フェブラリーステークス2022の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

フェブラリーステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第39回フェブラリーステークス (G1)
グレード重賞(G1)
日程2022年2月20日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離ダート1,600m
コース左回り
賞金1億2,000万円
レコードタイム1:33.8

フェブラリーステークス2022の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

フェブラリーステークス2022登録馬

枠順馬番登録馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
1
1
テオレーマC・ルメール牝655.030.710
栗東・坂路・良
800m 53.0-38.4-24.7-12.3(末強め)
栗東・坂路・良
800m 54.1-39.2-25.3-12.4(馬なり)
1
2
ダイワキャグニー三浦 皇成セ857.093.1
15
美浦・南B・良
6F 81.4-65.4-50.7-37.0-11.6(直強め)
美浦・南B・重
6F 83.2-67.1-52.7-39.0-12.1(馬なり)
23
インティ武 豊牡857.016.88栗東・CW・良
6F 82.6-66.8-52.1-37.3-11.5(馬なり)
栗東・坂路・良
800m 52.5-38.3-24.7-12.1(一杯)
2
4
アルクトス田辺 裕信牡757.014.06美浦・南W・良
6F 82.3-66.2-52.0-37.8-12.1(一杯)
美浦・坂路・稍重
800m 53.0-38.4-24.8-12.5(馬なり)
3
5
レッドルゼル川田 将雅牡657.0 3.92栗東・坂路・良
800m 53.5-38.8-24.5-11.9(一杯)
栗東・坂路・良
800m 51.7-37.9-24.5-12.1(末強め)
3
6
カフェファラオ福永 祐一牡557.03.1

1美浦・南W・稍重
6F 81.3-64.7-50.5-36.8-11.6(一杯)
美浦・南W・稍重
5F 66.9-52.2-38.2-11.8(馬なり)
4
7
タイムフライヤー横山 武史牡757.083.714
--
4
8
サンライズノヴァ松若 風馬牡857.056.513栗東・坂路・良
800m 51.5-37.5-24.6-12.5(一杯)
栗東・坂路・良
800m 50.8-37.2-24.7-12.6(一杯)
59
サンライズホープ幸 英明牡557.053.512栗東・CW・良
6F 83.8-68.3-53.0-37.9-12.0(末一杯)
栗東・CW・良
7F 97.0-65.6-51.9-37.6-12.4(一杯)
5
10
スワーヴアラミス松田 大作牡757.017.29栗東・CW・良
7F 95.9-65.2-51.7-37.6-12.1(一杯)
栗東・坂路・良
800m 52.6-38.2-24.8-12.5(末強め)
611ソダシ吉田 隼人牝455.06.73
栗東・CW・良
6F 81.5-65.9-51.2-36.7-11.2(強め)
栗東・坂路・良
800m 52.9-38.5-24.6-12.1(馬なり)
612
ミューチャリー御神本 訓史牡657.0 43.111船橋・ダート・良
5F 63.9-49.1-36.6-11.7(一杯)
船橋・ダート・不良
6F 81.4-63.4-48.9-36.4-12.1(末一杯)
713ソリストサンダー戸崎 圭太牡757.07.64-栗東・坂路・良
800m 54.4-38.9-24.4-12.1(馬なり)
714ケイティブレイブ菅原 明良牡957.0155.5

16-美浦・南W・稍重
6F 81.1-66.2-52.6-38.5-12.0(強め)
8
15
テイエムサウスダン岩田 康誠牡557.08.95栗東・坂路・良
800m 53.6-38.0-24.0-11.9(末強め)
栗東・坂路・良
800m 52.0-37.2-23.8-11.9(一杯)
816エアスピネルM・デムーロ牡957.014.87栗東・坂路・良
800m 52.4-38.4-24.6-12.2(一杯)
栗東・坂路・良
800m 53.8-39.5-25.5-12.4(一杯)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回0回0回17回15%15%15%
先行馬8回7回7回57回10.1%19%27.8%
差し馬7回9回10回89回6.1%13.9%22.6%
追い込み馬2回4回3回93回2%5.9%8.8%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回1回2回34回2.6%5.3%10.5%
2枠4回2回3回3010.3%15.4%23.1%
3枠1回2回3回342.5%7.5%15%
4枠1回4回2回332.5%12.5%17.5%
5枠2回4回5回285.1%15.4%28.2%
6枠4回1回2回3310%12.5%17.5%
7枠3回4回0回337.5%17.5%17.5%
8枠4回2回3回3110%15%22.5%
人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気12回2回3回3回60%70%85%
2番人気2回4回3回11回10%
30%45%
3番人気2回4回3回11回10%30%45%
4番人気1回2回2回15回5%15%25%
5番人気0回4回0回
16回0%20%20%
6~9番人気2回3回8回67回2.5%6.3%16.3%
10番人気以下1回1回1回133回0.7%1.5%2.2%

