秋華賞2021【予想】
目次
秋華賞の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
2021年の牝馬三冠最終戦がついに開幕!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第26回 秋華賞 |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2021年10月17日(日曜) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 阪神競馬場 |
距離 | 芝2000m |
コース | 右回り |
賞金 | 1億円 |
レコードタイム | 1:57.2 |
秋華賞2021の出走予定馬と予想オッズ(枠順確定)
秋華賞2021の予想オッズと最終追い切り
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ | 1週前追い切り | 最終追い切り |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | スルーセブンシーズ | 大野拓弥 | 牝3 | 55.0 | 45.8 | 美浦・南W・良 6F 83.3-67.1-52.1-37.1-11.2(馬なり) | 美浦・南W・稍重 6F 83.3-66.5-52.1-38.2-12.0(馬なり) |
1 | 2 | ステラリア | 武豊 | 牝3 | 55.0 | 56.6 | 栗東・CW・良 6F 84.7-69.0-53.3-38.4-11.8(馬なり) | 栗東・CW・良 6F 84.7-68.4-53.0-38.7-11.9(馬なり) |
2 | 3 | クールキャット | 和田竜二 | 牝3 | 55.0 | 103.7 | 美浦・南W・良 5F 64.5-50.1-36.6-11.8(一杯) | 美浦・南W・稍重 5F 68.6-52.8-38.1-11.7(馬なり) |
2 | 4 | ソダシ | 吉田隼人 | 牝3 | 55.0 | 1.7 | 栗東・坂路・良 800m 50.2-37.2-24.7-12.6(馬なり) | 栗東・坂路・良 800m 55.0-40.0-25.5-12.2(馬なり) |
3 | 5 | エイシンヒテン | 松若風馬 | 牝3 | 55.0 | 62.3 | 栗東・CW・良 6F 82.9-66.1-50.3-36.7-11.7(馬なり) | 栗東・CW・良 6F 85.9-70.7-55.9-41.2-12.7(馬なり) |
3 | 6 | スライリー | 石川裕紀人 | 牝3 | 55.0 | 206.5 | 美浦・南W・良 5F 68.5-52.9-38.3-11.6(G前仕掛け) | 美浦・南W・稍重 6F 85.7-69.0-54.3-40.0-12.9(馬なり) |
4 | 7 | サルファーコスモス | 川田将雅 | 牝3 | 55.0 | 114.3 | 栗東・CW・良 6F 84.1-67.4-53.2-39.2-12.0(馬なり) | 栗東・CW・良 6F 86.9-69.4-53.7-39.3-12.9(直強め) |
4 | 8 | エンスージアズム | 岩田望来 | 牝3 | 55.0 | 309.4 | 栗東・CW・良 6F 83.6-66.5-51.3-38.0-12.2(一杯) | 栗東・CW・良 4F 52.8-38.6-12.7(馬なり) |
5 | 9 | アンドヴァラナウト | 福永祐一 | 牝3 | 55.0 | 6.5 | 栗東・坂路・良 800m 52.8-38.5-25.2-12.4(馬なり) | 栗東・坂路・良 800m 54.0-38.7-25.0-12.2(馬なり) |
5 | 10 | アールドヴィーヴル | 松山弘平 | 牝3 | 55.0 | 29.4 | 栗東・坂路・良 800m 55.6-40.1-26.2-13.2(馬なり) | 栗東・坂路・良 800m 55.5-39.3-25.5-12.6(馬なり) |
6 | 11 | ユーバーレーベン | M. デムーロ | 牝3 | 55.0 | 7.8 | 美浦・南W・良 5F 71.1-55.2-39.4-11.4(G前仕掛け) | 美浦・南W・稍重 5F 67.8-52.5-38.1-11.9(馬なり) |
