ジャパンカップ2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着カランダガン(6.2倍)2着マスカレードボール(2.5倍)3着ダノンデサイル(5.0倍)
| レース名 | 第45回ジャパンカップ |
| 日程 | 2025年11月30日 |
| 優勝馬 | カランダガン |
| 優勝騎手 | M.バルザローナ |
| 勝ちタイム | 2:20.3 |
| 馬場 | 良 |
| 3連単配当 | 11,070円 |
ジャパンカップ2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
| 着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 8 | カランダガン | 2:20.3 | - |
| 2 | 15 | マスカレードボール | 2:20.3 | アタマ |
| 2 | 14 | ダノンデサイル | 2:20.8 | 2.1/2 |
| 4 | 2 | クロワデュノール | 2:20.9 | 1 |
| 5 | 1 | ジャスティンパレス | 2:20.9 | クビ |
| 単勝 | 8 | 620円 |
| 複勝 | 8 | 210円 |
| 複勝 | 15 | 120円 |
| 複勝 | 14 | 180円 |
| 枠連 | 4-7 | 740円 |
| ワイド | 8-15 | 520円 |
| ワイド | 8-14 | 740円 |
| ワイド | 14-15 | 320円 |
| 馬連 | 8-15 | 1,180円 |
| 馬単 | 8-15 | 2,370円 |
| 3連複 | 8-14-15 | 1,930円 |
| 3連単 | 8-15-14 | 11,070円 |
ジャパンカップ2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「本当に嬉しい気持ちで一杯です。今回の目標に掲げていた勝利を達成できました。馬も自信を持っていましたし、能力のある馬だということを世界に改めて示すことができたと思います。最後は一騎打ちになりましたが、彼はベストな努力をしてくれました。シーズン当初から大きなレースを勝っていましたし、いい形で今回来ることができました。タフな馬だと思いますし、彼に騎乗できることを光栄に思います。応援ありがとうございました。また来年戻って来られればと思います」
※優勝した騎手M.バルザローナのコメント(カランダガン)
ジャパンカップ2025 - レース結果動画(YouTube)
ジャパンカップ2025 - 回顧
父については、新潟2歳S勝ちのショックアクションが日本の代表産駒であるからというだけでは根拠は弱いのだが、母父のシンダーは、連覇を目指したモンジューの出てきた凱旋門賞馬のシンダーであり、ダンチヒの系統・直系、スピード能力の差を見せつけた完勝劇でもあった。
時代を経て、ストームバードから英オークス快勝のバランシーンが出たように、ストームキャット<ストームバード直仔>からはおなじ北米産のジャイアンツコーズウェイが出現し、マイルから10F路線で活躍。 この血を父母父に持つことで、速い方の凱旋門賞馬のシンダーと、ロマンチックウォリアーがメガヒットのアクラメーションが母父というう配合は、以下にも単純すぎて、体も寸が詰まって、10F向きにも思えたのだが、ブリティッシュチャンピピオンウイナーとエンペラーズカップウイナーの一騎打ちになるとは、思いもよらず…。 昔のジャパンCというよりかは、有力馬が多く集まった80年代後半から90年代中盤までの間のジャパンCのようであるという見立てをするならば…。 筆者、切腹もののジャパンCだったと、ただただ後悔するのみである。
速いペースで力を発揮するのは、適距離が2400という感じの馬に思えたもだから、20年前のアルカセット<フランキー騎乗、お馴染みのキングマンボ直仔>と、欧州最強には違いないカランダガンの実力を見比べら時、速さが明らかに足りないと思えたが、それよりも速さが目立ったということなのだろうか、高速の展開で、本能的に能力を全開させたように思えた。
ところが、これには色々なトリックがあって、天皇賞の結果がフロックではないと証明したマスカレードボールは本物の強さを見せつけたと同時に、ダノンデサイルがゴール後バランスを崩して戸崎騎手が落馬してしまった<リーディング争いをリードし始めたルメール騎手と共に接触、お互いに落馬>ような激しい競馬を、1800のメガモンスターと化した、菊花賞でも爆逃げを敢行していたセイウンハーデスの安田記念並みのハイペース進行で、レース全体が揺れ動いたようなところがあって、そこから、本質的にはズブ<前半はゆったり進行の欧州型>でも、後半勝負型の強みを全開にしたカランダガンの持つうる総合力が、まさに完全開放のような末脚炸裂で、古馬なら競り負けることのない、騸馬の底力、欧州本格派が備えているはずの勝負根性も遺憾なく発揮という展開に、レコードのおまけつきだから、多くの競馬ファンが泡を吹いたわけだ。
