日本ダービー(東京優駿)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

日本ダービー(東京優駿)2025の予想と最終追い切りの予想を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第92回日本ダービー(東京優駿)(G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年6月1日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,400m
コース左回り
賞金3億円
レコードタイム2:20.6

日本ダービー(東京優駿)2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

日本ダービー2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11リラエンブレム浜中俊牡357.067.115栗東・CW・良(浜中俊)
6F 79.3-64.7-50.4-36.0-11.3(一杯)
栗東・坂路・良(浜中俊)
800m 53.5-38.9-25.5-12.8(馬なり)
12ショウヘイC.ルメール牡357.019.2 7栗東・CW・良(ルメール)
6F 83.7-68.8-53.5-37.3-11.1(馬なり)
栗東・ポリ・良(助手)
6F 81.0-63.9-49.6-36.8-11.4(馬なり)
23エリキング川田将雅牡357.026.89栗東・CW・良(川田将)
7F 96.2-65.1-50.6-36.4-11.2(一杯)
ロストシークレット(一杯)の内0.3秒追走・0.5秒先着
栗東・坂路・良(調教師)
800m 54.8-39.8-25.6-12.3(馬なり)
24ドラゴンブースト丹内祐次牡357.0153.318栗東・坂路・良(助手)
800m 51.1-36.9-24.1-12.5(一杯)
栗東・CW・良(助手)
5F 70.5-54.4-38.6-11.8(馬なり)
35レディネス横山典弘牡357.041.1 12栗東・CW・良(横山典)
7F 94.8-63.6-50.2-36.4-12.0(馬なり)
栗東・CW・良(横山典)
6F 81.7-66.1-51.4-36.6-11.3(馬なり)
36ファンダム北村宏司牡357.013.35美浦・ウッド・良(北村宏)
6F 81.4-64.9-50.1-36.1-11.6(G前仕掛け)
美浦・ウッド・良(北村宏)
5F 68.3-53.2-38.4-11.7(馬なり)
47ミュージアムマイルD.レーン牡357.06.42栗東・CW・良(レーン)
7F 96.7-65.5-50.9-35.9-11.0(稍一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.4-39.4-24.8-12.1(馬なり)
48エムズ戸崎圭太牡357.022.98栗東・坂路・良(助手)
800m 62.6-45.0-29.0-14.4(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
4F 52.2-37.3-11.9(強め)
59ジョバンニ松山弘平牡357.017.36栗東・CW・良(松山弘)
6F 82.3-66.9-51.8-36.7-11.6(G前気合付)
栗東・坂路・良(泉谷楓)
800m 53.8-38.3-24.5-12.1(馬なり)
510トッピボーン岩田望来牡357.042.813栗東・坂路・良(助手)
800m 53.6-39.1-25.4-12.6(馬なり)
栗東・坂路・良(岩田望)
800m 52.5-38.8-25.2-12.7(馬なり)
611ニシノエージェント津村明秀牡357.0104.717美浦・ウッド・良(津村明)