6 | 12 | アカイトリノムスメ | 戸崎圭太 | 牝3 | 55.0 | 6.4 | 美浦・南W・良 5F 64.9-50.8-37.0-11.4(一杯) | 美浦・南W・稍重 5F 68.6-53.1-38.0-11.8(馬なり) |
7 | 13 | ホウオウイクセル | 丸田恭介 | 牝3 | 55.0 | 189.6 | 美浦・南W・良 6F 84.0-67.0-52.0-37.5-11.9(馬なり) | 美浦・坂路・稍重 800m 54.0-39.7-25.3-12.5(馬なり) |
7 | 14 | ファインルージュ | C. ルメール | 牝3 | 55.0 | 5.7 | 美浦・南W・良 6F 85.4-69.8-54.5-39.1-11.9(馬なり) | 美浦・南W・稍重 5F 68.7-53.6-38.4-11.5(馬なり) |
8 | 15 | アナザーリリック | 津村明秀 | 牝3 | 55.0 | 37.4 | 美浦・南W・良 5F 67.8-52.2-37.1-11.5(G前仕掛け) | 美浦・南W・稍重 5F 68.1-52.5-37.6-12.3(一杯) |
8 | 16 | ミスフィガロ | 川田将雅 | 牝3 | 55.0 | 74.6 | 栗東・ポリ・良 5F 66.8-51.3-37.7-11.2(馬なり) | 栗東・ポリ・良 4F 58.1-42.4-13.1(馬なり) |
秋華賞予想2021 - 過去10年のデータ傾向
古馬重賞勝ち馬は歴史的には怪しい存在となるが、G2勝ちとなるは話は別
クラシック好走馬を適当に扱ってはならない時代だ。
どの国のクラシック競走でも、その最終戦であるとか3歳戦の仕上げとして使った一戦などで、古馬との戦いを睨んだある種の完成形を見せる舞台にとなるのは自然なこと。
同期同士に力の差を見せつけておきたいということがあるから、むしろ、本家イギリスのスタイルをそのまま反映した日本のクラシックでは、春に大舞台を使われなかったグループにもいくらでもチャンスが訪れる。
開催年 | 馬場状態 | 着順 | 馬名 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 制した古馬重賞 | クラシック戦成績 | 前走 | 父名 | 次走着順 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996年 | 良 | 11着 | ヒシナタリー | 5回 | 2回 | 2回 | 3回 | 小倉記念 | ローズS(1着) | 宝塚記念(4着) | シアトルスルー | 7着 |
1997年 | 良 | 1着 | メジロドーベル | 6回 | 1回 | 1回 | 0回 | オールカマー | 桜花賞(2着) | 優駿牝馬(1着) | メジロライアン | 8着 |
2003年 | 良 | 6着 | オースミハルカ | 4回 | 0回 | 2回 | 2回 | クイーンS | 桜花賞(6着) | 優駿牝馬(10着) | フサイチコンコルド | 9着 |
2003年 | 良 | 16着 | レマーズガール | 4回 | 3回 | 3回 | 3回 | スパーキングレディC | 前走・クイーン賞(3着) | - | デフレール | 7着 |
2006年 | 良 | 10着 | ソリッドプラチナム | 3回 | 1回 | 1回 | 4回 | マーメイドS | 前走・ローズS(5着) | - | ステイゴールド | 6着 |
2010年 | 良 | 3着 | アプリコットフィズ | 3回 | 1回 | 0回 | 2回 | クイーンS | 桜花賞(6着) | 優駿牝馬(5着) | ジャングルポケット | 14着 |
2011年 | 稍 | 1着 | アヴェンチュラ | 3回 | 1回 | 0回 | 1回 | クイーンS | 前走・クイーンS(1着) | - | ジャングルポケット | 2着 |
2012年 | 良 | 6着 | アイムユアーズ | 4回 | 2回 | 2回 | 1回 | クイーンS | 桜花賞(3着) | 優駿牝馬(4着) | ファルプラヴ | 10着 |
2017年 | 重 | 7着 | アエロリット | 3回 | 3回 | 0回 | 1回 | クイーンS | 桜花賞(5着) | 前走・桜花賞(5着) | クロフネ | 2着 |
2018年 | 良 | 7着 | プリモシーン | 3回 | 1回 | 0回 | 2回 | 関屋記念 | 桜花賞(10着) | 前走・桜花賞(5着) | ディープインパクト | 8着 |
