安田記念2021【予想】
安田記念の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
2021年マイル王決定戦。
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第71回 農林水産省賞典 安田記念 |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2021年6月6日(日曜) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 東京競馬場 |
距離 | 芝1600m |
コース | 左回り |
賞金 | 1億3000万円 |
レコードタイム | 1:30.9 ※2019年インディチャンプ |
安田記念2021の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)※予想オッズ&最終追い切り評価更新!
枠順 | 出走予定馬 | 騎手 | 最終追い切り | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | サリオス | 松山 弘平 | 美浦・南W・良 5F 70.6-55.2-40.1-12.8(馬なり) | 牡4 | 58.0 | 7.2 |
2 | ギベオン | 西村 淳也 | 栗東・CW・良 5F 64.7-50.2-37.0-11.9(馬なり) | 牡6 | 58.0 | 121.6 |
3 | カラテ | 菅原 明良 | 美浦・坂路・良 800m 53.6-38.9-25.0-12.3(強め) | 牡5 | 58.0 | 67.8 |
3 | ダイワキャグニー | 石橋 脩 | 美浦・南W・良 5F 68.0-53.0-39.0-12.8(馬なり) | セ7 | 58.0 | 227.1 |
4 | グランアレグリア | C.ルメール | 美浦・坂路・良 800m 53.6-38.6-24.9-12.5(馬なり) | 牝5 | 56.0 | 1.3 |
4 | ダノンプレミアム | 池添 謙一 | 栗東・CW・良 6F 83.2-65.9-50.8-37.3-11.5(直強め) | 牡6 | 58.0 | 29.9 |
5 | インディチャンプ | 福永 祐一 | 栗東・坂路・良 800m 51.8-37.3-24.1-12.3(強め) | 牡6 | 58.0 | 6.1 |
5 | ラウダシオン | M.デムーロ | 栗東・CW・良 6F 85.9-69.7-55.2-40.4-12.8(馬なり) | 牡4 | 58.0 | 21.9 |
6 | カデナ | 武 豊 | 栗東・坂路・良 800m 52.0-37.3-24.5-12.5(一杯) | 牡7 | 58.0 | 186.1 |
6 | トーラスジェミニ | 戸崎 圭太 | 美浦・南W・良 5F 69.5-53.7-39.0-11.7(馬なり) | 牡5 | 58.0 | 273.5 |
7 | ケイデンスコール | 岩田 康誠 | 栗東・坂路・良 800m 54.7-38.9-24.4-11.6(強め) | 牡5 | 58.0 | 18.3 |
7 | ダノンキングリー | 川田 将雅 | 美浦・南B・良 6F 84.6-68.9-54.0-39.1-12.2(馬なり) | 牡5 | 58.0 | 70.8 |
8 | シュネルマイスター | 横山 武史 | 美浦・南W・良 5F 68.1-52.9-38.6-12.6(馬なり) | 牡3 | 54.0 | 11.0 |
8 | カテドラル | 田辺 裕信 | 栗東・坂路・良 800m 53.5-38.3-24.3-12.2(馬なり) | 牡5 | 58.0 | 74.8 |
安田記念予想2021 - 過去10年のデータ傾向
主軸になるはずの前年マイルチャンピオンシップ好走馬は、勝ち切れなくなった
近年の1番人気好走率は決して悪くない。
マイルチャンピオンシップ<以下マイルCS>を使っていた馬に限れば、
【0・1・0・1】
2016年 モーリス/2着
2017年 イスラボニータ/8着
