2022年ジャパンカップ予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

ジャパンカップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

ダービー馬と海外馬による夢の競演!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第42回ジャパンカップ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2022年11月27日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,400m
コース左回り
賞金4億円
レコードタイム2:20.6

2022年ジャパンカップ予想 - 予想オッズ/出馬表(馬柱)/出馬予定馬の馬体/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

ジャパンカップ2022の予想オッズと登録馬

枠番馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11シムカミルG.ブノワ牡355.071.613-東京・ダート・不良(ブノワ)
3F 41.4-12.9(馬なり)
12オネストC.ルメール牡355.021.87-東京・ダート・不良(ルメール)
3F 45.5-15.1(馬なり)
23ヴェルトライゼンデD.レーン牡557.09.24栗東・坂路・良(レーン)
800m 51.1-37.0-24.0-12.0(強め
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.5-38.1-24.7-12.2(強め)
24トラストケンシン丸田 恭介牡757.0380.318美浦・坂路・良(丸田)
800m 56.9-40.2-25.8-12.5(馬なり)
美浦・坂路・重(丸田)
800m 54.5-39.3-26.1-13.1(馬なり)
35グランドグローリーM.ギュイヨン牝655.072.014-東京・ダート・重(助手)
5F 72.8-56.2-40.6-13.5(馬なり)
36ヴェラアズールR.ムーア牡557.04.53栗東・CW・良(松山)
6F 79.9-65.3-51.4-36.6-11.4(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
6F 81.8-66.7-51.8-36.5-11.3(強め)
47テュネスB.ムルザバエフ牡355.029.99-東京・ダート・不良(ムルザバエフ)
5F 15.7-14.6-15.4-16.0-16.6(向正面ナリ)
48デアリングタクトT.マーカンド牝555.014.25-栗東・坂路・良(助手)
800m 54.3-38.2-25.0-12.6(馬なり)
59ユニコーンライオン国分 優作牡657.081.315-栗東・CW・良(国分優)
6F 84.9-69.5-54.3-38.9-11.7(馬なり)
510ハーツイストワール武 豊牡657.031.510-美浦・坂路・重(助手)
800m 53.3-38.7-25.4-12.9(一杯)
611カラテ菅原 明良牡657.050.812栗東・CW・良(助手)
5F 69.4-53.8-38.6-11.7(G前一杯追)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.5-38.1-24.9-12.3(馬なり)
612シャドウディーヴァ松山 弘平牝655.0206.716美浦・坂路・稍重(助手)
800m 54.8-40.2-25.8-12.4(キリ不明)
美浦・坂路・重(助手)
800m 54.1-39.7-25.8-12.6(一杯)
713テーオーロイヤル菱田 裕二牡457.037.011-栗東・CW・良(菱田)
7F 97.6-67.0-52.6-38.5-12.1(馬なり)
714ダノンベルーガ川田 将雅牡355.03.42美浦・南W・良(ムーア)
6F 84.6-67.8-52.0-36.6-11.4(馬なり)
美浦・南W・重(助手)
5F 71.0-54.3-38.9-12.1(馬なり)
715シャフリヤールC.デムーロ牡457.02.81栗東・芝・稍重(福永)
5F 66.8-51.6-37.7-11.2(馬なり)
栗東・坂路・良(C.デムーロ)
800m 54.7-39.5-25.1-12.1(馬なり)
816リッジマン石川 裕紀人 牡957.0251.917-水沢・ダート・良(菅原辰)
4F 51.9-38.9-12.4(馬なり)
817ユーバーレーベンM.デムーロ牝455.021.26美浦・南W・稍重(助手)
5F 68.8-53.1-38.2-11.9(強め)
美浦・南W・重(津村)
6F 83.0-68.0-52.6-37.8-11.8(G前仕掛け)
818ボッケリーニ浜中 俊牡657.024.08栗東・CW・良(浜中)
7F 97.9-66.3-52.1-37.0-11.5(一杯)
栗東・CW・良(浜中)
6F 85.2-68.9-53.2-37.5-11.3(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬2回1回1回18回9.1%13.6%18.2%
先行馬6回8回5回58回7.8%18.2%24.7%
差し馬12回8回10回110回8.6%14.3%21.4%
追い込み馬0回3回4回86回0%3.2%7.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠7回4回3回22回19.4%30.6%38.9%
2枠3回0回4回31回7.9%7.9%18.4%
3枠3回1回5回30回7.7%10.3%23.1%
4枠1回3回3回32回2.6%10.3%17.9%
5枠1回6回1回31回2.6%17.9%20.5%
6枠1回2回0回36回2.6%7.7%7.7%
7枠2回0回3回44回4.1%4.1%10.2%
8枠2回4回1回46回3.8%11.3%13.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト35回27回26回186回12.8%22.6%32.1%
ハーツクライ18回9回9回112回12.2%18.2%24.3%
ルーラーシップ15回13回5回75回13.9%25.9%30.6%
ステイゴールド10回10回4回81回9.5%19.0%22.9%
ハービンジャー9回10回6回65回10.0%21.1%27.8%
オルフェーヴル7回6回8回41回11.3%21%33.9%
ロードカナロア5回2回1回14回22.7%31.8%36.4%
ゴールドシップ4回6回10回46回6.1%15.2%30.3%
ドゥラメンテ4回3回2回17回15.4%26.9%34.6%
人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気8回3回6回3回40%55%85%
2番人気1回5回5回9回5%30%55%
3番人気3回2回2回13回15%25%35%
4番人気4回2回0回14回20%30%30%
5番人気2回4回0回14回10%30%30%
6~9番人気2回3回5回70回2.5%6.3%12.5%
10番人気以下0回1回2回149回0%0.7%2%