フェブラリーステークス予想2022 - 過去10年のデータ傾向

基本的攻略法としては毎年同じ馬を狙うという策は適さないレースのはずなのだが…。

ユニコーンSを制している若い馬は、いつ何時も気になる存在

今年の該当馬:カフェファラオ・5歳。

昨年の優勝馬であるカフェファラオは、その前年のユニコーンSを快時計で乗り切り、一時は無敵の快進撃を続けるかと思われたが、ハードなローテにナイトセッションのジャパンダートダービーで撃沈してからは、G1馬にこそなったものの、あの頃の輝きを取り戻せずにいる。

その手の馬は、かつての去勢前のノンコノユメ<ユニコーン制覇は15年、フェブラリーSは4歳時2着、6歳になって優勝>であるとか、ゴールドドリーム<カフェファラオと同じように、ユニコーンS優勝後にジャパンダートダービーで完敗後、4歳緒戦のこの舞台で復活勝利>という存在がずっと最近まで身近なところにいたから、記憶を辿るまでもなく、印象として強く残っている。

単純な話、例えば中京の馬場質やレースのテンポとも違うし、地方の大井や川崎、船橋などの主要レースの行われる南関東の競馬場とも比較にならないほど、東京のダートは軽い。

厳寒期で含水率がやけに低い黄砂状態の砂であろうとも、自在性のある馬であれば崩れない。

ゴールドドリームは持ち時計もあったが、そうしたタフすぎるパサパサダートもこなして、2戦連続連対の記録を持つ。

よくわからない存在のままこのレースを制し、後にマイラー型王者の道を進んだコパノリッキーもそうだったが、若いうちに適性を感じさせる馬を狙うのが常道のレース。

毎年必ず来るわけではないが、東京マイルにフィットする馬にとってこのレースは、実に戦いやすい舞台なのであろう。

複数回制覇の記録はほとんどないものの、過去の優勝馬が何度も好走した例はいくつもある。

数ははっきりと多いと言えるから食いはぐれも当然あるものの、10年で9勝の事実は重い

インティ、ソダシ、スワーヴアラミス、テイエムサウスダンの評価下げは危険!

所謂主要路線であるため、出てくる数がその他の重賞とは比べられないほどに多いのが前走中央主要重賞組。

中でも、近年最多勝が根岸Sというのが、意外と感じる人も多いはずだが、このリズムは根岸Sが東京の開幕週に移ってからずっと変わらない。

時々ではないし、一定のリズムを確実に刻んで勝ち馬を送り込んで来た。

過去10年では、

  • 2012年 テスタマッタ <根岸S3着→ 1着>
  • 2016年 モーニン <根岸Sからの連勝>
  • 2018年 ノンコノユメ <根岸Sからの連勝>
  • 2020年 モズアスコット <根岸Sからの連勝>

