2023年フェブラリーステークス予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

フェブラリーステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第40回フェブラリーステークス (G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年2月19日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離ダート1,600m
コース左回り
賞金1億2000万円
レコードタイム1:33.5

2023年フェブラリーステークス予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

フェブラリーステークス2023の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ジャスパープリンス田中 勝春牡858.0315.116-800m 52.8-38.1-25.4-13.3(馬なり)
12シャールズスパイトJ.モレイラ牡658.020.26--
23ケンシンコウT.バシュロ牡658.041.810美浦・坂路・良(助手)
800m 53.5-40.2-27.6-14.6(馬なり)
美浦・坂路・良(バシュロ)
800m 55.5-41.5-27.8-14.3(馬なり)
24ドライスタウト戸崎 圭太牡458.03.02栗東・CW・良(戸崎)
6F 80.0-64.3-50.0-36.3-12.2(末一杯)
栗東・坂路・不良(戸崎)
800m 54.1-39.8-25.4-12.8(馬なり)
35オーヴェルニュ福永 祐一牡758.072.613栗東・CW・良(福永)
4F 55.0-38.0-11.5(馬なり)
-
36メイショウハリオ浜中 俊牡658.09.33栗東・坂路・良(菱田)
800m 51.9-38.0-24.7-12.1(一杯)
栗東・坂路・不良(菱田)
800m 53.5-39.0-25.5-12.5(馬なり)
47レモンポップ坂井 瑠星牡558.01.91栗東・坂路・良(助手)
800m 60.7-44.2-28.6-14.0(馬なり)
-
48アドマイヤルプス内田 博幸セ658.0188.514美浦・坂路・良(助手)
800m 54.0-39.2-25.5-12.6(馬なり)
美浦・南W・良(内田博)
6F 84.2-68.4-53.8-38.6-12.2(直強め)
59ショウナンナデシコ横山 武史牝656.0 23.78栗東・坂路・良(助手)
800m 51.1-36.7-24.3-12.3(一杯)
栗東・坂路・不良(助手)
800m 53.4-37.6-24.3-12.0(末強め)
510テイエムサウスダンC.ルメール牡658.022.57美浦・坂路・良(助手)
800m 61.4-45.3-29.9-14.9(馬なり)
美浦・坂路・良(ルメール)
800m 53.1-38.5-24.8-12.6(強め)
611ソリストサンダー菅原 明良牡858.031.99栗東・CW・良(菅原明)
6F 78.9-64.7-50.8-36.8-11.6(一杯)
栗東・坂路・不良(助手)
800m 52.2-38.1-24.9-12.6(馬なり)
612セキフウM.デムーロ牡458.049.611栗東・CW・良(助手)
6F 84.7-68.2-52.4-36.8-11.3(強め)
栗東・坂路・不良(助手)
800m 54.3-40.2-26.0-12.6(末強め)
713スピーディキック御神本 訓史 牝456.015.95浦和・ダート・良
5F 67.4-52.3-38.9-13.2(一杯)
-
714ヘリオス武 豊 セ758.053.012-栗東・CW・不良(助手)
6F 81.6-66.3-51.4-36.9-11.8(強め)
815レッドルゼル川田 将雅牡758.014.64栗東・CW・良(助手)
6F 81.7-65.3-50.8-36.4-11.6(馬なり)
栗東・CW・不良(助手)
5F 70.4-54.1-37.9-11.4(直強め)
816ケイアイターコイズ横山 和生牡758.0235.915-栗東・坂路・不良(助手)
800m 54.8-39.9-26.1-13.1(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回1回0回16回15%20.0%20.0%
先行馬9回7回7回56回11.4%20.3%29.1%
差し馬6回8回10回92回5.2%12.1%20.7%
追い込み馬2回4回3回92回2.0%5.9%8.9%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回1回1回35回2.6%5.3%7.9%
2枠4回2回3回30回10.3%15.4%23.1%
3枠2回2回3回33回5%10%17.5%
4枠1回4回2回33回2.5%12.5%17.5%
5枠1回4回5回29回2.6%12.8%25.6%
6枠4回0回3回33回10.0%10.0%17.5%
7枠3回4回0回33回7.5%17.5%17.5%
8枠4回3回3回30回10.0%17.5%25.0%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ヘニーヒューズ39回37回32回210回12.3%23.9%34%
ゴールドアリュール21回13回14回143回11%17.8%25.1%
ロードカナロア21回11回17回124回12.1%18.5%28.3%
キングカメハメハ18回24回19回137回9.1%21.2%30.8%
パイロ13回14回12回133回7.6%15.7%22.7%
ドゥラメンテ13回10回8回57回14.8%26.1%35.2%
アイルハヴアナザー12回13回13回123回7.5%15.5%23.6%
ドレフォン11回4回5回49回15.9%21.7%29.0%
キンシャサノキセキ10回15回11回91回7.9%19.7%28.3%
ジャスタウェイ9回8回7回79回8.7%16.5%23.3%