5F 66.6-50.8-36.2-11.1(強め)
美浦・ウッド・良(津村明)
6F 82.9-66.5-51.5-37.6-11.6(馬なり)
612カラマティアノス池添謙一牡357.067.716美浦・ウッド・良(伴啓太)
5F 66.2-50.8-36.7-11.1(G前仕掛け)
美浦・ウッド・良(池添謙)
5F 66.6-50.9-36.6-11.1(馬なり)
713クロワデュノール北村友一牡357.02.21栗東・CW・良(北村友)
6F 82.2-66.9-51.2-35.9-11.1(稍一杯)
栗東・CW・良(北村友)
6F 82.8-66.6-51.8-36.7-11.2(馬なり)
714ホウオウアートマン田辺裕信牡357.075.363.8-栗東・坂路・良(助手)
800m 56.6-40.2-25.6-12.1(強め)
715ファウストラーゼンM.デムーロ牡357.034.410栗東・CW・良(M.デムーロ)
6F 85.3-69.4-54.4-38.8-11.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.8-38.5-24.8-12.2(馬なり)
816ファイアンクランツ佐々木大輔牡357.038.611美浦・ウッド・良(佐々木大)
5F 67.5-52.3-38.0-12.0(馬なり)
美浦・ウッド・良(佐々木大)
5F 68.5-53.2-38.6-12.5(馬なり)
817マスカレードボール坂井瑠星牡357.07.73美浦・ウッド・良(坂井瑠)
6F 84.5-68.8-52.9-37.4-11.3(G前仕掛け)
美浦・坂路・良(嶋田純)
800m 52.3-38.1-24.6-11.8(G前仕掛け)
818サトノシャイニング武豊牡357.011.24栗東・CW・良(武豊)
6F 80.4-64.9-50.5-35.9-11.2(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.0-38.7-24.6-11.9(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬0回3回1回18回0.0%13.6%18.2%
先行馬9回6回3回54回12.5%20.8%25.0%
差し馬8回9回13回141回4.7%9.9%17.5%
追い込み馬3回2回3回83回3.3%5.5%8.8%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠7回3回1回29回17.5%25.0%27.5%
2枠2回1回4回33回5.0%7.5%17.5%
3枠4回2回1回33回10.0%15.0%17.5%
4枠0回5回3回31回0.0%12.8%20.5%
5枠2回1回1回36回5.0%7.5%10.0%
6枠2回4回3回31回5.0%15.0%22.5%
7枠2回2回6回49回3.4%6.8%16.9%
8枠1回2回1回54回1.7%5.2%6.9%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト20回21回18回116回11.4%23.4%33.7%
ドゥラメンテ15回13回12回46回17.4%32.6%46.5%
ハーツクライ12回9回7回114回8.5%14.8%19.7%
ルーラーシップ10回15回7回70回9.8%24.5%31.4%
ハービンジャー10回11回3回60回11.9%25.0%28.6%
キングカメハメハ8回7回2回39回14.3%26.8%30.4%
ゴールドシップ6回6回9回95回5.2%10.3%18.1%
エピファネイア5回4回6回45回8.3%15.0%25.0%
キタサンブラック4回4回2回25回11.4%22.9%28.6%
オルフェーヴル4回1回4回34回9.3%11.6%20.9%