ただ、昔よりハイレベルなトレンドであり、いずれもがどこかでここに至るまでにG1級タイトルの制覇に縁があった面々ばかり。

根岸S好走からの連続好走、1つくらい着順を落とすくらいのイメージがフィットするから、テイエムサウスダン辺りは適性からも、3着狙いで面白いか。

東海Sはもっと厳格で、勝ち馬以外で好走したのが、連覇を果たすことになったコパノリッキーに前走でも負けていたインカンテーションだけ。

この馬も長く活躍した名脇役で、一介のオープン馬ではない。

それ以外をチャンピオンズC組が押さえてくるのだから、分かりやすいと言えばそうなる。

その癖、とんでもない人気薄が連に絡んでくるのは、決まって前走着順が悪すぎたというだけの理由が挙げられる。

エスポワールシチー、ケイティブレイブ、まだ若すぎただけのコパノリッキーの4歳時、理由が見つからない好走というレベルの砂巧者ではない。

実力を持っているのに、中京で力を出し切れなかった馬はよく走る。

このレースに好走歴のあるインティと桜花賞をあり得ない高速時計で制しているソダシをバカにしてはいけない。

前走はお互い、正しいポジションで流れに乗ってレースをしていた。

1番人気好走率8割の裏に、正確な能力判定の技量がファンに問われる側面も抱える

ここ10年で消えたのは、ハイペースに沈んだトランセンド<2012年>と、初ダートでちょっと弾けすぎた人気のカレンブラックヒル<2013年>と、久しく登場していない。

ただし、1番人気になった馬がポイント。

  • 2014年 ベルシャザール<ジャパンCダート1着>
  • 2015年 コパノリッキー<前年優勝馬>
  • 2016年 ノンコノユメ<チャンピオンズC2着>
  • 2017年 カフジテイク<根岸S1着>
  • 2018年 ゴールドドリーム<チャンピオンズC1着/前年優勝馬>
  • 2019年 インティ<東海S1着>
  • 2020年 モズアスコット<根岸S1着>
  • 2021年 カフェファラオ<若いユニコーンS優勝馬>

これほど、傾向通りに型にはまった人気馬ばかり堅実に走るというレースもまた珍しい。

本来なら、取捨選択に迷う前走東京大賞典、川崎記念組なども出てくるわけだが、この傾向もまたG1昇格当初から続く安定のリズムであるから、軸を前走JRA重賞組にする以外の選択肢はないに等しい。

相手ならいくらでも、何を拾っていってもいい傾向であるから、軸を何に定めるか。

今年は安心の軸馬は皆無だから、歴代覇者に意地にちょっと期待していこうと考えた。

ゴールドアリュール産駒はよく来ているが、外国産馬などの輸入種牡馬の産駒が幾らか優勢

ゴールドアリュール産駒の登録馬:サンライズノヴァ。

何も、サンライズノヴァをおじさんだからいらないとしているわけではない。

勝っているのが4歳時に制したコパノリッキーとゴールドドリームで、前者は連覇。

2着に来たのが、優勝から3年連続連対としたゴールドドリームと、東京の1600にフィットした才能の持ち主だったシルクフォーチュンとエスポワールシチー。

マイラーを多く出すのが、ダートを走るゴールドアリュール産駒であり、そうではない方向へと進んだダート2000Mのナショナルレコードホルダーであるスマートファルコン<JRAのダート重賞未出走も、フェブラリーSで昨年人気になったオーヴェルニュを送り出した元大エース>は、確実に影響力をその産駒に伝えている。

フェブラリーSというのは、高速の上がりも時には求められ、最近は盛岡の南部杯の方がタイムが速い年も多いが、基本的には総合力のマイルであるから、単純に中距離のチャンピオン距離に適性のある地方中心に活躍のダートスターにはあまりフィットしないレース。

歴史的名馬とされる豪傑でも、このレースを勝っていない馬は多い。

斯く言うゴールドアリュールとて、もう19年前に行われた中山1800のフェブラリーS<東京競馬場の改修工事による変更>を勝った馬だから、にわかフェブラリーウイナーである。

同じように、G1昇格前年に制したのがあのホクトベガ。

強烈なパフォーマンスを残した馬ほど、東京1600のG1・フェブラリーSには縁がない。

ここ2年は北米血統がベースの牝系に、フランケルやアメリカンフェイローといった超ビッグネームを掛け合わされた代表産駒たちが、連勝している。

久しく父内国産馬はゴールドアリュール産駒以外制しておらず、2013年のマンハッタンカフェ産駒・グレープブランデー以来ご無沙汰。

サンデー系もキングカメハメハもあまり揮わないのだから、そうした傾向を踏まえて、軸馬の選定を慎重にしていきたい。

フェブラリーステークス予想2022 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

すべての常識を敢えて無視して、寛容な心でインティの大復活を期待したい。

インティの血統

父のケイムホーム・Came Homeという馬は、ミスタープロスペクター系の秘める爆発力を体現することなく、肝心のブリーダーズC<ジュベナイル、クラシック>やケンタッキーダービーなどで強豪のひしめく中で、蹂躙された上に、特定の才能を引き出す何かを持っていた。