春は春で消耗は激しい。
よく考えると、そういう刺客が当然毎年のように登場してくるだろう状況で、前走が古馬重賞というのは、本流組ばかりがそのローテを取れるので、次走で再び古馬と当たるのであるから、あまり有利なことはない。
菊花賞では前走古馬重賞という馬は、11月開催時代に京都大賞典で初の長距離輸送を経験したセイウンスカイが、連続の逃げ切り勝ちを決めて以来、まるで用なし。
一方、クイーンSという枠がある牝馬戦線では、その組ももちろんいて、そこで好走して人気になることも、アヴェンチュラのように連勝した馬も存在し、全25回でメジロドーベル<オールカマー逃げ切りからの連勝>と合わせて2頭の勝ち馬が登場。
ただし、札幌記念を勝った牝馬はそれがG2になってからは存在しないから、参考材料もない。
古馬勢の層が薄く、条件戦同様3歳馬が、威勢のいいところを見せている状況は、斤量利以上の迫力はあるが、ソダシの実力を疑うことはないので、阪神変更問題と距離適性などを詰めるという以外は、死角はないとできる。
オークス負けなので、負担は札幌記念2着→秋華賞2位入線の二冠・ブエナビスタよりは楽と見られる。
阪神2000の死角だけを突き詰めていくべきか。データ上は例外といえる。
オークスから直行の伏兵は怪しいから、買うならアカイトリノムスメだけの方がいい
オークスから直行の馬は、いつの時代にも多くいて、負けていた馬がぶっつけで勝ったというのは、実は一度もないというのがポイント。
故に、分類はトライアル等参戦の組に、オークス出走馬もかなりの数取り込まれていることになる。
負けたら選択肢はない。
その代わり、ちょい負けの組や連続好走の馬は、変に桜花賞だけ勝った馬などよりはずっと妙味はある。
順当なトライアル叩きのアールドヴィーヴルはまだキャリアも浅いし、オークス負けとて、桜花賞には出走していて遠征の不利はもうないアカイトリノムスメも、アパパネ<2010年の三冠馬>の血を引いているというだけでも買い材料。
あまり秋華賞の母娘制覇に興味が注がれることはないが、つまりは彼女は最初の2代制覇がかかる歴史的存在とも言える。
<ジェラルディーナにも当然チャンスがある。アパパネの2年後に登場の三冠馬・ジェンティルドンナが母親>
前段の通り、叩いているアールドヴィーヴルの方が幾らか有利なのは事実だが、能力的な格差などはなく、距離適性などは全く同じだろう。
血統背景は、組み合わせが逆でベースのラインが欧州型か北米型かの差があるくらいで、これまでの戦績通りの力量差で、買うなら一緒、消すのも一緒という感じになる。
その他直行組は、阪神が敵にも味方になりそうなユーバーレーベンだけが問題になりそうで、桜花賞を経ていない関東馬は、過去ほとんど用なしという感じでもあるから、人気の差が開いた2、3番人気いずれかということで、大体の位置づけは見えているから、妙味がなくても押さえるべきという人以外には、あまり勧められないとしておく。
紫苑Sブームはしばらく停滞の兆候
案外揮わないのが、この紫苑S組。
過去は3勝で、うち2着馬が2つ制しているということでは、勝つことの妙味には乏しい。
だから、普段はオッズに妙味のある惜敗組を押さえたいとなるが、それは穴で台頭の3着以下だった人気馬は2着に入るという傾向が強く出ていることが、一つのスタイル。
だいたい、ローズSに関西馬が出てきて、そこから中3週というわけで、層の厚い関西勢は基本的には桜花賞と同じくらい有利。
関東馬は桜花賞の洗礼を浴びており、その前に激しい道悪競馬や桜花賞前で中距離戦の経験があるなど、理屈に合わない伏兵は世代のトップクラスが集う秋華賞ではなかなか出番がない。
勝った馬が強いというより、強い馬が順当に勝つ近年の傾向からも、ファインルージュとて例外なく、相手の筆頭とするか否かで、少々迷うくらいな程度の評価に止めた方が賢明だろう。
ローズS組を買える条件は、クラシック好走の連対馬と中団より前から抜け出しかかった惜敗の上がり馬
思ったより絡んでこないローズS組とはいえ、昨年とは違い、コーナー4つでタフな急坂を最後は上っていくコース形態も同じ中京-阪神の関係性から、幾らか昨年よりは繋がりがありそう。
普段は外回りのスロー必至な1800から、内回りでハイペースも多い2000に変化するから、先行型以外、大体出番のある馬は一変するもの。
しかし、上手に運んだ今年のローズS上位組は、賞金の関係から好走しないと苦しかったが、権利を無理なく上手にゲットの上、小回りへの対応力も示したから上々の結果。
