日本ダービー(東京優駿)2026の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

日本ダービーの予想と最終追い切りの予想を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第93回日本ダービー(東京優駿) (G1)
グレード重賞(G1)
日程2026年5月31日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,400m
コース左回り
賞金3億円
レコードタイム2:20.3

日本ダービー(東京優駿)2026予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

日本ダービー(東京優駿)2026の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ライヒスアドラー佐々木大輔牡355.011.94美浦・ウッド・稍重(佐々木大)
6F 83.5-67.1-51.7-37.4-11.1(G前仕掛け)
ゴーイントゥスカイ(馬なり)の外0.3秒先行・0.1秒先着
-
12マテンロウゲイル横山和生牡355.029.211栗東・坂路・良(岩田望)
800m 53.2-38.5-24.9-12.2(強め)
栗東・坂路・良(岩田望)
800m 54.4-39.1-25.4-12.4(馬なり)
23ケントン丹内祐次牡355.0183.717美浦・ウッド・良(助手)
5F 67.5-52.7-38.4-11.4(馬なり)
ビップスコーピオン(一杯)の外0.3秒先行・0.1秒先着
美浦・ウッド・良(丹内祐)
6F 81.5-65.6-50.5-36.5-11.7(馬なり)
ルシード(馬なり)の内0.1秒追走・0.1秒遅れ
24アルトラムス横山武史牡355.059.714栗東・CW・良(岩田望)
6F 83.9-68.5-53.1-37.9-11.5(G前気合付)
栗東・坂路・良(横山武)
800m 52.5-37.3-24.2-12.3(馬なり)
35バステール川田将雅牡355.020.77栗東・CW・良(川田将)
6F 81.8-66.1-51.3-36.4-11.2(一杯)
タガノエルピーダ(強め)の内1.2秒追走・同入
栗東・CW・良(亀田温)
6F 85.2-69.5-53.9-38.2-11.4(馬なり)
クロワデュノール(馬なり)の外0.9秒先行・クビ先着
36コンジェスタス西村淳也牡355.016.56栗東・坂路・良(西村淳)
800m 60.1-43.0-27.3-13.3(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.1-38.7-25.4-12.6(馬なり)
47メイショウハチコウM.ディー牡355.065.215栗東・CW・良(鮫島良)
6F 81.3-64.3-50.2-36.7-11.7(馬なり)
モズマーヴェリック(強め)の内0.6秒追走・クビ先着
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.4-41.0-26.2-12.8(馬なり)
48ショウナンガルフ浜中俊牡355.0193.718栗東・CW・良(浜中俊)
6F 81.5-65.9-51.3-37.3-11.2(一杯)
ガイアメンテ(馬なり)の内2.5秒追走・0.4秒遅れ
栗東・CW・良(浜中俊)
6F 84.2-68.0-52.7-37.4-11.6(馬なり)