2022年ジャパンカップ予想 - 過去10年のデータ傾向

秋天出走馬の取捨のポイントは極めて単純

1989年のオグリキャップ以外は、秋の天皇賞を同年に走っていた馬がこれを前走としないという馬はいても、好走までこぎつけた馬は存在しない。

そうなってくると、まずは連対馬から押さえよとなる。
で、連続連対は2年続いているが、それは三冠馬でありJC好走歴もあった特別な馬。
他に連続して好走の馬は、これも牝馬三冠で前年覇者でもあったジェンティルドンナだけ。
もはや、猛烈な存在のみが通用する特別枠でしかないし、そもそも、そのクラスの馬しか連続好走できるような両レースのレベルではない。

一昔前より独立性が上増しされたような別個のレースになっているから、12F以上のG1で連対歴のあった4歳馬は、前走に関係なくまず一変するし、秋華賞勝ち馬は若いうちに使ってくれば、しっかりとチャンスを得られるという傾向は不変。
同時に、秋の天皇賞を使ってくる以上、人気がなくても20倍前後のオッズに収まっているという傾向から、王道を進む以上は、期待に応えるべき馬を順当に買うための枠としておくべきだろう。
無論、3、5着馬は人気になる事が必至の組み合わせ。
互いの東京での実績からも、軽視する思考が無駄であることは明らかだ。

3歳馬は牝馬狙いが常道と化しているが、春の東京で勝っていれば、大体何とかなる

ジェンティルドンナやアーモンドアイ、負けはしたが強烈な春の天皇賞を戦い抜いた猛者を相手に健闘のレイデオロなど、秋になって多少なりともパワーアップした叩き2、3戦目の世代エースが、結果を残している。
あとやはりという感じで、菊花賞を使った上で勝ち切った馬は近20年で皆無。

中1週のシンボリルドルフ、中4週のコントレイルでも、翌年完勝する前に挑戦した三冠直後の初古馬戦は、いずれも体調面に問題を抱える中、ギリギリ理性を保って無敗ストップでも健闘を見せたというほどに極めてタフ。
菊花賞もポシャって連敗中のジャングルポケットが、ダービー以来の東京で一変したのみ、3歳で勝ち切るには条件が付く。