ただ、ステラリアに春は完敗のエイシンヒテンが、今度はアンドヴァラナウトにねじ伏せられているから、もっと強い先行型のソダシがいる以上、苦しい立場になる。
その他で妙味がありそうな差せる伏兵は見当たらなかったから、勝った血統馬、負けた実績上位のこれも良血牝馬を押さえるに限るという感じか。
例年の傾向がコース変更で大きく変化するような感じもなく、昔の阪神2000→京都2000のコネクションよりまた求められる力に大きな差はない印象のコース特性から、好走した人気馬を無難に買いたいのが、本来は秋華賞に最もコネクションを持つローズS組の取捨のポイントとなるはずだ。
少なくとも、昨年のリアアメリアのような粘りの足らないアメリカンなスピードタイプのようなレースをするような血統構成でもない両者は、まず切ったところで妙味はない。
札幌2歳S連対の両者の競馬になるとする考えになったとして、アンドヴァラナウトを切る理由は見つからない。
秋華賞予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
名血ダイナカール一族の悲願である、クラシック・3歳タイトル最終戦の戴冠にいよいよリーチを賭け、上がりまで持ち込みたいという一戦。
今更、何も説明は要らないパロクサイド→ダイナカール由来の超A級牝系の活躍馬であり、母グルヴェイグは通算【5・2・1・3】と好成績を挙げながらも、祖母エアグルーヴが骨折休養明け緒戦に制した4歳時のマーメイドS優勝で、競走生活を終えた未完の血統馬だった。
ちなみに、エアグルーヴが制したオークスにも、半姉のアドマイヤグルーヴが連覇しているエリザベス女王杯にも出走していたということでは、一介の条件馬ではなかったとできる。
陣営にもそれだけの期待があったディープ産駒だったのだということが、手に取るようにわかる戦績だ。
近10年では、母というか祖母エアグルーヴが絡む期待のキングカメハメハ産駒が競走馬としても種牡馬としても、血統のイメージ通りに活躍している。
エアグルーヴ直仔のルーラーシップは、自身が日本の競走の規格に合わないような戦績で、香港でG1を快勝してからはまるでまともに走らなかったが、その様な特性を引き継いだようで、真逆のようにも思える菊花賞馬のキセキは、初期に登場しているからこそ価値がある。
キセキがまだ幼い頃に、日本のトップホースとなっていたのが2015年の牡馬クラシック二冠馬・ドゥラメンテだ。
まるで規格外ということではキセキと同じだったが、彼には条件は関係なかった。
その代わり、自分が動ける状況が自身の精神状態なり、フィジカル面の充実なり縛りが多く、パワー全開の皐月賞・ダービーでほとんど競走能力の全てを出し切ったようなところもあった。
キセキとよく似た配合になるアンドヴァラナウトは、バランス型のようなところがあって、クラシック最終戦の優勝ということでは、臨戦過程も似ている両者は牝馬なら秋華賞で期待したい、という論法も成り立たないわけではない。
ちなみに、秋華賞におけるパロクサイド系の参戦成績は以下の通り。
参戦年 着順 <アンドヴァラナウトとの関係性
- ・好走馬→2003年 2着 アドマイヤグルーヴ<伯母>
- ・その他1番人気→1996年 10着 エアグルーヴ<祖母>
- ・他の着外馬→
1998年 4着 エガオヲミセテ<母母ダイナカールは3代母>
2000年 8着 マターラミツル<3代母パロクサイドは同系牝祖>
2001年 11着 アドマイヤハッピー<エガオヲミセテの半妹>
2012年 6着 アイムユアーズ<3代母ダイナカールで共通>
2018年 15着 ハーレムライン<マターラミツルの近親>
ルーラーシップやドゥラメンテが菊花賞に全く縁がなかったように、出てきても好走できなかったパロクサイド系の面々と、唯一無事に走り切りながら三冠を許したアドマイヤグルーヴとで、まるで縁のないところが目立つ傾向。
元より、牝馬がよく走り、牝系の広がりが仔出しの良さで容易に可能になるような、繁殖能力の旺盛な系統。
アンドヴァラナウトが叶えられなくとも、いずれは秋華賞を勝てるかもしれない。
デビュー戦は2番人気2着。
11月阪神のマイル戦であった。勝った人気のレゾンドゥスリールは、真面目に走らない馬だから、今でも1勝馬のままだが、シンザン記念でも穴人気と期待を集めた。
2戦目は暮れの阪神1800で再び、2番人気2着。
勝ち切ったタガノディアーナもまた、新馬戦で敗れたのと同じ1番人気馬で、牝馬のタガノディアーナにキレ負け。
