中山グランドジャンプ2021 予想

中山グランドジャンプの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第23回 農林水産省賞典
中山グランドジャンプ(J・GⅠ)
グレード重賞(G1)※障害レース
日程2021年4月17日(土曜)
発走時間15時40分
開催場所中山競馬場
距離芝4250m
コース外回り
賞金6600万円
レコードタイム4:43.0

中山グランドジャンプ2021の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)※予想オッズ更新!

枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量)性齢予想オッズ厩舎
1ヒロシゲセブン高田潤63.0kg牡627.0 北出成人(栗東)
2ケンホファヴァルト熊沢重文63.0kg牡818.7 森秀行(栗東)
3タガノエスプレッソ平沢健治63.0kg牡917.4 五十嵐忠男(栗東)
4オジュウチョウサン石神深一 63.0kg牡10 4.4和田正一郎(美浦)
5マイネルプロンプト北沢伸也 63.0kgセ942.6坂口智康 (栗東)
6メイショウダッサイ森一馬63.0kg牡81.3 飯田祐史(栗東)
7スマートアペックス中村将之63.0kg牡421.1浅見秀一(栗東)
8シンキングダンサー五十嵐雄祐63.0kgセ824.1武市康男(美浦)

中山グランドジャンプ予想 - 過去10年の結果と傾向

妙味があるかはわからないが、オジュウチョウサンの単勝オッズが2倍台中盤より売れていないなら、そこに賭けるという狙いがあってもいい。
メイショウダッサイの方が、3連単の買い目に工夫を凝らすだけの崩れない根拠があるからこそ、こういう考えで絞る手も選択肢に加えたい。

ペガサスジャンプSを叩いて参戦の外国馬がいないなら、暮れの大障害組が他の追随を許すことはない

オジュウチョウサンとその仲間たちがオリンピック開催ひと回り分以上の期間、ずっとその序列の通りに決着してきた影響は大きく、1番人気が当たり前のように勝っているのと同時に、中身はほとんど変わらず、コースも基本的に何も変化しない中山で、また4か月ほどの間隔となれば、当該年の中山大障害は別として、ついこの間やったばかりの前年の大障害と、大きな勢力図の変化が起きるならば、混戦の上で波乱が起きたということ以外では、上位入線組の全回避でもない限り、まず揺らぐことのない傾向。

で、最近は有馬記念なり、暮れは平地競走を使うことが定番と化していたオジュウチョウサンが大障害に出ていなかったにもかかわらず、馬券内の馬とそうでなかった馬との差はあまりにも大きい。
今年は少頭数。
該当馬は、

・メイショウダッサイ… 大障害1着 →次走/3月の阪神スプリングジャンプ快勝

・ケンホファバルト、タガノエスプレッソ… 大障害2、3着→ それぞれ直行

理論上、メイショウダッサイのアクシデントを予知する第六感を予想に取り込むファン以外<ジャーナリストがこれを言い出したらおしまい>、少なくともメイショウダッサイを消すことはない。
消えたからと言って、何も影響はないはずがないとしても、障害競走で全馬完走を安定して求めることはナンセンスなのだから、「躓いて落馬」だったら半分くらい返せ論は許容範囲も、大本命<この場合、両雄並び立たずに逆らうべきか否かの問答>のアクシデントを恐れるならば、障害競走を買うべきではない。

オジュウチョウサンのサクセスストーリーとは正反対の、完全なるプロジェクトX的成り上がりの構図から学ぶなら、障害の重賞は、少なくとも感動を買うレースである。
大障害の実績を信じることが可能な組み合わせで、昨年のシングンマイケル<2番人気/アクシデントで競走中止の19年中山大障害覇者>ようなケースの方がレアだろう。
故障する馬は、普段から厳しめのトレーニングをこなしている障害で全盛期を迎えたトップホースにはまずいない。

オセアニアを中心とした遠征馬がペガサスジャンプSにさえ出てこなくなった昨今、この過酷なスペシャルコースに対応できる馬は、ローカル4場が障害競走の主戦場となっている誤った主催者の施策により、益々減少の一途をたどっている。
本物の障害競走のトップホースが海外からやってくれば、きっと太刀打ちできないだろう。