日本ダービー(東京優駿)2025 - 過去10年のデータ傾向

あれだけ強かったはずの1番人気馬が皐月賞の水準にまで落ち込みつつある理由は単純明快

複勝内率7割はともかく、連対が半分の5頭で、それがここ5年に集中。 3着はディーマジェスティとアドミラブルなど、前走の内容が突出していた影響で、周りのレベルを少し考慮した時に、無難な結果に終わったとできるが、4着にサートゥルナーリアとダノンベルーガという、ハイレベルだった皐月賞の好走馬の扱いが、接戦だった割に、極端に高い評価を受けて、前者なら急な乗り替わりに20代中盤で来日初年度だったレーン騎手に多大な圧をかける陣営の愚策があり、一方は、評価そのものが、東京で勝っているドウデュースやイクイノックスに対し、同じ1800での実績に対し、過大なまでの期待をかけすぎたファンの判断ミスが加わったもの。
1番人気に応えたのは、言わずと知れた傑物とできるドゥラメンテとコントレイルだけ。 異常なルート選択の上で、皐月賞を大外からぶち抜いて、まだ余裕があったというわけのわからない勝ち方をした彼ら以外、皐月賞が鮮やかすぎた馬は買わない方がいいし、安易に、東京実績を上乗せした皐月賞敗戦の内容の色付けは控えめにすべきだろう。
万が一にでも、テン乗りであるレーン騎手のミュージアルマイルがクロワデュノールよりも上の評価なら、120%皐月賞馬は敗れ、最悪は、両方完敗の2019年の悪夢まで再現しかねない。 ミュージアルマイルは東京は初めてであるから、そのようなことはないだろうが、クロワデュノール1番人気の前提が崩れる状況こそ、穴党垂涎の展開が予測される不穏な気配漂うダービーであると言えよう。

