桜花賞2019 展望

有力馬の能力発揮の安定感にしか興味のなかったこの世代の牝馬に関し、コントラチェック以外で興味を惹かれたのが、先週のチューリップ賞で激走したシゲルピンクダイヤだ。

いや、これと関連してよりスピードが魅力の馬に成長を遂げたキュールエサクラと共に、10月の新馬戦で2、3着だった彼女たちの成長曲線に、桜花賞のレースモデルがある気がしたのである。

彼女たちがデビューしたレースは、キュールエサクラが明らかに速いという印象で、京都内回りのマイル戦で人気になった。

みんなと仲良く走りなさいという格言を守りつつ、みんなで速く走ってしまった中、シゲルは勝負所で下がってしまい、キュールエはやや飛ばし過ぎて、その後凡走を繰り返すウルクラフトに負けてしまう。

が、キュールエは当然言い訳できることもあったし、シゲルも詰まったところから、直線の最後の方で馬込みを抜け出し、何とか前へと追いすがった。

以降、キュールエサクラは1400戦を連勝。

2戦目も最後の伸びが際立つようにして、シゲルピンクダイヤが未勝利脱出後、再出現のチューリップ賞は堂々の2着だ。

藤沢和雄厩舎の快速2頭に対し、関西の差しタイプはガッツも結構ある。

この世代のミニマムモデルが、未勝利クラスのレースにも見られるということは、どの馬も、勝ち上がってくればそれだけで、可能性のある馬となるわけだ。

差せることを示したビーチサンバは、どちらのグループに入るのか。

暮れのチャンピオンレースでは、東京新馬のレース内容が評価の対象になったが、春になったら、それだけでは足らない。

少なくとも、格の上がったレースでそれと同じレベルの内容が問われる。

何となく、速く走れてしまった順から可能性が失われつつあるから、クロノジェネシスには一番可能性を感じるのだ。

スロー差し切りの迫力が、時計勝負で見劣るとは思えない。

JF組が今年も活躍するだろう。

あとチューリップ賞を見て、今年もその勝ち馬がオークス最有力候補になると思った。

渋く伸びる必要はないが、勝負強く抜け出す脚は東京2400Mでは重要。

健康体を保ち、そこを勝てるはずのダノンファンタジーは、桜花賞をうまくやりこなしたい。