59アウダーシアD.レーン牡355.013.15美浦・ウッド・良(レーン)
6F 83.2-67.3-51.5-37.2-11.7(強め)
ジオセントリック(馬なり)の内0.7秒追走・0.1秒遅れ
美浦・ウッド・良(レーン)
6F 83.6-68.3-53.5-38.2-11.9(馬なり)
ジオセントリック(馬なり)の内0.6秒追走・同入
510ジャスティンビスタ坂井瑠星牡355.076.416栗東・坂路・良(助手)
800m 56.9-41.5-27.0-13.3(馬なり)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 58.1-42.5-28.1-14.0(馬なり)
611リアライズシリウス津村明秀牡355.06.02美浦・ウッド・良(津村明)
6F 79.7-64.7-49.8-36.0-11.2(強め)
フォルラニーニ(強め)の内0.7秒追走・0.1秒先着
美浦・ウッド・良(津村明)
6F 84.1-67.4-52.3-37.5-11.3(馬なり)
612アスクエジンバラ岩田康誠牡355.030.812栗東・CW・良(岩田望)
7F 97.6-66.9-52.2-37.2-11.8(末一杯)
マテンロウアワー(強め)の内1.4秒追走・0.5秒先着
栗東・坂路・良(岩田康)
800m 57.1-40.1-25.1-12.1(馬なり)
713パントルナイーフC.ルメール牡355.028.610美浦・ウッド・良(ルメール)
7F 97.1-67.0-52.2-37.8-11.6(馬なり)
ロッシニアーナ(馬なり)の内0.6秒追走・同入
美浦・ウッド・良(助手)
6F 81.7-66.2-51.9-37.6-11.2(馬なり)
サトノパトリオット(末強め)の外0.5秒先行・同入
714ゴーイントゥスカイ武豊牡355.010.83美浦・ウッド・稍重(石川裕)
6F 83.3-67.0-51.6-37.3-11.1(馬なり)
ライヒスアドラー(末強め)の内0.3秒追走・0.1秒遅れ
-
715フォルテアンジェロ荻野極牡355.024.19美浦・ウッド・稍重(荻野極)
6F 83.0-67.0-51.7-36.8-11.0(馬なり)
リアライズオーラム(一杯)の内0.4秒追走・0.4秒先着
-
816グリーンエナジー戸崎圭太牡355.021.68--
817ロブチェン松山弘平牡355.03.41栗東・CW・良(松山弘)
7F 96.0-65.4-51.0-36.2-11.2(末強め)
ハッコウイチウ(稍一杯)の内0.9秒追走・0.4秒先着
栗東・CW・良(助手)
4F 51.4-36.8-11.2(G前気合付)
818エムズビギンF.ゴンサルベス牡355.045.013栗東・CW・良(ゴンサルベス)
6F 80.4-64.9-50.7-37.1-11.6(馬なり)
栗東・ポリ・良(助手)
5F 70.9-54.8-40.7-11.9(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬0回3回1回18回0.0%13.6%18.2%
先行馬10回5回4回54回13.7%20.5%26.0%
差し馬7回10回12回140回4.1%10.1%17.2%
追い込み馬3回2回3回84回3.3%5.4%8.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠7回3回2回28回17.5%25.0%30.0%
2枠2回1回4回33回5.0%7.5%17.5%
3枠3回2回1回34回7.5%12.5%15.0%
4枠0回4回3回32回0%10.3%17.9%
5枠2回1回1回36回5.0%15.0%22.5%
6枠2回4回3回31回5.0%15.0%22.5%
7枠3回2回5回49回5.1%8.5%16.9%
8枠1回3回1回53回1.7%6.9%8.6%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ドゥラメンテ16回14回14回53回16.5%30.9%45.4%
ディープインパクト10回11回12回83回8.6%18.1%28.4%
ハーツクライ10回6回8回103回7.9%12.6%18.9%
ハービンジャー8回11回3回53回10.7%25.3%29.3%
キングカメハメハ8回6回2回30回17.4%30.4%34.8%
キタサンブラック7回4回4回39回13.0%20.4%27.8%
ルーラーシップ615回回8回61回6.7%23.3%32.2%
キズナ6回14回15回72回5.6%18.7%32.7%
エピファネイア6回5回8回50回8.7%15.9%27.5%
レイデオロ6回5回2回28回14.6%26.8%31.7%

日本ダービー(東京優駿)2026 - 過去10年のデータ傾向

一時期堅かった時代を経て、今では、皐月賞馬=1番人気で不穏な空気感を演出

1番人気2勝という、過去10年間のダービー成績表が、アヴェレージ的にも、かなり悪い傾向。 ロブチェンかライヒスアドラー、フォルテアンジェロが出遅れたではないとか、何なら、どさくさ紛れでコントレイル産駒2頭が、人気面でも上を行く可能性もあり、まだ読めない部分は大ありだが、ここに上原佑紀厩舎の馬は3頭いる。 第一冠目はグリーンエナジーで堅いと、髪を芝色に染め上げた名物トラックマンも出現したが、未だ、どの馬にもチャンスはあるとなるから、案外、こんな要素も勝ち負けの足かせになりかねないと思える。 1番人気快勝は6年ぶりだった皐月賞だから、明らかにコンピューターに管理されているかのようなオッズの変動に対し、王道のクラシックだけは…、というコウヘイ推しが広まる可能性はあるのだが、これも少し怖い。
過去2勝していると言っても、ホープフルS→皐月賞直行の2頭のみ。 トライアル経由組も、今一つである、1番人気の壁を越えるのは厳しい。 2着もジャスティンミラノ、ソールオリエンス、エフフォーリアという、皐月賞トライアルを経ていない無敗馬がライバルに屈したという構図。 強運ではあったが、今年ダービーに出走馬を送り込むコントレイルは、圧勝した上、静まり返るスタンドに感謝の意を伝えて、息を十分に整えていたくらいだから、細かい適性を抜きにすれば、少し能力が違った印象もある。 ローテはほぼ完璧では、ロケットスタートの共同通信杯を経て、逃げ勝った皐月賞馬のロブチェンは、様々なものと戦う不利な立場であるから、これが人気にならないと、むしろ、勝ち確なのではと思えてきた。 恐らく、1番人気であろうが…。