最後の一滴を絞りだそうと、穴馬探しを追求したところで、どんなに頭をひねっても、阪神スプリング負けで人気落ち以外の狙いは立たない

ペガサスJSを勝って、昨年は3番人気で着を拾ったメイショウダッサイは、オジュウチョウサンが作り出す本物にしか耐えきれないハードなリズムを力に変え、秋には再度成長を遂げていった。
こういう馬が次に、大きな目標を掲げてガッツを見せたなら、次もまた楽しみとなるわけだが、ただただ強いとされるオジュウチョウサンのような馬を相手に据えた時、ローテを詰めて、わざわざ参考にもならない本番より1000M短いステップレースを走るくらいなら、長い距離でリスクはあっても、本番を想定した仕掛けの出来る阪神の方が、よっぽどタフな中山コースのG1戦には適応能力のスキルアップに役立つという傾向。

オジュウチョウサンばかりが目立っているが、昨年の3着馬は、大障害で2着に入ったひと叩き一変のブライトクォーツ。
2019年も、オジュウチョウサンに連敗も着順は阪神よりひとつ上げたシンキングダンサー。
オジュウチョウサンは不動だったところで、相手もまた大障害経験済みのひと叩き組。
それでも、オジュウチョウサンにばかり目が行くから、オッズそのものは一定程度妙味が出てくる。

今年は少頭数の上に、メイショウダッサイの方が人気になって不思議ない臨戦過程も影響して、本当の意味で両雄の均衡はとれているか。
安定の両者を少なくとも片方推したところで、消えるとしたらオジュウチョウサンの不安のあるローテが原因の不発だとか、また飛越の失敗などだから、シンキングダンサーとメイショウダッサイに真っ向勝負を挑んだスマートアッペクスの妙味にかけると、着順継続か、いつものようにこちらの方は入れ替わるという仕上げの過程などを考えた時、メイショウダッサイとシンキングダンサーからの狙いに絞って、何も問題はない。
まだ4歳のスマートアペックスは、高齢馬上等の気概など全く通用しない押せ押せローテで、斤量は1kg軽い62ながら、相当な戦略を立てた上で実践まで至らない限り、まずは苦しい。
メイショウダッサイと連続して戦うこと自体、若い馬には苦しいはずで、着順入れ替わりは当然のように起きると思われる。

中山グランドジャンプ予想 - レース展開

ひとまず、各馬の無事を祈って…、の令和版が副題となったグランドジャンプに、ささやかな抵抗を試みるのはナンセンスだろう

昨年事故死のシングンマイケルのこともある。
昭和版、元祖大事故は、競走馬であれば日経新春杯のテンポイント<1978年/主戦・鹿戸明騎手騎乗>、その翌年の毎日杯での福永洋一騎手<騎乗馬・マリージョーイ>の競走中止が、競馬史そのものを変えたと定説にもなっている。
テンポイントに関しては、その全弟のキングスポイントが今のこのレースの相当する中山大障害(春)で、前年からの春・秋・春の3連覇を目指す過程で故障し、秋は2走ボケで敗れた後、翌春も登場したのだが、兄と同じ結果に終わって、皆が涙した。
奇しくも、シンボリルドルフが競馬界の頂点に上り詰める第一歩である皐月賞の前の週であった。
奇しくも、福永騎手<父>の後を必死で追いかけて、ライバルになる前に先に引退されてしまった岡部騎手の全盛時代が始まる頃。

昨年、コントレイルが無敗の三冠を制したが、鞍上は言わずと知れた福永祐一である。
春のこの季節は、チャンピオン級牡馬には苦悩をもたらすのか、例のマリージョーイという馬は、洋一さんを吹っ飛ばしたものの、桜花賞には出るは、翌年は金鯱賞など古馬重賞も制した心の強い牝馬。
何の因果か、今年はどんな困難をも跳ね返してしまう無敗の名牝たちが、再び量産体制である。
いつの時代も女が強い、いや、男の方がここぞの場面でだらしないのか。
皐月賞を前に、雨予報がどう馬場に影響するのか、底力型牝馬続出の中で不安に苛まれる筆者である。

