2020年スプリンターズステークス 予想

2020年10月4日(日)芝1200m外回り:スプリンターズステークス(G1)の枠順発表後の最終予想です。

出走予定馬の前走などパドックから調べた意見や、予想オッズ分析から狙い目と思われる人気馬やレコードも期待される穴馬、回避馬などの解析もまとめました。

荒れる要素も多く含む今回の大レースを単純な指数だけに惑わされることなく、
馬場状態やサインを見極めて的中率UP&高額配当を狙います。

スプリンターズステークス2020の出走予定馬(枠順確定)

枠順出走予定馬騎手斤量馬体重
1ダイメイプリンセス秋山 真一郎55502kg
1モズスーパーフレア松若 風馬55508kg
2ダノンスマッシュ川田 将雅57470kg

2キングハート北村 宏司57504kg
3メイショウグロッケ浜中 俊55464kg
3ライトオンキュー古川 吉洋57512kg
4ミスターメロディ福永 祐一57494kg
4ダイメイフジ菱田 裕二57520kg
5ダイアトニック横山 典弘57476kg
5グランアレグリアC.ルメール55492kg
6ラブカンプー斎藤 新55450kg
6ビアンフェ藤岡 佑介55560kg
7レッドアンシェルM.デムーロ57478kg
7エイティーンガール池添 謙一55456kg
8クリノガウディー三浦 皇成57490kg
8アウィルアウェイ松山 弘平55482kg

日程:2020年10月4日(日)中山競馬場

賞金:1億1,000万円

スプリンターズステークスの歴代成績- 過去10年~過去20年データ

開催年馬場歴代優勝馬性齢
斤量
騎手人気
2000ダイタクヤマト
牡6
57江田照男
16
2001トロットスター
牡4
57蛯名正義
4
2002(新潟)ビリーヴ
牝4
55武豊
1
2003デュランダル
牡4
57池添謙一
5
2004不良カルストンライトオ
牡6
57大西直宏
5
2005サイレントウィットネス
騸6
57F.コーツィー
1
2006テイクオーバーターゲット
騸6
57J.フォード
1
2007不良アストンマーチャン
牝3
53中舘英二
4
2008スリープレスナイト
牝4
55上村洋行
1
2009ローレルゲレイロ
牡5
57藤田伸二
5
2010ウルトラファンタジー
騸8
57H.ライ
10
2011カレンチャン
牝4
55池添謙一
3
2012ロードカナロア
牡4
57岩田康誠
2
2013ロードカナロア
牡5
57岩田康誠
1
2014(新潟)スノードラゴン
牡6
57大野拓弥
13
2015ストレイトガール
牝6
55戸崎圭太
1
2016レッドファルクス
牡5
57M.デムーロ
3
2017レッドファルクス
牡6
57M.デムーロ
1
2018ファインニードル
牡5
57川田将雅
1
2019タワーオブロンドン
牡4
57C.ルメール
2

出走予定馬の血統や最終追い切りから予想!

アウィルアウェイの血統
アウィルアウェイ ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Halo(サンデーサイレンス系)
 
アイリッシュダンス トニービン
 
シビル Wild Again Icecapade(ニアークティック系)
 
シャロン Mo Exception
 
ウィルパワー キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector(ミスタープロスペクター系)
 
マンファス Last Tycoon
 
トキオリアリティ― Meadowlake Hold Your Peace(プリンスキロ系)
 
What a Reality In Reality
 

平坦巧者なのは確かだが、時計を要する馬場では兄インディチャンプよりも破壊力がありそう。

加えて、3歳以降で直線に急坂のあるコースでは悉く敗れているのに、ほとんどが休み明けで道悪のレースばかり。

チャンピオンになるにはそういった弱点の克服も大切だが、
考えようによっては毎年タフな馬場になる高松宮記念のような雰囲気が今の中山の状況と酷似していると仮定した場合、父ジャスタウェイや叔父リアルインパクトのように、皆が苦しむような馬場質にフィットし、国外でも活躍した彼らの血の後押しは、大舞台でこそ活かされたとして何も不思議はない。