皐月負けの馬に復権をチャンスを与える神カード

大体の出走馬が重賞かオープンを勝っているのは当たり前であるが、前々走というフィルターをかけることで、皐月賞敗戦組の狙い目が明確になるシステムというのは、昔から同じ。 それこそ、90年代中盤までは、皐月賞組も東京2000MのNHK杯を叩いて、改めて、実力を試すケースが多かったわけだが、当時にしても、皐月賞から直行の組は王道ど真ん中。 NHKマイルC誕生により、代わりに、プリンシパルSと重賞格上げの青葉賞はできても、昔のような流れまでは出来ていない。 揉まれた経験…、という要素も、健在の黄金データであるわけだ。
トライアルや2月の1800・東西2重賞を勝っている馬を中心とし、皐月賞に出ている馬<皐月賞馬も含め>について、2レースに亘って、ダービー出走馬の傾向をほじくり出してみると、圧倒的な成績であった。 とりわけ、皐月賞馬が重賞連勝の形でダービーに出てくると、人気で崩れることはなく、東京初挑戦の関西馬がNHK杯廃止で激増しているような時代でもなくなっているから、馬券外はほとんどなし。 レース数とローテがほぼ同じのコントレイルとクロワデュノールが来るのは当然として、皐月賞馬連対4例が、これに当てはまり、巻き返しの惜敗組も大体これ。
前々走連外しのロブチェン、ライヒスアドラーらより、リアライズシリウスを推した理由はここ。 速い馬が勝つことには変わりない皐月賞よりも、レースの質が、先行馬の行く気一つ<伏兵の先行した時のリズム次第のところもある>で大きく変化する大箱コースであるから、同じリズムでは戦えない皐月賞上位組は、苦労も多いダービーになるだろう。

優先出走権獲得=予定通りの段取りで挑めるアドヴァンテージあり

今は皐月賞5着までに優先出走権、トライアルは重賞では連対、リステッドだと勝ち切らないと意味がないというトライアルの構図で、それなら、他の路線から周到な準備をして…、という流れがある。 皐月賞組が圧倒的に有利なのは、世界のトレンドにはない傾向なので、皐月賞そのものの価値が高いという見立ても当然あっていいだろう。
ここで、能力値を見極めながら、皐月賞に出てきた馬が、人気に左右されず、上位3頭に加わった時に、ダービーではどうなのかと調べたら、簡単に鉄板データが登場。 トライアルや京都新聞杯組の走りがまずまずのレベルで、時計は皐月賞並みにグレートだったことからも、ここの5頭<青葉賞2着のタイダルロックは残念ながら故障回避>は全て買うべきとなって、重賞未勝利のライヒスアドラーだけ、少しディープインパクト記念までの紆余曲折の中で連続好走の反動を気にして、今回はパスしたが、佐々木大輔騎手を応援する気持ちはひとつも変わらない。 ここで重視したいのが、賞金は足りていた組の扱い。
足りていない馬がダービー狙いの皐月賞参戦はよくあるが、皐月賞はタイトな高速戦。 最初から置かれていた馬には、前々走の価値ある主要レースでの好走が求められ、軸ではなくてもいいという△枠に振り分けられる立場になる一方、青葉賞や京都新聞杯も強い馬は出ていたし、賑やかなレースでもあったから、共同通信杯2着でもある京都新聞杯組のベレシートは、無敗馬のコンジェスタスと同格、相手はいくらか楽だったが、きさらぎ賞で火曜変更が完全に凶と出た寸胴ボディが一変の青葉賞勝ち馬・ゴーイントゥスカイもずっと主要路線で頑張っているから、評価落ちのない鞍上魅力もある一方で、実力はあの無茶苦茶は新馬勝ちの内容もあるから…。
さて、ここを推したくないというほどの、他のカテゴリーの馬がいるのかとなって、唯一、例外的な存在がいると思う筆者が、8月の時点で決め打った今年のダービー馬が出てくると決まって時点で、最初から決まっていたのだが、これもなかなか捨てがたい何かを持っている伏兵であったりする。