これは牡馬のデータでもあるから、クラシックホースか否かで、同期の明暗も分かれたとしたい。
まあ、後者は鬼門である「マイラーズC勝ちの人気馬」というトラップにハマったというのもあるか。
東京のレースだから、牝馬だと、秋のビッグタイトルに向け、ステップレースとして使う陣営もいる。
古馬になって3敗のうち、2度がこの安田記念というアーモンドアイは、これ以外の東京のレースは7戦全勝だった。
アーモンドアイは、秋は決まって関東圏の大レースを使われていたから、春2戦目になるここでいつも崩れた。
彼女の特性は、ひとレースに全力投球型。
二番が利かないというのは、最後のジャパンCで大いに気掛かりな点となったわけだが、肝心の全力投球のはずだった秋の天皇賞が、彼女のこれまでのパフォーマンスの中では平凡な類。
秋華賞も仕上げずに使って、続くJCで完全体に持ち込み、あの世界レコードに繋げた。
意図すれば、しっかりとメリハリのある仕上げは可能だったわけで、昨秋もそれだったが、中距離戦ではないマイルのビッグタイトルを東京で行えば、激しい時計勝負の反動がついて回る。
可能性を抑え込むそれは、アーモンドアイも引っ掛かった大いなる穴であり、前々走も3走前も同じ阪神となったグランアレグリアは、異例ローテの昭和スタイルでの参戦で、より芳しくない結果まで予測される。
人気を背負う以上、前々走が京都<本来はマイルCSでもおかしくない>という馬が今年いないので、人気の2頭が、マイルCSと阪神Cというであったという点で、妙な勘繰りをすれば、勝てないけどそこそこ走るというモーリス的展開が予測できなくもないグランアレグリア。
グランアレグリアには中距離実績はあってないようなものだが、後々、それがついてきたモーリスとの比較で、共通項は多い。
連続阪神出走の後に、気持ちよく東京で独走。
アーモンドアイとは違うが、顕彰馬になれそうな2頭にまつわる呪縛は、侮れない。
昔とは違って、古馬だけでなくマイルG1の時計がどこでも速くなる。
古すぎないこの傾向からも、臨戦過程ひとつでインディチャンプのパフォーマンスに差が出たわけで、簡単な挑戦とはなりえない。
高松宮記念を使ってくると、キレは出せても真っ向勝負はできなくなる
中京を前々走に使っている馬が2度馬券に絡んだくらいで、同じ左回りの東京、新潟とはまるで作りも違うから当然か。
その昔の小回り平坦中京も、また独特だった。
ロードカナロアは直行で勝っているが、3着の2頭は、
・レッドファルクス 高松宮記念3着→ 京王杯スプリングC1着→ 安田記念
・スワーヴリチャード 金鯱賞1着→ 大阪杯1着→ 安田記念
まるでタイプは違う。
完全なる短距離型に仕上がった古馬とG1をようやく制したばかりの4歳馬とでは、まるで認識が異なるどころか、デムーロ騎手のお手馬だったということくらいしか、共通項はない。
だから、ミルココネクションであるという括り方もできる。
大胆かつ繊細に。仕掛け方に問題はなかったが、この2頭は距離適性が若干怪しかった面はある。
結果揮わずで何ら不思議ないマイルCSの結果があるラウダシオンに、またしてもミルコが乗る。
レッドファルクスの下位互換のきらいもあるが、これも狙い方とすると、中京で燃え尽きないなら、多少のことなら大丈夫となるが、軸に据えるような信頼感まではない。
特別枠のロードカナロアと同じようには扱えない。
5歳馬ならば、リピーターとなり得るので狙いを立てやすくなる
期間中、5歳馬は前出のロードカナロア<重賞4連勝中>とジャスタウェイ<重賞3走連続圧勝中>が人気に応える形で勝利。
僅差ではあったが、実力者ならではの勝負強さが光った。
ただ、5度の2着があるということの方がポイント。
・2011年 ストロングリターン/2着→ 翌12年・1着
・2013年 ショウナンマイティ/2着→ 翌14年・3着
・2016年 モーリス/2着 ←前15年・1着
・2019年 アエロリット/ 2着 ←前18年・2着
・2020年 アーモンドアイ/ 2着 ←前19年・3着<1番人気>
殆んどアーモンドアイと同じ馬扱いも可能のグランアレグリアが、また来る可能性を否定する材料はない。