負けてきて通用するなら、それは皐月賞よりハイレベルという話であり…

青葉賞を無傷の3連勝で制したエネルジコが、少々不具合が出てしまった関係で、名誉の撤退を決定。 これに続いたファイアンクランツは東京スポーツ杯4着馬で、すみれSもその前のゆりかもめ賞も負けて、青葉賞は連対ということだけを信用するのは、さすがに怪しい。 3着でなら押さえるべきと思うが、正直、期待された裏候補は横一線という結果でもあったから、気を付けたい。
突き出る何かを秘めていたら、こうした場面、決まって、恐ろしいほどの決め手を繰り出して、本番の上昇力を失うほど、先にダービーを終えてしまうケースが圧倒的多数。 負けての巻き返しは、その前の重賞実績が重要となって、ファイアンクランツの札幌2歳Sの結果から始まる、惜敗の歴史からも、よほどの大波乱を予期するフルスロットル穴馬券マシーンと化した好事家のみ、買い目の軸に加える対象だろう。 勝っていれば、話は変わったのだろうが、仕方ない。
ならば、サトノシャイニングもここで拾えるとなって、皐月賞組の後述する評価の肉付けもこれで十二分にできてしまう。 青葉賞とは一線を画すものの、昔から様々な挑戦者の可能性を時折引き出すプリンシパルSに関しては、実質、ただのオープン特別状態で、勝たないと意味はないということで、そこを東京で新馬勝ちしたレディネスが勝ったという点は評価。
こうした場面で、ダービージョッキーは昨年がそうであったように、やけに目立って見えるのは、当たり前だが、勝ち切った実績があるからなのだ。 渋残りの京都新聞組などめったに買うものではないが、ルメール騎手に手が移ったショウヘイなら買えるところで、これも京都でサトノシャイニングに完敗なのだから、皐月賞10着以下の組と思えば、思い切っては買いづらい。 だから、無敗馬が東のトライアルか消えたのだから、西で勝ってきた関東の無敗馬・ファンダムを消すことはないと思って、未対戦馬の妙でこれを買いたいとなったというわけだ。

ここで言う後門の狼とはどんな存在か

やけに2着が多い、皐月賞前にどこかのG3を使っていた馬。 勝ち切ったのは皐月賞馬のドゥラメンテだけ。 いていないようなものだと思えばいい。 共同通信杯勝ち馬は今後いくらでも皐月賞馬にもダービー馬にもなるが、共同通信杯2着で春二冠の馬など、今後現れるとも思えないからだ。
2着については、サトノダイヤモンド、スワーヴリチャード、ダノンキングリー、エフフォーリア、ソールオリエンス、ジャスティンミラノと、ダービー連対馬であるからそう見えるのだろうが、なかなかのメンツであり、3着は少なくて、ディーマジェスティ、ステラヴェローチェといった、共同通信杯組に限られる。 G1連対の縛りが、どういうわけだか、3着に掛かるのだから、連で狙った方が得策の皐月賞の今の主流組。
ただ、皐月賞の方が前々走よりもスケールダウンの印象だと、あまり期待できない。 期待通りかそれ以上ということでは、マスカレードボールとサトノシャイニングに差はないが、クロワデュノールが仮に世代最強とした場合だと、いずれも接近したとて、出来が良かったホープフルSでは誰も追いつけなかったのだか、接近の度合いが目立ったのは、東京でも京都で強かったサトノシャイニングとなってくる。 これも縁あって、フルスペックのダービージョッキーに手が移ったから、買いであろう。 ミュージアルマイルが売れすぎたら、2022年論法で、2、3着馬を厚めに押さえたいところだが次点評価に過ぎない。 初戦はついて回ってくる存在と見える。