見事に悪夢の連敗だったようで、拾う神が現れたのは5頭は全てダークホース

近年でも、メガトン級のダービーでのダークホース台頭と言えば、2018年にトライアルホースとして健闘をみせたコズミックフォース、翌年の勝ち馬にして悲運の夭折となってしまったロジャーバローズが筆頭格。 共通点は言わずもがな、人気になる理由を持たなかった重賞未勝利の先入観があった伏兵であったという点。
他にも、3着には伏兵が飛び込んでくるケース、逃げ粘ることもあって、皐月賞で馬場と枠が不運すぎたヴェルトライゼンデの巻き返しが単勝66倍は、ファンの関心が皐月賞組の2強に集まりすぎた影響もあったのだろうが、2023年のハーツコンチェルトはトライアル2着馬で30倍は切っていた。 これに皐月賞2着→ダービー3着のヴェロックスは混じるから、全部人気薄だったわけではないが、ヴェロックスと同じ若葉S勝ちのマテンロウゲイルは、その前の重賞の結果なども含め、共通点は多く、接戦を制したことも1頭抜け出す競馬もしているから、オープン2勝のヴェロックスと、重賞2着もあるマテンロウゲイルとで、いいバランスでの天秤にはかけられる状況。
皐月賞の勝ちタイムを今年のレースに当てはめると、何と、16、17着馬 の走破タイムの方が少しだけ速いという数字上の比較からも、2019年も逆転が色々と起こったので<=皐月賞連対馬はダービーで連外し>、1:57.1でジャスティンミラノと同タイムだったマテンロウゲイルも、伏兵1番手に挙げて、何ら問題はないと、数字上は言える。
京成杯好走の実績があり、今年はその内容からも、レベルの高いレースだった。 意外と、皐月賞よりは距離が伸びたところで展望のあるレース…。 皐月賞、ホープフルSと同じ設定のディープインパクト記念のような価値を持ち始めたたかがG3の好走馬が、ここで再び見せるシーンを臨む。 どういうわけだか、ここにいつもあの強力な小回り適性抜群のファミリーが絡んでくるのだから、これも強調材料になるのかもしれない。

日本ダービー(東京優駿)2026- 出走予定馬の血統/成績/タイム

時は来た、天下分け目の戦い、2026クラシックの最重要局面

マテンロウゲイルの血統

父はダービー・東京優駿 2着のエピファネイア。 エフフォーリア、ダノンデサイルらが、見せ場十分の競馬をしている。 エピファネイア自身が有能な種牡馬であることを証明すると同時に、父シンボリクリスエス<ダービーは同じく2着、勝ったのが武豊というのも同じ、だから横山の血が騒ぐのだろうか…>のパワーが継承されていることを意味するという意味で、ロベルト系も日本の主流であることを再認識させる意味でも、この結果は大きかった。 ロベルト系全体で、ダービー馬は燃え尽き症候群に陥りやすい面はあるのだが、ダノンデサイルの長期の活躍は、自身の非凡な才能と優秀な管理者の技術あってのこともある。 楽勝であると、その消耗は最小限であるという好例だ。
母方は一転、ミスプロ系が3代重なる配合で、芝もダートも高速という南米・アルゼンチンの活躍馬も見られるから、かなりアンバランスな面もあるし、これで硬軟織り交ぜられたとする見解も立つという、難しい解釈を求められる配合。 ここ一番の結果が重要な面も大いに秘めるものの、ワールドプレミアの産駒が10F主要G1連覇の世代であるなら、コンセプトはほぼ同一とできる。
母父のキャンディライドはアルゼンチンから北米に移籍する逆パターンのレアケースであるが、半年早いサイクルにもめげず、夏のBCクラシック前哨戦に位置づけられるパシフィッククラシックを制し、メダグリアドーロを倒す大仕事をやってのけている。 キャリアは数少なかったが、これもトラックレコードで完勝。 母母父のディストーティドヒューマーが、チャーチルダウンズHをトラックレコードで勝ったことで、インパクトを残せたからこそ、BCクラシック勝ちのドロッセルマイヤーを出すなど、後継が有効な血を持つ馬として重宝されるようになったというきっかけ作りでもあったわけだが、今年は日本のテーオーエルビスが快時計で完勝した<今はG1のチャーチルダウンズSとなっている>のだから、世界は狭い。 おまけに、キャンディライドとは因縁のあるメダグリアドーロ直系の馬が、出戻り黒船となったのだから面白い。
ロベルトの血が入ったダービー馬では、ミスプロの3×4を持つレイデオロが、代表産駒に再びのし上がろうとするトロヴァトーレの活躍で、完成期の活躍の場が様々ということでも注目されている。 これはミスプロ同系配合のエンパイアメーカーが母父に入るので、場合によっては、マテンロウゲイルがここを勝って、翌週も…、というケースはあり得る。 理に適った配合でも、バランスを重視するのではなく、敢えて、強烈な逆の要素を抱える血を交えることで、爆発的な能力発揮を期待するならば、その才能を遺憾なく発揮させるに相応しいのはダービーではないのか。 レイデオロをダービーで一本釣りした筆者の脳裏には、こちらのシナリオ込みで、推し材料があると付け加えておきたい。