昔より牝馬の競走馬としての水準がずっと高くなり、牡馬で抜けた存在は、昨年の皐月賞連対馬かコントレイルくらいに限られるのが現状。
53で出られる牝馬が有利なのは明らかで、凱旋門賞と通ずるものが大いにある。

一方、牡馬でも好走した近10年で3頭いる若き挑戦者たちは、偶然か何か、全てダービー馬。
デニムアンドルビーというエリザベス女王杯からの転戦馬も含め、東京の経験のあるエース級を狙うのが筋というのは、まさにこれも王道の組と言える証左になるはずだ。

G1の中のG1であるはずのジャパンCは、4歳以上の馬ほど、フレッシュさが求められる

近10年で5度もの勝ち馬を送り込んだ、当該年G1未勝利の組。
アーモンドアイは例外であり、連覇のジェンティルドンナ、同じ秋華賞勝ち馬のショウナンパンドラ、同じように3歳以来のG1制覇となったエピファネイア、コントレイルなど、G1勝ち馬であっても1年未勝利だったとはいえ、特殊な東京2400というコース設定をプラスに変え、己を取り戻すことに成功してきた。

かえってこれで怪しくなるのが、ドバイで好位抜け出しを決めたシャフリヤール。
2000では普通のオープン級くらいにしか見えなかった前走の内容を、堂々、ダービーレコードウイナーとしてのプライドで完勝して見せたい、父ディープと似たような経緯を辿ったこの良血は、コントレイルを超えることができるか。
そのファクターとして活用可能なこのフレッシュなグループこそ買いの傾向は、悩ましい要素でしかない。

アーモンドアイやその前のジェンティルドンナがキャリアに関係なく、出てくれば2度くらい平気で走るというタフさを見せたが、異様な相手関係で、もはや牝馬の2kg減も最後は活かし切ったトリプリティアラのプライドに倣うと、その方向性で押さえるべきは、むしろ、同じ三冠のデアリングタクトなのかもしれない。
苦しい経過だが、先輩の2度目の制覇直前の天皇賞は、大いに厳しいものがあった。
出てくるなら、開き直りしかない。

強烈な個性を跳ね除けてきたG1勝ち馬にだけ解放してきたJC、その本来の性質が戻ってくるならこの馬も狙い目

近1年で国内中長距離G1を使っていない馬は、唯一、秋の天皇賞、ドバイデューティフリー、極めて厳しい不良馬場だった安田記念を当然のように勝ったジャスタウェイだけ、凱旋門賞を叩き台にして、気合いの2着があったのみ。
無論、こういうタイプはモーリスとかロードカナロアとか、多少のことではパフォーマンスがぶれないエースであるから、闖入者の扱いとなっても、メンツ丸つぶれのひどい敗戦は喫しないもの。

ただ、京都大賞典組はレガシーワールドやマーベラスクラウンなど、トウカイテイオーによる日本調教馬久々の勝利に続いた騸馬のトップホースのためのステップであったわけで、なぜか近年では、サウンズオブアースやシュヴァルグランなど、別に強い勝ち馬がいたのに、長い距離の実績で巻き返した例がある。

ちょっと前までは同じコースのアルゼンチン共和国杯勝ち馬の最終挑戦権確保に期待感が持たれたものだが、今はそうしたことより、一旦体を休めてから作り直せるオールカマー、神戸新聞杯から府中牝馬Sくらいまでの間のG2をステップにする馬が穴人気なってはたまに好走する流れがある。
あくまでステップであり、結果は問わないがある程度の距離適性や東京の実績は重要。
いや、京都大賞典とその前のジューンSも一撃で前を捉え切る軽すぎない切れ味を持つヴェラアズールは、ついこの間まではダートを使われていた一介の条件馬だったのに、ギリギリ除外のない枠に食い込んでいるだけでも、仕上げは万全にできる。

