NHKマイルカップ2022【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ダノンスコーピオン(7.1倍)2着マテンロウオリオン(6.8倍)3着カワキタレブリー(229.1倍)

レース名第27回NHKマイルカップ
日程2022年5月8日(日)
優勝馬ダノンスコーピオン
優勝騎手川田将雅
勝ちタイム1:32.3
馬場
3連単配当1,532,370円

NHKマイルカップ2022 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
118ダノンスコーピオン1:32.3-
21マテンロウオリオン1:32.3クビ
310カワキタレブリー1:32.4クビ
44セリフォス1:32.61.1/4
511インダストリア1:32.7クビ
単勝18710円
複勝18260円
複勝1260円
複勝104,780円
枠連1-81,190円
ワイド1-181,110円
ワイド10-1848,720円
ワイド1-1040,660円
馬連1-182,490円
馬単18-14,820円
3連複1-10-18416,750円
3連単18-1-101,532,370円

NHKマイルカップ2022 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「たくさんのお客さんの前で久しぶりにこういう気持ち良い時間を過ごさせてもらいました。
差はわずかでしたし、外の勢いもとても良かったので、何とかしのいでくれと思いながらのゴールだった。ゴールに入ってから勝った感触はありましたけど、あらためてターフビジョンを見てこの馬が映っていたのを見て、この馬が勝ったことを確認しました。

返し馬がとても具合が良かったですし、今まで一番具合良くレース迎えることができたと思いますし、自信を持って競馬に向かって、流れの中で対応しようと思いました。とてもリズム良く、バランス良く走れていたので問題なく道中を走っていてくれたと思います。

共同通信杯があまりにも苦しい状態で使わざるを得なくなってしまいましたし、その後立て直して前回ある程度の状態で競馬を終えることができた。それが良い刺激となり、今回さらに良い状態で期間は短かったけど、より良い状態でここに向かってきていることを返し馬も道中も感じていました。

もともとポテンシャルの高い馬なので、このNHKマイルカップを目標にというのがデビューした時からの思いだった。そこをきっちりと勝ち切ることができてホッとしています。
僕はこれだけ素晴らしい馬にのせてもらっているので、まずはそれが一番ありがたいと思いますが、何よりもこの馬がG1馬になれたことがホッとしています。」※優勝した川田騎手のコメント(ダノンスコーピオン)

NHKマイルカップ2022 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

NHKマイルカップ2022 - 回顧

優勝したダノンスコーピオン。

母父Sligo Bayはダート戦線で活躍するハーツクライ産駒のスワーヴアラミスのブルードメアサイアーでもある。

サドラーズウェルズ系らしい重厚感を伝えたということでは、先週のドゥラメンテ産駒・タイトルホルダーと同じく、サドラーズウェルズ系を母父に持つキングカメハメハ属。

キングマンボというカテゴライズで集約すれば、第3回NHKマイルCを踊るように抜け出してきたあのエルコンドルパサーもいる。

トレンドになったキングマンボ系×サドラーズウェルズ系は、今回は2着に終わった横山典弘騎手のお手馬であるキングオブコージという存在もいて、大いにプチブレイク中。

トレンドということなら、まとめて活躍馬を出した「ステイゴールド×メジロマックイーン」の好相性と同じで、必ず生じるノーザンダンサー系のクロスがポイントとなる。

例のオルフェ・ゴルシ配合とは異なり、血の濃さや組み合わせの妙でいうと、今回のダノンスコーピオンには狙いの通りの才能の発揮という面もあり、キングマンボの母父である大種牡馬・ヌレイエフとその甥にあたるサドラーズウェルズ<またその全弟のフェアリーキング>とは、血のつながりが最も強い同じスペシャルの牝系であり、ヘイローとノーザンダンサーが入ると自然発生する共通母母アルマームードのクロスとも似た形を成すノーザンダンサー直仔種牡馬。

同族が両方入ることは、同一種牡馬の強いクロスと同等の効果があるとされ、強すぎれば、種牡馬ではないので、ファミリー全体がクロスするわけだから、危険度も当然増す。

この日の早朝にスマートストライクの3×2が直系同士でクロスする・Rich Strikeなる伏兵の大激走に驚いたが、彼の日のエルコンドルパサーがそうであったように、人気になっても底力の出し方に変な癖が生じないプラスの効果がどこかある。

それこそが良血のなせる業なのであろう。

ちなみに、これも横山典弘騎手が9Rに乗って勝った時のジャスティンカフェという馬も、キングマンボ系×サドラーズウェルズ系で凱旋門賞の勝ち馬でもあるワークフォースが母父であった。

同じ芝1600M。

特定の組み合わせだから、見つけることは容易。

まあオーソドックスな存在とはいえ、パドック気配や返し馬で変なところを見せていなかった時点で、ダノンスコーピオンを味方する要素はいくらでもあったということになる。

先行予定だったはずのジャングロ<きっと差しても味がないだろうとは武豊騎手クラスなら分かっていたはず>が、スタートからレースに参加できず、すぐに今度は、内枠がどう出るか不明のマテンロウオリオンも、行き脚つかずで、初勝利の時の後方一気策に出ることが判明。