日本ダービー(東京優駿)2026 - レース展開と最終予想

見どころ満載というよりも、高速皐月賞の結果、世代レベルの低調さだけは消し去ることに大成功の大レコード決着だったという裏で、うごめき出した打倒王道路線組の刺客登場への期待感で、混戦に拍車がかかった格好でもあろう。 よくわからない感じの結果になったとしても、何一つ、驚きはない。 昔は2分前後の皐月賞レコード<2001年までは1994年ナリタブライアンに続いた掲示板組以外、2分を切って皐月賞を駆け抜けた馬は存在しなかった>であったものが、2002年の波乱年に1:58.5になり、今年はついに、シンボリルドルフのビゼンニシキ吹っ飛ばし騒動の皐月賞から42年経ち、2:01.1が快記録とされた時代を完全に忘れ去らせるに十分な、1:56.5で決着した。
前に行って飛ばすということではなく、芝の競馬らしく、高度な後傾のラップを展開し、2頭が粘り合ったという結果。 ワールドプレミアとポエティックフレアという珍妙な組み合わせは、2013年のローエングリンとエピファネイアと同等くらいに風変わりだったが、高速度に過ぎて、速い馬も軽い馬も吹っ飛んだ結果であり、2400適性に近い何かが一切問われていなかった皐月賞でもあった。 無論、ロブチェンとリアライズシリウスは特別な存在である一方で、余力を残した主流路線組と上げ潮のダービー狙いに一本化の組とで、大差ない組み合わせであることには変わりないと思うので、結果が振るわなかった主要ダービートライアル着外組の中で、常道とも言い換えられる、その前のトライアル勝ちを決めたマテンロウゲイルにターゲットを絞り込んだ…。
というのは、筆者の大嘘。 この世代のダービー本命指名は、彼のデビュー戦であった8/10の中京新馬で決定していたのである。 いかにも、鬼に笑われそうな典型のそれ…。
このレース。 謎の年功序列が発生した人気の順は、きれいにダービージョッキーが上位を占め、横山典弘、武豊、北村友一という、それでも最近大一番で男になった面々が、未来の有望株を駆り、初陣を迎えたのであった。 ところが、勝負はあっさり決着する。 ユタカ・アストロレガシーが好位付けを決める中で、中間5F通過・63.6秒のドスロー味方に、終いもしっかりと33.7秒を楽に叩き出し、見事なまでの完勝。
対するノリのマテンロウゲイルは、発進そのものより、ゲート内駐立が悪いせいか<熱心な応援サポーターの持ち馬というだけでなく、この点で指名された面もある>、皐月賞も同じ理由で勝負にならなかったわけだが、掛かり癖があることを理解する鞍上が、滅多なことで叱咤できる態勢ではなく、当然の後方待機から、3コーナーで一回位置を取り直し、直線は大外一気…。 勝ち馬の名を挙げているから、なんだか拍子抜けの間も否めないが、内にモタれながらのもうスパートで、メンバー上がりダントツの33.1秒で人気通りくらいの着順にまで押し上げてきたという2着。
しかし、運命は残酷だった。 武豊も期待の勝ち馬の方が早々に競走能力喪失の診断を受けるほどの故障で、ターフを去ることに。 他方、ギャラボーグ相手に強烈な上がり勝負で前にいた方が勝ったという2戦目も落としたマテンロウゲイルは、あろうことか、レースから引き揚げてきたところで、カメラマンの撮影機会が訪れた際、恐らくは、その作動した際の音や何かに驚いて、あろうことか滅多に馬から落とされることのない横山を振り落としてしまい、あらぬ方向へ突っ走っていってしまったとのこと。 恨み節をカメラマンにぶつける映像も一部で流されていたから、落馬は事実なのであろうが、札幌記念のフライングディスマウントからわずかひと月で何とも災難であった。