推し材料
1着2着3着4着以下勝率連対率
複勝率
 
3回1回1回11回19%25%30%
割引材料
1着2着3着4着以下勝率
連対率
複勝率
3回3回5回35回7%13%24%

しかし、両方を足し合わせると、

1着2着3着4着以下勝率
連対率
複勝率
3回1回0回4回38%50%50%

案外、GⅠ実績だとかマイル近辺に集中する牝馬重賞の成績はあてにならず
若い牝馬の牡馬混合重賞での実績と上がり目を丹念に見極めつつ、「中央4場」での古馬重賞勝ちと括ると、更に着外の馬は消える。

4歳の牝馬で高松宮記念の前に古馬重賞を勝つ馬は、斤量面の恩恵が3歳時より少なくなるので基本的には別格であることが多い。

人気でも買い!グランアレグリア
1着2着3着4着以下
0回2回0回2回
人気だと割り引き
1着2着3着4着以下
0回0回0回1回

サンプル数は少ないが、クラシック戦を制した牝馬の上がり目はあまり大きくないので、元気そうなら押さえればいいという感じだろう。

穴なら買い!ライトオンキュー
1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
2回2回4回38回4%9%17%

複勝回収率 84%<当然人気薄ばかりなので、ワイドや3連複で面白い>

【穴では消し】

1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1回1回1回4回14%29%43%

複勝回収率 63%<人気馬しか絡んでこないので、絞るしかない>

両方に当てはまる馬もいて来ていないケースもあるが、派手な勝ち方ができる馬なので、キーンランドC連対でも人気が落ちる今回は、買ってもいいように思う。

脚質と距離適性を読む!今の中山の馬場なら特殊なラップも?

諸々の足し引きなどを考えて
上がりがとてもかかるぞという中山でこそ、活きのいい若手を推すべきという謎の論法を用いて…。

とかなんとか、屁理屈を重ねていくと、グランアレグリアは恐らくは負けるだろうという結論に至ったのである。

牝馬がずっと強い傾向は、この秋の入り口付近に定着したスプリンターズSだからこそ、
よりその恩恵を受けることができると踏んだ。

二度目の騎乗、この前は高松宮記念でコンビを組んでいた松山騎手騎乗のアウィルアウェイから入りたい。

何せ、不発の時と激アツの時のコントラストで、今年の有力馬のそれと全く同じなのだから、こういう切り口から狙いを立てるのも面白い。

2歳夏のデビューからポンポンと連勝し、京王杯2歳Sこそ、尋常でないスローペースでファンタジストとの無敗馬対決に敗れた後は戦績が安定していないようで、良・稍重馬場の芝1200、1400では

【4 1 2 3】

なのだから、複勝率は7割ということになる。

このレースは、日本の芝のスプリント路線の頂点を極めるG1競走だから
1200M戦における安定した成績が求められる。

スプリンターズステークス2020のレース展開と想定

ちなみに、短距離専門の馬で複勝率5割以下でも勝ち切ったのは
オーストラリアやハッピーヴァレーではただのスプリンターでしかなかった香港のウルトラファンタジーくらいなもの。

ある意味、【0 0 0 0】タイプはアリなのかもしれない。

今年はそういう馬はいない。本命候補のグランアレグリアも、一応連対率、複勝率双方で100%だ。

あまりアテにならないという考えでも、それはそれで正しい。

スプリンターズステークスの過去傾向データ

そこで、過去30回行われたスプリンターズSについて
今年のように上がりがすごくタフだったレースをピックアップしてみた。

過去の参考レース
 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気の馬 8回4回1回7回40%70%75%
重賞勝利の牝馬5回7回5回48回8%18%26%
重賞未勝利の牝馬0回1回1回17回0%5%10%

これがまた、12月開催時代に上がりを最も要した良馬場のレースというのが
当たり前であった頃の結果と、驚くほど符合している。

開催年前半−後半3Fずつのラップ/秒競走馬位置取り(3角−4角)
2006年32.8−35.3テイクオーバーターゲット①−①

*これ以前は、12月開催

開催年前半−後半3Fずつのラップ/秒競走馬位置取り(3角−4角)
1999年33.2−35.0ブラックホーク⑤−④
1998年32.9−35.7マイネルラヴ⑦−②
1997年32.6−35.2タイキシャトル④−④
1991年32.2−35.4ダイイチルビー⑫−⑪