2023年フェブラリーステークス予想 - 過去10年のデータ傾向

5歳馬のための念押しテストのようなレースなのに、登録1頭のみでは、怪しい雰囲気

レモンポップは回避含みで慎重な選択の末、鞍上を変更した上での参戦となりそう。
ギルデッドミラーのようなこともあるから<クラブの規定で、6歳牝馬は間もなく強制退場となるため、引退の選択肢しかなかった>、慎重に越したことはない。
若き指揮官である田中博康調教師のいかなる判断に対しても、ここは大いに支持したい。

あとは、コパノリッキーもカフェファラオも、近走浮き沈みのある、不安定な内容にも関わらず、しっかりと連覇をしたのだから、キャリア10戦完全連対のオープン馬ということで、その実力を疑う必要もないが、しかし、これ1頭しか出てこないどころか、自分だって、直前にどうなる判らない不安を残したローテでもある。

買いたいのは山々だが、地味に他との力関係で見えづらい、フェブラリー適性のようなもので、意外な結末の方にかけるのは悪い手ではない。

人気になった以上は、総マーク覚悟で正攻法しかないレース

レモンポップは人気になるが、ギルデッドミラーの回避により、確実に…、という感じ。
若いとは言っても、しっかりとした騎手としてのキャリアを国内外、自身のルーツである大井でのG1勝ちの記録も残した坂井瑠星騎手が、今回どうこうという話ではない。

どんな一流の乗り手を連れてきても、相性だって影響してくる。
ただし、福永騎手はカフェファラオに初騎乗で圧勝という昨年の結果を踏まえたら、問題は少ないような気もするが、残念ながら、三冠馬の背を知る名手が、このクラスの馬に乗って、2番人気での参戦。
キャラ的に、他のことを考える余裕がないから、全て勝つためのことに集中できたという見立てもできる。
レッドルゼルは対して、距離不安を抱えて、ほぼ正攻法の戦いで挑み、結果としては過剰な支持で、掲示板にわずかに届かず。

その前がG1キャリアに関係なく、1番人気の馬にA級キャリアのS級ジョッキー騎乗で、過剰人気のプレッシャーを常日頃から味わっている人に、レースの格はあまり関係ない。
オープンの一流どころほど、個性的な面が乗り難しくさせるという部分が影響するのみで、ダート戦らしく、潔く積極策をとって勝っているから、坂井騎手はよく学ぶべきであろう。

わかっていても買いたいのが、根岸S勝ち馬

で、もう一丁レモンポップなのだが、昨年のレッドルゼルがいるせいで印象が悪いものの、モズアスコットもモーニンも外国産馬で、前走ダートにおける初重賞制覇で、全てが共通。

