宝塚記念2018 予想

トレセン、競馬場に地震の被害はなかったようだが、関西馬は12頭いる。どう絡んでくるのだろうか。

予想は難しかったが、悩まず推せる唯一の存在になったのは、結局、サトノダイヤモンドだけだった。

奇しくも、昨年の覇者、今年も一定の支持を集めることになるサトノクラウンがそうだった。

大阪杯の冴えない競馬の中身が、むしろ、相手が強化されたことで、天皇賞組の上昇力がかなり奪われた状況だった面も味方につけ、見事にレースを終始、自分の流れに持ち込んで勝ち切った。

サトノダイヤモンドという馬は、最初から注目されていた馬で、みんながその存在を知っていたようなところがある。

だから、参考資料たる彼の出走したレースの再確認をしたところで、新たな発見があったわけではない。

唯一、彼に褒められて然るべき才能があるとすれば、どのレースにおいては、安定して力を発揮できる位置につけられていることだろうか。

近走の内容があまりも情けないものばかりで、今回も多頭数の内枠スタートは大いに不利になる可能性がある一方、そんな直線のピリッとしないレースの時もそう、前走の大阪杯も、いきなりではないしても戸崎騎手にスイッチする経緯があり、最初のコーナーまではまずまず自分のらしさを発揮することのできる好位につけられている。

そこから先がどうなんだという話で、その前の金鯱賞が、シャンティイの重馬場2戦、高速決着で外々追走で初の58でみんなヘトヘトになってしまったレースからの休み明けのレースで、直線に入るまでは理想でも、坂を上る辺りまでは、全く走る意思が感じられない状況から、最後の最後で脚を使って前を追い詰めたという3着。

大阪杯があまり経験のない、内枠好位付けで、スローからの馬込み捌きで、結局外に出したという展開面での不利を考慮した場合、ほぼほぼ1年以上、彼は力を出し切っていないのではないかという推理は十分に成り立つ。

凱旋門賞はハイレベルで、春天も素晴らしい競馬だった。

それが同一年の最も力を出し切れる条件下で行われたレース。

両方とも好走するのは、馬場のあまりに違う、実質的に別カテゴリーの争いの中でそうなる確率は、極めて低い。

陣営はかなり疑いの目で彼のことを見えているようだが、筆者とて、体調面に不安がないとは思っていない。

その反面、オルフェーヴルだってかつてのディープインパクトにしても、春天のあの競馬から、本当に上積みがあったのかというと、それは疑問ではないかと思うのだ。

ディープインパクトは京都のレースだったが、本来の阪神での宝塚記念では、直線コースをいっぱいに使って、各馬が理想の位置を取れるようなコースレイアウトになっている。

それが伏兵の、万年2番手の馬の台頭に影響を及ぼし、人気の根拠が近走の内容に反映されている時に、昨年のような結果がもたらされるということが、意外と、今は有馬記念よりも高確率でここでは繰り返されている。

オルフェーヴルになれるかどうかではない。

サトノダイヤモンドが自分の競馬をすることで、大阪杯よりはいくらか馬群が捌きやすくなる状況で、ある意味、道悪というだけの理由で凡走するようには思えないのだ。

他の馬が素晴らしい上昇力を秘めているわけでもなく、時計が一定以上のものが出ることが見えている時、やや渋った時くらいの馬場状態での底力勝負は歓迎の「優等生らしい」サトノダイヤモンドの才能は、きっちり引き出されるはず。

惜敗続きの4歳馬が、ここで激走するような感じではなくても、彼のエネルギーは実は、かなり満たされているように思う。

相手はハイレベルとは言えないという理由で、絞りがたいものがある。

◎サトノダイヤモンド

○ヴィブロス

▲サトノクラウン

注タツゴウゲキ

△パフォーマプロミス、ダンビュライト、ゼーヴィント、キセキ

安全な馬は少ない。そこで伏兵で推したいのは、叩き2戦目のタツゴウゲキ。

夏のチャンピオンは秋は買えないが、また同じ季節を迎えると動ける場合が多い。近走の2000重賞を4戦続けて1:59.0以内で走破していている馬を、不肖の筆者とはいえ、他には知らない。

1800戦を含め、6戦続けて12-12ラップ超えの走破時計を繰り返す馬は、極めて稀である。

父マーベラスサンデー、母父シングスピールとも、晩生の競走馬であり、このレースの好走馬を出した種牡馬。

時計の出る渋馬場という条件が、配合的にも、大駆けの蓋然性をより高める気もする。