転じて、このグランドジャンプ。
狙いは決まって10歳牡馬のオジュウチョウサン<現在このレース5連覇中>、8歳牡馬であるメイショウダッサイ<昨年2着、その後中山大障害優勝>という両巨頭だから、転んでも立て直して、最後は2着までは来そうな昨年のツートップとも登場では、ほぼ馬券的興味は薄れている。
だから、怖いのは急な事故くらいなもの。
その危ないシーンが、オジュウチョウサンの場合は前走の京都ジャンプSで見られた。

ただ、休み明けの影響に加え、ナリタブライアン級のいきなりの距離短縮で、スパートのタイミングを見失った上で、バランスを崩したという結果。
単勝1.1倍の実力は当然あったが、障害戦4年以上無敗というどこでも聞いたことのない無茶苦茶な記録を作ってきた中で、たかがG3の結果に関しては、度外視できるはず。
問題は中山の深い谷の如き存在であるバンケットと、特別な競走でのみ発動の大竹柵や大生け垣といった特殊な作りの障害との組み合わせで、完全に時代を作りかかているメイショウダッサイ相手に根負けしないかという不安材料が、古馬の休み明けと重なり死角となりやしないかという点。

自慢の無尽蔵のスタミナを発揮する前に終わった阪神の京都ジャンプSからの直行となると、もはや、読みも何もない、ある種のギャンブルだが、暮れに障害レースを使わないことはここ数年の慣例であったとするなら、3年連続で年に1度しか大障害コースに出ていないことで、その活力は他の古豪よりは保たれているともできる。
昨秋は約4年半ぶりの障害戦敗北を喫したオジュウチョウサンだが、実は、特別戦でも何でもない平場のオープンで後の活躍馬である二ホンピロバロンにスピード負けしてから、2度目<その平場オープンの前走が大障害>の特別コースで、快速でならしたサナシオンを潰したことから、彼の偉業へのジャンプの継続性は進展していくのであった。

スタートも安定し、時計勝負にも強く、ステイゴールド産駒だから昨年のような強烈な雨馬場も、苦戦は強いられたもののこなしきった。
問題のもう一点が、毎年510kg<2019年のみ512kg>で出走の彼が、前走が障害戦では最多体重である516kgだったこと。
さすがに古株になりすぎると、もう体調の変化も若い時のようにレースに合わせて、とはならない。
長く芝の平地で長距離重賞を勝ち続けたここ10年の名ステイヤーたちも、6歳秋以降となると、もう狙いを絞って使い分けをしていたのは確か。
欧州圏の長距離戦もそういう傾向にあって、最近アスコットのゴールドC<GB・芝約4000M>を三連覇のストラディヴァリウスは毎年のように決まったレースを3年使われた末、昨年は凱旋門賞にも挑んで、今年の大記録達成に準備万端。

もうそういう経験も有馬記念で経験している上に、グランドジャンプより少し短い大障害で、距離もハードも違うはずなのに、昨年の春のストラディヴァリウスの走破タイムと同じ6歳時に駆けた大障害のタイムは、ゴールドCが重馬場だったというだけで、オジュウチョウサンのレコードとはたったの3.5秒しか違わない。
事実上、距離延長分の上乗せを最小限したのみの加算であり、普通の概念ではあり得ない。
アスコットの重馬場も強烈だが、良馬場でも中山の障害コースはハードである。
時計勝負では分が悪いメイショウダッサイも完成された現状、本当にどっちが勝つかわからないが、あの二ホンピロバロンに敗れた頃の自分を取り戻した時、連戦連勝のオジュウチョウサンから、一戦入魂の伝説を作る新たなジャンパーへと生まれ変わるだろう。
その可能性は感じた前走に、まだ若さが残っているとするならば、再度迎え撃って、返り討ちにする構図を予測しても無理筋ではない。
何より、彼らの完走を願うのみだ。