ギャラボーグも色々あって、西村騎手に手が替わって、強すぎる2歳女王には返り討ちの格好になってしまったものの、2着は死守した桜花賞が見事だっただけに、アクシデント発生のオークス回避は残念。 何か、色々他に故障だ何だと騒がしい中で、ふるい落とされなかったマテンロウゲイルは、すでにライバルになった面々が大事を経験している中で、大したものである。 伊達に、新馬1番人気の有望株ではない。
以降、横山和生騎手がみやこSでロードクロンヌに騎乗することもあって、セットで乗り込んだのをきっかけとし、課題のゲートもギリギリ合格の際どいラインを進みながら、主要路線に乗って2勝と重賞2着一回の好内容で皐月賞に出たのだが…。 因縁はどこまでいっても続くのか、肝心の高速戦のゲート内がやや不安のある動きで、ゲートそのものは出るには出ただが、すぐ内の武豊・ロードフィレールがディープインパクトほどではないしても、大きくバランスを崩した拍子に側方衝突。
和生騎手は潔く、ゲート内駐立を敗因に挙げていたが、前年のクロワデュノールとの接触事象の加害馬の騎乗者であるという自覚もあるのか、その不運は表立って敗因には挙げなかった。 それは武豊も同様。 互いに出が悪かったのが全てという見立ては、己の技術に対する自信と同時に、運のなさに対し、流儀に反したリアクションを取らないというプロフェッショナルとしての矜持を、今更ながら、見せつけられた気もする。 伏兵だから、さすがにこのレースでは言い訳はないだろうが、豊さんは近年の自身の不体裁によるペナルティに、文句たらたらのことが多いと風のうわさで聞いた。 武豊TVでそれを言うのは、あまり感心しないが…。
ちなみに、北村友一が新馬で乗っていたスカイストライプスは、安田翔伍厩舎ということもあって、次戦で横山典弘が騎乗し、位置を取りに行ったら、見事に暴走…。 この後にダートを使って、クリスチャンに褒められるほどの完勝を決めたが、以降はダートで4、3着。 先生、これはきっと、最後は芝で走る馬ですよ。 この頃までチンタラ走っていた、やる気のない馬ばかりで、動きは想像を遥かに下回ると酷評続きだったコントレイル産駒の中で、バドリナートやジーネキングと同じように、変わり種のタイプであったが、同じように掛かるタイプのネッタイヤライや先行力武器のテルヒコウら矢作勢と同じように、光の差した場面は、一応、この時期にはもうあったということは名誉のためにも書き残しておこう。
ただ、秋デビューのゴーイントゥスカイ<縁あって、武豊騎乗で直系父父と孫世代の馬との異色の3代制覇を狙う>、コンジェスタスは有馬記念当日デビューから、肝要な勝負レースを制して、親仔3代ダービー制覇、コンジェスタスに関しては無敗も含め、偉業に挑む段取りを整えてきたことには、明確な理由があったことも付け加えよう。 日本の競馬がかなり気性に頼って、クラシック戦線を切る抜けようとすることで、一時期の欧米の早すぎるサイクルのようなモデルを踏襲している形を取りたくもないのに、そうなってしまっているということには要注目。 イクイノックスは前向きであったが、晩成であったことも、また事実。 育成に携わる仕事人たちは、この反省を生かしたい。
もとい。 コントレイル産駒が混戦に拍車をかけていたのは事実だろうが、今度はどの馬も言い訳はできない。 コンジェスタスに敗れたベレシートも今回は賞金をため込んで、何とか出走にこぎつけた。