すべての馬にとっての前門の虎になれるか

ホープフルS組ではG2時代のレイデオロの皐月賞ズッコケイン強襲5着を挟んだルメール激賞の大立ち回りと、福永祐一が自由に走らせて、結構ひやひやした2戦の後、位置を取って試合終了に持ち込んだコントレイルなどの2勝が代表例。 わかりやすい、皐月賞もダービーも上位人気で鞍上継続騎乗の鉄板の流れ。 2着は乗り替わりは色々あっても、新馬で乗っていたレーン騎手に戻っただけのサリオス。 皐月賞は勝っていた内容だったのだが、道中が順調すぎて、あんなことに…。理屈はこのリソースをクロワデュノール救済の一手に活用という感じか。 コントレイルになれなかったクロワデュノールに、ダービーはある、と勇気づけるためでもある。
要するに、みんな路線を一旦平定した世代のビッグワンのみ通用の傾向。 何のデータ活用にもなっていない。(笑)
クロワデュノールの最大の推し材料は、そのひとつであるホープフルSを勝ち切ったという点。 あっさり好位抜け出しのコントレイルと後ろから攻めたレイデオロは、東京の1800以上での勝ち鞍があり、マイル戦ばかりだったとはいえ、皐月賞も含め、内容は完璧だったサリオスは、ダービーだって、他の連中には差を広げて先着である。 東京でデビューから2連勝、急坂のある2歳G1のコースで完勝。 G1未経験のレイデオロだけ、皐月賞は激しい時計の勝負に敗れただけだが、置かれてしまっただけのこと。
時計面の死角は確かにあったものの、キレ負けというよりも、求められる適性がマイルベースの1800向きの資質であったと思われる今年の皐月賞は、異様な高速馬場で、道中いたるところで衝突事故が起きていた。 上位組も下位入線組も漏れなく、誰かと側方衝突していたわけだが、メンバー唯一に近い、有力どころでダービーに主眼を置いた存在のクロワデュノールは、歴代の皐月賞敗戦からダービーで巻き返してきたウイナーとあまりのも酷似している点が多い。 唯一の懸念材料、良馬場で差されて負けた馬の巻き返しの難しさについては、極めて特殊な実例になった1993年のレコード決着から、洗い直して、強調材料を加えておく。 後述参考のこと。

日本ダービー(東京優駿)2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

皐月賞で一旦瓦解した1強の構図、今回改めて、証明してみせよ

クロワデュノールの血統

父はダービー14着だったが、ドゥラメンテが完勝の二冠、ダービーレコード更新の快走をしたというだけでなく、今年の登録馬で言えば、トライアルホース・レディネス、特別戦デビューだったホウオウアートマンなどと同じ2月デビューから、正攻法で勝ち抜いた上での5戦目がここだった。 今も昔も、無謀なローテは存在するが、4コーナーを回るところまでは、惨敗をする図を見込めないほど、いつものキタサンブラックの走りであったから、それはそれで恐ろしい。
その主戦であった北村宏司騎手が、違う路線からやってきたダービー1番人気で撃沈だったサートゥルナーリアの傑作級を駆って、その代表産駒級に挑むという構図は、競馬ファンならば、誰でも語り出したくなる名馬史の一節になっていくのだろう。 昨年もエピファネイア産駒の小僧が、キズナの最高後継者をねじ伏せるという、11年前のお返しの構図となった。 ダービーというフレーズがそこに絡むだけに、話は無限に広がる。
母父のケープクロスは、自身がマイラーで晩生タイプのゴドルフィンの馬だったにもかかわらず、直仔の代で本家ダービーの勝者を2頭、シーザスターズ<ガリレオの半弟、アイルランドの至宝と称された名手マイケル・キネーンが携わった最後のビッグスター>と、ゴールデンホーン<父と同じくフランキーのお手馬>を出しながら、シーザスターズと同じクラシック世代にブルードメアサイアーとして、ロジユニヴァース<不良馬場の大逆襲劇、昨年の優勝騎手である横山典弘が、武豊、角田晃一らを従え完勝>を送り込んでいる。 日本にも来たウィジャボードは、牝馬の代表格。
キタサンブラックはイクイノックスやソールオリエンスなど、後にグランプリで好走する皐月賞連対馬を出しているが、ソールオリエンスの年に非業の死を遂げたスキルヴィングが本来描けていただろう、イクイノックスのような未来が、本物の成長曲線であるはずで、皐月賞よりもダービーの方がパフォーマンスが挙がり、それ以降は尚のこと…。 陣営が手の内をばらしたように、予測された通りのメンバー構成で、目一杯ではない仕上げは明らかだったのだから、ホープフルSの時のような、叩いて動き一変の姿を取り戻すはずだ。 ちなみに、シーザスターズ、ゴールデンホーンらは、3歳時に勢いをキープしたまま、良馬場の凱旋門賞を完勝している。 そこに孫世代、ついでに北村友一が加わっても、面白いではないか、と筆者はほくそ笑んでいるが、それはさすがに鬼に笑われるか…。