昨年の勝ち馬であるグランアレグリアは、タイキシャトルやモーリス、連覇達成のヤマニンゼファーやウオッカらにも負けないパフォーマンスであり、前後するマイルG1でも好走の実績からも、5歳馬の伝統芸を引き継ぐ可能性は大いにある。
ここ3例はいずれも、東京のマイルタイトルをもっていたか、ここで勝ったかという共通点も強調材料。
これで軸は決まった。
インディチャンプの再登板は…、他の馬の動き如何であろう。
この馬も一応リピーターである。
東京のマイルで速く走ることは、競走馬にとっての死活問題になってくる
一目瞭然。
アーモンドアイもオグリキャップも1か月以内に連戦して、休み明け快走の反動がモロに出た。
加えて、前哨戦の類をしっかりと消化している然るべきローテの馬でも、アパパネはかなり似通ったグランアレグリア的ローテを4歳時に敢行するも、3歳馬であったリアルインパクトの快走の前に沈み、見せ場も作れなかった。
理論上は勝てない。
歴史を変えようにも、遅くなる時計の傾向は菊花賞以外には見られないという状況で、層が厚いマイル〜2200M級のアメリカンなスピード血統から発展した芝のトップサイアーの血を受けた優駿たちが、常に覇を競っているのは自明なのだから、道悪で走れるか否かがポイント。
良馬場では先日のソダシパターンが必然。
あれは若き日のグランアレグリアのそれと全く同じで、それを再度証明したまでのこと。
距離もそうだし、桜花賞の快時計も影響している。
アーモンドアイやアパパネが耐え切れたのは、それは国枝栄調教師が素晴らしいからに他ならないが、詰まるところは負けた経験が活きたという見立ても出来る。
いずれも、夏の新馬戦でなかなか残念な負け方をしている。
過酷ローテをこなしたモーリスやモズアスコットは、まだG1に縁のない4歳馬の時に勝っているが、翌年は完敗だった。
厳しいレースを2歳時から経験してきたグランアレグリアの上がり目はどうなのか。
古馬が強いレースではあっても、この点でのマイナスはかなり大きくなると言わざるを得ない。
同じ轍を踏んではならないが、最後はアパパネではないと証明できた識者だけが、雄弁にその論拠を語ることができる。
筆者は頑なに、この点における絶対性を今後も、競馬の真理として語り継ぐつもりでいる。
安田記念予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
各馬の血統をどう分類するかで、全体像は容易に掴める一戦。
・ディープインパクト産駒/系 <6頭>
1:グランアレグリア
2:ダノンプレミアム
3:ダノンキングリー
その他に(4:カデナ)、(5:ギベオン)
直系孫世代では(6:ラウダシオン)
・ハーツクライ産駒
7:サリオス
8:カテドラル
<母父だと、後記するケイデンスコール>
・その他のサンデー系
9:インディチャンプ… ステイゴールド
・キングマンボ系 <5頭>
10:カラテ
11:ケイデンスコール
12:トーラスジェミニ
13:ビッグクインバイオ
14:ダイワキャグニー
うち、11〜14は母父サンデー系/ 10は父母父サンデーサイレンス。
・ノーザンダンサー系 <1頭>
15:シュネルマイスター <ダンチヒ直系・キングマン産駒>
筆者は外国産馬や香港所属馬が強かった時代から安田記念を見ているので、未だにサンデーサイレンス系に対するマイル適性には疑念はある。
しかし、ディープインパクトの出現と、その産駒が初期から桜花賞を怒涛の勢いで勝ちまくっていったから、いずれ、この安田記念も勝ってしまうだろうと思っていた。
というか、初年度のリアルインパクトがいきなり、3歳馬でありながら斤量<54>を味方につけて、翌年優勝のストロングリターンに競り勝っているのだ。
以降、サトノアラジン、グランアレグリアら、スピード優先のクラシック参戦組が古馬になって再成長を果たし、見事に優勝。
ただし、リアルインパクトからグランアレグリアの間の8年では1勝なのだから、他も見ていかないといけないとなる。
・ヘイルトゥリーズン系… <上記3頭含め7頭>
〔2012年・ストロングリターン/ シンボリクリスエス〕
〔2014年・ジャスタウェイ/ ハーツクライ〕
〔2015年・モーリス/ スクリーンヒーロー〕
〔2019年・インディチャンプ/ ステイゴールド〕