ただ、有効なキャリアを重ねた面々は、ダメージとの戦いを強いられるのであるから、高速レースにこれまで出番のなかった、一見、目立たないキャリアの馬には注目であろう。 コンジェスタスにベレシートの組み合わせになった京都新聞杯は、稀に見る高速レースで、上がりも近年では珍しく掛かっていた。 昨年稍重で完勝のショウヘイに対し、勝ちタイムで5秒近く速かった今年、出走の両者とも上がりタイムでは反対に1秒半ほど下回っている。 ベレシートもまた出たら前に行く可能性はあるが、反動と同時に、皐月賞よりも先行するだろう面々がスローに押さえる可能性がある中で、上がり勝負が見込まれる環境で、能力全開となるかは不透明。
それなら、同じように速いレース決着だった青葉賞勝ちのゴーイントゥスカイがいいとなり、これは上がりトップではないものの、33秒中盤で本番想定の前哨戦を乗り切ったことが、ここ数年のトライアル参戦から本番通用の面々と同格以上の数字であるとでき、これは掛け値なしで高評価できるとなって…。
本流の皐月賞で上がり上位馬を挙げると、出負けで馬群を捌いてきたフォルテアンジェロの33.4秒がベストであるが、正攻法のライヒスアドラーのメンバー4位タイ上がり2位タイのグリーンエナジーら、上原佑紀厩舎のタレントが全て有力になる中で、それなら、ゴーイントゥスカイも仲間に入るべきとなって、でも、レースになっていないというか、高速展開も読んだ後方待機の2位の1頭であるバステールも、これに少しだけ先着のマテンロウゲイルも怖いとなって、また大混乱。
前は強いが、レースに参加できたのか謎のような展開は、過去にもあったが、高速の皐月賞になった2002年タニノギムレット、2004年ハーツクライは、皐月賞の結果に関係なく、一つ中に主要レースを挟んで、ダービーで連対したことがある。 ハーツクライと同じく、皐月賞でもたつく前にも、色々とあるなかで若葉S勝ちの共通項は、案外、狙い目のサイン。 前に行って強いダイワメジャーが、皐月賞は完勝だったが、コスモバルク共々、ダートでは撃沈で、キングカメハメハとこのハーツクライが時代の流れを作る、と思わせるところまでいった。
思えば、ハーツクライはほぼ、武豊と横山典弘が作ったような馬である。 管理した橋口弘次郎元調教師に、悲願のダービー奪取を叶えた存在が、前年武豊でダービーを勝ったチームノースヒルズが送り込む、横山典弘鞍上のワンアンドオンリー=ハーツクライ産駒、というのは出来過ぎだが、今年もこれと似た光景を目にすることになるのかもしれない。 サンデー系に騎乗し、安定して結果を残し続ける武豊が、新馬戦を不利を乗り越えて勝ったゴーイントゥスカイとトライアルを制し、ディープの孫世代に乗って、7度目の戴冠を目指すという中で、ハーツクライみたいな戦績のマテンロウゲイルに、非ダービージョッキーだったノリちゃんではなく、ダービージョッキー・横山典弘として、桁違いの快騎乗で魅せたその10年後、さらにそれを上回るビックサプライズでエピファネイアとその仔に足りていないモノをすべて補いながら完勝を遂げたのは、わずか2年前であるが、この血の扱いづらさを最も体感できる一頭で、兄の方が先に…。
思えば、コントレイルと2年連続無敗二冠を目指したのは、武史騎手のエピファネイア産駒=エフフォーリアである。 コントレイルの復活ウインを1戦遅くして見せたのもエフフォーリア。 福永祐一も交え<調教師としての初ダービーは、アスクエジンバラを送り込む>、この3つの力が今回最も発揮されるのは、上がり最速4度記録のマテンロウゲイルであると考える。 あの皐月賞、人気で雨馬場に苦しんだダービー馬・ワグネリアンのレースと、どことなくそっくりであった。 ワンアンドオンリーが外からぶち抜いてきそうな感じの2014年のイスラボニータの勝ちタイムは、今年より3秒遅い。 ダービーはいつも2分24秒前後であるから、高速の時ほど、走破タイムはあまり気にしない方がいい、と自分を勇気づける筆者なのであった。