マイルチャンピオンシップ2018 予想

昨年の皐月賞馬であり、ダービー馬なら目指す秋の天皇賞では、前哨戦の時点からがっつりとやりあい、連敗しながらもしっかりとした内容の結果を残したアルアインが、ちょっと妙味ありの状況にある。

今更ながら、北村友一騎手から川田騎手にスイッチする形でベストの選択とは言えないところで、実は、京都でどれだけやれるか、という勝負がこれまで多かったようであまり目一杯戦えるレースもなかった気がする。

新馬が内回りのマイル戦。ムーアで快勝した。

その次は不利のあったシンザン記念。重馬場も堪えた。

そのまた次があの菊花賞。掛かるとかどうとかそれ以前の消耗戦。

なのに、また明け緒戦の京都記念も極めてタフな重馬場。

【1102】

外回り全敗という実績は、クラシックホースとはいえ、あまりにざっくりとした評価である。

むしろ、これまで蓄えてき�た中山、阪神での実績が、本当は得意なはずの京都で爆発するのではないか。

ふとそう感じたのが、好位からややモタモタして外に出したダービーなど、オールカマーや天皇賞といった、レイデオロが輝いた場面でのアルアインを振り返った時だ。

血統的には、ディープインパクトとその姉のレディブロンドという繋がりが互いにあり、棲み分けをしたら仲間になることはある。

ただし、皐月賞で先着した後は、自身が勝つということはなかった。

が、京都記念はちょっと違う。

秋のレイデオロではなかったにしても、最後はレイデオロを呑み込んで、道悪巧者のクリンチャーにかなり迫ったのだ。

ディープインパクトのこの中でも、母系がアメリカンなダート血統の組み合わせで、自身は芝馬としては大型の500kg超。

明らかに中距離までの馬で、2000以上で詰めが甘くなるのは、適性がより顕在化する4歳秋であれば、成長力で上回るレイデオロに長いところで挑むこと自体厳しいのだ。

充実期のマイラーなら、スペシャルではない中長距離馬くらい負かしてしまうものだが、苦しい経験をして一皮むけたダービー馬は、さすがの底力を見せている。

だから、京都記念の結果は、今のアルアインにはとてもプラスであり、彼も香港で厳しい戦いを経て、今まで以上に積極的な競馬で底力勝負歓迎のクラシックホースになろうとしている。

そういう自身の現状に対し、レーヌミノルやアエロリット、それらをつつけば自分の展開を作れるロジクライが出てきた。

主戦級の騎手が乗れば、引き出しの中から�ベストの選択をするはずだが、これらが皆乗り替わり。

自分がマークされるのは中団なら望むところでも、追われる立場という先行のスタイルは確実に差してくる馬に適任のムーア騎手には、特別の素晴らしいパートナーとはならないのではないだろうか。

引いたらそれは不利であり、行ったらモレイラの作った最高のリズムを崩すことになる。

案外、動くタイプとそうではないタイプで、アエロリットは豊かなスピードの引き出し方に難儀な面があり、また、勝った後の詰めたローテは初めてという死角も重なる。

じっくり仕掛けることはなくても、彼らの存在によって上がり勝負ではなくなることは、少しは走りやすくなるCコースでは、スピードの引き出し方に自在性のあるアルアインのような総合力型のマイラーにぴったりであろう。

京都の加速装置たるあの坂は、ロードクエストにはプラスだった。

似たようなステルヴィオは、追い負けないことを身上とする欧州トップ騎手にはぴったりの差し馬。

こちらも実はマイラーのジャンダルム等、目先を変えてきた本質マイラーを軸に、ハイレベルな決着を富士Sに続いて期待する。

妙味は惜敗の多い馬。昨年以上に混戦になる気もする。ゆったりローテのエアスピネルが、マイルの持ち時計を今年更新した点は、本来力差のないモズアスコット辺りと、オッズ面でのおいしさが間違いなく生まれるはずだ。