1993年。 旧弥生賞でデビュー2戦目以降4連勝を決めたウイニングチケットが、断然の支持を受け、皐月賞を走ることになったわけだが、前にいる人気を分けたビワハヤヒデを早めに捕まえに行くことを読んだ武豊のナリタタイシンが、仕掛けをギリギリまで待って、刹那の内に、馬込みから外へと瞬間移動したのち、ウイニングチケットらが止まり、ビワハヤヒデと直後に降着処分を受けることになるガレオンがギリギリの攻防をする中、さっと外からいつもの感じで捉え切る競馬で、第一冠を制した。
しかし、それが次は通用しないことを理解するように、同じ競馬でも、無理な仕掛けをせずに、それでもナリタタイシンのリズムを崩さずに、3強評価のダービーできっちり3着に押し上げてきたのは、20代中盤に差し掛かった騎手とは思えないほどの、俯瞰力に富んだ武豊の技量をまざまざと見せつけるものであるのだったが、前のおじさん、すなわち、シンボリルドルフに乗り損ねた柴田政人のウイニングチケットと、シンボリルドルフで一発回答の岡部幸雄のビワハヤヒデによるガチンコのラウンドツーは、ふたりのライバル史の中でも最高潮に達した熱量を誇り、骨身を削る死闘を演じたのである。 が、政人騎手は少し後に落馬負傷をして、調教師へと転身するより他なくなった。
皐月賞以上に、より前を意識し、勝ちに出たウイニングチケットを真っ向で受け止め、ビワハヤヒデにできることを全て引き出しながらも、どことなく、センスのいい馬止まりであった彼に、真の意味での覚醒を促した末、秋になったと同時に、この世代はビワハヤヒデ一強の時代を迎える。
ちなみに、新馬では政人先生が乗ったわけだが、実は、折り返しの連闘で挑んだ新馬では横山典弘騎乗、成長を促した後の葉牡丹賞は田中勝春、主戦を欠いた後に柴田善臣、武豊ときて屈腱炎で…。 30年以上前なのに、この中で一番年下が最近調教師になって、早速、転厩馬というか勝手知ったる宗像厩舎にいたシリウスコルトで重賞制覇を果たすという物語は、やはり、何かおかしい…。
時は流れて、趣味も程々に、政人先生の甥っ子が、夏の復帰に向けて、せっせと汗を流している状況で、ウイニングチケットみたいな負け方をしたビワハヤヒデっぽい馬をまた見かけることと相成った。 クロワデュノールはチケットになれるのか、それとも、三冠馬の最強の兄と同じく、粗忽な感じの負け方を繰り返すのか…。
現在、総合力勝負が恒常化している皐月賞は、当時には珍しいバランスラップのレコード決着、今風の結果そのものである1993年皐月賞に極めてよく似たレース展開となった。 よくわからないくらいうまく乗る騎手が、直線がパートナーの末脚をぶっ放すように、大外から伸びきって、鮮やかにレコードウイン。 今は時計が速くなりすぎているが、前後半で全く別のレースで、また、時計勝負になったがために、タイトなレースになり、1993年には3位入線の馬の降着があったほど、厳しい展開になった。
その中で、本命馬は連勝を続けていたことで、早めに動かざるを得ない展開に持ち込まれ、最後は強烈な差し脚に屈するというのは、筆者の中ではデジャヴュでしかなかった。 あの時の武豊は、今年であるならジョアン・モレイラでいいのである。 面白い、桜花賞も皐月賞も勝ったのである、二人ともこの年は…。
北村友一なる超文化系男子は、不屈の闘志で、あり得ないほどの大怪我を負った後、長いリハビリと相当な時間を要したリカバリーの期間を経て、運命の馬と出合った。 しかし、宿命はいつでも、神のいたずらであるかのような難題との向き合い方と相場は決まっている。 柴田政人は、序盤は遅くたって構わないが、東京であろうと何であろうと、勝ちを狙う姿勢をダービーでも貫いた。 後にも先にも、内から勝負所で前の馬を交わし、何なら、マーク対象さえも追い越して直線を迎えるなど、名手の流儀とすれば、御法度も承知で馬を信じた騎乗を選んだのだ。
東京でデビューし、ぶよぶよでかつ冴えないままで仕上がり切る前どころか、追い切りはこの後ではないかというほど、正直言ってひどい状態に思えた2戦目の東京スポーツ杯も勝ち切ったクロワデュノール。 ただ、いずれもフラフラした走りで、全く要領を得ないのだが、どういうわけだか、その状態はスタートの良さで全てリカバリーしてしまう。 きっと、相手関係と求められる時計とのバランスで、そのような作りに近かっただろう彼が、皐月賞で、とくに勝たねばらならないとさえ思っていただろうダービーの直前のレースで、はっきりとした勝ちに行く姿勢を見せつけるように消耗をする道を選ぶことなど、そもそも、休み明けで皐月賞を使ったのだから…、誰の目にも、それが勝負の一戦ではないことは明らかだった。