2022年ジャパンカップ予想- 出走予定馬の血統/成績/タイム

夢の続きを息仔に託したエイシンフラッシュが、よもやの場面で送り込んだ傑作による悲願成就の瞬間を、ちょっと見てみたいと思った

ヴェラアズールの血統

一族はムーンインディゴから連なる名血の流れを汲み、母アドマイヤサンデーが体質弱く出世を遂げる前に身を引いたものの、ダービー馬・ジャングルポケットを配された時、牡馬ではフサイチホウオー<重賞3勝、ダービー1番人気>、牝馬ではトールポピー<阪神ジュベナイルフィリーズ、優駿牝馬>という理想のベストトゥベストを具現化することに成功。
トールポピーの妹にはアヴェンチュラ<秋華賞>もいるから、最強の組み合わせとなった。

トールポピーの一つ下のヴェラブランカ<父クロフネ>のまた産駒であるヴェラアズールは、毎年のように12F近辺の大レースでタイトルを競った馬を様々配されたのち、6番仔として、初のエイシンフラッシュ<東京優駿、天皇賞・秋>の様々な記録を作ることになった。
何より、最初の産駒JRA重賞制覇の初。
続いて、ヴェラブランカに種付けされたミスプロ系種牡馬の産駒として、一族最初の重賞ウイナーになったという点。

ジャングルポケットは知られるように、凱旋門賞馬・トニービン最高の後継種牡馬であり、オークス馬のベガもエアグルーヴも繁殖牝馬としても極めて優秀な成績を残したように、その貢献度は高いものの、直系がなかなか繋がっていかなかった。
ところがこのヴェラアズールは全てを配するように、キングマンボ直系の中では今はまだ目立たないエイシンフラッシュから、それも好相性など示さない配合である上に、思い切りドイツの有効な血をかき集められた配合から、凱旋門賞馬・トルカータータッソの半弟・テュネスのような可能性を秘め、東京2400で結果を残して、今がある。

速い馬ではない一方で、父がそうであったように、ドイツの2400適性を秘めた才能はどの国の12F大レースへの相性を好意的に示すかは不明でも、どこかしらに引っ掛かりはあったりする。
不安定な産駒成績にその可能性を求めた時、ブレークアップを千切り捨てた前々走の3勝クラスから、何かに導かれるような結果が続いているようにしか思えない。
ブレークアップがアルゼンチン共和国杯を快勝したことで、その才能は本物であると、皆認めざるを得なくなったのだ。
チャンスを手繰り寄せたその年に勝ち切ってしまいたい。

2022年ジャパンカップ予想 - レース展開と最終予想

ヴェラアズールを買いたいレース、ではある。
彼をタマモクロスに譬えるような声も聞かれる。
何しろ、ダートを使われていた時代は、多くの人の目に触れる存在ではなかったのだから、それは筋違いではない。
タマモクロスは1988年のジャパンCで連勝が止まったが、それまで8連勝。
G1を3勝していた。

しかし、どうせなら勝った馬を比較対象として使いたい。
奇しくも、その10年後にこのレースを制したのが、あのエルコンドルパサーである。
この馬の場合、デビュー2戦と降雪によるダート変更で1600Mと二重の変更になった上に、G3格を与えられないと無茶苦茶な共同通信杯・旧4歳Sまで当時は含まれた を制したキングマンボ産駒。
ダートで3勝のキングマンボ系…。
こっちでいいではないか。

エルコンドルパサーは勇躍、翌春から渡仏し、あの名レースになった凱旋門賞でモンジューとの激闘を演じ、そこで2着に終わるも、有終のラストランと称されるほど、蛯名騎手と共に現地でも高く評価されるのであった。
ちなみに、ややガス欠気味だったモンジューは、少々無理をした中で来日し、1年前はエルコンドルパサーにコテンパンにやっつけたスペシャルウィークが、代理で敵討ちをすることになった。
武豊騎手にとって、これが初のジャパンC制覇。
ユタカジョッキーには数少ない、同期のエビちゃんに先を越された大レースにひとつとして有名でもある。