・ミスプロ系… <1頭>
〔2013年・ロードカナロア/ キングカメハメハ〕
・ノーザンダンサー−サドラーズウェルズ系… <ノーザンダンサー系として2頭>
〔2016年・ロゴタイプ/ ローエングリン〕
〔2018年・モズアスコット/ フランケル〕
これを20年に拡大して、勝ち数を書き並べると、
・ヘイルトゥリーズン系… <11年~ ・7頭 +01~10年 ・4頭→ 11頭>
・ミスプロ系… <11年~ ・1頭 +01~10年 ・1頭→ 2頭>
・ノーザンダンサー系… <11年~ ・2頭 +01~10年 ・3頭→ 5頭>
・その他/ナスルーラ系… <01~20年 ・2頭>
要は、主要血統を二分させた時、非ヘイルトゥリーズン系で世界的に見ても主要系統を成しているその他のファラリス直系をヘイルトゥリーズン系にぶつけた時、ほぼ同等の結果が出ているとなるのだ。
ダービー、オークスの方は、もう少しトレンドに敏感で、同一産駒の連覇というのはままあるが、これだけサンデーサイレンス系、ディープインパクトも孫世代がG1勝ち馬になる時代になっても、同じ馬の連覇でもない限り、まず連勝ということはない。
同一馬による連覇以外で、安田記念で同一種牡馬の産駒が連続勝利した例は、何と、快速系牝馬のキョウエイグリーンとサクライワイが53という斤量を味方につけて穴をあけた1970年代の実質G3のハンディキャップ戦時代に、マタドアの産駒が立て続けに制したところまで遡らないと登場しない。
そろそろ、キングマンボ<カラテなど>かなとも思いつつ、メンバーの質を考えた時、ディープじゃない方に振っても筋悪ではない。
ある意味、今後のためにも積極的な意味合いでの回避を期待するまでもなく、ディープインパクト産駒のグランアレグリアから買うレースではないとこの時点で決め打ったのだから、相手というか本命候補はかなり絞り込まれてしまう。
安田記念予想2021 - レース展開
昨年の例に倣うならば、勝てそうな馬は同格以上の可能性を秘める馬。
そもそもいないとしても、問答はいくらでも可能なグランアレグリアの臨戦過程、もっと言えば、主要なマイルの前哨戦も皆高速決着で、いずれの勝ち馬も怪しいとなると、みんな消えるか、強い順に来るかのどちらか。
そうじゃないところを叩いてきて、且つ強い馬となれば、もうサリオスしかいない。
強調点は一つ。
道悪の大阪杯は、最後はガス欠のような負け方だったが、有力勢で一番先に好位につけ、最も早く勝ったレイパパレを追い始め、2強プラスワンを強調したような4角の位置取りながら、コントレイル→グランアレグリア→サリオスの人気順、また馬体重の軽い順に決着。
このレースは、力も出ているとも言える一方、レイパパレのレースにまともに歯向かった名馬がトラップにハマった一戦であり、補正をかけた上での結果処理は最低限必要だろう。
毎日王冠で3馬身差勝ち。<これにより、その前年覇者のダノンキングリーも押さえることになった>
死に目のローテになっている次走のマイルCSは、まだエンジンの掛かる前のミルコ共々、いかにも元気のないレース振りで、序盤は行けなかったが、大阪杯では掛かり気味くらいの追走だった。
一見、あの阪神で勝負付けは済んだと見られているが、今度は苦しい側がグランアレグリアになる。
重たい欧州系のニジンスキー<この直系からブリッシュラックが優勝>、デインヒル<同じ香港のフェアリーキングプローンが快走>が入れば、ジャスタウェイにはなれないまでも、相応の完成度と伸びしろを合わせ持つサリオスのこと。
走るハーツクライほど早くから活躍し、小休止を経て、4歳の夏ころから動きが格段に良くなるのが特長。
力は足りる。松山騎手でも不安は全くないし<少なくともデムーロよりは合っている>、普通に順調勝ちという結果もあり得る。
この天才、デビュー時は超大型馬だったが、そこから大して馬体重も変化ない。
大幅体重増のコントレイルとは大違い。早熟ではないが、ハーツクライの仔にしては極めて稀な、持続型。
裏を返すと、コントレイルの方がよっぽど晩成傾向を示しつつある。
グランアレグリアにとって、これほど骨っぽいライバルはいない。
それでも、他の馬に負けることはないだろう…、とソダシが負けた後に言うのもなんだが。