コース取りは兎も角、マスカレードボールにもカランダガン<フランスで結果を残していたルメールとバルザローナのぞれぞれ騎乗>にもきっちりマークの上で、かなり進路選択の自由を奪われた上に、ややわがままなところが出てきたダノンデサイルは、相当に厳しい状況に追い込まれら上に、同期のシンエンペラーなどに相応の妨害をしてしまった関係で、レース全体の決着、確定に時間を要する原因にもなっていたが、休み明け云々以前に、動きがいくらか鈍かったというよりも、あの激流となった皐月賞の経験がなかったということが、結果として、このジャパンCの敗因にもなってしまった印象。 どこまでの怪我なのか不明だが、何とも、気の毒なほどに、厳しい展開で、人気になりすぎたわけでもないのに、割を食ったように思えた。
一方で、正攻法の抜け出しのいったん成功のように思えたクロワデュノールは、展開が力勝負なら、むしろ歓迎であったが、動き出しが有力馬で真っ向勝負の形になったから、1989年のホーリックスやオグリキャップの争いになった時より、皆が相応のスピード能力を秘めているから、この時のパターンは当てはまらない展開となって、差し馬の追い出すタイミングのマーク対象になってしまった。 3歳馬なら、まるで問題のパフォーマンスなのだが、スタミナが切れていたダノンデサイルとの勝負に屈したのは、いくらか順調さを欠いた秋シーズンの死角も出たようなところがある。
ジャスティンパレスもブレイディヴェーグもしっかり追い込んできたが、決め手比べ云々以前に、芝の強烈に過ぎるほどの決め手比べにおいて、欧州の本格派が、日本の得意な展開に対応しきった時に、突如として、日本の馬の様に鋭く反応するということは想定していたわけだが、今年の凱旋門賞で、人気のミニーホークを破ったのが、悲願の制覇となったこのバルザローナ駆るダリズであったというヒントを見直したならば…。 乗れていたミカエル・バルザローナは、一時期、クリスチャン・デムーロとの厳しいリーディング争いで正真正銘のライバル、それも、ルーツがフランスではないもの同士の争いで、ジャスティンパレスにクリスチャンが乗り込むということでも、土曜日から燃えるものがあったはずだ。 クリスチャンは京都で要を済ます土曜となったが、日曜にまで、既定で乗れる全ての騎乗は東京になってしまうバルザローナ騎手は、そんな平場の競馬でも全力勝負であったから、トップ騎手は素晴らしい。
この辺りの気合いの差に、古馬の意地、欧州競馬の進退をかけたようなところのあるバルザローナ騎手とカランダガン<グラファール調教師も、その血統もということもなる>の底力に、日本競馬全てがねじ伏せられたような結果にも思えた。
終いのラップは、 11.8-11.5-11.3 という、いかにも欧州的な展開。 無論、マスカレードボールのポテンシャルとカランダガンのえげつない勝負強さが絡むことで生じた、奇跡的なラップであるわけだが、あり得ない高速ラップ。 世代の底力勝負をこの東京2400で勝ち切ったという3世代のダービー馬が連に絡めない代わりに、そうした場面で勝ち切れなかったなどという、縁のなかった連中のワンツー。 菊花賞で惜しい3着だったジャスティンパレスも上位に食い込んでいるから、当然の底力勝負ではあったわけだが、ほとんどの馬はわき役に徹するか、引き立て役になったわけであって、どうやって、勝ち馬と僅差の2着となった若き勇者の正当な評価にすべきなのかとなった時に、5F目から12秒以内のラップに展開にして、11.0秒と発生する展開となったアーモンドアイの歳時のジャパンCくらいしか、この展開になっていないというのが、明快に答えに思える。
この際の2着は、レースを終始牽引していた、4歳秋で復活の菊花賞馬・キセキ。 彼のラップがそのまま、世界レコード扱い<世界的には今年の記録も2018年の記録も、100分の1秒までカウントする計時ではないため、実質的に無効>となった時に比して、今回は、津村騎手とセイウン ハーデスの5F前後の通過タイムが、 46.0-57.6-69.2
という最近では、あまり見たことのない意味の分からない前傾なのに、後半も速い…。 まさに、イクイノックス以後、以前の競馬のトレンドを捉えているかどうかが、日本の騎手の頭の中にあったかどうかが、一つのポイントで会ったとするならば、先入観のないバルザローナ、よく理解するルメールのワンツーは、関係者自身の能力や勝負勘も関わっていたような部分も感じる。
欧州圏で、正面突破の王者とはならなかったカランダガンが、去勢をしているという理由で、底力全開となった今回。 ルグロリューのジャパンC制覇の時の3着が、あのスクリーンヒーローの祖母であるダイナアクトレス<かなり惜しい内容>という縁で、ノーザンテーストの血を持つドゥラメンテ産駒のマスカレードボールというところに、狙いの本質を求める手はあったが、あの時の様に、本当の底力が求められる場面では…。 当時のジャパンCは、芝のオープンというだけの雰囲気が、欧州勢だけでなく、同じように先行していたオセアニアや北米の組みにもあったというところで、登録予定の4頭のうち、3頭が諦めたというところで、本命軸・欧州代表のカランダガンだけになった<他の陣営はほとんど諦めた感じもある>ことで、あのフォーエバーヤング現象が起きたとするならば、合点も行く。 競馬は続くが、この逆襲に日本競馬が恐れおののくならば、凱旋門賞制覇は遠のく。 ここ2年で、カランダガンが現役中のところでアークを勝たねばいけ以内と、この結果から学ぶことは多かったように思う。 追い詰められた時、本当の底力が発揮される。 差し迫った脅威を感じたその刹那、勝ち切る何か大きな武器を秘める面々が、日本勢総崩れの凱旋門賞好走馬の中にもあるのだから、カランダガン以外にも注意すべき存在は、まだ残っていると思いしらされた、反省のジャパンCにもなった。