日本ダービー(東京優駿)2025 - レース展開と最終予想

また、ファウストラーゼンという格好のターゲットを狙うというより、それがかき乱すリズムを活用した同期の誠人=ファウストラーゼン、和生=アロヒアリイの阿吽の呼吸が、レース最大の動きであったと同時に、多数の馬の動きに大きな影響を及ぼすことで、わずかなアロヒアリイの斜行が、極めて大きなマイナス要因となって、クロワデュノールに、直後に張ったミュージアルマイルもその過程で煽りを受けるなどもあって、伏兵は時計勝負で弾き出されたものの、実力以上の能力を発揮したような感じのミュージアルマイルやマスカレードボールなどに対し、ウイニングチケットのような早めの踏み込みが、差し馬有利の展開を読み込んだような面があり、まだ不完全な出来であったクロワデュノールは、最後は動きが止まったように見えた。 もたもたして、最後はねじ伏せるクロワデュノールは、ホープフルSまではそうした部分に隙があるように見られていたが、中山など走ったことがないのに、3戦とも、コーナー4つの競馬だったかのようなパフォーマンスで突き抜けた。
東京の方がもっと得意なはずであり…。 ウイニングチケットはダービーが東京初登場。 それでも、相手なりに動けるというよりは、自力で勝負を決めることのできる底力型として成功するような教育をしたことで、難なく、東京の長い直線の攻防でも、他より、ずっと適性も含めて、優位に立っていた。 ジャパンCでも3着に入ったほど。 トニービン産駒だから…、という理屈は、この馬が確立したのである。
キタサンブラックの産駒だから、彼がそうであったように、ゆったりとしたコーナーリングで極めて順当な好位抜け出しか前めの競馬での押し切りが望ましい馬は、しかし、中山で不器用さを見せて負けた馬の巻き返しというのが、今のトレンドである。 しかし、このナリタタイシンのキレに屈したウイニングチケットによる巻き返しの前までは、グレード制導入からの短い期間でも、東京連チャンの年のサクラチヨノオー、同じく2歳王者だったアイネスフウジンなど、うまく乗られたあとの巻き返しに成功のパターンが多かったのだが、皐月賞の時計のレベルが上がり、東京も上がりが速くなり、決定的になったのは、東京競馬場の改修で直線が少し長くなり、膨れることの多かった直線の立ち上げの部分をスパイラルカーブの採用で、かなり不利になりがちな要素を消していった結果、人気の馬が皐月賞で差されて負けた後の巻き返しは、どちらかが道悪にならない限り、まず見かけなくなった。
ただ、今年の皐月賞は前年の大レコードに対し、明らかな後傾ラップでありながら、極端に上位入線馬の上がりが速かったわけでもないのに、強烈な時計勝負へと経展開した厳しい勝負。 2017年の快レコードの際も、今年と似た雰囲気があって、この時は、好位グループがギリギリの攻防の中で粘り込んだが、差し馬勢がダービーで好走。
今年はこの時とは違って、波乱の結果とまではいかないので、正当な評価だった上位人気の馬はほとんど崩れなかった。 最初から勢力図が整理された段階での競馬で、特殊な馬場状態に起因した展開の乱れと異様さが、ある意味、誰でもわかりやすい直線の瞬発力勝負になる東京よりもずっと、妙な決着を生む主要因となっている以上、正当な評価をスローからの時計勝負の際には、皐月賞のレースレベルをまともに行うことはまず不可能。
しかしながら、然るべき展開で力が現れる結果になった時に、そのまま、能力の指標ともなってくる単勝人気は、正当なここまでのレース結果を反映したものでもあるから、ウイニングチケットがそうであったように、彼を含め、皐月賞1番人気馬はこの30年ほどで11回ダービーを制している。 同期間の皐月賞1番人気馬が、そこで勝ち切った例は10度もない。 人気に応えた馬がダービーに出てこないこともたまにあるから、我々は、皐月賞の予想をしながら、ダービーの勝ち馬も占っているのである。
単勝オッズが2.0倍以下だった皐月賞1番人気馬は、グレード制導入後から数えて、三冠馬シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクトなどもいるが、オルフェーヴルとコントレイルは該当しない。 都合【6・0・0・2】という記録をどう考えるか。 二冠馬ばかりだが、ここにスペシャルウィークやロジユニヴァースなど、運命の馬に出会った今ではレジェンドの二人の、皐月賞連外しの馬も勝ち組にカウントされる。 特別な評価は、急にダービーで激変はしない。 だから、期待に応えた馬が圧倒的に多い。
完璧だったホープフルSを再現する時、東京での強さが際立つことになるだろう。 これを交わすとすれば、本当のキレ味を誇る未対戦のファンダム、参戦不透明な関西馬のレディネスぐらいだろうし、この距離で真っ向勝負できそうなのは、東京スポーツ杯で戦いあったサトノシャイニングだけだろう。 同じ北村姓、キタサンブラックに縁のある騎手ばかりが揃ったラインナップ。
何だか、そういう不思議なことが起きそうなダービーでもあるはずだ。 何しろ、もう間もなくコントレイルの仔がデビューするのだから、何か、潮目が変わるような、エポックメイキング的な展開は期待以上のものであった何ら不思議ないはずなのだ。 これで勝たないと…。
不運にも程があるが、そんな不運に晒された国枝調教師や騎手時代の蛯名調教師、昨年まさにそうだった戸崎騎手のような存在の方が、案外少なかったりもするのは、偶然ではない。 そうした勝ち運を持った馬に、導かされていくという側面が、競馬の真理でもあるからに他ならない。 クロワデュノールに導かれるストーリーで、多くのファンは十分に満足する2025年ダービーとなるはずだ。

日本ダービー(東京優駿)参考リンク


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