20年前まで、前週には朝日杯<当時は3歳S>、翌週には有馬記念が行われていた師走の中山の番組だったから、その最初の3Fに最後のそれを合わせた即席のレースラップ表もまた参考になる。

開催年朝日杯ラップ有馬ラップ
1999年33.5−37.639.1−35.3
1998年35.1−36.437.5−36.4
1997年34.3−36.536.0−37.5
1991年35.4−35.634.9−36.1

これをピックアップしていくうちに気が付いたのだが
前後の主要競走、ここでは重賞と括るが、芝の良馬場でこのような超前傾ラップが発生していた際に、安定して前傾ラップのスプリンターズSでは、毎度似たようなラップが発生しているのだ。

ただし、1990年代の前半は、何故か暮れの中山が高速馬場だったことで
4歳牝馬を引き合いに出したデータとして使えるダイイチルビーの結果は
翌週の有馬記念が2:30.6という今でも速いタイムで決着していた年で、あまり参考にならないか。

今年の中山の重賞に当てはめた場合、

<計算式:最後のラップ−最初のラップ>

  • 紫苑S ・・・−0.4・スローペース
  • 京成杯AH ・・・+0.6・ミドルペース
  • セントライト ・・・−0.2・スローペース
  • オールカマー ・・・−3.2・歴史的スロー

<2006年の場合> *紫苑Sは重賞ではなかったので除く。

  • 京成杯AH ・・・+1.0・ハイペース
  • セントライト ・・・+1.0・ミドルペース
  • オールカマー ・・・−0.9・スロー寄りのミドル

中距離戦は、例年はもっとマイナス幅が大きくなって
オールカマーより少し上がりが遅いくらいが普通だから、普段と比べたら格段に上がりを要していることになる。

スプリンターズステークス2020の最終予想

引き合いに出した20世紀中のスプリンターズS出走馬は、1か月前のマイルチャンピオンシップ<マイルCS>を使われていることも多かった。

人気を裏切らないタイプほど、そのローテで来ていた。

グランアレグリアの1:31.6の安田記念圧勝からの直行ローテは、理論上合理的でもリスクはかなり大きい。

加えて、どんなに速くなっても1分7秒台はかなり厳しい想定タイムの見立てもある。

高速ラップでも極端な前傾ラップにはならない今の東京での実績は、かなりの死角。

だからこそ、

  • シルクロードS

→33.9−35.1 (良馬場) +1.2

<1着 アウィルアウェイ 35.3−33.7>

  • 北九州記念

→32.4−35.4 (稍重) +3.0
<3着 アウィルアウェイ 33.9−34.2>

この結果、上がりの掛かる良馬場向きと断言して、何の不安もないだろう。

ちなみに、グランアレグリアの全5勝のレースラップを同じ計算をして書き出すと、

  • 新馬 ・・・ −2.4
  • サウジアラビアロイヤルC ・・・ −2.7
  • 桜花賞 ・・・ −2.1
  • 阪神C ・・・ +0.3
  • 安田記念 ・・・ −0.1

安田記念のバランスラップに耐え切れたのは、何よりの成長の証である一方で、

  • 高松宮記念 ・・・ +0.3

<2着 グランアレグリア ・・・ −2.5>

ちなみに、
<11着 アウィルアウェイ  ・・・ −1.3>

決め手のある両者が、キャラの違いを顕在化させたようなデータを挙げたにもかかわらず、並び立つという計算は少し強引だが、それだけ特殊な馬場であるならば、

  • スプリンターズS ・・・ +1.5

という究極のラップを作ったモズスーパーフレアが勝ったことになっている高松宮記念の再現をすることは、小倉ほどではないにせよ、前掛かりになる中山では不可能。

絡まれてグランアレグリアに呑まれても、違う馬の台頭をまた誘導するだけ。

北九州記念や昨年のパターンに持ち込んで、パワー勝負をすることは見えているのだから、経験値に頼らずとも、その解に大幅の乖離は生じ得ない状況に思える。

差し脚自慢は他にもいるが、挙げると最後は死角が目立つ。

見えないものまで問われるのがGⅠであるが、競馬場そのものが変更されたわけではない。

理解できる範囲の狂いが生じ、相応の結果がもたらされると仮定すれば、こういう考えで詰める論法があってもいい。