ただ、忘れな草賞で人気になって敗れてからは、ローズS5着という結果で、立場逆転となった。
間を置いて、春の阪神延長開催のマイル戦に出てきたころには、身体も今の目方になって438kgで出走。
普段なら桜花賞のレコード級とされるような1:33.4で勝ち切り、続く中京こそ逃げて失敗の2着からは、卒なく正しい競馬で連勝している。
勝つ時も負ける時も、全て0.2秒以上の差がつく。
つまり、小差というよりは僅差という競馬の経験はないのである。
ところがこの馬。
回りも関係なく、時計面の不安があるのかないのかよくわからないままに、【3・3・0・0】としているのだ。
実は、母母にあたるエアグルーヴが、オークスを制して秋華賞に挑んだ段階で、【4・2・0・0】なのだ。
戦績の内容はともかく、繰り返される性質の遺伝力に疑う余地はない。
一族唯一のダービーウイナーであるドゥラメンテも、従兄妹の関係性であるから気になるところで、ダービー完勝時点で【4・2・0・0】ということだから、もう奇縁ではなく、そういう血筋なのである。
勝つ時はいつも1馬身程度は最低でもつけて、勝ち切る要素を備えた東京では強かった。
東京とは本質で似つかない新潟ながら、好位から悠々抜け出し、逃げ負けた後の一戦でしっかりと終いまで余裕を持って押し切っていることで、福永騎手は自信を持って、前走はある程度差す形に拘りつつ、正攻法を大切にした仕掛けでこれも完勝としている。
まさに3歳シリーズにおける「勝ち切る形」を継承した血統馬、同族の特性を余すことなく体現した結果は、その鞍上との繋がりにおいても、充実度を如実に反映した結果をもたらす、勝利の女神に似た副産物を与えてきたのだ。
位 | 種牡馬 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | ディープインパクト | 36回 | 36回 | 26回 | 255回 | 14.2% | 28.5% | 38.7% |
2位 | ハーツクライ | 20回 | 18回 | 14回 | 124回 | 11.4% | 21.6% | 29.5% |
3位 | キングカメハメハ | 19回 | 15回 | 11回 | 78回 | 15.4% | 27.6% | 36.6% |
4位 | ハービンジャー | 15回 | 12回 | 20回 | 96回 | 10.5% | 18.9% | 32.9% |
5位 | ルーラーシップ | 10回 | 11回 | 10回 | 82回 | 8.8% | 18.6% | 27.4% |
6位 | オルフェーヴル | 8回 | 9回 | 9回 | 59回 | 9.4% | 20% | 30.6% |
7位 | ステイゴールド | 8回 | 5回 | 8回 | 58回 | 10.1% | 16.5% | 26.6% |
8位 | キズナ | 7回 | 6回 | 4回 | 39回 | 12.5% | 23.2% | 30.4% |
9位 | ロードカナロア | 7回 | 5回 | 4回 | 34回 | 14% | 24% | 32% |
10位 | ヴィクトワールピサ | 5回 | 4回 | 3回 | 46回 | 8.6% | 15.5% | 20.7% |
・1983年 ダイナカール <優駿牝馬優勝/ 岡部幸雄騎手→翌年シンボリルドルフと共に無敗で三冠達成>
・1996年 エアグルーヴ <優駿牝馬優勝/ 武豊騎手→2年後にダービー初制覇後、翌年も制し連覇>
・2015年 ドゥラメンテ <皐月賞・東京優駿優勝/ ミルコ・デムーロ騎手→JRA所属元年、12月にもG1を2勝>
・2021年 アンドヴァラナウト <ローズS優勝後初戦/ 福永祐一騎手→4年でダービー3勝以上の何かがあるのか?>
みんなベテランになった後のイメージがあるが、今こそ絶頂期の福永祐一にヴァンドギャルドが、BCマイル優勝のチャンスを与えてくれるのか。
それとも、昨秋散々コケにされたルメール相手に、スプリンターSで見たような圧巻の倍返しを今年は魅せるのか。
秋華賞予想2021 - レース展開と最終予想
何だか、占いのツールみたくなっているパロクサイドの主流系の活躍馬は、しっかりとした結果を求めた方が後腐れもなく、幸運のスパイラルというやつを少なくとも騎手に分け与えてくれるのである。
勝負には興味があっても、重要なポイントを勝つための手順と今すべきこととのバランスとした時、今の福永騎手ならば、もしかすると他の騎手では勝ち切れなかっただろうダービーやスプリンターズSに挑んだ若々しすぎる才能らのように、いとも容易く勝利に導いてしまう可能性がある。
