差はあるにせよ、南部杯で自身が作ったのと同じ、59.1秒で先頭は通過していた。

思うに、ドバイワールドCでは流石に距離は長く、では、G2格のゴドルフィンマイルに向かうべき存在であるのかと、管理する若き指揮官・田中博康調教師は、その後まで展望した上で、往々にして、北米組の草刈り場と化すゴールデンシャヒーン参戦を決断したように思う。

そもそも、慎重な仕上げであったことは間違いない根岸Sでも、戸崎騎手が当然手綱を執ったわけだが、序盤は少しもたついてから、少しリカバリーを要するような立ち遅れがあった。

アクシデントがつきものの実戦ながら、あの展開で楽勝だったレモンポップは、すでに速い馬ではなく、強い馬になっていたのかもしれない。

一応、前半半分だけはドバイでもレースに参加できていた。

トラックの問題ではなく、自身の状態と適性が惨敗の要因だったことは明らかだ。

ちなみに、根岸Sはほとんどただもらいのようなレースであったが、これ、序盤の34.6秒というところが、本番のフェブラリーSと同じ。

無論、似て非なる東京ダート1600以下3カテゴリーであるから、質は変化するとしても、馬のリズムとすれば、自分が常に主導権を握るタイプが王者になるダート戦線で、大きく味方した、いや、そうさせている部分が大いにある。

だからこそ、率先してこの自分のベースに乗せた競馬を、ほぼ叩き台に近い盛岡のレースで、言っても強豪相手にいとも簡単にやってしまっては、やる意味があるのか、というほどに勝敗の部分の興味の大半は殺がれてしまった面は否めない。

思えば、イグナイターはスプリント、夏から使い詰めの3着レディバグは、距離もあってレディスクラシック完敗ながら、その下の1馬身半差であったノットゥルノは、クラシックの2着。

4着だった直線勝負型のタガノビューティも、武蔵野Sで見せ場を作った。

思えば…は続き、それを負かしたのは戸崎騎手が選んだドライスタウト、それも横山武史騎手への手替わりで…。

フェブラリーSで一騎打ちも期待されたライバルも、順調に力を蓄えるべく、重賞を連勝中だ。

ギルデッドミラーやカフェファラオなどは、一つ上でもう戦うことはないが、一線級の左回りプロ。

思えばももう一回、ズッコケスタートのフェブラリーS3着馬のメイショウハリオは、JBCでパッとしなかったものの、その前はG1級連勝。

気付けば、もうレモンポップ中心に回っていたのではないのか。

未対戦のテーオーケインズ、セラフィックコールは無論強力であるが、同じような圧勝歴があるクラウンプライドまで含め、狙いを唯一下げようがないのが、このレモンポップであるように感じる。

南部杯の勝ち馬では、スペシャリストとなったユートピア、ベストウォーリア、アルクトスの内、ユートピアはゴドルフィンマイルを勝った馬でもあり、その後北米移籍も果たしている。

当然、コパノリッキーやブルーコンコルド、エスポワールシチーなども連覇していて、ブルーコンコルドなどは6歳秋からの3連覇。

5歳で初制覇など、何も恐れることはない。

しかし、本当に目指すべきはアグネスデジタル。

海外遠征の順番が逆になったが、3か月もしないうちに、香港でG1を制し、明けてからはフェブラリーSもきっちり勝った、天皇賞制覇前夜の4歳馬だった。

盛岡でJBCを行えば、3歳で制したアドマイヤドンは、同レース3連覇の上に南部杯も勝った。一度、ユートピアに敗れたが、それはご愛敬。

4歳で制したコパノリッキーは、その後も地方を中心に大活躍し、5歳で王者のプライドを示したテーオーケインズとて、勝てないまでも崩れないG1馬に変身。

昔はJRAの馬も出ていたダービーグランプリも盛岡の名物競走であったから、皐月賞馬のイシノサンデーを筆頭に、初代JBCクラシック覇者のレギュラーメンバー、名種牡馬になるゴールドアリュールに、ユートピアも再登場、ダートのスピード革命と稀有な復元力で劇的な輝きを放ったカネヒキリなど、大井に隠れて、その昔の笠松のように、この場所から才能開花のスターが誕生した歴史は、今も引き継がれる。

何より、マイル戦のナショナルレコードは、南部杯連覇達成時のアルクトスが記録した1:32.7なのだから、北米G1級である。

それには及ばないが、コパノリッキーの1:33.5に限りなく近づいた記録は、坂井瑠星騎手の自信と共に育まれた、必然の決定力。

逆らう意味はないように思う。

JBCクラシックなどと違って、実力発揮を阻害する毒<いわば、乳酸の過剰分泌のようなもの>を勝ち馬に与えるような、ジャンキー化を防げるだけのローテーションの余裕もあるから、軸は堅い。