百戦錬磨の超ベテランにして、このレース最多タイの勝ち星を誇るレジェンドたちが、どうにも思惑通りにことを運べないところで、筆者推挙のダンテスヴューも、一変の気配までは感じさせないパドックの雰囲気通りのレース内容で、見るだけのレースになると確信した瞬間、普段のNHKマイルCよりも外へ持ち出す馬が多いところで、先行策に出るも、想定より前だったはずのトウシンマカオが、馬場の真ん中を悠々走っている4コーナーで、胸騒ぎがした。

今年はずっと1番人気が勝っていないという、極めて特異なG1戦線。

テン乗りも休み明けも普段なら問題なくても、人気馬がしっかりと結果を出したようなレース<出なかったジャングロも7着と頑張った>で、1番人気らしいところまで魅せることのできなかったセリフォスに関しては、道中の引っ掛かりはここ数走のちょっとした課題であるから仕方ないとして、掛かることの許容範囲を知らないテン乗り騎手では、高速決着必至の日本の芝G1で、結果的には死角だらけだったことになる。

イン強襲も筋の悪い選択ではなかったが、外を進行の上位勢とは明らかに脚勢の違いがみられた。

口惜しいが、それは屈辱の共同通信杯を経た勝ち馬のダノンスコーピオンとで、メンタル面の充実度合いの差もあったような気がする。

若い馬同士の戦い。

厳しいNHKマイルCは今も昔も同じだが、年明け初戦でも勝てる条件は、やはり極めて厳しい審査基準を経ないといけないということだろう。

前走で連勝が止まっていたということでは、創設初期のヴィクトリアマイルで大敗のカワカミプリンセスを少し思い出したりした。

年明け3戦の2頭が人気に推された以上に頑張ったという結果。

まだ重賞経験は2戦目のインダストリアにつかれる展開も、信頼の川田&ダノンスコーピオンのコンビは安泰だった。

レース展開は、<34.1→45.6→57.4で流れたところから、34.9秒で上がった1:32.3>という極めて正常な展開であり、ややピクシーナイトが勢い良く行き過ぎ、まだやんちゃだった人気のグレナディアガーズ<川田騎手>が動かざるを得なくなった昨年の展開より、押しなべて時計半分遅れの決着。

予想通りの能力水準が問われた、正しいG1の展開であるから、後々、直線一気未遂の偉大なる伏兵・カワキタレブリー<大幅マイナス体重ではあったのだが…>の快走についても、正規の評価がなされるはずである。

力通りになったということでは、位置取りとは関係なく、道中に負担が掛かりすぎるような横やりのようなものが入らなかった上位3頭の走りは当然の結果であろう。

アーリントンCを1:32.7で勝ち切ったダノンスコーピオンと、年明けの重賞勝ち馬の中で最も高評価を受けたマテンロウオリオンも、シンザン記念は1:34.1で勝ち切ったものの、負けながら、前走ニュージーランドTで持ち時計更新。

朝日杯の自分をしっかり6馬身ほど突き放したダノンスコーピオンは、思われているよりもずっとタフな少年であったことになる。

唯一、この両者の命運を分けたものが、スタートは展開的に関係ないとして、やはり、前走の中身に見えた特性の差。

早くは前に出したくない苦心の騎乗の続いたマテンロウオリオンは、先行するスピード能力はありながら、自身も出負けが多く、また勝負弱いというよりも執念深さのような気持ちの強さが、前走の差し返された2着に見られたものが、この日も出た印象。

そういう性質の馬のことを考えたら、最内枠はどうにも出る可能性があったところで、横山典弘騎手の差す一手には合理性があった。

他方、勝ったダノンスコーピオンは前走のアーリントンCがかなりの高速決着だったとはいえ、ゴール前で2着のタイセイディバインをねじ伏せるような内容。

鬼の二枚腰のような伸びであり、たとえ、タイセイディバインやキングエルメスが今回も粘っていたとして、結果は同じだったはずだ。

サンデーサイレンスを配した底力型の配合は、殊マイル以下のハイグレード競走において、桁外れのパフォーマンスを発揮する根拠にもなるのだろうが、キングマンボ系にはあまり優しくなくても、肝心のエルコンドルパサー、キングカメハメハ両雄が、実に優雅な初G1制覇を果たしたこのNHKマイルCという背景がある。

横山騎手もダイワメジャー産駒もいっぱい勝っているこのレースで、本物の能力を見せつけた方が制したと出来るのだと仮定したとき、ロードカナロア<安田記念は勝っている>と川田騎手<こちらも安田記念は勝っている>が勝つなら、その能力は素晴らしく、在るべきG1の姿を継承した名馬として、記憶されることになるのだろう。

上がり目はまだまだマテンロウオリオンにありそうだが、伸びしろで無限に可能性を求められるロードカナロア<アーモンドアイも自身も最後まで強かった>の産駒は、出来は完調という表現に、まだいい意味での変化を求められるような状態に思えたダノンスコーピオンのこと。

安田隆行調教師最後の仕事は、もっと大きな舞台になるような気がする。

キングマンボ系は、タイトルホルダーではないが、距離延長での大成が見どころ。

父ロードカナロアも古馬になって唯一のマイル戦・安田記念を、一撃で仕留めている。