長く、秋の開催は京都のレースが絶対組まれていたが、40年ぶりに開催なしの流れは、ほとんどのファンには未経験の事。
まだ祐一騎手も幼い頃、ご尊父が落馬事故に遭ったすぐ後の次代というべき世界が始まった頃で、世界のオカベも覚醒直前、柴田善臣、横山典弘、武豊といったレジェンドジョッキーらも10歳を過ぎたばかりの時代の話だ。
阪神で秋華賞というのは、もうずっと後にならないと再度開催はないはずだから、ワンチャンスという見方もできる。
ダイナカールにはノーザンテースト、エアグルーヴには凱旋門賞馬のトニービンの血が父としてそれぞれ入る。
ドゥラメンテとアンドヴァラナウトは血統構成はほとんど同じだが、キングカメハメハとディープインパクトというダービーレコードコンビが後者には両方入り込み、そのコンビの走破タイムを最初に超えたのが、天才競走馬のドゥラメンテだった。
縁もゆかりもないブラッドストーリーなど存在しないように、そんなドゥラメンテの遺志を継げる存在として、彼が一族の長年の課題としたコーナー4つの右回りG1を弾けるように駆けたのと似た形態といえる阪神で、今度はアンドヴァラナウトが弾けるシーンを期待したい。
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1回 | 4回 | 2回 | 32回 | 2.6% | 12.8% | 17.9% |
2枠 | 2回 | 2回 | 4回 | 31回 | 5.1% | 10.3% | 20.5% |
3枠 | 3回 | 1回 | 4回 | 32回 | 7.5% | 10% | 20% |
4枠 | 1回 | 2回 | 1回 | 36回 | 2.5% | 7.5% | 10% |
5枠 | 1回 | 4回 | 0回 | 35回 | 2.5% | 12.5% | 12.5% |
6枠 | 4回 | 2回 | 3回 | 31回 | 10% | 15% | 22.5% |
7枠 | 5回 | 1回 | 5回 | 48回 | 8.5% | 10.2% | 18.6% |
8枠 | 3回 | 4回 | 1回 | 52回 | 5.0% | 11.7% | 13.3% |
ローテはハードだが、時計面の極端な強調点がないことが魅力。
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逃げ馬 | 1回 | 2回 | 1回 | 20回 | 4.2% | 12.5% | 16.7% |
先行馬 | 3回 | 4回 | 4回 | 55回 | 4.5% | 10.6% | 16.7% |
差し馬 | 15回 | 9回 | 14回 | 124回 | 9.3% | 14.8% | 23.5% |
追込馬 | 1回 | 5回 | 1回 | 98回 | 1.0% | 5.7% | 6.7% |
本番で速く走れば、それでいいというのはドゥラメンテの教えでもある。
社台の牝系の中でも、大いに自慢できるネヴァーセイダイ<英ダービー、セントレジャー快勝>を父に持つ芝血統のパロクサイドが、大いに働いてくれたその象徴的な存在として、仏G1・フォレ賞勝ちのガーサント-ノーザンテーストを代重ねした後、いよいよ、A級競走馬の優秀な血を再び入れた成功の形が、結果となって現れている強みがある。
壁を乗り越えた時に、また次なる挑戦の構図が生まれる。
飽くなき挑戦を忘れかけている社台系の生産グループにとって、アンドヴァラナウトがG1を勝つことの意味はあまりにも大きい。
人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 7回 | 3回 | 3回 | 7回 | 35% | 50% | 65% |
2番人気 | 7回 | 4回 | 1回 | 8回 | 35% | 55% | 60% |
3番人気 | 4回 | 2回 | 2回 | 12回 | 20% | 30% | 40% |
4番人気 | 1回 | 2回 | 2回 | 15回 | 5% | 15% | 25% |
5番人気 | 0回 | 4回 | 2回 | 14回 | 0% | 20% | 30% |
6~9番人気 | 0回 | 4回 | 6回 | 70回 | 0% | 5% | 12.5% |
10番人気以下 | 1回 | 1回 | 4回 | 171回 | 0.6% | 1.1% | 3.4% |