ヨハネスブルグ、ウォーエンブレムらは日本で種牡馬になったが、ケイムホームの数少ない負け試合で快勝した馬たちでもある。

母父のNorthern Afleetは、自身こそ大した競走成績を挙げられなかったものの、代表産駒として2005年にプリークネスS、ベルモントS両レース圧勝で二冠達成のAfleet Alexを送り出したので、アフリート直系の頼りない、特に日本での発展性の乏しさのようなものを、ちょっとだけ覆したのだが、バンブーエール<アフリート直仔>からでもキャッスルトップというジャパンダートダービー勝ち馬が出たのだから、スケールの差はともかくとして、どちらの国でも位置づけに大差はない。

そういう関係でミスタープロスペクターの3×4が発生するため、ミスプロ系以外のネイティヴダンサー系が、5代内種牡馬だけでも他にKrisとAlyderが母系の遠いところに、ノーザンダンサー・アイスカペイドという<Nearctic×Native Dancer>同配合の種牡馬が、4×(5・6)と配された関係で、タフに戦うために必要な豪傑ネイティヴダンサーの血を、濃すぎずに丹念な組み立てで取り込んだ、意図した配合がインティの武器となっている。

何度もインティの興味深い配合には触れてきたが、綺羅星の如く輝きを放つキングマンボ系<キングカメハメハ-ロードカナロアが代表例>であるとか、近20年で芝もダートにも大物が出たフォーティナイナー系<アドマイヤムーン、サウスヴィグラス>にあまり縁がなく、後者のラインでは地味なトワイニングがノンコノユメを去勢された上で再挑戦の珍しい成功例を出した他に例外もないし、ミスタープロスペクター系全体では、

  • アグネスデジタル <Crafty Prospector・ミスプロ直仔>
  • アドマイヤドン <ティンバーカントリー・ウッドマン系>

ヴァーミリアン <エルコンドルパサー・キングマンボ系>*短命のエルコンドルはキンカメほど産駒を残せず、直系が発展していかなかった

  • インティ <ケイムホーム・ゴーンウェスト系>
  • カフェファラオ <American Pharoah・ファピアノ系>

という、人気の馬の割に、競走能力に偏った成功の突然変異的ナンバーワンホースが変な感じで、歴代ウイナーとして居並ぶ。

インティ自身、この中で唯一のミスプロ同系配合馬で、父の代表産駒というその他の馬と同じ傾向を備えつつ、拘った作りをしたから、かなり癖のある戦績になっている。

これは後述するとして、あまり勝負強くないミスタープロスペクター系種牡馬を得た配合の割に、最初のビッグマッチとして挑戦の2019年のレースを勝てたのは、名手の好アシスト以外にも、本流の大レースでこそ本領発揮の隔世遺伝的要素が強く出ているためだろうと考えられる。

父父ゴーンウェストは、自身は決めきれない競走馬でありながら、芝では直仔にZafonic<2000ギニー・直系も繁栄>、Johar<BCターフ>、直系孫でZarkava<7戦不敗・凱旋門賞も圧勝の名牝>という大物、ダート向き種牡馬にSpeightstown、ゴーンウェストと同じように母系に入って妙に活躍馬が多いGrand Slam、Mr. Greeleyという感じで、棲み処の違いにフィットした特殊な形での活躍の仕方が持ち味になっている。

フェブラリーステークス予想2022 - レース展開と最終予想

1200でとにかく逃げるモズスーパーフレアも長持ちしたが、唯一のビッグタイトルとなった高松宮記念でだけ強かった馬ではない。

中京1800が得意なのに、そこでもその他でもずっと勝てていないインティには、まだまだG1で戦える力は残っているから、好走も好内容ではない勝ち馬に離された近走結果から、思わぬ一変を期待するのであれば、この最初に制した最後の勝利であるフェブラリーSで期待するのも無理筋ではないだろう。

最初にこのレースを制した一戦、また自身最後の勝利となっている2019年のフェブラリーSにおけるインティは、危ない性質を抱えながら、気持ちを引かせずに、強気に序盤で押そうという意図を周囲に見せつけながら、実は中距離戦のミドルペースに持ち込んだいかにも武豊騎手らしい強かな戦略に身を委ねて、素直な自分のまま連勝を7にまで伸ばしたレースであった。