24年が過ぎた。
蛯名正義調教師が誕生し、スペシャルウィークは母父として、このレース独走のエピファネイアをとっくの昔に送り込んでいる。
ただ、あのエルコンドルパサーの時代のように、双璧を成した米国産馬・グラスワンダーの孫がモーリスということで、ディープインパクト<武豊騎手しか乗りこなせなかった三冠馬>の牝馬の傑作・ジェンティルドンナとの組み合わせで、つい先日、ジェラルディーナという新たな名牝が誕生したばかりで、やけにホット。

何より、キングマンボ系最右翼にして、エルコンドルパサーと同じく早くに旅立ってしまったドゥラメンテの産駒が、今年は春の天皇賞と宝塚記念・タイトルホルダー、桜花賞とオークス・スターズオンアースとガッツリ日本の主要競走を押さえているだけでなく、ジオグリフとソダシ、ダノンスコーピオンらが父父と母父との差異はあれど、皆キングカメハメハ<キングマンボ直仔>の孫にあたるG1勝ち馬であるから、例外はかなり少ない。

それなら、デアリングタクトにだってテーオーロイヤルだってチャンスだし、スタニングローズと同じキングカメハメハ直仔のボッケリーニも、兄であるラブリーデイと似た雰囲気が出てきた今なら、大物食いに好機ありとみることも無理筋ではない。
カラテとトラストケンシンは東京の適性と、もうちょっと除外や回避があるならという条件付きで、大穴のファンがひっそりと押さえたい伏兵。

だから、堂々といけそうな馬までは見当たらない。
アーモンドアイやレイデオロが人気になっては、様々なパフォーマンスで賑わせていたから、全くここに縁がないわけではない系統。
変わり身を見せた東京の破格のパフォーマンスは、まるで流れに乗っているように見えなかった京都大賞典で、余裕の仕掛けから、あっという間に内に切れ込みつつ、目標になったはずのボッケリーニを置き去り。
まさに、このレースに挑む拡大枠・ワイルドカードの挑戦者に相応しいパフォーマンスである。

この大舞台でも崩れる気配がなくなった今、課題は鞍上の選択のみとなった。
一応、前回テン乗りだった松山騎手で固まりつつあったが、デアリングタクトの半ば強引な令和的連闘策で、参戦決定となれば、こちらはさすがに引かざるを得ない。
一方で、ムーアや新顔のマーカンド、歴代優勝騎手である福永・池添・岩田父まで拡大していくと、軋轢の生まれない形でのピンポイントチェンジはいくらでも可能ではあった。

正直言うと、誰でもいいわけではないのだろうが、岩田ジュニアでもルメールでも、心中複雑でも勝てると思っているだろう松山弘平にしても、芝で勝った時の鞍上が、完璧に乗りこなしたというよりは、馬が素晴らしく芝向きにパンプアップを果したという強烈な内容であるから、固定すべきとしつつ、出はやや甘く、そろそろちゃんとスタートも決めそうだが、一方で、誰が乗ってもその辺りの伸びしろの点は穴埋めしきれないとした時、G1勝ってるなら誰でもいいじゃないか…、という強引な論法は通るのかもしれない。

マーカンドはともかく、JRA所属騎手で大きなタイトルを得ていなかった若い騎手で優勝の記録はなく、不動の主戦か誰が見ても勝者に相応しい人馬であったというケースがほとんど。
日本人騎手で初騎乗馬とのコンビで勝利の記録は皆無だから、不安は多いのだが、5走続けての乗り替わり必至の現状、誰でも乗ってくれよ状態。
結局、クールモアなどのしがらみが生じない状況で完全フリー状態であったムーア騎手に、漁夫の利が生じた格好。
筆者、ただもらいの一戦に思えてならないのだが、そのためには、サリオスで納得の競馬をする必要があるか。
長期JRAG1未勝利の騎手に縁のないレース。
人馬とも、そうした流れを作ってから勝ちたい一戦なのである。