秋華賞2016 予想

ファンとすれば、混戦は歓迎すべきだろう。

幸い、今年は牝馬路線も有力候補がかなり多い。

オッズは割れるだろう。というより、全体的に20倍より評価を集める馬が、ちょっと多くなりそうな組み合わせといったところか。

春の重賞で全く評価されることなく、大勢が思った通りに凡走していた馬は、タッチングスピーチのように夏になるまでに一変するケースがあるから侮れない。

が、ローズSの好走馬の天国になりつつある近年の秋華賞は、昨年のような速い流れで、妙に目立っていた馬は消えて、あとは普通より遅いくらいの流れになった時も含め、ほとんどの年で人気上位だった馬と好走馬が2頭は絡んでくる。

ずっと流れが変わらない理由は、阪神に外回りができたからであり、ローズSまでワンターンないし、小脚を要しないコースでの競馬が続くから。

しかし、オークスの連対馬がそのまま上位に来る流れは、桜花賞とオークスのコネが最近強くなっている中でも、極めて重要な意味を持っていると言える。

4年連続でその勝ち馬が連対中。

言わずもがなだが、1、3、1、1人気である。

最近では、ジェンティル三冠の時だけ異常に時計が遅かっただけで、昨年は1:56.9。

もはや、このレベルの時計になってしまえば、平坦巧者がカバーできるレベルとはならず、力のある馬しか出番はない。

今年は、オークス3着馬はいる。

が、当時まだ2勝馬だったような馬が、前走でフロックではなかったと証明したところで、人気の中心となってしまっては、流石に気が引ける。

脚質が定まっていない馬ながら、どうやっても2角までは中団後ろ目からの追走になるビッシュを、人気馬として評価できるかといえば、オークスの時計水準からすれば、桜花賞馬・ジュエラーと同等程度の評価は与えることはできても、中心視してそこから勝負する気にはなれない。

これはGⅠである。

スプリンターズS、凱旋門賞はそう。それ以外で人気馬が勝ったのは、その前哨戦である。

結果は必ずしも、本番には直結しない。

それでも、初年度の11年だけ出番のなかったディープ産駒が、人気馬の流れに呼応するように連対を続けている。

今回はそのビッシュを含め4頭。2勝馬のパーシーズベストでさえ、展開が向けば面白い存在。

ローズSで好走していたらより面白かったレッドアヴァンセも、このレースでは特注のリファールのクロスを持つ馬。

そして、春は全くお呼びでなかったヴィブロスは、中京2000Mで強い競馬を見せた後、一息入った紫苑Sで、かなりの不利を受けながらも、しっかり最後も伸びてきて2着した。

目下、人気の中心になるだろうビッシュに続いて、である。

ビッシュは、案外小回りの2000Mは得意なのかもしれない。

大分タフな流れになったオークスも、正攻法で3着している。

時計は問題か。独・仏のEU牽引国の血がわんさか入ったこの馬は、先週の馬場の方が良かった可能性がある。

ヴィブロスはヴィルシーナの全妹であり、シュヴァルグランの妹でもある。

マイルを1:32.3で逃げ切れる馬と2000Mでは2分を切れない馬の下。

ディープ産駒であれば、多少のことは…。

ワンダーピルエットはダート馬だし、スピード勝負になるのは嫌うから、スタミナ勝負にしたいと小牧騎手以下陣営も思っているだろう。

これがやはりいけないとなると、エンジェルフェイス、クロコスミア、ゲッカコウ、行けるならネオヴェルザンディも加わってくるか。

ビッシュには有利なタフな流れでも、時計は速くなるはずだ。

オークス馬もいないし、オークストライアル圧勝馬もいない。

あっさりならジュエラーの直線一気だろうが、ここに来て一気に馬がよくなってきたヴィブロスも侮れない。

福永騎手には、得意の牝馬戦で面目躍如を期待したい。

10年近く縁のないレースではあるが、ここ数年はマイラーか勝負にならなさそうな怪しい馬ばかり。

幸い、ここでは人気の中心になることはない。

本当はそれではダメな立場だが、信頼の回復は、今はもうGⅠでの結果のみでし叶わない。ちょっとその点だけは、肩入れしておきたい。

◎ヴィブロス

〇エンジェルフェイス

▲ビッシュ

キングカメハメハ産駒で、レディアルバローザの妹であるエンジェルフェイスには、元より小回りでの活躍を期待していたのだが、フラワーC以降は、まともな競馬ができていない。

きれいな馬場で前残りの快時計間違いなしの競馬。案外、秋になるとフラワーCの勝ち馬が頑張るケースは多い。条件は合っているはずだ。

以下、

注ジュエラー

×カイザーバル

△ダイワドレッサー、パーシーズベスト、ミエノサクシード

ジュエラーは格だが、あとの4頭はダート臭のする平坦向きの馬にする。

余裕があれば他も押さえるが、オークスの強いところがいなくなれば、いくらでも出番がある。混戦向きだろう。