その他、敗れた面々でも、カフジテイクやテイエムサウスダンも馬券内。
消えることも多いスピード型も多く、コパノキッキングなんかはキャラが強すぎて、藤田菜七子騎手云々の馬ではないから、5着なら上々。
スケール的には、そのキッキングよりは上で、相対的な能力評定でも連勝した先輩外国産馬とも見劣りするどころか、もっと上のクラスという見方が合って不思議ないレベルであり、消しても胃に悪いだけであろう。
消して勝たれた日には、本当に胃に穴が開いてしまう。

裏テーマの4歳馬の勢いを買うという手段は、あながち無理筋でもない

カフェファラオ、コパノリッキーだけでなく、路線の総統括を担うことになるゴールドドリームも勝っているのだから、若すぎるということはない。
ただ、10年4勝はさすがに偏っているので、次期エース級ならば…、という条件は付く。
道悪だと高確率で4歳馬が勝っているので、予報も重要。

カフェファラオに馬場質は関係なかったが<馬場差は大きかったが、昨年連覇時は前年のタイムをコンマ6秒更新しただけで、そもそものスピード能力が傑出していた>、大体は、走破タイムは遅くなる。

芝スタートの大レースという異質な競走であるフェブラリーSというのは、スピーディキックのような高速戦のキャリアの乏しい馬でも、かつてはトーシンブリザードという天才を世論が歓迎し、異能の競走馬・アグネスデジタルの続く2着へと誘ったこともある。
この年は、凄まじいメンバー構成だったので、後年のフリオーソよりも遥かに評価できる。
その点、地方でも東京でもスピード勝負への適性を示しているドライスタウトは、若さも実力そのものでも好勝負の可能性があり、前走敗戦が58による影響大としたなら、みんな58のここは有利。
55でもほとんど初ダートのようなものだったソダシが来たから、現状相対的にみて、現状は2.5kgほどの斤量利があるスピーディキックも面白い。
こちらこそ、買うならここ。

2023年フェブラリーステークス予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

俺の時代を作るという気概がある馬に、このレースがあることを示してくれそうなのは、実はこの馬なのでないか

ドライスタウトの血統

シニスターミニスターの母母母父と母父アフリートがミスタープロスペクター直仔であるため、この5×3が発生。
母系にはヘイルトゥリーズン系のフジキセキとリアルシャダイが入り、シニスターミニスターの母にもヘイルトゥリーズンのクロスが生じているが、あまり効果があるものとも言えない。

シニスターミニスターはスターホースであるテーオーケインズの父として知られ、他には、2019年浦和開催のJBCレディスクラシックを制したヤマニンアンプリメ<この年は1400Mで施行>も出しているが、前者はマンハッタンカフェがブルードメアサイアーで、後者はその父であるサンデーサイレンス肌という配合。
芝専門はまず出さない、ほぼ徹底したダート専門型であるにも拘らず、日本に溢れるサンデーサイレンスの血を味方につけることに成功している。

一応、そのサンデーサイレンスの血が母母父父なのだから、そこは一安心。
第一、ドライスタウトはすでにG1級競走を制している。
あとは、ここで何度も激闘を繰り広げたシニスターミニスター産駒の二枚看板であるインカンテーションが、上位獲得賞金馬の中で唯一、サンデーサイレンスの血が入っていないわけだが、これがまた意外にも、その他の活躍馬とは異なり、ベースとなる母親の構成が、芝向きのマキャヴェリアン×ポリッシュプレセデントで、賑やかしでJCに挑んでくる怪しげな欧州調教馬のような配合。
牧場もそうしたダービーをいずれはという期待を込めた輸入繁殖だから、シニスターミニスターで当たるとは思っていなかったはずだ。
血統的には、高速戦も多いフェブラリーS向きの性質を持ち、短距離型のイメージがある戦績も、返って味方につけられそうなところも魅力か。

