NHKマイルカップ2015 予想

五指に余る候補。迷いは当然、先週のそれとはまるで異なる悩みを我々に提供してくれる18頭が揃った。

オープン好走馬しか出れ来れない状況だったから、ある意味ではダービー馬候補も潜んでいるのだろうが、そんな悠長なことを言っている陣営は一つもない。

ここ次第で次走は決まってくる。

ギニー候補から漏れた馬の寄せ集めといえばたしかにそうなるが、選別が難しいだけであって、素晴らしい候補はこのレースにもいっぱいいる。

ヒントとしては、重賞で上位人気でかつ好走している馬が、

アルビアーノ

アルマワイオリ

グランシルク

と、ある程度頭数もいるので、そこからレースレベルは測れる。

唯一、皐月賞のペースを握ったクラリティスカイだけが、別格説と世代のキーマン説とで意見が割れそうな存在となっている。正直、秋以降の成長は感じないが、10月にこのコースでレコード勝ちした能力を出せないような体調でもなさそうだ。

焦点は、出遅れそうなNZT人気馬と3戦無敗のアルビアーノが、レースの基本軸を作れるほど、強烈な才能を持っているかであろう。

何でもわからないではよくないが、アルビアーノは、能力最上位の評価はできても、少し軽快さが目立ちすぎるきらいはあって、絶対視もしづらい。

前走で勝っている馬は他にもいるから、後は惨敗が続いている馬ばかりなので、オープン特別で賞金加算に成功した3頭の中から、一番筋の悪い選択になるが、今季最初の東京開催初日以来の競馬となるニシノラッシュを推そうと思う。

西浦厩舎の2頭も気になったが、アルマは少し詰めの甘さを感じ、フミノに関しても、ちょっと勝負の懸かった場面でもう一歩の印象なので、本命にするまでの自信はなかった。

一方、関東馬で乗り替わりもなく、鞍上の田辺騎手が一番輝いていた夏から一貫して騎乗しているニシノラッシュには、大舞台の経験がない分、苛烈な賞金加算争いを避けられたというアドヴァンテージがある。

意味もなくというと語弊はあるが、要するに成長期に余計な負荷を掛けなかったローテは、この結果次第では、陣営の好判断と称賛される要素になるだろう。

前走のクロッカスSは、勝負所で何度も進路選択に困った末、坂の辺りでやっと大外に持ち出してのゴール前差し切り勝ち。

決して褒められた騎乗ではなかったが、ドゥラメンテやフェイムゲームは、これと似た形で彼と同時期の東京で好走して、この春のGⅠで大いに見せ場を作っている。

無論、外れの多い選択ではあるが、それでも勝てるなら、普通に走れる可能性のある人気薄の馬の強みが、最高に活かせる立場と言える。

ミュゼスルタンやアヴニールマルシェはクラシック候補に上った馬。ここでもまた彼らに隠れた存在になるならば、無欲の勝利まで想定できる。新潟2歳Sでは33.9秒の上がり3Fで、上位2頭とは時計半分遅い。

才能の差とも言えるが、彼はまだ崩れていない。距離への不安は、そろそろ高速化の進む馬場を利して台頭する1400オープン好走馬の激走の歴史に、論拠を求めたい。

前走中山・阪神の組は、平凡な時計の組の方が来るから、本命馬と適性に近似する部分が多いフミノムーンを本線に、単複メインで色々な買い方を試そうと思う。