その際の3F~5Fの一般的なマイル戦における水準を求めるために用いる中間の通過ラップは、

  • 2019年 <35.8-48.0-60.2>

→35.4秒で上がって、ゴールドドリームの急追を凌ぎ切る。

他の馬が手出しできない展開であったことは明らか。

一方で、ここ2年のその通過ラップであると絵に描いたように、

  • 2020年 <34.6-46.4-58.7>

→最初に行き脚がつかないのは同じでも、序盤の流れが1秒半違って、途中で逃げることを諦めて惨敗。

  • 2021年 <34.7-46.5-58.5>

→前走で絡まれて惨敗ということと、芝スタートが結局合わないという結論で、最初から差しに徹して6着。

みんなが行くと思う時、ライバルが多いとした時下げることが多いのが武豊の流儀。

こうした気難しい馬でも、ある程度のキャリアがあることを踏まえて、勝負になると考え詰めた結論が道理に合っている時は、大接戦のエリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリー<2001年>であるとか、絶体絶命のスタート失敗から4コーナー先頭で難なく乗り切った天皇賞・秋のキタサンブラック<2017年>など、ハマったのではなくて勝てる勝負に持ち込んで勝ち切る。

その逆が横山典弘であり、彼は差せる武器を敢えて序盤に使って先行させてしまい、後続に絶対届かない安全圏を作ることにかけて、武豊のそれと同様に天才的な技術を誇る。

ある程度騎手に乗り役として判断する猶予を与えてくれる日本では、ルールにうるさい欧州、所詮差しても好勝負が難しくなる北米圏のダートの戦略などとは、実に対照的な競馬のローカルルールが存在する。

そうしたルール作りに早くから率先したリードオフを敢行し、実際に成功例まで作った名手たちの描いたアーティスティックな型は、ある意味残念なことに、もうしばらく続いてしまうのである。

定型としてほしくないはから、子息・武史騎手の菊花賞逃げ切り勝ちをセイウンスカイの時とは違うからと、別の視点からの称賛に止めた父典弘騎手の見解は、実に正鵠を射ている気がする。

と、これまでの差しての苦闘の連続に一定の狙いと成果があったとできる状況にあって、ただここは先行する脚のある馬が登録馬だけとっても、実は前走でスローに近い61.4秒で逃げたソダシが最速の可能性があるという組み合わせ。

遅過ぎて楽に走れることは、古馬であるならむしろ、直線の勝負でマイナスになることは百も承知のインティの差す競馬の型における限界まで知る武豊騎手が、前回以上に控えることはない。

マークされるのはいかにも辛いが、毎年のように好走するチャンピオンズCで走破時計が1秒ずつ落ちていることからも、ずっと勝っていない馬だからこその思い切った策には出やすいから、ますます引く手を想定する必要はないだろう。

ソダシも本当は上手に運ばせる策がフィットする、理想の好位差しを歓迎のマイラータイプ。

そこにスピード型がどう絡むかという構図にあって、本当の適性でカフェファラオが絡んできて、粘り合いを展開すると真の底力をそれぞれが発揮することになる。

気づけば、ほとんどがチャンピオンズCの好走馬であり、ここに出走する中での上位人気馬を買っていることになるが、一時期より、ドバイ志向の馬のステップにならず、また想定の出走プランにそもそも入っていない、余裕ローテ優先でエース級ほど回避の傾向が、サウジC参戦意思の馬の水準が高い<チャンピオンズC1、2着馬は今年も積極的回避>ことでも、なんだかんだでチャンピオンズC優勢の昨年の結果を、ここでも重視したい。

アナザートゥルースも成功した騸馬に入るが、8歳馬にして前走の東京大賞典がG1級レース4戦目という重賞2勝馬。

これを加えて、サウジCのテーオーケインズへのエールとしたいわけだが、このフェブラリーSは今や、怪しげなG1レースに変化しそうな時期に入っていることを指摘すべく、敢えて、若い馬ではなく過剰に人気になるよりずっと買える、JRA重賞向きの性質の古豪を積極的に押さえていきたい。