3走前の園田で、それこそ、皐月賞を楽勝はしたものの、落馬寸前という感じで何とか乗り切ったディープインパクトのようなスタートとなった時以外、前走で進路選択がうまくいなかった2着を除くと、1200~1600で4勝、また全勝という記録を誇るドライスタウトに、大きな死角は見当たらない。

関西馬ながら、東京は1400のみも、最も適性を感じさせる内容で2戦とも、ほぼ他馬を相手にしていなかった。
最初の1勝クラスでは、後に3勝クラス以上にまで上がってくる活躍馬多数であったと、今となれば気が付くし、前走のすばるSで敗れたバトルクライは厳しいローテでも、根岸Sで上位争いに加わってきた。

ただ、負けてしまった理由は単純で、自分のレースセンスの良さ以上に、すぐ外で理想の展開に持ち込もうとするケイアイターコイズ<直後にオープンを勝利>が終始被せてきて、主戦の戸崎騎手をやきもきさせている内に、天下の川田様騎乗のバトルクライが自分に有利な進路取りをしてきたから、出し抜けを食らってしまっただけ。
斤量設定も変更され、その影響とは少々関係ない気もする58は当然初だったが、終いは確実というドライスタウトは、この日も前に迫ってきていた。
いかにも揉まれて脆い、単調で凡庸な面を併せ持つボールドルーラー系ではない。

しかし、もっと感じていることとして、終いの伸びの根拠はそもそも、キャリアの半数以上を使ってきた1400M以下の適性より、はるかに、結構な楽勝に見えた全日本2歳優駿の1600Mの方に、より本質的なコアゾーンがあるように思えるのである。
何しろ、1400はおろか、通常のマイル戦は1分40秒超えの川崎戦を、稍重ながらも39秒台で乗り切り、それまでのスピード前回の戦法に輪をかけた4角先頭の強気にも思える勝ちに出た作戦で、追い詰めてきたコンバスチョン<直後にヒヤシンスS勝ち>を、最後は少し突き放している。

重馬場以上に渋る年もあるが、稍重開催ということではなくして、オールタイムスチャンピオンとなる唯一の1分40秒未満の走破タイムであり、それと2馬身半差でもレコードに変わりないコンバスチョンが、東京のマイルで結果を残したことが、全てを示している。

2023年フェブラリーステークス予想 - レース展開と最終予想

幸運というべきか、強敵であっただろう武蔵野S勝ちでNHKマイルC好走歴もあったギルデッドミラーの引退が決まった。
適性は似たような感じで、乗っている騎手も同じだったレモンポップや同期の快速系から真のエースになりかけているスピーディキックという華やかなスター候補もいる中、彼の持つポテンシャルは、砂の2歳王者にしてフェブラリーS勝ちのアグネスデジタルだとか、船橋のエースとして、最も厳しい条件のフェブラリーSで2着に入ったトーシンブリザード、フリオーソら、JRA勢にとって手ごわすぎたスターホースらと肩を並べるレベルにあることは確かだ。

何しろ、馬場質は差があっただろうが、同じ稍重で勝った昨年のデルマソトガケは、このドライスタウトと4秒ほど遅れて、それでも勝ったことになる計算。
彼が日本馬にはいい結果の続くサウジダービーを、フェブラリーSの翌週に制した時、ドライスタウトがどういう立場であるかは重要。
ある意味で、博奕の定石から言っても、今のうちに狙わないと妙味に乏しい今後のキャリアとなっていく可能性さえある。
戸崎圭太が選んだ、という以上のインパクトが既にあるこのドライスタウトは、間違いなく、次期エース候補である。

ギルデッドミラーが今度は少し多く買われるという算段で、レモンポップ推しを敢えて狙った手前、お嬢・スピーディキックさんに代打をお願いしたため、旨味に乏しい買い目が決定。
地団駄踏んでも仕方ないから、超伏兵が思いつかなかったこともあり、大人しいフォーメーションで、ドライスタウト様になってくることを期待する一戦としたい。